過去10年のオークス(JpnI)連対馬の4代血統構成について。

表題件について、できるだけ簡単に。いや、それほど簡単ではありませんか(笑)

過去10年のオークス(JpnI)連対馬の4代血統構成について
年次 馬名
(生年月日)[連産状況]
(上が1着、下が2着)
Family
No.
4代血統構成(各父名の右の[アルファベット]は父系分類を示す。父系分類区分の詳細) 馬体重
(kg)

(活性値)
母父
(活性値)
祖母父
(活性値)
曾祖母父
(活性値)
1998年 エリモエクセル
(1995.5.18)
[-4]
1 ロドリゴデトリアーノ[A]
(1.25)
★Riverman[A]
(0.00)
Exclusive Native[x]
(1.50)
◆Northern Dancer[A]
(0.75)
422
エアデジャヴー
(1995.3.27)[2-2]
4 ノーザンテースト[A]
(1.75)
★Well Decorated[A]
(0.00)
Gleaming[C]
(1.50)
Ribot[B]
(0.00)
436
1999年 ウメノファイバー
(1996.5.5)
[4-4]
1 サクラユタカオー[A●]
(1.25)
ノーザンディクテイター[A]
(0.75)
シルバーシャーク[D]
(1.75)
セダン[B]
(1.25)
428
トゥザヴィクトリー
(1996.2.22)
[初仔]
9 サンデーサイレンス[A]
(0.25)
Nureyev[A]
(1.25)
★Sharpen Up[x]
(0.00)
★Terrible Tiger[A]
(0.00)
468
2000年 シルクプリマドンナ
(1997.4.22)
[4-6]
13 ブライアンズタイム[A]
(0.75)
★Northern Dancer[A]
(0.00)
In Reality[D]
(1.25)
Dedicate[B]
(0.50)
424
チアズグレイス
(1997.3.30)
[3-3]
21 サンデーサイレンス[A]
(0.50)
Al Nasr[A]
(0.75)
Northfields[A]
(1.00)
Kashimir[C]
(1.75)
490
2001年 レディパステル
(1998.4.26)
[5-5]
1 トニービン[A]
(1.50)
Blushing Groom[A●]
(1.25)
Dr.Fager[z]
(1.25)
Nearco[A]
(1.25)
448
ローズバド
(1998.4.29)
[初仔]
1 サンデーサイレンス[A]
(0.75)
Shirley Heights[A]
(0.25)
Lyphard[A]
(0.50)
Secretariat[A]
(0.25)
412
2002年 スマイルトゥモロー
(1990.4.20)
[5-5]
4 ★ホワイトマズル[A]
(0.00)
サウスアトランティック[A]
(1.75)
パーソロン[E]
(1.50)
ヴェンチア[D]
(0.00)
434
チャペルコンサート
(1999.1.31)
[初仔]
1 サンデーサイレンス[A]
(1.00)
Sharpo[x]
(1.50)
Known Fact[D]
(1.75)
★ソーブレスト[A●]
(0.00)
418
2003年 スティルインラブ
(2000.5.2)
[10-10]
10 サンデーサイレンス[A]
(1.25)
★Roberto[A]
(0.00)
Northern Dancer[A]
(0.50)
Creme Dela Creme[C]
(1.25)
442
チューニー
(2000.3.18)
[2-4]
4 サンデーサイレンス[A]
(1.25)
Kris[x]
(1.50)
Seattle Slew[A]
(0.50)
Northern Dancer[A]
(0.25)
438
2004年 ダイワエルシエーロ
(2001.5.11)
[2-2]
22 サンデーサイレンス[A]
(1.50)
ドクターデヴィアス[E]
(1.25)
Danzig[A]
(1.00)
Damascus[G]
(0.50)
430
スイープトウショウ
(2001.5.9)
[3-3]
5 エンドスウィープ[x]
(0.25)
ダンシングブレーヴ[A]
(0.25)
トウショウボーイ[A●]
(0.75)
ダンディルート[E]
(1.25)
446
2005年 シーザリオ
(2002.3.31)
[7-6]
16 スペシャルウィーク[A]
(1.50)
★Sadler’s Wells[A●]
(0.00)
★Habitat[A]
(0.00)
Le Fabuleux[B]
(0.00)
460
エアメサイア
(2002.2.4)
[2-2]
4 サンデーサイレンス[A]
(1.75)
ノーザンテースト[A]
(1.75)
★Well Decorated[A]
(0.00)
Gleaming[C]
(1.50)
470
2006年 カワカミプリンセス
(2003.6.5)
[3-3]
4 キングヘイロー[A]
(1.75)
Seattle Slew[A]
(1.25)
Secretariat[A]
(1.50)
Key to the Mint[B]
(0.25)
484
フサイチパンドラ
(2003.2.27)
[3-6]
8 サンデーサイレンス[A]
(0.00)
Nureyev[A]
(1.50)
Buckpasser[y]
(1.50)
Traffic Judge[C]
(1.00)
494
2007年 ローブデコルテ
(2004.4.28)
[4-4]
10 Cozzene[A]
(1.75)
Seeking the Gold[x]
(0.50)
Northern Dancer[A]
(0.50)
Creme Dela Creme[C]
(1.25)
456
ベッラレイア
(2004.2.27)
[8-8]
3 ナリタトップロード[C]
(1.75)
★Baldski[A]
(0.00)
Argument[G]
(1.50)
Round Table[B]
(0.00)
444

