日曜日の3歳戦の回顧です。重賞1クラ、500万特別戦2クラ、500万平場戦2クラ、新馬戦4クラ。計9レース。
第40回共同通信杯(GIII)。
1着アドマイヤムーン(2003.2.23)。下見所で2人引きの内側にてアドマイヤムーンを引く松田博資調教師の姿を見て、改めて「ここも気合が入っているなぁ」と思い、レースの直線、坂上でも持ったままの武豊騎手を見て、「うわ強いな」と思いました。やはりラジオたんぱ杯2歳S(現ラジオNIKKEI杯2歳S、GIII)の上位2頭は力がある、ということでしょう。エンドスウィープ(1991.5.31)の牡馬の忘れ形見、出世レースを制して春に向かいます。やっぱり第40回の重賞に強い武豊騎手でした。
2着フサイチリシャール(2003.4.6)。プラス12kgで番手に控える競馬、さらにクラシックと同斤量の57kg。色々と試金石のレースだったのでしょう。ただ、やっぱり自分でレースを作りに行く形が向いているのかもしれません。速いペースで逃げて後続を封じる。力任せに押し切るレースが、初年度のクロフネ(1998.3.31)産駒を見る限りにおいては、向いているようです。松田国英調教師によると、この後は皐月賞(GI)に直行し、NHKマイルC(GI)、日本ダービー(GI)というGI3連戦に臨むということです。2歳王者の歩む道、しっかりと見守りたいと思います。
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京都の寒梅賞(ダート1400m)を制したのはカルナバリート(2003.4.30)。新馬戦、特別と連勝を収めました。上村洋行騎手と共に、頑張れ。以下に1月9日に新馬戦を勝ち上がった際のコメントを再掲しておきます。
<再掲分>京都の新馬戦(ダート1800m)を勝ち上がったのはカルナバリート(2003.4.30、牡、黒鹿毛)。栗東・藤沢則雄厩舎の所属。その4代血統構成は『エルコンドルパサー×Danzig Connection×ナイスダンサー×Cornish Prince』で『Mr.Prospector系×Danzig系×Northern Dancer系×Bold Ruler系』の配合です。5代血統表内ではNorthern Dancer5×4×4×4のクロス、Special(1969)とLisadell(1971)の全姉妹クロス5×5×4(父方)のクロスがあります。カルナバリートの牝系は北米で受け継がれている52号族。ご、52号族は初めて見ました。4代母Cam Shaft(1962)の仔Par Excellance(1977)は北米4勝で1979年の加国2歳牝馬王者です。カルナバリートは母ダンジグエンジェル(1988.5.1)が少なくとも4連産目で8番仔以降の仔。
小倉の萌黄賞(芝1200m)を制したのはタガノバスティーユ(2003.4.10)。八木良司オーナー、池添兼雄厩舎、池添謙一騎手という組み合わせ、タガノゲルニカ(2002.6.3)を思い起こさせます。以下に2005年11月19日に未勝利戦を勝ち上がった際のコメントを再掲しておきます。
<再掲分>京都の未勝利戦(芝1600m)を勝ち上がったのはタガノバスティーユ(2003.4.10、牡、鹿毛)。栗東・池添兼雄厩舎の所属。その4代血統構成は『ブライアンズタイム×サクラユタカオー×サウンドトラック×シンオンワード』で『Roberto系×Princely Gift系×The Boss系×Blandford系』の配合です。母方がシブいなぁ。5代血統表内ではNasrullah(1940.3.2)5×5のクロスがあります。タガノバスティーユの牝系は7代母である豪州産の牝馬ラグレシア(1931)を日本の基礎繁殖とする10号族。母ウィーンコンサート(1989.4.3)は中央2勝でフラワーC(GIII)2着があります。タガノバスティーユは母が3連産目の7番仔。
