郷里で旧友たちとバーベキューをしていた際、ミツバチに刺されたかろむわんです。
第40回北九州記念の回顧から。
1着メイショウカイドウ(1999.5.14)。マイナス20kgもいとやせず、小倉古馬重賞(小倉記念、小倉大賞典、北九州記念)を完全制覇の偉業達成となりました。今回の勝利により小倉競馬場では『7-1-1-1』の成績となりました。ミスター小倉、ですね。配合面をちょっと確認しておくと、5代血統表内でHethersett(1959)4×5という珍しいクロスが母方にあります。netkeiba.comの柏木集保さんのコラムを参照して確認した所、母キンセングローリー(1987.6.18)も小倉競馬場で2秒0差の大差勝ちを収めた事があります(1990年の桜島特別、ダート1700m)。小ネタですが、母はアグネスフローラ(1987.6.18)と同級生でまったく同じ誕生日です。
2着ツルマルヨカニセ(2000.3.3)。結果的に、今年の1、2着馬の所属厩舎は去年の1、2着をひっくり返しただけでした。やっぱりやってきましたか、橋口弘次郎厩舎のダンスインザダーク(1993.6.5)産駒。母父も開幕週の芝馬場に強い印象があるLyphard(1969.5.10)です。
3着サイドワインダー(1998.4.2)。角田晃一騎手、久しぶりの重賞制覇のチャンスでしたけれど。もしかしたら、この母仔は、四位洋文騎手の手がいちばん合うのかもしれません。ちょっと感動したんですよね、2003年の京都金杯(GIII)を制した時「ゴールデンジャックの仔で勝てたのが嬉しかった(大意)」と、四位騎手がコメントされていた事が。ゴールデンジャック(1991.3.31)、四位騎手の初重賞制覇のお相手でした。
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では、日曜日の2歳戦の回顧をば。
函館の新馬戦(芝1200m)を勝ち上がったのはシルクドラグーン(2003.2.23、♂)。栗東・山内研二厩舎の所属。その4代血統構成は『スペシャルウィーク×Phone Trick×★Secretariat×Nijinsky』で『Hail to Reason系×Nearctic系×Bold Ruler系×Northern Dancer系』の配合です。5代血統表内ではNijinsky(1967.2.21)4×4、Buckpasser(1963.4.28)5×5のクロスがあります。牝系は米国で受け継がれている16号族。半兄にスプリングS(GII)3着のマイネルイェーガー(2000.3.21)がいます。また4代母Hopespringseternal(1971)の直仔から名種牡馬Miswaki(1978)が輩出されました。シルクドラグーンは母ミスワキジャパン(1993.2.11)が5連産目の5番仔。
新潟の新馬戦(ダート1200m)を勝ち上がったのはセイウンハンクス(2003.2.25、♂)。美浦・萱野浩二厩舎の所属。その4代血統構成は『Forest Camp×Wayne’s Crane×Sovereign Dancer×National』で『Northern Dancer系×Tom Fool系×Northern Dancer系×Nasrullah系』の配合です。5代血統表内ではNorthern Dancer(1961.5.27)4×5×4のクロスがあります。牝系は米国で受け継がれている9号族。外国産馬のため、牝系詳細は確認中です。ちなみに、父Forest Camp(1997)は米国で2~3歳時に11戦4勝、その主な勝ち鞍にデルマーフューチュリティ(GII)があります。2003年産馬が初年度産駒ということ。現在の繋養先は米国・エアドリースタッドで、繋養先サイトではデルマーフューチュリティのレースビデオも視聴できます(要Windows Media Player)。
引き続き、新潟の新馬戦(芝1400m)を勝ち上がったのはケイコアデージョ(2003.2.26、♀)。美浦・尾形充弘厩舎の所属。その4代血統構成は『スペシャルウィーク×Easy Goer×Danzig×Sir Ivor』で『Hail to Reason系×Raise a Native系×Northern Dancer系×Sir Gaylord系』の配合です。5代血統表内ではNorthern Dancer5×4のクロスがあります。牝系は米国で受け継がれているアメリカンファミリーの4号族。4代母がCourtly Dee(1968)ですから、この血統からは多数の活躍馬が送り込まれていますね。3台母Foreign Courier(1979)の直仔にジュライC(英GI)の勝ち馬で名種牡馬のGreen Desert(1983)がいます。ケイコアデージョは母トランクイルデイズ(1993.1.10)が不受胎後の仔(おそらく3番仔)。