相変わらず見難い表にお付き合い頂き、ありがとうございます。

過去10年の連対馬を見た時にまず印象に残ることは、

ということでしょうか。過去10年中8年で9頭の産駒が連対を果たしています。昨年2007年はSS死没後で直仔がいない初めてのクラシックでしたから、出走機会が得られる9年のうち8年は産駒が連対を果たした、という言い方もできますね。その9年のうち唯一連対を果たせなかったのが1998年ですが、SS満8歳時の0交配を受けた1995年産の牝馬にクラシック戦線で目立った活躍馬が見られないという年でした。netkeibaで確認したところ、1995年産のSS牝馬でJRA重賞を制したのはエガオヲミセテ(1995.5.27)、マルカコマチ(1995.3.25)の2頭のみでした。

ついで気付くことは、

  • 連対馬20頭中16頭が4代血統構成に異系もしくはネオ異系を組み込んでいる

ということですね。↑の表では4代血統構成に現れる各父のどこかに、青のゴシックもしくは青文字で表示されている馬ですね。祖母父、曾祖母父の位置にSt.Simon(1881)系、Hampton(1872)系というネオ異系を持ち合わせている、というパターンが多く見られます。

逆に異系もしくはネオ異系を組み込んでいない馬たち、換言すれば字面上Phalaris(1913)系4代累代配合の馬たちを見てみると、

  • 異系を持ち合わせていない連対馬4頭のうち3頭が母が前年産駒なし後の仔

ということが言えます。1998年1着のエリモエクセルは母エリモファンタジー(1986.4.28)が空胎後の4番仔、1999年2着のトゥザヴィクトリーは母フェアリードール(1991.2.13)の初仔、2001年2着のローズバドも母ロゼカラー(1993.2.15)の初仔です。この3頭には「母体の活力の充実」というバックボーンがあったのでした。また、エリモエクセル、トゥザヴィクトリーの2頭は父方、母方の近い代(4代血統表内)で0交配を多く持ち合わせており、同系交配の牝馬が走るパターンのひとつを実践しているように見えます。ついで、ローズバドは母ロゼカラーも祖母ローザネイ(1988.2.9)の初仔、そして母系4代がいずれも満8歳時までに交配が行われるという活力ある世代交代がなされています。

連対馬20頭のうち残る1頭となったのはチューニー。「春姫」という意味の可愛らしい馬名の彼女は、単純に「SS直仔」「母が満8歳時交配」「名牝系」「5代アウトクロス」「重賞であるクイーンCの勝ち馬(※2003年は中山で開催)」という後押し満載です(笑)

また、彼女が連対を果たした2003年のオークスは、特異なオークスとして私の記憶に残ります。それは、

  • 春期に行われたオークスにおいて同一種牡馬の仔のワンツーフィニッシュは2003年ただ1回だけ

ということです。意外に同一種牡馬のワンツーフィニッシュがなされないのが牝馬クラシックの性質でもあります。こんなところに、牡馬の繁殖闘争と、牝馬の順位闘争の違いが見られるのかも知れませんね。「全」ではなく「個」の争いとなる牝馬。各々の個体の持つ能力が高ければ、父系の占有率などは関係なしに、高い順位が得られるのでしょう。

なお、2003年より前の同一種牡馬のワンツーフィニッシュは、1946年の1着ミツマサ(1943.3.30)、2着トヨトシ(1943)まで遡らなければなりません。両馬の父はMan o’War(1917.3.29)の直仔で未出走の名種牡馬である月友(1932.3.13)でした。なお、ミツマサが制した1946年のオークスから施行競馬場が東京へ移動となりました。また、オークスが春期に施行されるようになったのは1953年からです。

