2008年の重賞勝ち馬の血統について-其の壱-。

せめて重賞勝ち馬くらい振り返ろうと、7月の勝ち馬から翌週明けにご案内したいと思います。

第57回ラジオNIKKEI賞(JpnIII)。

レオマイスター 牡 栗毛 2005.4.28生 門別・若林武雄氏生産 馬主・(株)レオ 美浦・古賀慎明厩舎

レオマイスター(2005.4.28)の4代血統表
ニューイングランド[A]
栗毛 1997.4.4
種付け時活性値:1.75
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
★Halo
黒鹿毛 1969.2.7
Hail to Reason 1958.4.18
Cosmah 1953.4.4
Wishing Well
鹿毛 1975.4.12
Understanding 1963.2.17
Mountain Flower 1964.3.23
クラウンフォレスト
栗毛 1990.2.17
Chief’s Crown
鹿毛 1982.4.7
Danzig 1977.2.12
Six Crowns 1976.4.21
プレイメイト
栗毛 1975.4.12
Buckpasser 1963.4.28
Intriguing 1964.2.16
ローズレッド
栗毛 1992.4.29
仔受胎時活性値:1.00
(母の初仔)

ジャッジアンジェルーチ[A]
栗毛 1983.2.22
種付け時活性値:0.00
Honest Pleasure
黒鹿毛 1973.3.28
What a Pleasure 1965.4.24
Tularia 1955
Victorian Queen
鹿毛 1971.3.24
Victoria Park 1957.5.10
Willowfield 1965.2.26
コニーストン
鹿毛 1987.5.11
仔受胎時活性値:1.00
(母が2連産目の仔)
プルラリズム[A]
鹿毛 1980.4.9
種付け時活性値:1.50
The Minstrel 1974.3.11
Cambretta 1975.5.8
クリプシー
栗毛 1975.2.22
仔受胎時活性値:0.75
アローエクスプレス[A]
鹿毛 1967.4.10
種付け時活性値:1.75
モンタロッチ
栗毛 1963.3.15
仔受胎時活性値:0.75

<5代血統表内のクロス:Northern Dancer5×5>

レオマイスター(2005.4.28)の中島理論的総括
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 何番仔?
ニューイングランド 3.50 従兄メイショウラムセス
(No.11-C クレイグダーロッチ系)
7番仔
(2連産目)

ニューイングランド産駒として初めての中央重賞勝ち馬となりました、レオマイスター。

中島理論的な観点からは母父ジャッジアンジェルーチの0交配により近い代で先祖を減らしています。ジャッジアンジェルーチは父としては名ジャンパー・ゴーカイ(1993.5.6)を輩出したくらいですが、母父としてはオレハマッテルゼ(2000.1.16)、エガオヲミセテ(1995.5.27)、そしてレオマイスターと複数の重賞勝ち馬を送り込みました。

また牝系は御料の11号族クレイグダーロッチ(1922)系。以下に簡単な近親牝系図を示しておきます。

クリプシー 1975.2.22 中央2勝
|シバスキー 1981.5.10 中央2勝
||ワコーチカコ 1990.4.18 中央9勝 京都記念(GII) 金杯(現京都金杯、GIII) 函館記念(現JpnIII) エプソムC(GIII)
||ループスキークロス 1992.6.1 不出走
|||ダンツジャッジ 1999.6.20 中央6勝 AJC杯(現JpnII) ダービー卿CT(GIII)
|コニーストン 1987.5.11 中央2勝 紅梅賞(現紅梅S、OP)
||ローズレッド 1992.4.29 地方0勝
|||レオマイスター 2005.4.28 (本馬)
||メイショウヤエガキ 1993.5.2 中央3勝 ホープフルS(OP)
|||メイショウラムセス 1998.3.28 中央6勝 富士S(GIII)
|マチカネタンホイザ 1989.5.7 中央8勝 高松宮杯(旧GII) 目黒記念(現JpnII) AJC杯 ダイヤモンドS(現JpnIII)

実は8勝中7勝が左回りというサウスポーだったマチカネタンホイザ、満5歳初頭に金杯、京都記念を連勝して引退の花道を飾ったワコーチカコ、ラムタラ(1992.2.2)の仔で今のところ唯一の中央平地重賞勝ち馬メイショウラムセス、ウォーニング(1985.4.13)の仔ながら距離をこなしたダンツジャッジなど、近親は多彩なメンバーですね。

