御料の基礎繁殖馬に見る0遺伝-其の参-。

御料の基礎繁殖馬を確認するログの3回目。 ひとまずはこの3回目で最終回です。今回は、現代に血を伝える「星」繁殖の牝馬たち3頭をご紹介しておきます。

最初にご登場願うのは、1号族の牝馬、星谷(1925)。その英名はSecure。

星谷(1925)の4代血統表

Purchase(Bend Or系)
1916
種付け時活性値:0.00
Ormondale
1903
Ormonde
1883
Bend Or 1877
Lily Agnes 1871
Santa Bella
1893
St.Serf 1887
Maiden Belle 1885
Cheeryola
1907
Tanzmeister
1889
Saraband 1883
Mizpah 1880
Last Cherry
1903
Sir Dixon 1885
Cherry Blossom 1886
Jura
1921
仔受胎時活性値:0.75
Broomstick(Whalebone系)
1901
種付け時活性値:0.75
Ben Brush
1893
Bramble 1875
Roseville 1888
Elf
1893
Galliard 1880
Sylvabelle 1887
Waif
1916
仔受胎時活性値:1.00
★Greenback(King Fergus系)
1907
種付け時活性値:0.00
St.Frusquin 1893
Evergreen 1902
Panasine
1910
仔受胎時活性値:1.25
Peter Pan(Touchstone系) 1904
種付け時活性値:1.25
Ladasine 1901
仔受胎時活性値:2.00(0.00) [F1-L]

4回の世代交代のうち2回に0交配が用いられています。そして、0以外の2系が、いわゆる米国血脈ですね。

【星谷系の活躍馬】

フジTVの三宅正治アナウンサーの言葉を借りるならば、フロックでもなんでもなかった2冠達成。皐月賞(現JpnI)馬が逃げてそのまま先頭に立って押し切った強い内容でした。自分のペースで逃げている皐月賞馬が、府中芝2400mのレースにおいて上がり3ハロン35秒1でまとめたら、後続はどうしようもありません。真に強い馬でした、サニーブライアン。

#個人的には、サニーブライアンの制した日本ダービー(JpnI)は、最も繰り返しVTRを見ているレースです。ダテや酔狂で皐月賞を勝つことができるものか。

続いてのご紹介は16号族の牝馬、星旗(1924)。その英名はFairy Maidon。

星旗(1924)の4代血統表
Gnome(Whalebone系)
1916
種付け時活性値:1.75

Whisk Broom
1907
Broomstick
1901
Ben Brush 1893
Elf 1893
Audience
1901
Sir Dixon 1885
Sallie Mcclelland 1888
Faiery Sprite
1906
Voter
1894
★Friar’s Balsam 1885
Mavourneen 1888
Cinderella
1888
Hermit 1864
Mazurka 1878 ♀
Tuscan Maiden
1918
仔受胎時活性値:1.25

Maiden Erlegh(Bend Or系)
1909
種付け時活性値:0.00
Polymelus
1902
Cyllene 1895
Maid Marian 1886
Plum Tart
1902
Persimmon 1893
Barndoor 1894
Tuscan Red
1912
仔受胎時活性値:1.25
William Rufus(Birdcatcher系)
1900
種付け時活性値:0.75
Melton 1882
Simena 1890
Fine Feathers
1904
仔受胎時活性値:1.75
Gallinule(Birdcatcher系) 1884
種付け時活性値:0.75
Splendid 1896
仔受胎時活性値:1.75[F16-H]

【星旗系の活躍馬】

  • クレオパトラトマス(1932.3.22)
  • クモハタ(1936.3.4)
  • ハマカゼ(1945.2.19)
  • タカクラヤマ(1947.4.12)
  • ハクチカラ(1953.4.20)
  • ニホンピロムーテー(1968.4.6)
  • タケノヒエン(1980.3.24)
  • サンエイサンキュー(1989.4.7)
  • ゴーゴーゼット(1991.3.21)
  • キングオブダイヤ(1992.4.17)
  • カネトシガバナー(1995.5.8)

古今東西、渋いところが揃っています。名前を挙げた馬すべてが、クレオパトラトマスの子孫、あるいは弟-クモハタ-です。クレオパトラトマスの繁殖名は月城。そして、その半弟クモハタは、言わずと知れた第8代日本ダービー馬にして、首位種牡馬6回の名種牡馬でした。古から続く、名繁殖系です。

ではでは、この記事群の掉尾を飾るのは、3号族の牝馬、星若(1924)。その英名はIma Baby。

星若(1924)の4代血統表
Peter Pan(Touchstone系)
1904
種付け時活性値:0.75
Commando
1898
Domino
1891
Himyar 1875
Mannie Gray 1874
Emma C.
1892
Darebin 1878
Guenn 1883
Cinderella
1888
Hermit
1864
Newminster 1848
Seclusion 1857
Mazurka
1878
See Saw 1865
Mabille 1868
Babe
1912
仔受胎時活性値:0.75
McGee(Birdcatcher系)
1900
種付け時活性値:0.75
White Knight
1895
Sir Hugo 1889
Whitelock 1881
Remorse
1876
Hermit 1864
Vex 1865
Tinkle
1904
仔受胎時活性値:1.75
Loved One(Herod系)
1883
種付け時活性値:0.50
See Saw 1865
Pilgrimage 1875
Sounding Brass
1891
仔受胎時活性値:1.00
Kendal 1883(Bend Or系)
種付け時活性値:1.75
Sally Brass 1877
仔受胎時活性値:1.25[F3]

Peter Panの直仔をよくぞ導入されたものです。以下に示す星若系の活躍馬を生産された吉田牧場の元場主、故・吉田重雄さんの言を借りると、「生き残る牝系に共通するのはスピード」ということで、その源泉は星若の持つ米血に求められるのかも知れません。

【星若系の活躍馬】

もしかしたら、日本で最も愛され続けているかも知れない馬、テンポイント。ライバルにも恵まれた、真に希有で、真にドラマチックな名馬。美しさと、その強さのバランス。現代においても、比肩しうる馬がいないように思います。

フジヤマケンザン。その大きな身体には似つかわしくない器用さを持つ不思議な馬でした。現年齢表記8歳の初夏に、中山記念10着以来、3ヶ月ぶりとなる金鯱賞を制した際には「齢重ねてもポン駆け得意は変わらないのか」と感心したものです。

ではでは、小岩井、御料と連ねた基礎繁殖馬の記事群は、これにていったん終了です。優れたDNAを伝える牝系たち。時を重ねて、豊かな才能を送り続けて来ました。そして、これからも、きっと、活躍馬が現れ続けることでしょう。

長文乱文にお付き合い頂きまして、ありがとうございました♪

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