2016年のクラシック候補生を確認する(牡馬編・其の六)。

2016年の3歳GIで覇を競う2013年生まれ世代の馬たちは、稀に見るハイレベルの様相を呈していますね。タイトルは「2016年のクラシック候補生を確認する」のままですが、距離の長短、芝ダートを問わず、3歳GIを狙う馬たちをじわじわとご案内して行こうと思います。

ボールライトニング 牡 栗毛 2013.4.21生 栃木・恵比寿興業株式会社那須野牧場生産 馬主・(株)グリーンファーム 栗東・宮本博厩舎

ボールライトニング(2013.4.21)の4代血統表
ダイワメジャー
栗毛 2001.4.8
種付け時活性値:0.75
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
★Halo
黒鹿毛 1969.2.7
Hail to Reason 1958.4.18
Cosmah 1953.4.4
Wishing Well
鹿毛 1975.4.12
Understanding 1963.2.17
Mountain Flower 1964.3.23
スカーレットブーケ
栗毛 1988.4.11
★ノーザンテースト
栗毛 1971.3.15
Northern Dancer 1961.5.27
Lady Victoria 1962.2.20
スカーレットインク
栗毛 1971.5.5
Crimson Satan 1959.5.4
Consentida 1962.4.6
デフィニット
鹿毛 1997.4.18
仔受胎時活性値:1.75
デヒア
鹿毛 1991.4.13
種付け時活性値:1.25
Deputy Minister
鹿毛 1979.5.17
Vice Regent 1967.4.29
Mint Copy 1970.2.24
Sister Dot
鹿毛 1985.2.11
Secretariat 1970.3.30
Sword Game 1976.3.5
Hiroo Garden
鹿毛 1991.3.5
仔受胎時活性値:1.25
Caerleon
鹿毛 1980.3.27
種付け時活性値:0.50
Nijinsky 1967.2.21
Foreseer 1969.4.12
Sweeping
鹿毛 1986.4.25
仔受胎時活性値:1.00
インデエアンキング
黒鹿毛 1978.4.11
種付け時活性値:1.75
Glancing
鹿毛 1979.2.6
仔受胎時活性値:1.50

<5代血統表内のクロス:Northern Dancer4×5×5>

ボールライトニング(2013.4.21)の中島理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
ダイワメジャー
(Halo系)
デヒア
(Deputy Minister系)
Caerleon
(Nijinsky系)
インデエアンキング
(Bold Ruler系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
インデエアンキング 5.50 半姉デグラーティア
(No.4-k)
7番仔
(2連産目)

2015年の京王杯2歳S(GII)を制したのは、ボールライトニング。「サスガに栃木の名門である那須野牧場」というところでしょうか。ボールライトニング、半姉デグラーティア(2006.4.4)に続いての2歳重賞勝ちとなりました。思えばデグラーティアの小倉2歳S(GIII)が、浜中俊騎手の重賞初勝利でした。そんなデグラーティアとコウエイハート(2006.4.13)がワンツーだった2008年の小倉2歳Sは、栃木県産1着、鹿児島県産2着という、JRA重賞では非常に珍しい決着でした。おっと、お姉さんの思い出がよぎりましたが、ボールライトニングは新馬戦から返す刀で挑んだGIIを連勝というエリート街道に乗ったのですから、頑張ってもらわないといけませんね。

ボールライトニングの最優性先祖である曾祖母父インデエアンキングは、、、まずは「何故『インディアンキング』ではないのか」と、いつもカタカナ馬名にツッコミを入れられることでおなじみの種牡馬ですが、現役時代に英仏8勝を挙げ、スプリントC(英GII)、ダイアデムS(英GIII)、コーク&オラリーS(英GIII)、パレロワイヤル賞(仏GIII)と重賞4勝の短距離馬でした。恐らく、ロイヤルスキー(1974.5.24)の活躍に触発されての、Raja Baba(1968.4.5)産駒導入だったのでしょうけれど、インデエアンキングは日本での種牡馬供用3年目となる1991年春に急逝してしまいました。海外供用時の主な産駒には、ホルステントロフィー(独GIII)2着のViceroy(1987.2.27)、モイグレアスタッドS(愛GI)3着のIndian Lily(1984.3.26)、伊2000ギニー(当時GI、現GIII)3着のWar Brave(1984.3.27)等がいます。なお、最後のWar Braveは、母父ダンサーズイメージ(1965.4.10)です。

