先日から少しずつ現3歳の血統について確認をしているのですが、簡単に牡馬の現有勢力における4代血統構成を以下に記しておきます。
馬名 (生年月日) |
父 (父系) |
母父 (父系) |
祖母父 (父系) |
曾祖母父 (父系) |
オプション |
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ゴスホークケン (2005.3.3) |
Bernstein (Storm Bird系) |
Grand Slam (Mr.Prospector系) |
Kris S. (Roberto系) |
Cyane (Turn-to系) |
父産駒日本極少数 |
イイデケンシン (2005.4.21) |
サンダーガルチ (Mr.Prospector系) |
Theatrical (Nureyev系) |
Alydar (Raise a Native系) |
Bold Commander (Bold Ruler系) |
父産駒日本少数 |
キャプテントゥーレ (2005.4.5) |
アグネスタキオン (SS系) |
トニービン (ゼダーン系) |
Lyphard (Northern Dancer系) |
◆ロイヤルスキー (Bold Ruler系) |
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アポロドルチェ (2005.4.10) |
Officer (In Reality系) |
Summer Squall (Storm Bird系) |
Honey Jay (Black Toney系) |
Mt.Hope (Nasrullah系) |
直父系Matchem系 5代アウトクロス |
ディアヤマト (2005.3.11) |
★テイエムサンデー (SS系) |
ダンシングブレーヴ (Lyphard系) |
スティールハート (Habitat系) |
ムーティエ (Sicambre系) |
父初年度産駒 父産駒極少数 |
サブジェクト (2005.2.17) |
フジキセキ (SS系) |
Dixieland Band (Northern Dancer系) |
Slew o’Gold (Seattle Slew系) |
▲Couger (Bois Roussel系) |
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オリエンタルロック (2005.4.28) |
マンハッタンカフェ (SS系) |
Mt.Livermore (Blushing Groom系) |
New Prospect (Never Bend系) |
Johns Joy (Teddy系) |
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フサイチアソート (2005.2.16) |
トワイニング (Mr.Prospector系) |
サンデーサイレンス (Halo系) |
ノーザンテースト (Northern Dancer系) |
★Stop the Music (Hail to Reason系) |
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ディラクエ (2005.5.14) |
フサイチコンコルド (Nijinsky系) |
ホワイトマズル (Lyphard系) |
トニービン (ゼダーン系) |
★Forceten (Forli系) |
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マルブツイースター (2005.4.4) |
サクラバクシンオー (Princely Gift系) |
ウォーニング (In Reality系) |
Conquistador Cielo (Mr.Prospector系) |
◆Northen Dancer (Nearctirc系) |
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レッツゴーキリシマ (2005.4.30) |
メジロライアン (ノーザンテースト系) |
バイアモン (Blushing Groom系) |
ボールドラッドUSA (Bold Ruler系) |
Buckpasser (Tom Fool系) |
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タケミカヅチ (2005.4.9) |
ゴールドアリュール (SS系) |
マルゼンスキー (Nijinsky系) |
ヴェンチア (Relic系) |
ゲイタイム (Hyperion系) |
父初年度産駒 |
ドリームシグナル (2005.6.4) |
アグネスデジタル (Mr.Prospector系) |
サンデーサイレンス (Halo系) |
リアルシャダイ (Roberto系) |
ノーザンテースト (Northern Dancer系) |
父初年度産駒 |
タカラストーン (2005.3.22) |
Grindstone (Mr.Prospector系) |
★セクレト (Northern Dancer系) |
Distant Day (Nasrullah系) |
Jig Time (Native Dancer系) |
父産駒日本極少数 |
サダムイダテン (2005.5.3) |
フォーティナイナー (Mr.Prospector系) |
サクラユタカオー (Princely Gift系) |
ラッキーソブリン (Nijinsky系) |
サンシー (Fine Top系) |
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スズジュピター (2005.3.27) |
タニノギムレット (Roberto系) |
サンデーサイレンス (Halo系) |
アンバーシャダイ (ノーザンテースト系) |
レイズアボーイ (Raise a Native系) |
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ミリオンウェーブ (2005.4.23) |
フジキセキ (SS系) |
スマコバクリーク (Mr.Prospector系) |
Wajima (Bold Ruler系) |
Tom Fool (Pharamond系) |
5代アウトクロス |
ホウザン (2005.4.8) |
タイキシャトル (Halo系) |
アサティス (Northern Dancer系) |
アローエクスプレス (Grey Sovereign系) |
マルゼンスキー (Nijinsky系) |
