遅ればせながら、12月11日分の2歳戦の回顧、其の弐です。未勝利戦8クラ。
中山の未勝利戦(ダート1200m)を勝ち上がったのはフレッシュブラッド(2003.1.23、牝、黒鹿毛)。美浦・尾形充弘厩舎の所属。その4代血統構成は『コマンダーインチーフ×シンボリルドルフ×Bold Forbes×Court Martial』で『Lyphard系×My Babu系×Bold Ruler系×Fairway系』の配合です。5代血統表内ではGoofed(1960)4×3の牝馬クロスがあります。フレッシュブラッドの牝系は欧米で受け継がれている17号族。いとこシーキングザパール(1994.4.16)は中央7勝、海外1勝でモーリス・ド・ゲスト賞(仏GI、当時はモーリス・ド・ギース賞と呼んでいました)、NHKマイルカップ(GI)など重賞7勝の名牝。シーキングザパールの仔シーキングザダイヤ(2001.3.1)は現在のところ重賞3勝を挙げ現役で頑張っています。また、曾祖母Goofedの仔にLyphard(1969.5.10)。同馬は仏英愛6勝でジャック・ル・マロワ賞(仏GI)、フォレ賞(仏GI)の勝ち馬。種牡馬として供用され大成功を収め、今年の6月10日に36歳で大往生を遂げました。なお、前述のシーキングザパールも今年の6月10日に亡くなっています。近親となる17号族の世界的活躍馬、不思議な因縁に導かれて、同じ日に逝きました。さて、フレッシュブラッドは母ワールドブラッド(1993.5.14)が2連産目の5番仔。
中山の未勝利戦(ダート1800m)を勝ち上がったのはインテレット(2003.3.24、牡、鹿毛)。美浦・萩原清厩舎の所属。その4代血統構成は『アドマイヤベガ×リアルシャダイ×ノーザンテースト×エルセンタウロ』で『Halo系×Roberto系×Northern Dancer系×Fairway系』の配合です。5代血統表内ではHail to Reason(1958)4×4、Northern Dancer(1961.5.27)4×4のクロスがあります。インテレットの牝系は8号族パロクサイド(1959)系。いとこトウカイポイント(1996.5.18)は中央6勝、地方1勝でマイルCS(GI)、中山記念(GII)の勝ち馬、同じくいとこパープルエビス(1997.5.8)は現役で都大路S(OP)を勝ち、スプリングS(GII)2着、アーリントンカップ(GIII)2着です。インテレットは母ボンヌシャンス(1992.5.19)が4連産目の6番仔。
中山の未勝利戦(芝2000m)を勝ち上がったのは(外)マルターズドラドラ(2003.2.8、牡、芦毛)。美浦・尾形充弘厩舎の所属。その4代血統構成は『Tiznow×★Runaway Groom×Raja Baba×Sir Gaylord』で『Intent系×Blushing Groom系×Bold Ruler系×Turn-to系』の配合です。父Tiznow(1997.3.12)がグッドですね。5代血統表内ではNorthern Dancer5×5、Nasrullah(1940.3.2)5×5(母方)のクロスがあります。マルターズドラドラの牝系は米国で受け継がれている9号族。母Doradoradora(1988)は米6勝で下級ステークスの勝ち馬のようです。ただ、生涯賞金は59万ドルを越えており、かなり堅実に走っていたことが伺えます。また、マルターズドラドラの半姉Lady Dora(1997)は米4勝でペブルスH(GIII)の勝ち馬です。たまたま、Webに残っていたキーンランドセールの上場データによると、マルターズドラドラは母の8番仔の模様。また、前年産駒なし後の仔でもあるようです。
阪神の未勝利戦(ダート1200m)を勝ち上がったのは(市)アサクサアンデス(2003.3.30、牡、鹿毛)。栗東・古川平厩舎の所属。その4代血統構成は『エンドスウィープ×Star de Naskra×Cornish Prince×War Admiral』で『Mr.Prospector系×Nasrullah系×Bold Ruler系×Man o’War系』の配合です。5代血統表内ではDouble Jay(1944)5×5、Nasrullah5×5(母方)のクロスがあります。アサクサアンデスの牝系は米国で受け継がれている5号族。全兄サウスヴィグラス(1996.4.19)は中央10勝、地方6勝でJBCスプリント(統一GI)、根岸S(GIII)2回、北海道スプリントカップ(統一GIII)2回、かきつばた記念(統一GIII)、クラスターカップ(統一GIII)、黒船賞(統一GIII)と重賞8勝の名馬です。アサクサアンデスは母ダーケストスター(1989.1.31)が2連産目の9番仔。
