英1000ギニー、ディヴァインライト産駒ナタゴラが優勝(netkeiba.com)
オウマイガッ!!(笑)
なんということでしょう、ディヴァインライト(1995.5.10)の仔であるNatagora(2005.2.18)が、英1000ギニー(GI)まで勝ってしまいましたよ。凄いなぁ。これは歴史的快挙!!
主な勝ち鞍が「テレビ山梨杯(準OP)」であるディヴァインライトが、まさか英クラシックホースの父になるなんて、種牡馬入り当初、誰が予想したでしょうか。ええ、もちろん、私も思いもよりませんでした(笑)
こうなると、ディヴァインライトの能力について中島理論的に求められる回答としては、
- 父サンデーサイレンス(1986.3.25)の0交配
- 22号族ナイトライト(1953)系の意外なほどの種牡馬能力の高さ
- 反骨精神
というところでしょうか。
1点目。「Sire of Sires」となりつつあるサンデーサイレンス。今春もフジキセキ(1992.4.15)産駒のSun Classique(2003.10.2)がドバイシーマクラシック(UAEGI)を制するなど、改めて、その血が世界で大いに認められつつあります。また、他にもジェニュイン(1992.4.28)、タヤスツヨシ(1992.4.26)、バブルガムフェロー(1993.4.11)など、南半球でシャトル供用されている種牡馬たちの仔も、オセアニアのGIレースで勝利を収めており、その血の確かさを見せつけています。
ただ、日本において目立った海外勝利として取り上げられているSS産駒の種牡馬といえば、アメリカンオークス招待S(米GI)を制した「Japanese Super Star」シーザリオ(2002.3.31)の父スペシャルウィーク(1995.5.2)、そして今回のディヴァインライトではないでしょうか。
ええ、両種牡馬に共通するところが「SSが満8歳時の0交配」ということですね。
*
2点目。ナイトライトの子孫、ひいてはシャダイプリマ(1970.2.11)の孫の、種牡馬としての一発はなかなか豪快です。皐月賞(現JpnI)馬ダイナコスモス(1983.3.25)はマイル8戦8勝のGI2勝馬トロットサンダー(1989.5.10)の父となり、そしてディヴァインライトは1マイルの英クラシック勝ち馬の父となりました。
- ダイナコスモス「ハンターコム×ノーザンテースト×マリーノ×ラティフィケイション」
- ディヴァインライト「★サンデーサイレンス×ノーザンテースト×マリーノ×ラティフィケイション」
牝系の持つ遺伝力。父となった時に現れたり、母となった時に現れたり、まちまちではありますが、この22号族の両頭は種牡馬としてホームランを放っていますね。
*
3点目。期せずして月刊「優駿」2008年5月号にて「非GI勝ち馬が種牡馬入りする理由」なる企画がなされています。「こんな中島理論使いが喜びそうなことを書かれるのは、恐らく吉沢譲治さんやろうなぁ」と思っていたら、案の定、吉沢さんによるものでした(笑)
詳しくは記事をご参照願いますが、この辺境Webでもちょいと触れておくと、
- フレンチデピュティ(1992.1.30)=ジェロームH(米GII)勝ち馬
- クロフネ(1998.3.31)=ジャパンカップダート(GI)勝ち馬
- アドマイヤジュピタ(2003.3.1)=天皇賞・春(GI)勝ち馬
- レジネッタ(2005.5.11)=桜花賞(JpnI)勝ち馬
- ピンクカメオ(2004.4.24)=NHKマイルカップ(JpnI)勝ち馬
- ノボジャック(1997.3.24)=JBCスプリント(現JpnI)勝ち馬
- フレンドシップ(2003.5.9)=ジャパンダートダービー(現JpnI)勝ち馬
- エンドスウィープ(1991.5.31)=ハイランダーS(加GIであるものの、当時は国際ノングレード)勝ち馬
- アドマイヤムーン(2003.2.23)=ジャパンカップ(GI)勝ち馬
- スイープトウショウ(2001.5.9)=宝塚記念(GI)勝ち馬
- ラインクラフト(2002.4.4)=桜花賞勝ち馬
- サウスヴィグラス(1996.4.19)=JBCスプリント勝ち馬
と、マイナーの域を出ない競走成績で終わった馬が、近年の日本のジーワン勝ち馬の父として名を連ねています。
そして、ディヴァインライトも、フレンチデピュティやエンドスウィープと同様に、マイナーな競走成績で終わった馬でした。上述した主な勝ち鞍テレビ山梨杯の他には、高松宮記念(GI)2着、マイラーズカップ(GII)2着、東京新聞杯(GIII)2着、阪急杯(GIII)2着と、好戦はするものの、重賞ではどうしてもあと一歩届きませんでした。
