第236回英ダービー(GI)の勝ち馬。

Golden Horn 牡 鹿毛 2012.3.27生 英国・ハスクーム&ヴァリアントスタッド生産 馬主・A.オッペンハイマー氏 英国・J.ゴスデン厩舎

Golden Horn(2012.3.27)の4代血統表
Cape Cross
鹿毛 1994.3.13
種付け時活性値:0.25

Green Desert
鹿毛 1983.4.16
Danzig
鹿毛 1977.2.12
Northern Dancer 1961.5.27
Pas de Nom 1968.1.27
Foreign Courier
鹿毛 1979.4.11
Sir Ivor 1965.5.5
Courtly Dee 1968.3.8
Park Appeal
黒鹿毛 1982.4.9
Ahonoora
栗毛 1975.4.12
Lorenzaccio 1965
Helen Nichols 1966
Balidaress
芦毛 1973.4.22
Balidar 1966
Innocence 1968
Fleche d’Or
鹿毛 2006.5.21
仔受胎時活性値:1.25
Dubai Destination
鹿毛 1999.2.10
種付け時活性値:1.50
★Kingmambo
鹿毛 1990.2.19
Mr. Prospector 1970.1.28
Miesque 1984.3.14
Mysterial
鹿毛 1994.1.27
Alleged 1974.5.4
Mysteries 1986.2.26
Nuryana
鹿毛 1984.5.8
仔受胎時活性値:1.25
Nureyev
鹿毛 1977.5.2
種付け時活性値:1.50
Northern Dancer 1961.5.27
Special 1969.3.28
Loralane
鹿毛 1977.5.7
仔受胎時活性値:1.50
Habitat
鹿毛 1966.5.4
種付け時活性値:0.50
Lora
鹿毛 1972
仔受胎時活性値:1.00

<5代血統表内のクロス:Northern Dancer4×4、Sir Gaylord5×5、Lorenzaccio4×5、Nureyev5×3>

Golden Horn(2012.3.27)の中島理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
Cape Cross
(Danzig系)
Dubai Destination
(Mr.Prospector系)
◆Nureyev
(Northern Dancer系)
Habitat
(Sir Gaylord系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Dubai Destination
(Princess Pout)
5.00 伯母に英GI勝ち馬
(No.9-c)
2番仔?

*

2015 Investec Derby – Golden Horn – Racing UK

Golden Horn。血統表を開いてみて、伯母Rebecca Sharp(1994.4.10)が8FのコロネーションS(英GI)勝ち馬、更にGI級マイラーの父の4代重ねであれば、それはオーナーが「10Fまでの馬」と、距離不安を口にされても仕方ありませんね^_^;

Golden Hornの4代血統構成における各代の父の主な勝ち鞍を確認してみると、

  1. 父Cape Cross
    →ロッキンジS(英GI)、クイーンアンS(当時英GII)、セレブレーションマイル(英GII)
  2. 母父Dubai Destination
    →クイーンアンS(英GI)、シャンペンS(英GII)
  3. 祖母父Nureyev
    →英2000ギニー(GI)1着失格、トーマスブライアン賞(仏GIII)
  4. 曾祖母父Habitat
    →ムーラン・ド・ロンシャン賞(現仏GI)、ロッキンジS、クインシー賞(現仏GIII)

ズラリ並んだ欧州のマイルGIや短距離重賞。ただ、父Cape CrossはSea The Stars(2006.4.6)、ウィジャボード(2001.3.6)と12ハロンGIの勝馬、しかも共にGI6勝というド級の2頭を輩出している一発がある種牡馬。Cape Crossが1998年のジャック・ル・マロワ賞(仏GI)でタイキシャトル(1994.3.23)の3着に敗れたのも、今は昔です。また、母父Dubai Destinationは、別記事で紹介する”キング・ジョージ”(英GI)の勝ち馬Postponed(2011.4.4)の母父でもあります。合わせて、祖母父Nureyevは、仔はマイルGI勝ち馬を中心とするもののTheatrical(1982.3.13)、パントレセレブル(1994.3.17)と、やはり2400m級GIのチャンピオンホースを送り込んでいます。特にパントレセレブルの凱旋門賞(仏GI)は、ロンシャン芝2400mを2分24秒6のスーパーレコードでピルサドスキー(1992.4.23)を5馬身置き去りにしたのですから、どんな強い馬やねん、というところです。

むぅ、パントレセレブル、やっぱり強い。Golden Hornとパントレセレブルに共通する点として、直牝系が9号族、4代血統構成の父にNureyevとHabitatが配されている、ということが言えるなぁと思いました。なんという安易な感想^_^;

*

閑話休題。そうして、追加登録料を払って、第236回英ダービーを走らせてみれば、Golden Horn。道中は後方4番手でじっと構えて、直線。同じ釜の飯を食うならぬ、同じ飼い葉桶で草を食むステーブルメイトJack Hobbs(2012.3.2)を豪快に抜き去って、エプソムダウンズの芝12F10yを2分32秒32という歴代3位の好時計で、3馬身半差の圧勝劇を演じてみせたのでした。

父Cape Crossは、Sea The Starsに続いて2頭目の英ダービー馬を送り込んだことになります。むぅ、代を経て距離をこなすDanzig系の真骨頂が現れていますね。芝2400m級のGIを制した産駒は、Sea The Stars、Golden Horn、ウィジャボード、そしてベーカバド(2007.3.21)。ベーカバドはパリ大賞典(仏GI)、ニエル賞(仏GII)、ギシュ賞(仏GIII)と仏重賞3勝の実績を引っさげて日本で種牡馬入りし、今年2015年から産駒が走り始めています。また、Cape Crossはブルードメアサイアーとしてもロジユニヴァース(2006.3.11)、Australia(2011.4.8)と日英愛のダービー馬を送り込んでいます。まま、Australiaは、ウィジャボードの仔ですけれど。

*

2015 Coral Eclipse – Golden Horn – Racing UK

Golden Hornは英ダービーの後、エクリプスS(英GI)に出走して、昨年2014年の仏ダービー(GI)馬The Grey Gatsby(2011.3.14)以下に、やはり3馬身半差の快勝を収めました。このコーラルエクリプスは、逃げて自分でレースを作っての勝利で、ほとんどThe Grey Gatsbyとのマッチレースの様相でしたが、決勝点前の脚色でまったく勝りました。堅良な馬場で硬質なスピードと瞬発力を活かすというレースになれば、本当に強いのでしょう。ゴスデン調教師も、当然心得られていて、馬場が悪くなった”キング・ジョージ”(英GI)はスクラッチされました。

10Fの路線か、はたまた、凱旋門賞か。黄金の角の、次の矛先や、如何に。

……って、ちょっと前に書いていたら、8月19日の英インターナショナルS(GI)で、Arabian Queen(2012.2.23)の2着に敗れてしまいました。ありゃりゃ^_^;

  

では、以上オオハシでした。これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

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