その差はわずかに9cm。

第68回オークス(JpnI)。

1着ローブデコルテ(2004.4.28)。最後の最後、計ったかのように「ハナ」差、9cmだけ先着。見事な末脚でした。鞍上の福永祐一騎手は2004年ダイワエルシエーロ(2001.5.11)1着、2005年シーザリオ(2002.3.31)1着、2006年フサイチパンドラ(2003.2.27)2着、そして2007年ローブデコルテ1着と4年連続オークス連対、うち3勝という素晴らしさです。3歳春の牝馬の府中芝2400m戦において、いかに騎乗馬の能力があれど、こうも立て続けに連対を果たされると、素直に脱帽するほかありません。「新・オークス男」。ご自身でおっしゃっていた名称、確かにそのまま差し上げられます。

戦前は距離を懸念されたローブデコルテ。しかし、終わってみればオークスレコードとなる2分25秒3の快時計勝ち。米国で継承されている10号族、ダテに従姉「3冠牝馬」スティルインラブ(2000.5.2)、従兄「3歳初夏に中山芝1800mをコースレコード勝ち」ビッグバイアモン(1993.4.16)ではありません。見事な史上初の外国産馬によるクラシック制覇でした。合わせて、一発駆けのCozzene(1980.5.8)系の恐ろしさを、改めて思いました。

2着ベッラレイア(2004.2.27)。2分25秒3の走破時計、ハナ差、2着。3歳春の時点で、府中芝2400mの舞台をお父さんよりも0秒1速く駆け抜けましたが、お父さんの時と同様に1枠の馬にわずかに差されてしまいました。お父さんと同い年のウメノファイバー(1996.5.5)トゥザヴィクトリー(1996.2.22)が1着2着だったオークスにも似た、ハナ差の勝負。

ベッラレイア。秋に昇るディクタス(1967.4.11)系よろしく、淀に強いHampton(1872)系よろしく、牝馬3冠の最終戦に期待しましょう。その時は、どうか秋山真一郎騎手とともに。今日は1番人気を背負った馬らしい正攻法の競馬でした。「今までのベッラレイアとは違う乗り方だった」と、賛否は問われるかもしれません。けれど、人気に一所懸命に応えようとしたのは十二分に伝わりました。故に「ベッラレイアと秋山真一郎」で、次のジーワンレースに挑んでほしいと願います。

3着ラブカーナ(2004.4.29)。「オース×Caerleon×Luthier×パーシア」って、渋すぎる4代血統構成。そして、よくよく見ればボールドエンペラー(1995.4.28)と同じ勝負服。青鹿毛の黒い馬体よろしく、緑の帽子に「桃、赤袖、白一文字」という華やかな色彩をまとった菊沢隆徳騎手が懸命に追って、メンバー中最速の上がり3ハロン34秒6の末脚を発揮しましたが、3着まで。よく頑張りました。

桜花賞(JpnI)の1着馬と2着馬は不在でも、中身の濃いレースと思いました。うら若き乙女たちのこれからに期待したくなる、第68回オークスの結果でした。

追記。シンガポール航空国際カップ(星GI)。シャドウゲイト(2002.3.23)とコスモバルク(2001.2.10)がワンツーフィニッシュ。世界の舞台で頑張りました。エライ、日本馬♪

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