ついで、今回は↑の表の右端にオークス出走時の各馬の馬体重を併せて表記しておきました。競馬格言である「小さい馬が走るオークス」を確認しようと思ったのでした(笑)。450kgを境として未満の馬には馬体重を青色にしています。すると、連対馬20頭中13頭が450kg未満でした。ただ、直近3年は450kg以上の馬の連対が目立っています。特に2006年は3着アサヒライジング(2003.2.9)も488kgということで、480kg以上のグラマラスな馬たちが上位を占めた年でした。近年は馬体の大型化からも傾向が薄らぎつつあるのかも知れません。

まま、過去のオークスの傾向からまとめると、

  1. 4代血統構成に異系もしくはネオ異系を組み込むのが好ましい
  2. 異系を組み込んでいない場合は母の受胎条件による後押しが必要
  3. 同一種牡馬の仔のワンツーフィニッシュにはなりにくい
  4. 450kg未満の馬がよく頑張っている-ただし、近年は傾向が薄らぎつつある-

ということが言えますでしょうか。オークスの芝2400mの距離をこなすには同系が累代された一本調子な配合ではなかなかに難しく、もし同系交配であれば母からの後押しが必要ということですね。また、牝馬クラシックでは同一種牡馬の仔のワンツーフィニッシュにはなりにくい、ということも覚えておいて損はないポイントです。

皆様もお気付きになったことがあれば、ご教示願います。ではでは、今日はこのへんで♪

コメント

  1. ゴリ より:

    オークスは小さい馬、というのは、言われてみれば
    なるほど、と思いました。
    小生はオークスで小さい馬というと、アドラーブルが
    頭に浮かびました。確か小さかったよな、と思って
    調べてみたら、オークスの時は410kgでした。
     今年も小柄な馬は何頭かいますね。でも、
    日曜は雨・・・小さな馬には響かないといいんですが。

    あと、小生インブリードの点から過去のGⅠ馬を見ている
    のですが、蛇足かとは思いますが、以下に、検討結果を
    貼り付けておきます。
    2007①ローブデコルテ
    Native Dancer 6.25% 5 x 5  ミスプロの0
    ②ベッラレイア
    Northern Dancer 9.38% 5 x 4
    Nasrullah 6.25% 5 x 5  ともにBaldski の0

    2006①カワカミプリンセス
    Hail to Reason 9.38% 4 x 5  ブルー0
    Bold Ruler 9.38% 5 x 4   Boldnesian の0
    Sir Gaylord 6.25% 5 x 5   ブルー0
    ②フサイチパンドラ
    Almahmoud 9.38% 4 x 5  ピンク0

    2005①シーザリオ
    Northern Dancer 15.63% 5 x 3  Sadler
    Hail to Reason 9.38% 4 x 5
    Turn-to 6.25% 5 x 5
    Almahmoud 6.25% 5 x 5  すべてサンデーの0
    ②エアメサイア
    Almahmoud 9.38% 4 x 5
    Lady Angela 9.38% 5 x 4  ともにピンク0

    2004①ダイワエルシエーロ
    Northern Dancer 9.38% 5 x 4 (母方)一方種付時17歳 初仔
    ②スイープトウショウ
    Northern Dancer 12.50% 4 x 4  ブルー0

    2003①スティルインラブ
    Hail to Reason 25.00% 3 x 3
    Almahmoud 9.38% 4 x 5  ともにサンデーの0
    ②チューニー 5代アウトクロス

    2002①スマイルトゥモロー
    5代アウトクロス
    ②チャペルコンサート
    Mixed Marriage 6.25% 5 x 5  ピンク0

    2001①レディパステル
    Nearco 9.38% 5 x 4
    Nasrullah 9.38% 5 x 4  ゼダーンの0・Brushing Groom がダミー
    ②ローズバド 
    5代アウトクロス、初仔

    2000①シルクプリマドンナ
    Nasrullah 6.25% 5 x 5  ブルー0
    ②チアズグレイス
    Northern Dancer 12.50% 4 x 4 (母方)Al Nasr の0

    1999①ウメノファイバー
    Nasrullah 12.50% 4 x 5 x 5  Princely Giftがダミー、ネヴァービートの0
    Nearco 6.25% 5 x 5
    ②トゥザビクトリー
    Almahmoud 9.38% 4 x 5  サンデーの0
    Native Dancer 6.25% 5 x 5  Sharpen Upの0

