Sea the Moon 牡 鹿毛 2011.4.29生 独国・ゲールスドルフ牧場生産 馬主・ゲールスドルフ牧場 独国・M.クルーク厩舎
Sea The Stars 鹿毛 2006.4.6 種付け時活性値:1.00 |
Cape Cross 黒鹿毛 1994.3.13 |
Green Desert 鹿毛 1983.4.16 |
Danzig 1977.2.12 |
Foreign Courier 1979.4.11 | |||
Park Appeal 黒鹿毛 1982.4.9 |
Ahonoora 1975.4.12 | ||
Balidaress 1973.4.22 | |||
アーバンシー 栗毛 1989.2.18 |
Miswaki 栗毛 1978.2.22 |
Mr.Prospector 1970.1.28 | |
Hopespringseternal 1971.5.27 | |||
Allegretta 栗毛 1978.3.10 |
Lombard 1967 | ||
Anatevka 1969 | |||
Sanwa 栗毛 2004.3.22 仔受胎時活性値:1.50 |
Monsun 黒鹿毛 1990 種付け時活性値:1.25 |
Konigsstuhl 黒鹿毛 1976 |
Dschingis Khan 1961 |
Konigskronung 1965 | |||
Mosella 鹿毛 1985.3.25 |
Surumu 1974.2.26 | ||
Monasia 1979 | |||
Sacarina 栗毛 1992.4.20 仔受胎時活性値:0.75 |
オールドヴィック 鹿毛 1986.4.27 種付け時活性値:1.25 |
Sadler’s Wells 1981.4.11 | |
Cockade 1973.2.20 | |||
Brave Lass 栗毛 1974.3.11 仔受胎時活性値:0.25 |
Ridan 鹿毛 1959.2.21 種付け時活性値:1.50 |
||
Bravour 鹿毛 1963 仔受胎時活性値:0.50 |
<5代血統表内のクロス:Northern Dancer5×5>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
Sea The Stars (Danzig系) |
Monsun (Blandford系) |
オールドヴィック (Sadler’s Wells系) |
Ridan (Nasrullah系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
Ridan (Sacarina) |
3.00 |
伯父Schiaparelli (No.28) |
3番仔? (3連産目?) |
第149回愛ダービー(GI)は、第235代英ダービー(GI)馬Australia(2011.4.8)が順当勝ちしましたので、第145回独ダービー(GI)にて驚きのパフォーマンスを見せた、ドイツの若武者をご紹介しておきます。
Sea the Moon、その背中には、主戦のアンドレアス・ヘルフェンバイン騎手の負傷により、代打騎乗となったクリストフ・スミヨン騎手。そんな初コンビの馬人が、逃げてペースを作って、最終コーナーから直線。あれよあれよと外に膨らんで行き、「逸走か!?」と見紛うように外ラチに向かって駆けたかと思うと、そのままラチ沿いを悠々と走り抜け、直線半ばからは余裕しゃくしゃくの姿を見せて、2着の独2000ギニー(GII)勝ち馬Lucky Lion(2011.2.27)に11馬身差の大圧勝。なんじゃこりゃ。Sea the Monn、デビュー以来負けなしの4戦4勝。この勝利を以て、欧州のブックメーカーはAustralia、Treve(2010.4.7)に続いて、Sea the Moonを今年2014年の凱旋門賞(仏GI)の3番人気に押し上げた模様。そりゃあ、ねぇ^^;
Sea the Moonの父Sea The Starsは、初年度産駒のスロースターターぶりが心配されましたが、3歳となって英オークス(GI)のTaghrooda(2011.1.27)、そして独ダービーのSea the Moonと、2頭がGIホースに輝きました。Taghrooda、Sea the Moon共に無敗のままのクラシック制覇ですから、上級馬の能力は相当なのでしょう。まま、そりゃ、Galileo(1998.3.30)の弟ですからね。繁殖能力の確かさも、間違いなかったのでしょう。
しかし、恐るべしは、独国牝系。かたやSea The Starsの牝系は、9代母から祖母まで頭文字Aで始まる9号族。こなたSea the Moonの牝系は、8代母から3代母まで辿れば頭文字B、祖母からSea the Moon自身まで頭文字Sで始まる28号族。真の意味での騎馬民族である、彼の国の持つ系統繁殖の底強さが、21世紀の今日、世界各国に伝わろうとしています。
という訳で、以下に、祖母の代からでも充分にきらびやかな、Sea the Moonの近親牝系図を示しておきます。
Sacarina 1992.4.20 不出走 |Samum 1997.3.21 独仏香6勝 独ダービー(GI) バーデン大賞(独GI)ほか独GII1勝独GIII1勝等 |Salve Regina 1999.3.1 独3勝 独オークス(GI) 独ダービー2着含む独GI2着4回ほか ||サルヴェジェルマニア 2005.1.26 米独仏加2勝 ボールストンスパH(米GII)ほか独GIII3着1回 |Sasuela 2000.3.1 独1勝 ||ソベラニア 2006.3.29 独伊仏1勝 独オークス2着 リディアテシオ賞(伊GI)3着 ||Seismos 2008.4.26 海外現役 バイエルン大賞(独GI)ほか独GIII2勝等 ||Samba Brazil 2009.4.7 海外現役 オイロパマイレ大賞(独GIII)ほか |Sahel 2002.2.24 仏1勝 ||Sortilege 2008.1.18 伊仏4勝 リディアテシオ賞ほか仏GIII3着1回 |Schiaparelli 2003.3.25 独英仏愛伊12勝 独ダービー含む独GI3勝、伊GI2勝ほか |Sanwa 2004.3.22 不出走 ||Sea the Moon 2011.4.29 (本馬) 独ダービー ウニオンレネン(独GII) メッツラー銀行春季賞(独GIII)
独ダービー馬の伯父Samum、Schiaparelli、そして独オークス馬の伯母Salve Regina。母Sanwaも含めて、いずれも父Monsunの全きょうだいです。むぅ、サスガはスーパーサイアー、Monsun。なお、従姉にサルヴェジェルマニア、ソベラニアと2頭のカタカナ馬名が見えますが、共に白老ファームで供用されているようです。このあたり、抜け目なし、社台グループ。
Sea the Moon、果たして、父仔2代の凱旋門賞制覇となりますでしょうか。やんちゃぶりが伸び代を感じさせる3歳馬、行く末を見守りたいものです。
では、以上オオハシでした。これから走る馬、人すべてが無事でありますように。
#余談。Sea the Moonの伯父Samumは生まれ故郷のカールスホフ牧場で現役種牡馬として頑張っていますが、同牧場では息子のKamsin(2005.4.7)と共に、Dabirsim(2009.2.5)も供用されています。ええ、ハットトリック(2001.4.26)産駒のGI勝ち馬第1号、モルニ賞(仏GI)とジャン・リュック・ラガルデール賞(仏GI)の勝ち馬です。