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スマートファルコン (2005.4.4) |
ゴールドアリュール (SS系) |
★ミシシッピアン (Vaguely Noble系) |
クラウンドプリンス (Raise a Native系) |
シルバーシャーク (Relic系) |
父初年度産駒 |
ブラックシェル (2005.1.31) |
クロフネ (Deputy Minister系) |
ウイニングチケット (ゼダーン系) |
トウショウボーイ (Princely Gift系) |
タリヤートス (Bois Roussel系) |
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キングスエンブレム (2005.2.12) |
ウォーエンブレム (Mr.Prospector系) |
★サンデーサイレンス (Halo系) |
ノーザンテースト (Northern Dancer系) |
Crimson Satan (Black Toney系) |
父産駒極少数 5代アウトクロス |
ファリダット (2005.1.28) |
Kingmambo (Mr.Prospector系) |
サンデーサイレンス (Halo系) |
Danzig (Northern Dancer系) |
Icecapade (Nearctic系) |
父と母父の組合せ極少数 |
重賞連対馬を中心に確認してみました。Eclipse(1764.4.1)系以外の完全な異系は「太い青字」、Eclipse系の分枝が進んだネオ異系は「青字」で表しています。Phalaris(1913)系のダミー父系は、めんどうくさいので、ここでは特に特別扱いしていません(苦笑)。ええ、やはりRaise a Native(1961)を主流とするNative Dancer(1950.3.27)系の出現頻度の高さを思いますね。
また、SS系種牡馬については「赤の太字」、サンデーサイレンス(1986.3.25)自身およびHalo(1969.2.7)系については「赤字」で示しました。
以下、上記の馬たちの中から、3頭ほどコメントしておきます。
2歳王者ゴスホークケンについて述べるのならば、やはり父Bernstein(1997)についてでしょうか。Bernsteinは現役時代に英愛米4勝。その主な勝ち鞍にコンコルドS(愛GIII)、レイルウェイS(愛GIII)という比較的マイナーな成績。しかし、全姉Caress(1991)が米GIII3勝を挙げて仔Sky Mesa(2000)がホープフルS(米GI)勝ち、同じく全姉Country Cat(1992)が米GIII1勝、半弟Della Francesca(1999)米GII1勝、愛GIII1勝とコンスタントに姉弟が活躍、また伯母にBCジュベナイルフィリーズ(米GI)の勝ち馬Outstandingly(1982)-同牝馬はその父Exclusive Native(1965)満16歳時の0交配馬-、そして4代母Busanda(1947)という血統。近親にブラックタイプが並ぶ、その血統のバックボーンが、種牡馬として花開きました。ゴスホークケンの他に、カルロスペレグリーニ大賞(亜GI)を61年ぶりに連覇したStorm Mayor(2002)など、亜国で活躍馬を多く送り込んでいます。
また、ゴスホークケンの4代血統構成に用いられている種牡馬であるBernstein、Grand Slam(1995)、Kris S(1977).、Cyane(1959)の4頭。いずれも2歳戦から3歳の短中距離で戦績を挙げた、競走馬としては比較的マイナーな戦績を挙げた馬たちばかりです。繁殖成績でのし上がったKris S.が最たる例ですが、反骨精神、あるいは上昇志向、あるいはしぼんだ風船の4代積み重ねにより、ゴスホークケンというボス候補が生み出されました。合わせて、詳しくは調査できていませんが、ゴスホークケンの牝系近親には目立ったブラックタイプはいないようです。
あとは、単純に非SSの血、ということですね。
*
ファリダットの配合について述べるならば、「Kingmanbo×サンデーサイレンス牝馬」というのはnetkeibaで確認したところ、他に2例が見られるだけです。って、ファリダットにとっては同い年となる、スティンガー(1996.5.15)の仔と、ダンスパートナー(1992.5.25)の仔ですが(苦笑)。まま、極少数のカップリングが活力を生み出す先例として、我々はアドマイヤコジーン(1996.4.8)を知っています。彼は「Cozzene×ノーザンテースト牝馬」という、もしかしたら、世界でただ1組のカップリングから生み出されたGI馬でした。合わせて、ファリダットとアドマイヤコジーンは共に「母の初仔」という共通点があります。 ついで述べておきますと、ダンスパートナーの仔は流産後の仔です。
意図的に遠隔地交配を行われているあたり、ノースヒルズマネジメントさんや社台さんの底力を思いますね。
……ああ、もっと先鋭的な遠隔地交配の配合馬の仔が、すでに15年前に走っていました。意外と思われるかもしれませんが、ヤマニンゼファー(1988.5.27)です。彼の4代血統構成を改めて示すと、「ニホンピロウイナー×Blushing Groom×ガーサント×ハクリョウ」 という組み合わせ。Blushing Groom(1974.4.8)のブルードメアサイアーとしての影響力は言わずもがなですが、ハクリョウ(1950.5.6)、ガーサント(1949.4.5)と重ねられた牝系にBlushing Groomを配合された牝馬は、ヤマニンゼファーの母ヤマニンポリシー(1981.5.4)ただ1頭でしょう。そのヤマニンポリシーが日本に戻り、ニホンピロウイナーと交配されて送り込んだ3番仔が、ヤマニンゼファー。錦岡牧場、ひいては土井家のポリシー、そして先見の明で生み出されたのが、ヤマニンゼファーでした。
#錦岡牧場さんのヤマニンポリシーの生産経緯については、月刊「優駿」1993年9月号、吉沢譲治さんにより詳しく記されています。いま、すぐ手元にないのが恐縮ですが、もしお手元にある方はご確認ください。「なんでベイラーンの弟を種付けするんだ!?」というやりとりがあったはずです(苦笑)
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キングスエンブレム。 産駒数が少ないウォーエンブレム(1999.2.20)の仔、母父SSの0交配、勢いに乗りまくるスカーレットインク(1971.5.5)の牝系でヴァーミリアン(2002.4.10)の弟、そして母スカーレットレディ(1995.5.10)が不受胎、流産と2年連続産駒無し後の仔、と後ろ盾となる走る要素は満載です。ただ、兄たちを見ると、長ずるところは砂なのかもしれませんが。
ではでは、今日はこの辺で♪