お蔵入りの予定でしたが。

書く時間が取れないのでお蔵入りにしようと思っていた2005年度の新種牡馬紹介。でも、とりあえず2頭分だけ書き貯めしていましたので、よろしければご笑覧ください。

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今年も有望と思われる新種牡馬たちがデビューします(すでに何頭かはデビューしました)。という訳で、そんな新種牡馬たちを中島理論的に見てみようという第1回目です。

(1)テイエムオペラオー(1996.3.13)。通算26戦14勝。その主な勝ち鞍はジャパンカップ、有馬記念、天皇賞・春2回、天皇賞・秋、皐月賞、宝塚記念(いずれもGI)でGI7勝。世紀末覇王伝説を創りあげた名馬。初年度登録産駒は80頭、2年度産駒は47頭、2004年度種付け数は55頭。

テイエムオペラオー自身の4代血統構成は『オペラハウス×Blushing Groom×Key to the Kingdom×Drone』で『Northern Dancer系×Red God系×Bold Ruler系×Turn-to系』の配合です。種牡馬能力のバロメーターとされる7代残牡先祖数は『12/64』と推定します。

どうも巷間ではテイエムオペラオーの種牡馬としての評価は高くないようです。やはりステイヤー形質が嫌われたのでしょうか。ただ、あれほど現役時代に毛嫌いをしていた彼ですが、繁殖としても優秀な4号族Portage(1952)の牝系ですので、産駒は走ると思っています。Sadler’s Wells(1981.4.11)系は代を重ねて軽くなる印象もありますし、同い年のSadler’s Wells系種牡馬であるMontjeu(1996.4.4)産駒も期待以上に走っています、ってそれは欧州の馬場ですね(苦笑)。

産駒は母父に軽い血を持っている馬が良いと思います。逆パターン(長距離系種牡馬×短距離系種牡馬を父に持つ肌馬)の配合は、日本ではなかなか芽が出ない事が多いのですが、現代ではやはりMr.Prospector(1970.1.28)系。今年の英ダービー馬Motivator(2002.2.22)アサクサデンエン(1999.3.22)のパターンの踏襲ですね。あとはSadler’s Wells系のニックという事では、Never Bend(1960)系やDante(1942)系牝馬との交配。特にNever Bend系牝馬とならば、Lalun(1952)の牝馬クロスが発生しますね。あと、牝馬クロスの創出という事では、Special(1969)の血を持つNureyev(1977.5.2)を持つ牝馬との掛け合わせも面白いですね。

いずれにせよ、チャンピオンホースの産駒は産駒数が少ない初年度が勝負と思います。「シンボリルドルフ(1981.3.13)の仔、トウカイテイオー(1988.4.20)」みたいなパターンが、1頭でも出てくれれば良いのですが。 期待しましょう。

#追記。初めて勝ち上がったテイエムトッパズレ(2003.4.1)がまさにSpecialのクロスを持っていました。はは、遅いって(泣)。

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(2)アグネスタキオン(1998.4.13)。通算4戦4勝。その主な勝ち鞍は皐月賞、弥生賞(GII)、ラジオたんぱ杯3歳S(現ラジオたんぱ杯2歳S、GIII)。「彼の新馬戦のパドックを目の前で見ていた」なんてなんの自慢にもなりませんね。初年度登録産駒は148頭、2年度産駒は168頭、2004年度種付け数は200頭。

アグネスタキオン自身の4代血統構成は『サンデーサイレンス×ロイヤルスキー×リマンド×Sallymount』で『Hail to Reason系×Bold Ruler系×Blenheim系×Hyperion系』の配合です。いわゆる『Northern Dancer&Native Dancer Free』のパターンは、父サンデーサイレンス(1986.3.25)フジキセキ(1992.4.15)と同じです。種牡馬能力のバロメーターとされる7代残牡先祖数は『16/64』と推定します。

Northern Dancer(1961.5.27)Native Dancer(1950.3.27)を持たない血統構成は、現代の繁殖界においてイニシアティヴとなる要素のひとつです。ゆえに産駒はコンスタントに走ると推測。ただ、『SS×Le Fabuleux牝馬』という底力満点の5代アウトクロス配合であるフジキセキが牝馬優勢の仔出しになっているところを見ると、もしかしたらタキオンも同じような傾向があるかもしれないとも思います。母父ロイヤルスキー(1974.5.24)で父より軽快な印象ですしね。

前述どおりNorthern Dancer&Native Dancer Freeの配合馬ですから、どのような繁殖牝馬でも上手くマッチしそうな血統です。近視眼的なニック(=Northern Dancer系との配合)でも走ってくれそうです。Northern Dancer系では、ベタですがNijinsky(1967.2.21)系との相性が良いような感じがします。Flaring Top(1947)の牝馬クロスも発生しますしね。 あと、Flaring Topの牝馬クロスという事では、モーニングフローリック(1975.4.10)が入っている牝馬も面白そうです。

初年度産駒は、タキオンが3歳春に早期引退したため、精神エネルギーの充電期間(約1年)を経て種付けした産駒たちです。「SS産駒種牡馬の仔は2年度から走る」という定説がありますが、タキオンの仔は初年度からいけると思います。

#追記。だから初めて勝ち上がった産駒タキオンバッハ(2003.4.1)にNijinskyが入っているやん。はは、遅いって(泣)。

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案外まじめにレビューしているのですが、機を逸した事もありますし、他の種牡馬すべてを調べている時間もないので、この2頭で終わりそうです(苦笑)。ただ、皆様から調べてほしい新種牡馬のオーダーがあれば、2~3頭くらいならば調べてみます。

コメント

  1. blandford より:

    非常に読み応えのある、面白いレビューでした。実に充実した分析をされていて、さすがと思います。
    オペラオーは現役時代、ひとつ上のグラスワンダー、スペシャルウィーク、エルコンドルパサーたちがごっそりいなくなってから勝ちまくったので、いかにも「暫定王者」という感じでしたが、今戦績を振り返ると本当に強かったですね、この馬。
    Northern Dancerえ系の傍流ってけっこう活力あったりしますから、日本では明らかに傍流となるSadler’s系の一流馬として、けっこういい仔を出すような気が私もしています。

    アグネスタキオンに関しては、おそらくロイヤルスキーとリマンドがうまく利いて、芝で軽い走りをする仔を出せるような気がするんですが、どうでしょうか。とにかく、集まってくる繁殖牝馬の質が半端じゃないですから、ディープインパクトがスタッドインするまでは、この馬がやはりポストサンデー候補の筆頭かもしれないですね。

    次は出来ればセイウンスカイをお願いします~^^

  2. かろむわん より:

    ◎blandford様
    コメント、ありがとうございまーす。

    >テイエムオペラオー
    母父Blushig Groomの種牡馬は、それなりに頑張れそうな感じです。えーと、ラムタラにマヤノトップガンにヤマニンゼファー。なんだ言いながら、みんなJRA重賞勝ち馬を出しています。オペラオーも頑張って。

    >アグネスタキオン
    社台さんの扱いもSS産駒の本丸はこの馬、という感じのようですから、走ってくれるでしょう。

    タキオンの仔について、自分で「モーニングフローリックが入っている馬が面白そう」と書いたのですが、サイコーキララの初仔がタキオン産駒だったんですね(→アグネスヨジゲン)。応援したいものです。

    >セイウンスカイ
    鋭意調査中でーす。

    以上でございます。

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