ちょっとしたニュースや知見などを。
タヤスツヨシ 牡 黒鹿毛 1992.4.26生~2008.7.31没 千歳・社台ファーム生産 馬主・横瀬寛一氏 栗東・鶴留明雄厩舎
サンデーサイレンス[A] 青鹿毛 1986.3.25 種付け時活性値:1.25 |
★ Halo 黒鹿毛 1969.2.7 |
Hail to Reason 黒鹿毛 1958.4.18 |
Turn-to 1951 |
Nothirdchance 1948 | |||
Cosmah 鹿毛 1953.4.4 |
Cosmic Bomb 1944 | ||
Almahmoud 1947 | |||
Wishing Well 鹿毛 1975.4.12 |
Understanding 栗毛 1963.2.17 |
★Promised Land 1954.3.31 | |
Pretty Ways 1953.3.21 | |||
Mountain Flower 鹿毛 1964.3.23 |
Montparnasse 1956 | ||
Edelweiss 1959.2.15 | |||
マガロ 黒鹿毛 1980.4.4 仔受胎時活性値:0.75 |
Caro[A] 芦毛 1967.4.11 種付け時活性値:1.00 |
フォルティノ 芦毛 1959.4.19 |
Grey Sovereign 1948 |
Ranavalo 1954 | |||
Chambord 栗毛 1955 |
Chamossaire 1942 | ||
Life Hill 1940 | |||
Magic 黒鹿毛 1969.5.12 仔受胎時活性値:0.50 |
Buckpasser[y] 鹿毛 1963.4.28 種付け時活性値:1.25 |
Tom Fool 1949.3.31 | |
Busanda 1947 | |||
Aspidistra 鹿毛 1954.3.25 仔受胎時活性値:1.50 |
★Better Self[z] 鹿毛 1945 種付け時活性値:0.00 |
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Tilly Rose 鹿毛 1948 仔受胎時活性値:1.25 |
<5代血統表内のクロス:なし>
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 何番仔? |
---|---|---|---|
サンデーサイレンス | 4.00 |
半兄が米GII勝ち馬 (No.1-R) |
6番仔 (不受胎後) |
サンデーサイレンスの仔として最初の日本ダービー(現JpnI)馬に輝いたのは、その初年度産駒タヤスツヨシ。ダービーの直線で内に切れ込みながら伸びた姿を今でも思い出します。鶴留明雄厩舎、そして小島貞博騎手(現調教師)という「戸山一門」がタッグを組んでのダービー制覇は、前年のチョウカイキャロル(1991.3.26)のオークス(現JpnI)に続く、府中芝2400mのクラシック制覇でもありました。
戸山一門であると同時に、文テキこと故・武田文吾調教師の義理の息子でもある鶴留調教師は、文テキイズムを受けて、タヤスツヨシには夏を栗東で過ごすように仕向けられました。そう、かつて義父がシンザン(1961.4.2)に対して行ったように、夏を過ごさせられたのです。
けれど、タヤスツヨシは、シンザンたりえませんでした。秋緒戦の神戸新聞杯(現JpnII)を5着、2戦目の京都新聞杯(現JpnII)を7着、本番の菊花賞(現JpnI)を6着と今一つの成績で終えました。そして、結局、翌1996年の春に屈腱炎をわずらい、そのまま引退してしまいました。
豪脚は、晩春の府中でまばゆくきらめいて、それ以後、光を放つことがありませんでした。けれど、光り輝いたその瞬間の強さは峻烈。黒鹿毛の駿馬が府中の芝の上を駆け抜けた姿、生涯忘れないように努めます。
*
アルティストロワイヤル 牡 鹿毛 2001.3.31生 愛国・デイトン・インベストメント社生産 馬主・D.ヘレンスパーガー氏 米国・N.ドライスデール厩舎
デインヒル[A] 鹿毛 1986.3.26 種付け時活性値:1.50 |
★ Danzig 鹿毛 1977.2.12 |
Northern Dancer 鹿毛 1961.5.27 |
Nearctic 1954.2.11 |
Natalma 1957.3.26 ♀ | |||
Pas de Nom 黒鹿毛 1968.1.27 |
★Admiral’s Voyage 1959.3.23 | ||
Petitioner 1952 | |||
Razyana 鹿毛 1981.4.18 |
His Majesty 鹿毛 1968.4.15 |
Ribot 1952.2.27 | |
Flower Bowl 1952 | |||
Spring Adieu 鹿毛 1974.5.10 |
Buckpasser 1963.4.28 | ||
Natalma 1957.3.26 ♀ | |||
Agathe 栗毛 1991.1.28 仔受胎時活性値:0.25 |
Manila[A] 鹿毛 1983.2.5 種付け時活性値:1.75 |
Lyphard 鹿毛 1969 |
Northern Dancer 1961.5.27 |
Goofed 1960.3.29 | |||
Dona Ysidra 鹿毛 1975.1.26 |
Le Fabuleux 1961 | ||
Matriarch 1964.3.3 | |||
Albertine 鹿毛 1981.5.31 仔受胎時活性値:0.25 |
Irish River[A] 栗毛 1976.4.2 種付け時活性値:1.00 |
Riverman 1969 | |
Irish Star 1960.2.9 | |||
Almyre 鹿毛 1964.3.19 仔受胎時活性値:2.00(0.00) |
Wild Risk[B] 鹿毛 1940 種付け時活性値:1.75 |
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Ad Gloriam 鹿毛 1958.4.4 仔受胎時活性値:1.25 |
