「Phalaris系4本掛け」の配合馬について-ロックドゥカンブ(2004.9.29)に関する補足-。

過去の菊花賞(現JpnI)では勝ち馬を輩出できていないPhalaris(1913)系4本掛けの配合。ここでは、1番人気が予想されるロックドゥカンブについて、改めて述べておきます。

ロックドゥカンブの曾祖母はGaily(1971)ですので、ピルサドスキー(1992.4.23)ファインモーション(1999.1.27)兄妹と同牝系ですね。また、先日行われた凱旋門賞(仏GI)2着のYoumzain(2003.2.20)。彼は、曾祖母がピルサドスキーとファインモーションの母でもあるCocotte(1983.2.21)ですので、これまたロックドゥカンブと同牝系です。

ロックドゥカンブ、ピルサドスキー、ファインモーション、Youmzain。Gailyを基点とするこれら4頭の近親馬の、字面上の4代血統構成を改めて示すと、

Gailyを基点とする近親馬たちの4代血統構成
馬名
(生年月日)
父×母父×祖母父×曾祖母父[太字は最優性先祖]
(父系×母父系×祖母父系×曾祖母父系)
ロックドゥカンブ
(2003.9.29)
Red Ransom×Fairy King×Ela-Mana-Mou×Sir Gaylord
ピルサドスキー
(1992.4.23)
Polish Precedent×Troy×Mill Reef×Sir Gaylord
ファインモーション
(1999.1.27)
デインヒル×Troy×Mill Reef×Sir Gaylord
Youmzain
(2003.2.20)
Sinndar×Sadler’s Wells×Ajdal×Troy

と、「4頭共にPhalaris4本掛けの配合」がなされています。けれど、ロックドゥカンブ以外の3頭は2000m以上のGIレースを勝っています。そして、ロックドゥカンブも、デビュー以来4連勝中と、非凡な能力を示している高素質馬です。

では、4頭について、中島理論的に共通して見られる配合上の特徴は、

  • 祖母父までに0交配(あるいは0.125交配)を用いて、残先祖を減らす配合になっている
  • Fairway系の先祖を最優性先祖にしている

ということですね。まず、同系交配の累代で走る馬の鉄則ともいえる、近しい代での0クリアをいずれも持ち合わせています。また、Fairway(1925)系の12ハロンGI勝ち馬であるTroy(1976.3.25)、Ela-Mana-Mou(1976)という同い年の2頭を最優性先祖に持って来ています。意図的か否かは分かりかねますが、距離をこなせるように仕向けているのならば、恐るべし。

ロックドゥカンブを除く、ピルサドスキー、ファインモーション、Youmzainの3頭は直父系がDanzig(1977)系。こんな辺境ブログをご覧の方には言わずもがなですけれど、

  • ピルサドスキーの父Polish Precedent(1986)は、Danzig満8歳時の0交配馬
  • ファインモーションの父デインヒル(1986.3.26)も、Danzig満8歳時の0交配馬
  • Youmzainの祖父Grand Lodge(1991)は、曽祖父Chief’s Crown(1982)満8歳時の0交配馬

と、いずれもDanzig、ひいてはNorthern Dancer(1961.5.27)の0化がなされています。

また、3頭の最優性先祖であるTroyは、種牡馬として4世代、都合100頭強くらいの産駒しか残せませんでした。Phalaris系ではありますが、レア先祖として働いていると考えます。かつての中島御大の言を借りるならば「リミティド・プロダクト」ですね。また、上述した内容とも重なりますが、Troyを最優性先祖に持って来ているのがポイントですね。少ない血を最優性先祖に持ってくるのは、中島御大の配合馬にもよくよく見られるパターンです。

#よく知られているところでは、オース(1996.4.22)の母Sheer Audacity(1984)が、Troyのラストクロップ2頭のうちの1頭であることですね。なお、オースもTroyの形相を受けています。

さて、4頭の中で唯一直父系が非Northern Dancer系であるロックドゥカンブ。彼について述べると、

  • 父Red Ransom(1987)が活性値0.125交配による残先祖の消却(→参考log)
  • 4代血統構成のうち、父、母父、曾祖母父の3系が競走歴マイナーの種牡馬という構成

という配合により、Phalaris系4本掛けながら活が入ったと考えます。準0遺伝により先祖の数を減らしているということは以前もご案内したとおりです。合わせて、父Red Ransomが米国で2勝、母父Fairy King(1982)が愛国で0勝、曾祖母父Sir Gaylordは米国でサプリングS(往時はGI級も、現米GIII)など10勝を挙げるも2歳戦のみという競走成績。いずれも競走成績ではマイナーの域を出ず、種牡馬としてメジャーにのし上がった馬たちです。0遺伝とマイナーの反骨精神の相乗効果が、ロックドゥカンブの能力の後押しをしていると考えます。

また、洋の東西の血統的なリンクを思うと、Youmzainとロックドゥカンブの2頭の母父であるSadler’s Wells(1981.4.11)とFairy Kingは全兄弟ですね。中島理論的な解釈では、血統構成因子として重要なダミー扱いとなるこの全兄弟。本当にVal de l’Orne(1972)の仔たちとするならば、Blandford(1919.5.26)系の「母方から底力注入血脈」ということになります。

長々と綴って参りましたが、結局は、4頭共に字面上Phalaris系4本掛けでも、走れる要素を持ち合わせているということですね。また、この11号族の牝系自体が持つ底力も相当に高いのだと思います。なお、現時点の完成度はともかくとして、ロックドゥカンブにシンボリルドルフ(1981.3.13)の影を見る方もいらっしゃるようですが、 共に11号族から輩出されていることをお伝えしておきます。

果たして、これからのロックドゥカンブの描く競走成績やいかに。まずは菊花賞を楽しみにしましょう。ええ、結局は狙いから外すことは出来ませんからね。「連勝している馬は狙え」です(笑)

ではでは♪

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