日本古来の名牝系から現れた楽しみな3歳牡馬レオマイスター。これからに期待しましょう。

第15回函館スプリントステークス(GIII)。

キンシャサノキセキ 牡 鹿毛 2003.9.24生 豪州・アローリーヴ社生産 馬主・吉田和美氏 美浦・堀宣行厩舎

キンシャサノキセキ(2003.9.24)の4代血統表
フジキセキ[A]
青鹿毛 1992.4.15
種付け時活性値:0.625
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
★Halo
黒鹿毛 1969.2.7
Hail to Reason 1958.4.18
Cosmah 1953.4.4
Wishing Well
鹿毛 1975.4.12
Understanding 1963.2.17
Mountain Flower 1964.3.23
ミルレーサー
鹿毛 1983.5.20
Le Fabuleux
鹿毛 1961
Wild Risk 1940
Anguar 1950
Marston’s Mill
黒鹿毛 1975.5.31
In Reality 1964.3.1
Millicent 1969
ケルトシャーン
鹿毛 1994.5.5
仔受胎時活性値:0.125
Pleasant Colony[B]
黒鹿毛 1978.5.4
種付け時活性値:1.75
His Majesty
鹿毛 1968.4.15
Ribot 1952.2.27
Flower Bowl 1952
Sun Colony
鹿毛 1968.2.25
★Sunrise Flight 1959.5.9
Colonia 1959
Featherhill
鹿毛 1978.2.24
仔受胎時活性値:1.75
★Lyphard[A]
鹿毛 1969
種付け時活性値:0.00
Northern Dancer 1961.5.27
Goofed 1960
Lady Berry
栗毛 1970.4.3
仔受胎時活性値:1.75
Violon d’Ingres[E]
鹿毛 1959.5.2
種付け時活性値:0.50
Moss Rose
栗毛 1963
仔受胎時活性値:1.50

<5代血統表内のクロス:なし>

キンシャサノキセキ(2003.9.24)の中島理論的総括
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 何番仔?
Pleasant Colony
(Cockrullah)
5.125 近親活躍馬多数
(No.14)
?
(双子流産後)

10度目の重賞挑戦でついにタイトルをつかみました、キンシャサノキセキ。サスガに高松宮記念2着馬というところを見せました。

キンシャサノキセキは豪州産のフジキセキ産駒ですね。他馬より成長が半年ほど遅いにもかかわらず新馬、ジュニアカップ(OP)と連勝を飾った時に将来を有望視されました。素養だけで走って北半球表記3歳春のNHKマイルカップ3着、同3歳秋に芝1400mを1分19秒4という超抜のタイム勝ち。その後、少し時間はかかったものの、見事に重賞勝ち馬に上り詰めたのですから大したものです。

キンシャサノキセキの牝系は欧米で継承されている14号族。以下に簡単な近親牝系図を示しておきます。

Lady Berry 1970.4.3 仏6勝 ロワイヤルオーク賞(GI)ほかGIII1勝
|Featherhill 1978.2.24 米仏2勝
||グルームダンサー 1984.3.23 愛英仏8勝 リュパン賞(仏GI)ほか仏GIII4勝
||Tagel 1986.4.9 米仏2勝 サンロマン賞(仏GIII)
||Slew the Slewor 1987.4.18 米仏香8勝 米GII2着1回ほか米仏GIII2着2回
||Sea Hill 1993.5.5 仏1勝
|||Icelips 1999.1.3 海外1勝
||||Iron Lips 2004.1.20 現役 エクリプス賞(仏GIII)
||||Falco 2005.1.17 現役 仏2000ギニー(GI)
|||Legerete 2004.2.2 現役 マルレ賞(仏GII)ほか仏GIII1勝
||ケルトシャーン 1994.5.5 不出走
|||キンシャサノキセキ 2003.9.24 (本馬)
||Pieds de Plume 1995.5.5 仏0勝
|||Hearthstead Maison 2004.5.16 現役 キルターナンS(愛GIII)
|Le Nain Jaune 1979.3.31 英仏3勝 パリ大賞(仏GI)-マジックナイト(1988.3.9)の父-
|Woolskin 1981.3.31 米仏2勝 パリ大賞2着
|Indian Rose 1985.2.26 英仏3勝 ヴェルメイユ賞(仏GI)ほか仏GIII1勝
|ヴェールタマンド 1988.1.26 西伊独仏中央5勝 ガネー賞(仏GI)ほか仏GII1勝、仏GIII1勝

見れば、豪華な近親たち。今年の仏2000ギニー馬Falcoも輩出されていますね。

以前にちょいと確認したところによると、直祖父にSSを持つ馬が古馬ジーワンで勝負する際には「母が前年産駒なし後」という母体の後押しが必要なようです。キンシャサノキセキは「母が双子流産後の仔」なので、その条件を満たしています。今秋の短距離路線での活躍が楽しみですね。

ではでは、今日はこのへんで。

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