東京の500万平場戦(ダート1400m)を制したのは(地)カマーバンド(2003.3.3、牝、芦毛)。美浦・高橋裕厩舎の所属。その4代血統構成は『ミシル×ミルジョージ×ヴェンチア×ターキン』で『Mr.Prospector系×Mill Reef系×Relic系×Pharos系』の配合です。母マネーバンドル(1981.4.17)が高齢繁殖だけに祖母父、曾祖母父が近年ではその位置になかなかお目にかかれない馬ですね。5代血統表内ではPrincequillo(1940)5×5のクロスがあります。カマーバンドの牝系は御料の11号族クレイグダーロッチ(1922)系。半姉ウッディーナイス(1994.3.9)は中央4勝でウインターS(現東海S、GII)3着があります。また、叔父スターペスタロウ(1991.5.12)は中央7勝でリバーサイドS(OP)の勝ち馬です。カマーバンドは母が3連産目の13番仔。
京都の500万平場戦(芝2400m)を制したのはキャプテンベガ(2003.3.3)。スローペースに落として逃げ切り。芝の初勝利を挙げました。使いつつ素軽さ出て良化していますね。むむ、サスガに良血馬。以下に1月8日に未勝利戦を勝ち上がった際のコメントを再掲しておきます。
<再掲分>京都の未勝利戦(ダート1800m)を勝ち上がったのはキャプテンベガ(2003.3.3、牡、黒鹿毛)。栗東・松田博資厩舎の所属。その4代血統構成は『★サンデーサイレンス×トニービン×Northern Dancer×Tom Fool』で『Halo系×ゼダーン系×Nearctic系×Pharamond系』の配合です。5代血統表内ではAlmahmoud(1947)4×5の牝馬クロスがあります。キャプテンベガの牝系は米国で受け継がれている9号族。母ベガ(1990.3.8)は中央4勝で桜花賞、オークス(GI)の2冠牝馬、全兄で母の初仔アドマイヤベガ(1996.3.12)は中央4勝で日本ダービー(GI)、京都新聞杯(GII)、ラジオたんぱ杯3歳S(現ラジオNIKKEI杯2歳S、GIII)の勝ち馬、全兄アドマイヤボス(1997.5.9)は中央2勝でセントライト記念の勝ち馬、半兄で母が空胎後の仔アドマイヤドン(1999.5.17)は中央5勝、地方5勝でフェブラリーS(GI)、朝日杯FS(GI)、JBCクラシック(統一GI)3連覇、帝王賞(統一GI)、マイルCS南部杯(統一GI)、エルムS(GIII)の勝ち馬。言わずもがなの良血ですね(2回目)。キャプテンベガは母が不受胎後の5番仔(生後直死含む)。ええ、わたしゃベガとその仔どもたちが好きですよ(笑)。
東京の新馬戦(ダート1600m)を勝ち上がったのは(父)ポートエリザベス(2003.6.8、牝、栃栗毛)。美浦・尾形充弘厩舎の所属。その4代血統構成は『フジキセキ×Kingmambo×★Far North×ボールドラッドUSA』で『Halo系×Mr.Prospector系×Northern Dancer系×Bold Ruler系』の配合です。5代血統表内ではNorthern Dancer(1961.5.27)5×4(母方)のクロスがあります。ポートエリザベスの牝系は米国で受け継がれている8号族。伯母Culture Vulture(1989)は仏英伊6勝で仏1000ギニー(GI)、マルセルブサック賞(仏GI)、フィリーズマイル(英GI)、ロウザーS(英GII)、エミリオトゥラティ賞(伊GII)と重賞5勝で仏3歳牝馬王者、英伊古牝馬王者に選出された名牝。従姉Santa Catarina(2000)は米3勝でハリウッドBCオークス(GII)の勝ち馬です。また、曾祖母Past Exsample(1969)の孫には英年度代表馬Zilzal(1986)、米GI2勝の輸入種牡馬オウインスパイアリング(1986.4.30)、仏7勝の名マイラーPolish Precedent(1986)という「1986年生まれトリオ」がいます。ポートエリザベスは母マドモアゼルランド(1998.1.29)の初仔。
