ジャパンカップ(GI)に出走する外国勢の中で気になる馬をピックアップしました。
(1)ウィジャボード(2001.3.6、牝、鹿毛)。2004年カルティエ賞年度代表馬、並びに同賞最優秀3歳牝馬。第19代ダービー卿、唯1頭の持ち馬。馬名の意味は心霊術で用いる占い用の盤ということ。ここまで11戦6勝、2着1回、3着3回。その主な勝ち鞍は英オークス(GI)、愛オークス(GI)、BCフィリー&メアターフ(米GI)、プリンセスロイヤルS(英GIII)。ダービー卿の持ち馬、ダービーディスタンスに強いのは理の当然なのでしょうか、12Fのレースはここまで4戦3勝、3着1回です。
ウィジャボードの4代血統構成は『Cape Cross×Welsh Pageant×★Silly Season×Alycidon』で『Danzig系×Owen Tudor系×Tom Fool系×Blandford系』の配合です。5代血統表内にクロスはありません。ウィジャボードの牝系は欧州で受け継がれている12号族。伯父Teleprompter(1980)はアーリントンミリオン(米GI)など重賞6勝、いとこイブンベイ(1984.3.22)は愛セントレジャー(GI)を含むGI4勝、同じくいとこでイブンベイの妹Roseate Tern(1986.3.12)はヨークシャーオークス(英GI)など重賞3勝。近いところに10ハロン以上の距離で好成績を残す活躍馬が見られる、活気ある牝系です。また、母の受胎条件については、確証を得られた訳ではありませんが、ウィジャボードは母Selection Board(1982)が前年産駒なし後の10番仔のようです。
ウィジャボードの血統構成は、欧州でよく見られる「スタミナを保有した牝系に短距離系の種牡馬を付ける」というパターンになっています。Danzig(1977)系種牡馬の仔が、代を経て思った以上に距離をこなすのは、ちゃんとした裏付けがあってのことですね。中島理論的には4代血統構成が『A C ★y F』と見事に分かれて資質の固定がなされており、また5代アウトクロス馬という申し分ない配合になっています。潜在能力値は『4.00』と推定。私の本命候補。
(2)バゴ(2001.2.3、牡、黒鹿毛)。2004年カルティエ賞最優秀3歳牡馬。ここまで15戦8勝、2着1回、3着5回。その主な勝ち鞍に凱旋門賞(仏GI)、ガネー賞(仏GI)、パリ大賞(仏GI)、ジャンプラ賞(仏GI)、クリテリウムアンテルナシオナル(仏GI)、シェーヌ賞(仏GIII)。
バゴの4代血統構成は『Nashwan×Nureyev×Mr.Prospector×Halo』で『Blushing Groom系×Northern Dancer系×Raise a Native系×Hail to Reason系』の配合です。5代血統表内ではNearco(1935.1.24)5×5、Native Dancer(1950.3.27)5×5(父方)のクロス、Natalma(1957)4×5(母方)の牝馬クロスがあります。バゴの牝系は北米で受け継がれている2号族。祖母Coup de Genie(1991.5.7)はモルニ賞(仏GI)、サラマンドル賞(仏GI)、カブール賞(仏GII)と重賞3勝で仏2歳牝馬王者、叔母Denebola(2001.4.6)はマルセルブサック賞(仏GI)を勝ち仏2歳牝馬王者、曾祖母Coup de Folie(1982)はオマール賞(仏GIII)の勝ち馬、4代母Raise the Standard(1978)はNatalmaの仔、つまりはNorthern Dancer(1961.5.27)の半妹です。この牝系からはMachiavellian(1987)、Exit to Nowhere(1988)、El Moxie(1986)、ウェイオブライト(1996.3.8)、シンコウカリド(1998.5.7)などが輩出されています。言わずもがなの名繁殖系。また、母の受胎条件については、確証を得られた訳ではありませんが、バゴは母Moonlight Box(1996.2.2)の初仔のようです。
最近は欧米の2400mあるいは12Fレースで3着ばかりですが、若年期は1600mから2000mで6連勝を飾っていました。ミドルディスタンスで好成績を残している欧州馬は却って怖い。昨年の凱旋門賞を2分25秒0で制したように、高速馬場ならば活路は見出せそうです。ピルサドスキー(1992.4.23)が「伊達に種牡馬にはなりません!!」と叫ばれたように、箔を付けることができればよいのですが。私はシルシを回す予定です。
ではでは、今日はこんなところで。
コメント
ウィジャボードの血統って、めちゃめちゃバランスいいですよね。4代父のAlycidonが味出してるなー、と血統表見たときに思いました。
これは僕もかなり高い評価で、いまのところ○か▲です。
買わない理由がないですもんね。陣営は「ゼンノロブロイには負けない」とか言ってるらしいですし。
バゴはPhalaris4段付けですねー。
しかしマイルから2000までを6連勝ですか、それは知らなかった。
今年は日本馬がけっこう弱そうなので、ボス・ゼンノロブロイの相手は外国馬かな、と見ています。
今週は忙しくてあまり競馬のこと調べる時間取れなかったので、大いに役立ちました、ありがとうございます^^
◎blandford様
どうもどうも。
>ウィジャボード
良い馬ですよね~。私はガッチリ本命にしてしまいました(笑)。
>バゴ
直父系がBlushing Groom系ですからね~。私は念の為単穴にしてしまいました(笑)。
今日は簡単に以上でございます。
牝馬のJCでの成績はどうなんだろうと過去のレース結果を見ていたのですが、ここ最近は連対なしではあるものの、第15〜18回にかけて4年連続2着がありますね。ヒシアマゾン、ファビラスラフイン、エアグルーヴ、エアグルーヴ。
エアグルーヴのすごさが目立ってしまいます。
ウィジャボードが勝てば第9回のホーリックス以来16年ぶりの牝馬の勝利なのですが、今年は牝馬がブームなので十分ありかもしれませんね。
小学生の時にカツラギエースの逃げ切りを予想した私としては、マイソールサウンドにがんばってほしいです。
◎とぽ様
おお、わざわざのコメントありがとうございます。
>エアグルーヴ
ものすごい牝馬でした。私の短いキャリアで見た中では、いちばん強い牝馬。JC2年連続2着は激賞されるべき結果です。陣営は勝ちに行って勝てず、悔しい思いをされたようですけれど。
>ホーリックス
実はボンクラポッドキャストで「ホーリックス以来となる16年ぶりの牝馬ジャパンカップ制覇を遂げて欲しい」と喋っています(笑)。
府中芝2400mの勝ち時計2分22秒2って、どういうこと?すごいなぁ、ホーリックス。
>マイソールサウンド
1枠1番ですし、思い切った競馬をして欲しいですね。人気薄の本田優騎手は、怖い。調教師も「世界のニシウラ」ですしね。
>カツラギエース
私の母の実家が「かつらぎ町」という町名でして、愛着のある馬でした。もちろんライヴで見ていた訳ではありませんが、VTRでカツラギエースのジャパンカップを見るにつけ、「してやったり」と、思わずつぶやいてしまいます。
それにしても、小学生時代にカツラギエースの逃げ切りを予想されていたとは。ナイス。
以上、かろむわんでした。これから走る馬、人すべてが無事でありますように。