御料の基礎繁殖馬に見る0遺伝-其の壱-。

皇室ゆかりの地である京都で行われるクラシック最終戦、菊花賞(JpnI)。それ故に小岩井の基礎繁殖馬(其の壱、其の弐、其の参、其の四)に続いて、今週は皇室ゆかりの御料の基礎繁殖馬についてお届け致します。

ではでは、まずは御料の名種牡馬からご紹介致します。

トウルヌソル(1922)の4代血統表
Gainsborough(Touchstone系)
1915.1.24
種付け時活性値:1.50

Bayardo
1906.1.??
Bay Ronald
1893
Hampton 1872
Black Duchess 1886
Galicia
1898
Galopin 1872
Isoletta 1891
Rosedrop
1907
St.Frusquin
1893
St.Simon 1881
Isabel 1879
Rosaline
1901
Trenton 1881
Rosalys 1894
Soliste
1910
仔受胎時活性値:0.75
Prince William(King Fergus系)
1903
種付け時活性値:1.50
Bill of Portland
1890
St.Simon 1881
Electric Light 1876
La Vierge
1890
Hampton 1872
Elizabeth 1877
Sees
1899
仔受胎時活性値:0.50
Chesterfield(Birdcatcher系)
1888
種付け時活性値:0.50
Wisdom 1873
Bramble 1874
La Goulue
1891
仔受胎時活性値:1.75
Prism(Birdcatcher系) 1880
種付け時活性値:0.50
Rosary 1878
仔受胎時活性値:1.00[F27-A]

1927年当時、約10万円で購入されたというトウルヌソル(1922)。その馬名トウルヌソル(Tournesol)とは、仏語で「向日葵」という意味だそうです。余談ですが、同様に仏語の馬名であるTourbillon(1928)は「渦巻」を意味するそうです。

さて、トウルヌソルといえば、サンデーサイレンス(1986.3.25)と並び最多となる6頭の日本ダービー(現JpnI)馬を輩出した名種牡馬として知られています。 トウルヌソル産駒の6頭の日本ダービー勝ち馬を古い順に並べると、

  1. ワカタカ(1929.3.17)
  2. トクマサ(1933.3.20)
  3. ヒサトモ(1934.4.23)
  4. クモハタ(1936.3.4)
  5. イエリュウ(1937.2.20)
  6. クリフジ(1940.3.12)

第1回から始まり、第5回、第6回、第8回、第9回、第12回と勝ち馬を並べています。今年の日本ダービーはウオッカ(2004.4.4)が64年ぶりの牝馬制覇ということで話題となりましたが、ヒサトモ、クリフジと先輩の牝馬のダービー馬2頭は共にトウルヌソル産駒でした。

続いて、御料の牝系というと、私はまずこの牝馬が思いつく5号族の牝馬、種正(1920)。その英名はYoung Man’s Fancy。

種正(1920)の4代血統表
Junior(Touchstone系)
1909
種付け時活性値:0.50
Symington
1893
Ayrshire
1885
Hampton 1872
Atalanta 1878
Siphonia
1888
St.Simon 1881
Palmflower 1874
Scylla
1903
★Eager
1894
Enthusiast 1886
Greeba 1890
Sirenia
1895
Gallinule 1884
Concussion 1885
Enthusiast’s Last
1909
仔受胎時活性値:0.50
Enthusiast(Birdcatcher系)
1886
種付け時活性値:1.50
Sterling
1868
Oxford 1857
Whisper 1857
Cherry Duchess
1871
★The Duke 1862
Mirella 1863
Myrrha
1891
仔受胎時活性値:0.25
Baliol(Birdcatcher系)
1879
種付け時活性値:0.75
Blair Athol 1861
Marigold 1860
Hetty
1883
仔受胎時活性値:1.75
★Wild Oats(Herod系) 1866
種付け時活性値:0.00
Trieste 1868
仔受胎時活性値:1.50[F5-H]

よくよく見直すと、Enthusiast4×2という強烈なクロスを持つ種正。しかし、父Juniorの母Scyllaが、その父Eagerから満8歳時の0交配を受けている為、見事に弊害の難を逃れています。

【種正系の近年の活躍馬】

渡世人的生き方で平成最初のJRA年度代表馬となったイナリワン。天皇賞・春(GI)、宝塚記念(GI)、有馬記念(GI)と中央で挙げた3勝はすべてGIレースという勝負強さ。そして天皇賞・春は3分18秒8のレコード、有馬記念も2分31秒7のレコードで制するという高速ステイヤーでもありました。

蹄が癒えた現年齢表記4歳春に芝に転じて開花したバンブーメモリー。父・武邦彦調教師が管理し、息子・武豊騎手が鞍上でスプリンターズS(GI)を1分7秒8の日本レコードで制したバンブーメモリーは、1200m、1400m、1600m、2000mという4つの距離で重賞勝ちを収めたなかなか希有な馬です。

イナリワンとバンブーメモリー。共に4代母に神正(1938.4.10)を持つ両頭は、共に若き日の武豊騎手の手によりGI勝利を収めた強豪でした。

また、まったくもって個人的な思い出ですが、マイシンザンとスプリングバンブーで決着した1995年の朝日CC(GIII)は印象深いです。共に4代母にヤシマテンプル(1947.5.22)を持つ同級生2頭による決着。かたや私のもっとも好きになった馬、こなた私と同じ誕生日の馬。懐かしい。

なお、本日ご紹介したトウルヌソルと種正の組み合わせにより、上述した第5回日本ダービーの勝ち馬トクマサが輩出されています。上下の血統表を合わせて頂くと、そのままトクマサの血統表になる仕掛けです(笑)

秋華賞(JpnI)が終わり、日が変わったらすぐに更新するこのやる気(笑)。ではでは、本日はこれくらいで♪

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