「Phalaris系4本掛け」の配合馬について-菊花賞(JpnI)編-。

前回のlogでは過去20年の菊花賞連対馬について確認致しました。今回は、春にも確認した「Phalaris系4本掛け」のジーワンレース連対馬についてです。早速、過去20年の菊花賞連対馬40頭を確認してみると……

過去20年の「Phalaris系4本掛け」の菊花賞(JpnI)連対馬
No. 年次 着順 馬名
(生年月日)
4代血統構成
(資質固定指数)
5代血統表内のクロス 母の受胎条件
(母の交配時の満年齢)
1 1993 2着 ステージチャンプ
(1990.5.17)
A A y A(RG)
(0.75)
Nasrullah5×5
Lady Angela(♀)5×4(母方)
初仔
(6歳)
2 1996 2着 ロイヤルタッチ
(1993.3.24)
A(SS) A A(PG系) A
(1.00)
5代アウトクロス 9連産目の
9番仔
(11歳)
3 1999 2着 テイエムオペラオー
(1996.3.13)
A(SW系) A(RG系) A A
(1.00)
Nearco5×5
Nasrullah4×5(母方)
不受胎後
7番仔
(11歳)
4 2000 2着 トーホウシデン
(1997.3.26)
A A(RG系) A A
(1.00)
Nasrullah5×4 3連産目の
3番仔以降の仔
(8歳)
5 2003 2着 リンカーン
(2000.3.18)
A(SS) A A(SW) A
(1.00)
5代アウトクロス 初仔
(5歳)

「40分の5」という厳しい結果になりました。この数字は日本ダービー(JpnI)と同じです。そして、上記の表を見て、まず目に付くのは「1着馬が1頭もいない」というところでしょう。皐月賞(JpnI)、日本ダービーでは勝ち馬を複数頭輩出していましたが、サスガに淀の芝3000m、ごまかしようがないというところでしょうか。

さて、5頭の血統的な側面を見ると、

  • 結局、中島理論的には、4代血統構成のどこかでダミー血脈が配されている

ということが言えますね。やはり日本ダービーと同様です。ステージチャンプは祖母父モデルフール(1963.4.2)、曾祖母父Red God(1954)、ロイヤルタッチは祖母父テスコボーイ(1963)、テイエムオペラオーは父オペラハウス(1988.2.24)、母父Blushing Groom(1974.4.8)、トーホウシデンは母父Blushing Groom、リンカーンは祖母父Sadler’s Wells(1981)です。

いま述べたダミーの血のうち、Red God&Blushing Groom父仔は重要な血統構成因子ですね。特に、20世紀末の菊花賞連対馬はBlushing Groomの血が入っている馬が印象に残ります。1995年の勝ち馬マヤノトップガン(1992.3.24)の母父、1997年の勝ち馬マチカネフクキタル(1994.5.22)の直系祖父、そしてテイエムオペラオー、トーホウシデンの母父と、父系、母系に関わらず、良い働きを見せていました。

また、5頭中3頭に共通している点として、

  • 母が前年産駒なし後の仔

が挙げられますね。これまた、日本ダービーと同じ数字です。ステージチャンプは母の初仔、テイエムオペラオーは母が不受胎後の7番仔、リンカーンは母の初仔。

なお、連産で生産されている2頭のうちのトーホウシデンは、

  • 母が満8歳時交配で生産されている

点が強調材料として挙げられます。日本ダービーの折にも取り上げた、ウイニングチケット(1990.3.21)アドマイヤメイン(2003.3.13)同様に、母の卵子が最高潮のタイミングで受胎した結果、良い仔が生まれたというところでしょうか。なお、トーホウシデンの母ブラッシングインザレインは1988年3月14日生まれです。

あと、ロイヤルタッチ。皐月賞2着、菊花賞2着の彼は、上で名前を挙げたウイニングチケットの半弟ですね。つまりは、Phalaris系4本掛けのクラシック活躍馬として兄弟揃って名を馳せている訳です。もうこうなると、母パワフルレディ(1981.5.27)が持つDNAの素晴らしさを誉め讃えるしかありませんね。11号族クレイグダーロッチ(1922)系、スターロッチ(1957.4.16)分枝。誇るべきはその土着牝系、尊ぶべきはその血を伝えた藤原牧場さんをはじめとする日本のホースマンたち。

最後に、ロイヤルタッチとリンカーンのSS産駒2頭。彼らに共通するのは、5代アウトクロスということですね。

という訳で、今回の第68回菊花賞に出走するメンバーのうち、Phalaris系4本掛けになっている馬たちを確認すると、

「Phalaris系4本掛け」の出走馬
馬番 馬名
(生年月日)
4代血統構成
(資質固定指数)
5代血統表内のクロス 母の受胎条件
(母の交配時の満年齢)
1 ヒラボクロイヤル
(2004.3.15)
A x A A
(0.75)
Nashua 5×4
Turn-to 5×5
Graustark 4×5(父方)
Native Dancer 4×5(母方)
2連産目の
4番仔以降の仔
(15歳)
4 ロックドゥカンブ
(2004.9.29)
A A A A
(1.00)
Hail to Reason 3×5
Nearctic 4×4
Turn-to 4×5
5連産目の
5番仔
(8.5歳時)
5 エーシンダードマン
(2004.5.31)
A(SS系) x A A
(0.75)
Nijinsky 3×4
Raise a Native 5×4
Turn-to 5×5
4連産目の
4番仔
(8歳)
11 フサイチホウオー
(2004.2.16)
A A(SS) A A
(1.00)
Northern Dancer 4×4 3連産目の
4番仔
(8歳)
13 ローズプレステージ
(2004.5.7)
A(SS系) A A A
(1.00)
Northern Dancer 4×4 5連産目の
6番仔
(10歳)
14 デュオトーン
(2004.4.30)
A A x A
(0.75)
Hail to Reason 4×5
Graustark 4×5(父方)
5連産目の
5番仔
(8歳)
18 ヴィクトリー
(2004.4.3)
A A A(SW) A
(1.00)
5代アウトクロス 5連産目の
5番仔
(9歳)

果たして、ヴィクトリー、ロックドゥカンブ、フサイチホウオーを始めとする7頭の馬たちは、2着までの壁を破ることができるでしょうか。いずれにせよ、淀の芝3000m。楽しみにしたいと思います。

ではでは、今日は夜にもう一度更新致します♪

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