<5代血統表内のクロス:Northern Dancer3×4、Natalma(♀)4・4×5、Wild Risk5×4(母方)>
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 何番仔? |
---|---|---|---|
Manila (Agathe) |
3.75 or 1.75 |
全姉Aquarelliste (No.11-E) |
? |
昨年のジャパンカップ(GI)にも出走したアルティストロワイヤル(2001.3.31)。今年2008年に入ってチャールズウィッティンガムメモリアルH(米GI)を制してGI2勝目を挙げました。
牡馬で満7歳を迎えても現役を続けるアルティストロワイヤル。全姉にAquarelliste(1998.1.23)、伯父にアルカング(1988.3.12)、伯母にCape Verdi(1995.2.3)と活力溢れる名血、そして父デインヒル(1986.3.26)という生産界に望まれるであろう血脈。であるにもかかわらず、何故種牡馬にならないのか不思議に思っていたところ、Wikipediaのアルティストロワイヤルの項に以下の記事が示されていました。
なお、性別上は牡馬であるが、発育不全により精巣が体内に残ったままの停留精巣の症状を抱えており、英語での性別表記では5歳以上の牡馬を表す「Horse(あるいはH)」ではなく、同症の持ち主であることを表す「Ridgeling(あるいはR)」と表記される。表出していないだけで睾丸自体は持っているためせん馬ではないが、生殖能力はない。
な、なるほど。そういう理由があったんですね。ただ、Wikipediaの停留精巣の記事を確認したところ、
両側性の潜在精巣である場合は生殖能力がないが、片側性の場合は生殖能力は低下するが、完全に失われるわけではない。
とのことです。「生殖能力がない」ということは、アルティストロワイヤルは両側性の症状を抱えているということなのでしょうね。
アルティストロワイヤル、元気なうちは現役を続けるのでしょう。7歳を迎えてもGIレースを勝てるのですから、老いてますます盛ん。これからも頑張ってほしいものです。
#余談。実はA.P.Indy(1989.3.31)も片側性の停留精巣とのことです。遺伝性の疾患ということで、本来は繁殖に用いることは常ではないとのことですが、やはり名血を供用しない訳にはいかなかったのでしょうね。また、同様の症状ではないですが、日本ではモンテファスト(1978.5.31)が片睾丸の種牡馬として知られていましたね。
*
では最後に、光明が宿った記事をご紹介しましょう。まずは彼の4代血統表をどうぞ。
ウォーエンブレム 牡 黒鹿毛 1999.2.20生 米国・C.ヌコルスJr.&サンズ生産 馬主・ザ・サラブレッド社 米国・B.バファート厩舎
Our Emblem[x] 黒鹿毛 1991.3.7 種付け時活性値:1.75 |
Mr.Prospector 鹿毛 1970.1.28 |
★Raise a Native 栗毛 1961.4.18 |
Native Dancer 1950.3.27 |
Raise You 1946 | |||
Gold Digger 鹿毛 1962.5.28 |
Nashua 1952.4.14 | ||
Sequence 1946 | |||
Personal Ensign 鹿毛 1984.4.27 |
Private Account 鹿毛 1976.4.26 |
Damascus 1964.4.14 | |
Numbered Account 1969.4.8 | |||
Grecian Banner 黒鹿毛 1974.4.26 |
Hoist the Flag 1968.3.31 | ||
Dorine 1958 | |||
Sweetest Lady 鹿毛 1990.2.8 仔受胎時活性値:2.00(0.00) |
▲ Lord at War(ARG)[A] 栗毛 1980.10.1 種付け時活性値:0.125 |
General 鹿毛 1974 |
Brigadier Gerard 1968.3.5 |
Mercuriale 1965.3.14 | |||
Luna de Miel(ARG) 栗毛 1974 |
Con Brio(GB) 1961 | ||
Good Will(ARG) 1965.10.14 | |||
Sweetest Roman 鹿毛 1977.4.4 仔受胎時活性値:1.00 |
The Pruner[C] 黒鹿毛 1967.4.12 種付け時活性値:0.25 |
▲Herbager 1956 | |
Punctilious 1954.2.7 | |||
I Also 鹿毛 1969.5.21 仔受胎時活性値:1.75 |
Sky High(AUS)[C] 鹿毛 1957 種付け時活性値:0.625 |
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Roman Song 鹿毛 1955.2.24 仔受胎時活性値:1.25 |
<5代血統表内のクロス:なし>
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 何番仔? |
---|---|---|---|
Our Emblem (Buckpasser) |
6.00 or 4.00 |
Proudest Romanと同牝系 (No.20-B) |
3番仔 |
という訳で記事を引いておきます。
ウォーエンブレムに生殖能力の回復の兆し(SANSPO.COM)
ちょいと古い記事で恐縮ですが6月8日付のサンケイスポーツには↑の記載がありました。また、
War Emblem Now Breeding to Mares Daily(bloodhorse.com)
という6月6日付のbloodhorse.comの記事も見られます。
果たして、気難しい米2冠馬のこれからの繁殖生活はいかなるものに。ぜひとも快方を期待したいものです。
ではでは、今日はこのへんで。