*

トウショウドラフタ 牡 栗毛 2013.3.6生 新ひだか・トウショウ産業(株)トウショウ牧場生産 馬主・トウショウ産業(株) 美浦・萱野浩二厩舎

トウショウドラフタ(2013.3.6)の4代血統表
アンライバルド
鹿毛 2006.4.13
種付け時活性値:1.50
ネオユニヴァース
鹿毛 2000.5.21
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
★Halo 1969.2.7
Wishing Well 1975.4.12
ポインテッドパス
栗毛 1984.4.27
Kris 1976.3.23
Silken Way 1973
バレークイーン
鹿毛 1988.4.16
Sadler’s Wells
鹿毛 1981.4.11
Northern Dancer 1961.5.27
Fairy Bridge 1975.5.4
Sun Princess
鹿毛 1980.5.18
★イングリッシュプリンス 1971.5.8
Sunny Valley 1972.3.16
ウイッチトウショウ
鹿毛 2000.6.3
仔受胎時活性値:1.00
ジェイドロバリー
黒鹿毛 1987.3.14
種付け時活性値:1.00
★Mr.Prospector
鹿毛 1970.1.28
★Raise a Native 1961.4.18
Gold Digger 1962.5.28
Number
鹿毛 1979.5.5
Nijinsky 1967.2.21
Special 1969.3.28 ♀
サマンサトウショウ
黒鹿毛 1985.4.8
仔受胎時活性値:1.50
トウショウボーイ
鹿毛 1973.4.15
種付け時活性値:0.75
テスコボーイ 1963
ソシアルバターフライ 1957.4.13
マーブルトウショウ
青鹿毛 1978.4.27
仔受胎時活性値:1.50
ダンディルート
鹿毛 1972.5.10
種付け時活性値:1.25
チャイナトウショウ
栗毛 1972.6.14
仔受胎時活性値:1.25

<5代血統表内のクロス:Northern Dancer4×5、Special5×4>

トウショウドラフタ(2013.3.6)の中島理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
アンライバルド
(Halo系)
ジェイドロバリー
(Mr.Prospctor系)
トウショウボーイ
(Princely Gift系)
ダンディルート
(Lutier系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
アンライバルド 5.25 祖母がGIII勝ち馬
(No.5-j セヴァイン系)
7番仔
(3連産目)

名血と名門の意地を見た感もあります。1400mの呼吸を知り尽くしているトウショウドラフタ、重賞4回目の挑戦となった2016年のファルコンS(GIII)を見事に差し切り、重賞初制覇を遂げました。これで1400m戦は[4-0-0-1]。あと1ハロン延びる本番ですが、3連勝と勢いに乗っている今ならば、と思わせてくれます。

トウショウドラフタの最優性先祖である父アンライバルドは、現役時代に中央4勝で、皐月賞(GI)、スプリングS(GII)、若駒S(OP)、そして伝説の新馬戦を制しています。2008年10月26日、第69回菊花賞(GI)当日の京都芝1800mの新馬戦。アンライバルド、リーチザクラウン(2006.2.5)、ブエナビスタ(2006.3.14)、スリーロールス(2006.4.26)、エーシンビートロン(2006.3.25)と、玉石混交となることも多い新馬戦において、掲示板に載った1着から5着までがいずれも重賞勝ち馬となり、うち4頭で5大クラシック全連対という恐ろしさ。空前にして絶後の新馬戦でした。

アンライバルド、競走成績が尻すぼみであっただけに、種牡馬として苦戦を強いられています。それでも初年度の血統登録頭数23頭から、中央重賞勝ち馬を輩出したのですから、サスガのポテンシャルです。半兄フサイチコンコルド(1993.2.11)&ミラクルアドマイヤ(1995.3.3)が、共に非根幹距離に強い仔を出したことが印象に残りますけれど、弟もやはり、というところでしょうか。

以下に3兄弟種牡馬の代表産駒について、勝ち鞍の距離内訳を示しておきます。

  1. フサイチコンコルド
    • ブルーコンコルド(2000.4.11)
      →全15勝の距離内訳:1200m3勝、1400m6勝、1600m5勝、2000m1勝
    • バランスオブゲーム(1999.4.22)
      →全8勝の距離内訳:1000m1勝1400m1勝1800m3勝、2000m1勝、2200m2勝
    • オースミハルカ(2000.4.2)
      →全6勝の距離内訳:1000m1勝1400m1勝、1600m1勝、1800m3勝
  2. ミラクルアドマイヤ
    • カンパニー(2001.4.24)
      →全12勝の距離内訳:1600m4勝、1800m6勝、2000m2勝
  3. アンライバルド
    • トウショウドラフタ
      →現時点の全4勝の距離内訳:1400m4勝

バランスオブゲームとカンパニーで決まった2006年の中山記念(GII)は、「サスガ、非根幹距離を得手にしている兄弟種牡馬」と思ったものでした。あと、「ハルちゃん」ことオースミハルカは、川島信二騎手とのコンビで芝2200mのエリザベス女王杯(GI)を、2004年と2005年の2年連続2着も印象に残りますね。

  

では、以上オオハシでした。これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

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