第37回函館2歳Sの結果から。
1着モエレジーニアス(2003.3.10)。堂山芳則厩舎&五十嵐冬樹騎手のコンビ、改めてやりました。さすがにダテでは前走のラベンダー賞(OP)を勝てませんよね。4コーナーで2着馬と共に上がって行った時、「おお、緑の帽子2頭がエエ感じ」と思いました。伯父にクリエイター(1986.6.1)を持つ良血馬、中央の相手でもまったくヒケを取らない、見事な重賞制覇でした。
#モエレジーニアスの血統表を眺め直すと、父フサイチコンコルド(1993.2.11)の母父がSadler’s Wells(1981.4.11)で、モエレジーニアス自身の母父がDarshaan(1981.4.18)。Sadler’s WellsとDarshaanの間で、父系どうしのニック同様、良い働きが生じたのでしょう。
2着ラッシュライフ(2003.5.17)。3頭出走していたサクラバクシンオー(1989.4.14)産駒のうち、最先着となりました。連闘で臨んだ重賞でしたが、どうしてどうして、いちばん強い競馬だったんじゃないですか。今日はマクリ気味に進出して、勝ち馬を最後まで追い詰めましたからね。これからが楽しみな牝馬です。
3着アドマイヤカリブ(2003.2.13)。「スプリンターではない」ということでしょうか。4コーナー入り口の手応えやったら、もう少し、直線で伸びても良さそうなもの。馬体から受ける感じやトビの大きさからは、距離が伸びてから期待です。
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それではその他の2歳戦の結果をば。新馬戦2クラ、未勝利戦3クラ。
新潟の新馬戦(芝1800m)を勝ち上がったのは(父)メジロモデラート(2003.4.2、牝、黒鹿毛)。美浦・高橋裕厩舎の所属。その4代血統構成は『スペシャルウィーク×モガミ×バウンティアス×◆ヒンドスタン』で『Halo系×Lyphard系×Hyperion系×Bois Roussel系』の配合です。5代血統表内ではNorthern Dancer(1961.5.27)5×4、ヒンドスタン5×4のクロスがあります。メジロモデラートの牝系は7号族アストニシメント(1902)系アサマユリ(1959)分枝。メジロ伝来の牝系としておなじみです。近親活躍馬は半姉メジロバーバラ(1997.3.9)がJRA6勝を挙げており、伯父に函館記念(GIII)の勝ち馬メジロマーシャス(1985.3.30)、同じく伯父に天皇賞・春(GI)と宝塚記念(GI)を2着したメジロトーマス(1981.5.12)がいます。メジロモデラートは母メジロクロヒメ(1989.5.9)が4連産目の実質8番仔。
小倉の新馬戦(芝1200m)を勝ち上がったのはショウナンサリーレ(2003.2.20、牝、青毛)。栗東・松田博資厩舎の所属。その4代血統構成は『キャプテンスティーヴ×★Machiavellian×Sir Ivor×Nijinsky』で『Damascus系×Mr.Prospector系×Sir Gaylord系×Northern Dancer系』の配合です。5代血統表内ではNorthern Dancer4×5、Native Dancer(1950.3.27)5×5、Nashua(1952.4.14)5×5のクロス、Natalma(1957)5×5の牝馬クロスがあります。ショウナンサリーレの牝系は欧米で受け継がれている5号族。伯父に仏2000ギニー(GI)馬Vettori(1992.2.18)がおり、曾祖母Euryanthe(1975)の別分枝からはナリタキングオー(1992.3.18)、マイネルモルゲン(2000.5.26)、シンメイレグルス(2002.3.29)等が出ています。ショウナンサリーレは母ラスキンウォーク(1996.4.28)が2連産目の2番仔と推定。なお、ショウナンサリーレの勝利は、新種牡馬キャプテンスティーヴ(1997.3.1)産駒のJRA初勝利となりました。
函館の未勝利戦(芝1200m)を勝ち上がったのは(父)ニシノアンサー(2003.4.29、牡、栗毛)。美浦・奥平真治厩舎の所属。その4代血統構成は『スペシャルウィーク×マラキム×Danzig×Le Fabuleux』で『Halo系×Blushing Groom系×Northern Dancer系×Wild Risk系』の配合です。5代血統表内ではNorthern Dancer5×4、Wild Risk(1940)5×5(母方)のクロスがあります。ニシノアンサーの牝系は米国で受け継がれている2号族。伯母ニシノフラワー(1989.4.19)はJRA7勝を挙げ、桜花賞(GI)、スプリンターズS(GI)、阪神3歳牝馬S(現阪神JF、GI)とGI3勝を挙げました。ニシノアンサーは母ニシノファイナル(1993.3.26)が3連産目の3番仔。
新潟の未勝利戦(芝1200m)を勝ち上がったのは(市)ナンヨーノサガ(2003.5.31、牝、黒鹿毛)。美浦・池上昌弘厩舎の所属。その4代血統構成は『★デザートキング×Green Desert×Blushing Groom×Mr.Prospector』で『Danzig系×Danzig系×Red God系×Raise a Native系』の配合です。5代血統表内ではDanzig(1977)3×3、Northern Dancer4×4×4のクロス、Natalma5×5×5×5の牝馬クロスがあります。ナンヨーノサガの牝系は欧米で受け継がれている9号族。曾祖母ウイットワタースランド(1981.2.12)の仔にオークス(GI)馬チョウカイキャロル(1991.3.26)がいます。ナンヨーノサガは母モーニングミュージック(1996.2.5)が3連産目の3番仔と推定。なお、ナンヨーノサガの勝利は、新種牡馬デザートキング(1994.3.31)産駒のJRA初勝利となりました。
小倉の未勝利戦(芝1200m)を勝ち上がったのは(父)(市)ゴウゴウキリシマ(2003.4.21、牡、鹿毛)。栗東・梅田康雄厩舎の所属。その4代血統構成は『キングヘイロー×バイアモン×ボールドラッド×◆Buckpasser』の配合で『Lyphard系×Blushing Groom系×Bold Ruler系×Tom Fool系』の配合です。5代血統表内ではBuckpasser(1963.4.28)5×4、Sir Gaylord(1959)5×5(父方)、Princequillo(1940)5×5(母方)、Nasrullah(1940.3.2)5×5(母方)のクロスがあります。ゴウゴウキリシマの牝系はシル(1970.4.22)を日本の基礎繁殖牝馬とする5号族。シルの初仔に、言わずと知れた『スーパーカー』マルゼンスキー(1974.5.19)が出ています。また、↑の新馬戦勝ち馬ショウナンサリーレとは、4代母Quill(1956)からの別分枝馬ということになります。ゴウゴウキリシマは母マルシンアモン(1993.5.26)が実質6連産目の6番仔(生後直死を含む)。なお、netkeiba.comの記事によりますと、ゴウゴウキリシマは1歳時に250万円で落札された市場取引馬ということです。
やっぱりスペシャルウィーク(1995.5.2)の仔が勝ち上がり、負けじとキングヘイロー(1995.4.28)の仔が勝ち上がった日曜日の2歳戦でした。