阪神の未勝利戦(ダート1400m)を勝ち上がったのは(父)セブンゴールデン(2003.5.20、牡、鹿毛)。栗東・野元昭厩舎の所属。その4代血統構成は『ロングニュートリノ×オペラハウス×バンブーアトラス×◆ヒンドスタン』で『ノーザンテースト系×Sadler’s Wells系×Ribot系×Bois Roussel系』の配合です。スイーブ(1968.2.23)の仔、ロングニュートリノ(1985.4.25)。1990年の天皇賞・秋(GI)で1000m通過58秒2の速い逃げを打ち、レコード決着の影の立役者となった馬です。さて、セブンゴールデンの5代血統表内ではNorthern Dancer3×4、ヒンドスタン(1946)4×4、Hyperion(1930.4.18)5×5(父方)のクロス、Lady Angela(1944)5×4の牝馬クロスがあります。セブンゴールデンの牝系は小岩井の16号族ヘレンサーフ(1903)系。4代母トキノキロク(1957.5.8)は中央18勝で桜花賞(現GI)馬、トキノキロクの孫に中央5勝でオークス(現GI)馬のリニアクイン(1974.4.8)がいます。セブンゴールデンは母ラブアフェクション(1996.4.20)が2連産目の2番仔。なお、ラブアフェクションの初仔であるラブトリノ(2002.5.13)もロングニュートリノの仔です。やるなぁ、太陽ジョイフル牧場さん。
阪神の未勝利戦(芝1400m)を勝ち上がったのは(市)ユメノオーラ(2003.4.24、牝、鹿毛)。栗東・川村禎彦厩舎の所属。その4代血統構成は『マイネルラヴ×サンデーサイレンス×パークリージェント×マルゼンスキー』で『Mr.Prospector系×Halo系×Vice Regent系×Nijinsky系』の配合です。5代血統表内ではNorthern Dancer5×5のクロスがあります。ユメノオーラの牝系は5代母である米国産の牝馬ギャラントグロウ(1968.5.21)を日本の基礎繁殖とする4号族。祖母ホクトペンダント(1993.3.23)は中央2勝で4歳牝馬特別(現フィリーズレビュー、GII)2着、桜花賞5着があり、曾祖母ホクトビーナス(1986.3.14)は中央2勝で桜花賞2着があります。またホクトビーナスの半兄ホクトヘリオス(1984.4.3)は中央6勝で中山記念、東京新聞杯(GIII)、京王杯AH(現京成杯AH、GIII)、京成杯3歳S(現京王杯2歳S、GII)、函館3歳S(現函館2歳S、GIII)と重賞5勝の活躍馬です。他にもホクトビーナスの仔で中央8勝を挙げオープン特別4勝の快速ホクトフィーバス(1991.3.27)、ヘリオスとビーナスの半弟で中央4勝を挙げ朝日杯3歳S(現朝日杯FS、GI)3着のホクトフィル(1990.3.23)などがいます。ユメノオーラは母レッダンゴールド(1997.6.30)が2連産目の2番仔。
阪神の未勝利戦(芝2000m)を勝ち上がったのはサンヴィクトワール(2003.2.22、牝、栃栗毛)。栗東・松田博資厩舎の所属。その4代血統構成は『★サンデーサイレンス×ドクターデヴィアス×Luthier×Sir Ribot』で『Halo系×Ahonoora系×Clarion系×Ribot系』の配合です。5代血統表内ではKlairon(1952)5×4のクロスがあります。サンヴィクトワールの牝系は欧米で受け継がれている2号族。母ヴィクトリーバンク(1994.3.30)は中央5勝で道新杯(OP)を勝ち、マーメイドS(GIII)2着、中京記念(GIII)3着があります。ヴィクトリーバンクが現役で走っていた当時、「あー、Luthier(1965)系の同系配合を行うとは、社台さんはやるなぁ」と思ったものです。サンヴィクトワールは母が3連産目の3番仔。
中京の未勝利戦(ダート1000m)を勝ち上がったのは(外)レッドバラード(2003.4.29、牝、青鹿毛)。栗東・清水出美厩舎の所属。その4代血統構成は『Saint Ballado×Gone West×Northjet×Buckpasser』で『Halo系×Mr.Prospector系×Northern Dancer系×Tom Fool系』の配合です。5代血統表内ではMahmoud(1933)5×5(父方)、Bold Ruler(1954.4.6)5×5(母方)のクロスがあります。レッドバラードの牝系は米国で受け継がれている23号族。伯母Powder Bowl(1992)は米仏5勝でマッチメイカーS(米GII)、ブラックへレンH(米GII)の勝ち馬です。レッドバラードは母Western Bowl(1995)が少なくとも2連産目の2番仔以降の仔。
有馬記念前に回顧を連ねるというのも、また良し。ではでは。