Australia 牡 栗毛 2011.4.8生 英国・スタンリーハウススタッド生産 馬主・D.スミス氏ほか 愛国・A.P.オブライエン厩舎
Galileo 鹿毛 1998.3.30 種付け時活性値:1.00 |
★ Sadler’s Wells 鹿毛 1981.4.11 |
Northern Dancer 鹿毛 1961.5.27 |
Nearctic 1954.2.11 |
Natalma 1957.3.26 | |||
Fairy Bridge 鹿毛 1975.5.4 |
Bold Reason 1968.4.8 | ||
Special 1969.3.28 | |||
アーバンシー 栗毛 1989.2.18 |
Miswaki 栗毛 1978.2.22 |
Mr.Prospector 1970.1.28 | |
Hopespringseternal 1971.5.27 | |||
Allegretta 栗毛 1978.3.10 |
Lombard 1967 | ||
Anatevka 1969 | |||
ウィジャボード 鹿毛 2001.3.6 仔受胎時活性値:0.25 |
Cape Cross 黒鹿毛 1994.3.13 種付け時活性値:1.50 |
Green Desert 鹿毛 1983.4.16 |
Danzig 1977.2.12 |
Foreign Courier 1979.4.11 | |||
Park Appeal 黒鹿毛 1982.4.9 |
Ahonoora 1975.4.12 | ||
Balidaress 1973.4.22 | |||
Selection Board 鹿毛 1982.4.21 仔受胎時活性値:0.50 |
Welsh Pageant 鹿毛 1966.4.3 種付け時活性値:1.75 |
Tudor Melody 1956 | |
Picture Light 1954 | |||
Ouija 黒鹿毛 1971 仔受胎時活性値:0.50 |
★Silly Season 鹿毛 1962.2.23 種付け時活性値:0.00 |
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Samanda 栗毛 1956 仔受胎時活性値:1.50 |
<5代血統表内のクロス:Northern Dancer3×5>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
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Galileo (Sadler’s Wells系) |
Cape Cross (Danzig系) |
Welsh Pageant (Owen Tudor系) |
★Silly Season (Tom Fool系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
Welsh Pageant | 2.75 |
母がGI7勝の名牝 (No.12-b) |
4番仔 (4連産目) |
*
第235代英ダービー(GI)馬に輝いたのは、栗毛に薄い流星も美しい、その名もAustralia。道中は中段9番手あたりの外を進み、タッテナムコーナーを回ってから、直線で一気の加速。内から詰め寄る芦毛のKingston Hill(2011.1.15)に1と4分の1馬身差を着けての勝利でした。
「世界の競馬」の合田直弘さんの解説によりますと、管理されるA.P.オブライエン調教師は、調教師として史上初の「The Derby3連覇」を果たされたそうな。そしてまた、通算5勝目。Galileo、High Chaparral(1999.3.1)、Camelot(2009.3.5)、Ruler of the World(2010.3.17)、そしてAustraliaの5頭。鞍上のJ.オブライエン騎手はCamelotに続いて、21歳にして英ダービー2勝目となりました。実際のところは分かりませんが、J.オブライエン騎手は身長180cmを超えているとか。体重管理が大変そうですね(^^;)
Australiaの母は、ジャパンカップ(GI)の2年連続参戦で日本でも馴染み深いウィジャボード。同牝馬は英オークス(GI)、愛オークス(GI)、プリンスオブウェールズS(英GI)、香港ヴァーズ(GI)、BCフィリー&メアターフ(米GI)2勝、ナッソーS(英GI)とGI7勝の名牝。現役当時は、第19代ダービー伯爵の唯一の持ち馬としても知られていました。Australiaは、母と同様にスタンリーハウススタッドの生産ですから、 当代のダービー伯爵の生産ということですね。Wikipediaのウィジャボードの記事によると、「生産した馬のうち牡馬は売却、牝馬のみを所有するというスタンス」とのことです。
英ダービー馬と英オークス馬の仔が、英ダービー馬。その第1号は、かのラムタラ(1992.2.2)でしたが、ラムタラの母Snow Bride(1986.2.28)は、1位入線Aliysa(1986.2.11)の降着による英オークス勝利でした。Australiaは、純粋な意味で、英ダービーを1位入線した父と、英オークスを1位入線した母の間から生まれた、英ダービー馬の第1号となりました。
また、中島理論的な見解からは離れますが、「Galileo×Cape Cross牝馬」の組み合わせにより、Australiaの血統内にSea The Stars(2006.4.6)が再現されているのも見て取れますね。そうして見ると、Cape Crossは大した種牡馬ですね。自身はロッキンジS(英GI)を勝ったマイラーでしたが、英ダービー馬の父、英オークス馬の父、さらには英ダービー馬の母父にもなったのですから。もっと言えば、東京優駿(GI)の勝ち馬の母父でもあります。ええ、Sea The Starsと同い年の、ロジユニヴァース(2006.3.11)。東京優駿と言えば、今年2014年の勝ち馬ワンアンドオンリー(2011.2.23)の母父がタイキシャトル(1994.3.23)。つまりは、1998年のジャック・ル・マロワ賞(仏GI)の1、2着馬、代を経て、共に距離をこなす仔を出しているのですから、立派です。
閑話休題。母ウィジャボードが2歳から5歳と息の長い活躍を見せた馬だけに、Australiaの今後も気になりますね。クールモアグループの英ダービー馬としては、オブライエン厩舎の先輩であるHigh Chaparralが、2歳から4歳までキッチリ走りきったことを思い出します。果たして、語源が「南の未知の大地」を名前に戴く、Australiaの進路や如何に。楽しみにしたいものです。
では、以上オオハシでした。これから走る馬、人すべてが無事でありますように。
#余談。Australiaの祖母父であるWelsh Pageantも、ロッキンジS2勝のマイル巧者でした。その他にクイーンエリザベスII世S(現英GI)、クイーンアンS(現英GI)、ハンガーフォードS(現英GII)など。