    1998①エリモエクセル
    Northern Dancer 18.75% 3 x 4  ブルー0
    Nearco 6.25% 5 x 5    Rivermanの0
    Native Dancer 6.25% 5 x 5  ×
    ②エアデジャヴー
    Lady Angela 18.75% 4 x 3  ピンク0

    読みにくくてスイマセン。エリモエクセル、ダイワ
    エルシエーロあたりが微妙ですが、他はきれいに
    0の理論でいけるような(ブルー0が結構出てきま
    すが、思い違いをしているかもしれません)。

    ということで、血統構成面でこれは、と思える馬を
    今年のオークスでも良く吟味したいと思います。

    長文失礼しました。

  2. much_better より:

    >Phalaris4段付け
    これはどうなんだろうと以前から気になっていました。
    出ていたら穴人気しそうだったシングライクバードにサンプルとして出て欲しかったです。

  3. オオハシ より:

    ◎ご両名
    いつもお世話になっております。折り返しが遅くなってしまい、恐れ入ります。
    ○ゴリ様
    >アドラーブル
    その母エコルシュの初仔でもあるアドラーブル。オークスは良馬場での勝利でしたが、実は表彰式の時に雨が降ってきたんですよね。他にも新馬戦、チューリップ賞と彼女が勝利を収めた時は不思議と雨が降ったのでした。雨もしたたる良い女、でした。
    >インブリード
    詳細な確認ありがとうございました。手前味噌ながら↑の表における各馬へのリンクもご参照頂けると幸いです(笑)
    なお、エリモエクセルは母が空胎後の仔というバックボーンがあり、Native DancerのクロスはPhalarisがグリーン0になっているクロスとすると、ギリギリ4代目のブルー0ということにもなりますね。
    また、ダイワエルシエーロは実は母の2番仔であることをお伝えしておきます。ダイワエルシエーロの母ロンドンブリッジは2000年に牝駒を産んでいるものの、血統登録の申込をされていないようです。

    ○much_better様
    こういう記事を書いた途端、字面上Phalaris系4代累代配合馬が3着までを独占するというアイロニーが発生してしまいました(苦笑)

    ではでは、ご両名、わざわざのコメント、誠にありがとうございました♪

  4. much_better より:

    >Phalaris4段付け
    勝ち馬に関してはデータの範囲内ですね。
    エリモエクセル同様母父がゼロ交配です。
    (そしてエリモエクセル同様El Gran Senorを使っていますね。)
    この10年以内Phalaris4段付けの桜花賞馬であるテイエムオーシャンでも母父がゼロ交配でした。

    その意味では、ちょっとした手心があれば勝っていたエフティマイアのフジキセキが凄いです。
    中島理論的に理解しようとすればフジキセキの父系を疑うより他ないように思います。

  5. オオハシ より:

    ◎much_better様
    いつもお世話になっております。折り返しが遅くなってしまい恐れ入ります。

    >母父がゼロ交配
    ご指摘を受けてから、自分で作った表を見て後付けで気付くのが常の私です(笑)
    改めて見ると「母父の0交配」を受けている近年のオークス連対馬も多いですね。

    1998年 1着 エリモエクセル
    1998年 2着 エアデジャヴー
    2000年 1着 シルクプリマドンナ
    2003年 1着 スティルインラブ
    2005年 1着 シーザリオ
    2007年 2着 ベッラレイア

    そして、上記に加えて、今年2008年1着のトールポピー。

    エリモエクセルのオークスから10年が経って「母父0交配」
    「El Gran Senor(1981.4.21)の血」が巡ったのでしょうか。

    テイエムオーシャンの例も引いて頂きましたけれど、牝の上級競走馬は、
    近い代で0を受けている時、その能力を素直に信じて良いように感じます。

    いままで見てきた傾向からすると、0交配の威力がストレートに表れやすいのは、
    牡馬よりも牝馬であるように思います。

    >エフティマイア
    「フジキセキ×ニホンピロウイナー×ノーザンテースト×Cipol」という4代血統構成。
    母方3系の父がすべて純正のPhalaris系ならば、そこはもう「破壊的サイアー」の血を見直す他
    ありませんね(笑)

    それにしても、先行粘り込みを図ったエフティマイアの強いこと。恐れ入りました。

    ではでは、わざわざのコメント、誠にありがとうございました♪

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