空胎後に名馬あり(2008年版)-其の十-。

という訳で、毎度おなじみの「空胎後に名馬あり」の記事でございます。

2008年のJRAGI(JpnI含む)レースの複勝圏馬における母の連産状況
レース名 1着馬 母の連産状況 2着馬 母の連産状況 3着馬 母の連産状況
フェブラリーS(GI) ヴァーミリアン 3連産目の3番仔 ブルーコンコルド 2連産目の2番仔 ワイルドワンダー 初仔
高松宮記念(GI) ファイングレイン 初仔 キンシャサノキセキ 2年連続流産後の4番仔 スズカフェニックス 2連産目の2番仔
桜花賞(JpnI) レジネッタ 4連産目の4番仔 エフティマイア 3連産目の3番仔 ソーマジック 2連産目の3番仔以降の仔
皐月賞(JpnI) キャプテントゥーレ 2連産目の2番仔 タケミカヅチ 2連産目の12番仔 マイネルチャールズ 3連産目の5番仔
天皇賞・春(GI)  アドマイヤジュピタ 不受胎後の3番仔 メイショウサムソン 流産後の初仔 アサクサキングス 2連産目の2番仔
NHKマイルカップ(JpnI) ディープスカイ 不受胎後の4番仔 ブラックシェル 不受胎後の3番仔 ダノンゴーゴー 2連産目の5番仔以降の仔
ヴィクトリアマイル(JpnI) エイジアンウインズ 3連産目の3番仔 ウオッカ 2連産目の4番仔 ブルーメンブラット 5連産目の9番仔以降の仔
オークス(JpnI) トールポピー 4連産目の5番仔 エフティマイア 3連産目の3番仔 レジネッタ 4連産目の4番仔
日本ダービー(JpnI) ディープスカイ 不受胎後の4番仔 スマイルジャック 2連産目の2番仔 ブラックシェル 不受胎後の3番仔
安田記念(GI) ウオッカ 2連産目の4番仔 アルマダ 空胎後の5番仔 エイシンドーバー 報告なし後の仔
(前年産駒なし後?)
宝塚記念(GI) エイシンデピュティ 2連産目の2番仔 メイショウサムソン 流産後の初仔 インティライミ 4連産目の10番仔

では、今週末に行われる第42回スプリンターズS(GI)の出走予定馬16頭について、母の連産状況を確認しておきます。

第42回スプリンターズS(GI)出走予定馬についての母の連産状況
馬名
(生年月日)
母馬名
(生年月日)
母の何番仔?
アポロドルチェ(米)
(2005.4.10)
Summertime Val
(1994.4.26)
2連産目の5番仔
(or 6連産目の6番仔)
ウエスタンビーナス
(2003.4.18)
ウエスタンシャープ
(1993.6.17)
6連産目の6番仔
エムオーウイナー
(2001.5.27)
ミラクルムテキ
(1993.6.6)
5連産目の5番仔
カノヤザクラ
(2004.3.31)
ウッドマンズシック
(1994.1.29)
2連産目の6番仔
キンシャサノキセキ(豪)
(2003.9.24)
ケルトシャーン
(1994.5.5)
2年連続流産後の4番仔
ジョリーダンス
(2001.4.22)
ピーターホフズパティア
(1988.5.1)
2連産目の
シンボリグラン(愛)
(2002.5.18)
Valixa
(1995.4.10)
3連産目の3番仔?
スズカフェニックス
(2002.3.29)
ローズオブスズカ
(1992.4.18)
2連産目の2番仔
スピニングノアール
(2001.2.2)
オーシャンドリーム
(1995.4.24)
3連産目の3番仔
スリープレスナイト
(2004.2.7)
ホワットケイティーディド
(1989.3.18)
2連産目の7番仔以降の仔
(生後直死含む)
タニノマティーニ
(2000.5.23)
タニノメール
(1993.3.20)
2連産目の2番仔
タマモホットプレイ
(2001.4.1)
ホットプレイ
(1992.2.27)
3連産目の4番仔
トウショウカレッジ
(2002.6.8)
ロゼトウショウ
(1997.6.10)
初仔
ビービーガルダン
(2004.3.10)
オールザチャット
(1994.10.20)
2年連続不受胎後の4番仔以降の仔
ファイングレイン
(2003.3.7)
ミルグレイン
(1997.5.5)
初仔
プレミアムボックス
(2003.4.8)
チャッターボックス
(1987.2.28)
12連産目の12番仔

長い表にお付き合い頂き、ありがとうございます。さて、↑の表より、

  1. キンシャサノキセキ
  2. トウショウカレッジ
  3. ビービーガルダン
  4. ファイングレイン

以上の4頭が母が非連産で生産された産駒であることが分かりました。……なんだ言いながら人気どころですね(^_^.)