「なにくそ、種馬として世間を見返してやるわい!!」
フレンチデピュティやディヴァインライトがそう思っているかは分かりませんが(笑)、マイナーを覆そうとする反骨精神、ボスを目指す上昇志向が、種牡馬としての能力を支える一端になっているのかも知れませんね。
*
また、ディヴァインライトが英1000ギニー勝ち馬の父となったもうひとつの理由として、やはり彼の地では「SSの血の頻度が低い」ということが挙げられるのではないでしょうか。ましてや、ディヴァインライトの仏国初年度の種付け数は「22頭」-当初は種付け数を8頭としておりましたが、正しくは22頭でした。あいすみません-だったとか。そして、生誕した産駒8頭のうちの1頭が、Natagoraでした。
SSの血は、おそらく、Northern Dancer(1961.5.27)やSt.Simon(1881)に勝るとも劣らない世界的な爆発力を持った血ですけれど、まだまだ日本国内で封じ込められています。
解き放たれたSSの血が、もっともっと、世界で疾走するところを見てみたいものです。
ディヴァインライト(JPN) 鹿毛 1995.5.10 種付け時活性値:0.25 |
★ サンデーサイレンス 青鹿毛 1986.3.25 |
★Halo 黒鹿毛 1969.2.7 |
Hail to Reason 1958.4.18 |
Cosmah 1953.4.4 | |||
Wishing Well 鹿毛 1975.4.12 |
Understanding 1963 | ||
Mountain Flower 1964 | |||
メルドスポート 栃栗毛 1979.4.5 |
ノーザンテースト 栗毛 1971.3.15 |
Northern Dancer 1961.5.27 | |
Lady Victoria 1962 | |||
シャダイプリマ 鹿毛 1970.2.11 |
マリーノ 1956.3.6 | ||
ナイトアンドデイ 1962.3.28 | |||
Reinamixa(FR) 芦毛 1994.5.9 仔受胎時活性値:0.50 |
Linamix(FR) 芦毛 1987.2.5 種付け時活性値:1.50 |
メンデス 芦毛 1981.4.2 |
ベリファ 1976.2.28 |
Miss Carina 1975.3.3 | |||
Lunadix 芦毛 1972.2.29 |
Breton 1967 | ||
Lutine 1966 | |||
Reine Margie(FR) 栗毛 1981.2.23 仔受胎時活性値:1.00 |
Margouillat(FR) 鹿毛 1970.2.28 種付け時活性値:0.50 |
ダイアトム 1962 | |
Tita 1964.5.5 | |||
Reine Des Sables(FR) 栗毛 1966.3.2 仔受胎時活性値:1.50 |
★ミンシオ(FR) 鹿毛 1957.3.2 種付け時活性値:0.00 |
||
Begrolles(FR) 栗毛 1956.3.14 仔受胎時活性値:0.25(F4-I) |
しかし、日本語表記を含めた4代血統表を作成すると、カタカナ馬名の馬が多いですね(笑)。まま、それもまたNatagoraに親近感を覚えるところです。
ではでは、今日はこのへんで♪
コメント
ディヴァインライトにさそわれて、書き込みに来ました。実は、POGに指名していたのですよ、その昔。
私も中島理論にはまって以来、このサイトは見続けてきたのですが、これほどうれしかったのは久しぶりです。
母系の活性値が異様に高かったことと、血統解説の通りサンデーの0遺伝ということ、近親とをみて下位指名したのですが、他の参加者には、「年明けデビューで、連勝、皐月賞、ダビーに出走したことはすごい」と厩舎、当時は不思議がられました。
そして、最後に勝ったテレビ山梨杯後の武騎手のインタビュー「さすがにクラシックで活躍していただけの実力はありますね。」って言ってもらえたのも、良く覚えています。
ところで、今年はというと、稼ぎ頭がビーチアイドル。。。「マウリツィオ・コッレオーニ」氏(笑)ご推奨のスマイルオンザランを指名していた、ということで良しとします、どうしても、アイアムジャンヌやナムラハーン、トウショウクエストなどを指名してしまい、、ここのところ負けが込んでます(笑)。
私も、歯の調子と精神的な調子が悪くて、2年前にはPOGを休んだほどでした。お互い、ほそく、長く、のんびりいきましょう!
