どうも。大道牧場さんの生産された110代天皇賞(GI)馬と、巴賞(OP)を制したその息子が、やはり中島氏の配合馬だったことを知ってしまった、オオハシでございます。はは。
という訳で、日本ダービー(GI)ウィークのただ中ではありますが、昨日に続いて海外の活躍馬の紹介を。
Goldikova 牝 鹿毛 2005.3.15生 愛国・ヴェルテメール兄弟生産 馬主・ヴェルテメール兄弟 仏国・F.ヘッド厩舎
| Anabaa 鹿毛 1992.3.13 種付け時活性値:1.00 | Danzig 鹿毛 1977.2.12 | Northern Dancer 鹿毛 1961.5.27 | Nearctic 1954.2.11 | 
| Natalma 1957.3.26 | |||
| Pas de Nom 黒鹿毛 1968.1.27 | ★Admiral’s Voyage 1959.3.23 | ||
| Petitioner 1952 | |||
| Balbonella 黒鹿毛 1984 | ★ゲイメセン 黒鹿毛 1975.5.16 | Vaguely Noble 1965 | |
| Gay Missile 1967.3.27 | |||
| Bamieres 黒鹿毛 1978.3.19 | ★Riverman 1969 | ||
| Bergamasque 1969.5.7 | |||
| Born Gold 栗毛 1991.2.17 仔受胎時活性値:1.25 | ★ Blushing Groom 栗毛 1974 種付け時活性値:0.00 | Red God 栗毛 1954.2.15 | Nasrullah 1940.3.2 | 
| Spring Run 1948 | |||
| Runaway Bride 鹿毛 1962 | Wild Risk 1940 | ||
| Aimee 1957 | |||
| Riviere d’Or 鹿毛 1985.1.31 仔受胎時活性値:1.25 | Lyphard 鹿毛 1969 種付け時活性値:1.75 | Northern Dancer 1961.5.27 | |
| Goofed 1960.3.29 | |||
| Gold River 栗毛 1977.1.11 仔受胎時活性値:1.75 | Riverman 鹿毛 1969 種付け時活性値:1.75 | ||
| Glaneuse 鹿毛 1966.4.9 仔受胎時活性値:0.50 | 
<5代血統表内のクロス:Northern Dancer3×4、Riverman4×4、Nearco5×5>
| 父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 | 
|---|---|---|---|
| Anabaa (Danzig系) | Blushing Groom (Red God系) | Lyphard (Northern Dancer系) | ◆Riverman (Never Bend系) | 
| 形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? | 
| Lyphard | 4.75 | 曾祖母が凱旋門賞馬 (No.22-D) | 9番仔? (3連産目?) | 
*
以下にGoldikovaのごく簡単な近親牝系図を示しておきます。
Gold River 1977.1.11 仏7勝 欧州最優秀古馬牝馬 凱旋門賞(GI) カドラン賞(GI) ロワイヤルオーク賞(GI)ほか |シェルシュールドール 1983.3.6 仏4勝 リス賞(GIII) |Riviere d'Argent 1984.2.27 仏1勝 ||Silver Fun 1994.5.13 仏2勝 マルレ賞(GII) クレオパトル賞(GIII)2着 |Riviere d'Or 1985.1.31 仏4勝 サンタラリ賞(GI) オマール賞(GIII) ヴァントー賞(GIII)ほか ||Gold Splash 1990.1.23 英仏米3勝 コロネーションS(英GI) マルセルブサック賞(仏GI)ほか ||Born Gold 1991.2.17 仏1勝 |||Gold Round 1997.4.3 仏3勝 クレオパトル賞 グロット賞(GIII)3着 ||||Goldwaki 2007.1.29 現役 リス賞 |||Born Something 1998.3.25 仏米4勝 グロット賞3着 |||Red Tune 2001.5.23 仏3勝 ギシュ賞(GIII)2着 |||Gold Sound 2002.5.21 仏4勝 ギシュ賞 ノアイユ賞(GII)2着ほか |||Goldikova 2005.3.15 (本馬) BCマイル(米GI)3回 ロートシルト賞(仏GI)3回 イスパーン賞(仏GI)2回 ムーランドロンシャン賞(仏GI) ジャックルマロワ賞(仏GI) クイーンアンS(英GI) ファルマスS(英GI) フォレ賞(仏GI) |||Galikova 2008.5.21 現役 クレオパトル賞 |Goldneyev 1986.1.29 仏1勝 仏2000ギニー(GI)2着
Gold Riverから始まる流れは、ヴェルテメール家にとって、まさに金を生み出すの川なのでしょう。そして、流れ着いた大河がGoldikovaでした。
日本に関わるところでは、シェルシュールドールも懐かしいですね。西山牧場さんが種牡馬として輸入されました。「父Norhtern Dancer×母Gold River」というピッカピカの良血馬、シェルシュールドール。代表産駒はターコイズS(OP)勝ちのブランドノーブル(1990.3.25)。これも懐かしい。
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デビュー以来22戦すべてオリビエ・ペリエ騎手の手綱によるもの。2011年の初戦として選んだイスパーン賞は、2010年に続き見事2連覇で飾りました。この勝利によりGIレースは通算13勝目で、これは欧州調教馬の最多勝記録です。なお、GI勝利の世界記録は、ジョンヘンリー(1975.3.9)が米国で挙げた16勝です。
#余談。↑の近親牝系図にも現れるGoldwakiという現役の仏GIII勝ち馬がいますが、彼は仏国から米国に移籍しており、もうすぐ米国デビュー戦を迎えるそうです。そんなGoldwakiの米国の転厩先が、ジョンヘンリーの素質を開花させられたことでもおなじみの、ロナルド・マッカナリー厩舎。マッカナリー調教師は、外国から現役競走馬を輸入した際には8ヶ月は競馬に使われないそうですが、Goldwakiは昨年10月2日のジャンショードネイ賞(仏GII)を最後にレースに出走していません。恐らく、磁場を考慮されているのでしょうね。……って、どんな余談やねん(+_+)
閑話休題。Goldikovaの配合を中島理論的に見ると、やはり「母父Blushing Groomの満16歳時の0交配が良い働きをしているのだろうな」というイメージになりますね。「母父0遺伝」は時に大馬を生み出す要因となります。日本でも、少し前ならば3冠馬であるミスターシービー(1980.4.7)とシンボリルドルフ(1981.3.13)、近年ではダイワメジャー(2001.4.8)とダイワスカーレット(2004.5.13)兄妹。ほかにもタップダンスシチー(1997.3.16)、アグネスデジタル(1997.5.15)、テイエムオーシャン(1998.4.9)、シンボリクリスエス(1999.1.21)、スティルインラブ(2000.5.2)、シーザリオ(2002.3.31)等が近10年ほどの活躍馬として思い浮かびます。
また、曾祖母父Riverman、祖母父Lyphardと持ち馬を重ねられている辺りに、牝系と共にヴェルテメール家の色が出ているなぁと思いました。そして、父Anabaaはヘッド家の持ち馬で、現役時代はGoldikovaの調教師であるフレディ・ヘッドが騎乗されていました。仏国の馬主一家と調教師一家の、それぞれの「思い」が交わって出来たスーパーホース。それがGoldikovaなのでしょう。
果たして、史上に残る名牝の行く末や如何に。今年の欧州には3歳の超絶マイラーも出現しましたけれど、もし「BCマイル4連覇」ともなれば、それは空前にして絶後となりそう。Goldikova、本当に楽しみにしたい満6歳のシーズンです。
では、以上オオハシでした。これから走る馬、人すべてが無事でありますように。
 
  
  
  
  