春の高松宮記念(GI)で1着2着を決めたフジキセキ(1992.4.15)産駒。かたや1200m戦[4-0-0-1]のファイングレイン、こなた中山[2-0-0-0]のキンシャサノキセキ。詳細は省きますが、現在のところ「SS2世種牡馬の牡馬産駒で、国内の古馬GIレースを勝っている馬は、いずれも母が前年産駒なし後の仔」という地味なデータもあります。些細ではありますが、この両頭は後ろ盾となる要素を持ち合わせています。

前走キーンランドカップ(JpnIII)2着から挑むビービーガルダン。こと1200m戦に限って言えば[5-3-0-1]の成績です。また、改めて彼の4代に渡る累代種牡馬を眺めると、

ビービーガルダン(2004.3.10)の4代における累代種牡馬
母父 祖母父 曾祖母父
チーフベアハート Westminster Rory’s Jester Karayar
父の系統 母父の系統 祖母父の系統 曾祖母父の系統
Danzig系 Sir Tristram系 Nasrullah系 Relic系

父チーフベアハート(1993.2.1)はともかく、母父、祖母父、曾祖母父と「誰ですか?」という馬ばかり(^_^.)。それもそのはず、母オールザチャットは新国産馬で、母父Westminster(1984.11.11)も新国産馬、祖母父Rory’s Jester(1982.11.17)は豪州産馬、曾祖母Karayar(1968)は英国産馬であるものの新国にて種牡馬供用されたようです。なお、曾祖母父Karayarの父は輸入種牡馬シルバーシャーク(1963)というシブさです。

函館SS(JpnIII)では2着だったトウショウカレッジ。祖母コーニストウショウ(1977.6.12)ということで、ウオッカ(2004.4.4)シスタートウショウ(1988.5.25)などが近親に見えますね。小岩井農場の3号族フロリースカップ(1904)系。ここ一番で底力が発揮されるでしょうか。

今年もスプリンターズSの有力どころに牝馬がいます。レース当日の10月5日に満63歳の誕生日を迎えられる橋口弘次郎調教師が送り出す2頭、カノヤザクラとスリープレスナイト。かたやカノヤザクラはサマースプリントシリーズの女王、こなたスリープレスナイトは1200m戦[8-1-0-0]。見れば、共にやはり強い4歳世代の牝馬。過去の例から牝馬については連産状況を別段強調しなくても良いと考えていますので、重賞連勝の波に乗る両頭が、調子を維持できていれば好勝負になるのではないかと思います。

特に、まったくもって個人的な応援ですが、スリープレスナイトの鞍上である上村洋行騎手-我らがblandfordさんと同じ10月23日生まれ-には、頑張ってほしいと願っています。私が応援している騎手は、一に角田晃一、二に上村洋行、三に古川吉洋ですので、ね。

「飛蚊症(ひぶんしょう)」という目の病気を患い、都合4回も手術を受けられたという上村騎手。並外れた動体視力が要求されるであろう騎手という職業において、目に繰り返しメスを入れるというのは、勇気のいることだったでしょう。そんな上村騎手。私が競馬を見始めた時はまだデビュー2年目だった若武者も、気が付けば17年目のベテラン。ここいらで一発、GI初勝利を挙げても良い頃です。

上村騎手が普段からお世話になっているという橋口調教師の管理馬で向かうGI。もし、トップでゴールを駆け抜けられたならば、そのとき上村騎手に去来するものの大きさを思うところです。門司通り、もとい文字通り、北九州記念の勝利後は眠れない夜になったようですが、また再び眠れない夜が訪れても良いでしょう。本当にそうなるように、心から期待しています。

最後は母の連産状況とは関係ない文章になりましたね。失敬仕りました。それでは皆様、よい馬券を。ではでは、今日はこのへんで♪

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