小倉の新馬戦(芝1200m)を勝ち上がったのはセントルイスガール(2003.5.20、♀)。栗東・坂口正則厩舎の所属。その4代血統構成は『Silver Hawk×Storm Cat×★Sauce Boat×Great Sun』で『Hail to Reason系×Northern Dancer系×Ribot系×Bold Ruler系』の配合です。5代血統表内ではBold Ruler(1954.4.6)5×5のクロスがあります。牝系は米国で受け継がれている11号族。祖母By Land by Sea(1984)はアップルブロッサムH(米GI)、ミレディH(米GI)など北米重賞5勝の活躍馬です。母エイシンシンシアナ(1995.3.1)が4連産目の4番仔。なお、エイシンシンシアナは日本で繁殖入りした後、2番仔までは浦河の栄進牧場で生産されています。2001年11月に渡米した後、3番仔のエイシンリトルトン(2002.4.28)を米国で産み落としています。現地で種付け生産して外国産馬として輸入されたのがセントルイスガールです。ついでに、父Sliver Hawkの繋養先は、上記のセイウンハンクスで挙げたForest Campと同じく米国・エアドリースタッドです。ここではグラスワンダー(1995.2.18)が制した宝塚記念(GI)のVTRを日本語実況で視聴できます(要Windows Media Player)。
函館の未勝利戦(芝1200m)を勝ち上がったのはサルトリーガール(2003.3.22、♀)。栗東・昆貢厩舎の所属。その4代血統構成は『スペシャルウィーク×Woodman×Northern Dancer×Buckpasser』で『Hail to Reason系×Mr.Prospector系×Nearctic系×Tom Fool系』の配合です。5代血統表内ではBuckpasser5×4×4、Northern Dancer5×3、Native Dancer(1950.3.27)5×5のクロス、Almahmoud(1947)5×5の牝馬クロスがあります。牝系は米国で受け継がれている8号族。3代母がSex Appeal(1970)ですから、土曜日の新馬戦を勝ち上がったケイアイフォーユー(2003.5.4)と同牝系ですね。世界的名牝系。近親活躍馬には、いとこに神戸新聞杯(GII)の勝ち馬シロキタクロス(1993.3.13)がいます。サルトリーガールは母アイレスバリーヒル(1993.4.18)が5連産目の5番仔です(ただし、日本に輸入されて後の繁殖成績)。
スペシャルウィーク(1995.5.2)の仔が3頭も勝ち上がった、日曜日の2歳戦の結果でした。
コメント
好きなNorthern Dancer系主牡馬は?と聞かれると、コマンダーインチーフですと答えるblandfordです、少し仕事がばたばたしててご無沙汰してしまいました。
夏の2歳戦は、どうも単調な配合の馬が結構勝ち上がる傾向にあるかんじですね?いかにも「緒戦向き」ということなのかもしれません。これで母系に驚くような種牡馬が配合されていたりすると、いかにも「成長力ありそう!(なイメーーーーージ)」なんですけどね(笑)
それにしても小倉って、「コース限定の馬」が活躍する競馬場ですね。函館競馬場もそういう傾向が強いので、今週の記念はコース得意な馬から買ってみようと思っています。
◎blandford様
お忙しいところ、毎度ご贔屓ありがとうございます。
>コマンダーインチーフ
「好きなLyphard(1969)系種牡馬は?」と問われたならば、私もコマンダーインチーフ(1990.5.18)を挙げたいですね。アベレージヒッタータイプの名種牡馬。『代打屋』キネーン騎手で制した英ダービー、私が初めて購入した優駿(1993年7月号)で、左右2ページに渡り直線での写真が大写しになっていたのを思い出します。
>夏の2歳戦は、どうも単調な配合の馬が結構勝ち上がる傾向にあるかんじですね?
平坦コースはそれ程に配合のパターンは問われないですよね。むしろ父の系統が問われると思います。現在のJRA2歳戦の流行ならば、Deputy Ministerの系統ですね。「仕上がり早っ!フレンチデピュティ&クロフネ父仔の産駒たち」という感じです。
ちなみに、今までの2歳戦で勝ち上がった馬で気になるのは、やっぱりサインオブゴッドですね。「母父ペイザバトラー」って、魅惑の響きです(笑)。パルブライトの仔、頑張れ。
>「コース限定の馬」
やっぱり、単調な配合の馬が「(ローカル)コース限定の馬」になりやすい印象を持ちますね。底力無しでも相性の良さで補える。
函館や札幌は洋芝ですから、小回りでも、条件によっては実は欧州血脈向きだったりしますよね。blandfordさんの狙い馬、楽しみにしています。
長くなってしまいました。以上でーす。