東京の新馬戦(芝1800m)を勝ち上がったのはチョウカイライジン(2003.4.8、牡、鹿毛)。美浦・二ノ宮敬宇厩舎の所属。その4代血統構成は『ブライアンズタイム×サンデーサイレンス×リマンド×ラバージョン』で『Hail to Reason系×Halo系×Alycidon系×Damascus系』の配合です。5代血統表内ではHail to Reason(1958)3×4のクロスがあります。チョウカイライジンの牝系は小岩井の12号族ビューチフルドリーマー(1903)系。千代田牧場さんが誇るワールドハヤブサ(1967.3.30)分枝系です。祖母タレンティドガール(1984.4.27)は中央4勝でエリザベス女王杯(GI)の勝ち馬です。タレンティドガールの半兄ニッポーテイオー(1983.4.21)は中央8勝で天皇賞・秋(GI)、安田記念(GI)、マイルCS(GI)、京王杯SC(GII)、スワンS(GII)、NZT4歳S(現NZT、GII。当時GIII)、函館記念(GIII)と重賞7勝の名馬です。また、タレンティドガールの仔シンコウシングラー(1995.4.11)は中央5勝でセントライト記念(GII)3着、アルゼンチン共和国杯(GII)3着があります。チョウカイライジンは母ライジングサンデー(1998.4.27)の初仔。
京都の新馬戦(ダート1200m)を勝ち上がったのはシフォンベール(2003.5.31、牝、栗毛)。栗東・宮徹厩舎の所属。その4代血統構成は『El Prado×Time for a Change×Sinister Purpose×Resonably Fair』で『Sadler’s Wells系×Damascus系×Nasrullah系×Hail to Reason系』の配合です。5代血統表内ではHail to Reason5×5のクロスがあります。シフォンベールの牝系は主に加国で受け継がれている4号族。全姉ウォーターポラリス(1997.3.12)は中央1勝でフェアリーS(GIII)2着があります。また、従兄Road Rush(1991)は米4勝でグレイS(GIII)の勝ち馬です。ちなみに、Road Rushの父はBroad Brush(1983)です。Road Rushは父の名前の「B」を外した名前になっていますね。シフォンベールは持込馬の為、母シンフォーミー(1992.4.27)の前年以前の繁殖成績が分かりかねました。あいすみません。
京都の新馬戦(芝2000m)を勝ち上がったのは(父)マイネルアラバンサ(2003.4.24、牡、鹿毛)。栗東・佐々木晶三厩舎の所属。その4代血統構成は『スペシャルウィーク×ブレイヴェストローマン×ミスターシービー×バーバー』で『Halo系×Never Bend系×Princely Gift系×Princely Gift系』の配合です。5代血統表内にはクロスはありません。マイネルアラバンサの牝系は小岩井の14号族タイランツクヰーン(1928)系。曾祖母フジタカレディ(1978.3.18)の仔マックスビューティ(1984.5.3)は中央10勝でオークス(GI)、桜花賞(GI)、神戸新聞杯(GII)、4歳牝馬特別(現フローラS、GII)、ローズS(GII)と重賞5勝の名牝です。マックスビューティの初仔マックスジョリー(1990.4.26)は中央2勝で桜花賞3着、オークス3着、4番仔チョウカイライジン(1993.5.15)は中央8勝で神無月S(OP)、オアシスS(OP)の勝ち馬。その他にも2番仔マックスワイザー(1991.5.24)が中央2勝、3番仔マックスウインザー(1992.5.29)が中央5勝、不受胎後の5番仔アーサーズフェイム(1995.6.7)が中央5勝と2勝以上を挙げています。また、マックスビューティの最後の仔となる2年連続不受胎後の8番仔ネヴァーフォゲット(2001.6.18)が現役で頑張っています。なお、チョウカイライジン、アーサーズフェイムと6番仔グッドタイミング(1996.6.21)は、現在門別のコスモファームにて種牡馬として供用されています。マイネルアラバンサは母タイランツフェイム(1993.5.8)が不受胎後の3番仔。
図らずも、「究極の美女」と「才媛」の記事を書くことになった、日曜日の3歳戦の結果でした。
#追記1。マックスビューティの仔がチョウカイライジン、タレンティドガールの孫がジョウテンライジン。ちょうどチョウカイライジンの記事を書いていた時にジョウテンライジンの勝利を知って、馬名について、不思議な思いにとらわれました。また、マックスビューティ以来の2冠牝馬となったのがベガでした。時は流れ、血は巡ります。
#追記2。エイシンセイテン(2003.3.11)とサンヴィクトワール(2003.2.22)の血統表をアップしました。よろしければ、ご覧ください。