◎いたづら様
大変ご無沙汰しておりました。
>ディヴァインライト
おお、かつてPOGで指名されていたのですね。見事な慧眼です。
SSの0遺伝、料的遺伝値の総和「7.50(or5.50or3.50)」、そしてカッティングエッジの弟とあらば期待したくなります。年明けデビューもなんのその、皐月賞5着、ダービー7着と頑張りました。
彼の戦績では宮記念2着も印象に残りますが、いま私の脳裏にかすめたのは、同じ福永祐一騎手で2着になった毎日杯でした。1着ミラクルタイムとクビ差の勝負。もう10年前かと思うと、時の流れの速さを思います。
>そして、最後に勝ったテレビ山梨杯後の武騎手のインタビュー
>「さすがにクラシックで活躍していただけの実力はありますね。」
これは素敵な思い出。本当によく応援されていた方でないと出てこないコメントです。
>ところで、今年はというと、稼ぎ頭がビーチアイドル。。。
ビーチアイドル、スマイルオンザラン、アイアムジャンヌ、ナムラハーン、トウショウクエストといずれもちゃんと勝ち上がっているのですから、素晴らしい。なかなか1勝挙げるのも大変です。
氏ご推奨のスマイルオンザランは現在立て直し放牧中のようですが、また頑張って欲しいものです。
>私も、歯の調子と精神的な調子が悪くて、2年前にはPOGを休んだほどでした。お互い、ほそく、長く、のんびりいきましょう!
お気遣いありがとうございます。幸い、私は親知らずを抜いてから調子が良くなりました。
ホントに、細く、長く、のんびりと参りましょう♪
ではでは、わざわざのコメント、誠にありがとうございました♪
いやはや、快挙ですね。。見事な逃げ切り。鞍上はC・ルメール騎手だったようで、英国ではキングジョージのハーツクライの印象が強いのかな、と思ったりもしました。
ところで、海外競馬の話題のついでに、カジノドライブが米国初戦をぶっちぎりで勝ったみたいですね。
◎ゴリ様
いつもお世話になっております。
>快挙
Natagoraの英1000ギニー制覇はまさに「快挙」でしたね♪
クリストフ・ルメール騎手もサスガにSS系の扱いを知っている、という感じでしょうか。ハーツクライでは惜しくもキング・ジョージ3着でしたが、クラシックレースで見事にお返ししました。
>カジノドライヴ
詳しくは「カジノドライヴ(2005.3.7)」のエントリをご参照願います(笑)
ではでは、わざわざのコメント、誠にありがとうございました♪
なんと、フランスダービー(!)に出走しますよ。
がんばれ~
◎ゴリ様
いつもお世話になっております。折り返しが遅くなってしまい恐れ入ります。
仏ダービーは別ログも立てましたが、Natagora、惜しかったですね~。あとちょっとで勝ちそうでした。強い。
ではでは、わざわざのコメント、誠にありがとうございました♪