藤田伸二騎手が騎乗されたGI勝ち馬3選。

藤田伸二騎手引退メッセージ

*

タケノベルベット 牝 黒鹿毛 1989.3.13生~2014.2.28没 静内・武岡牧場生産 馬主・武岡大佶氏 栗東・小林稔厩舎

タケノベルベット(1989.3.13)の4代血統表
パドスール
鹿毛 1979.5.8
種付け時活性値:0.25

Mill Reef
鹿毛 1968.2.23
Never Bend
鹿毛 1960.3.15
Nasrullah 1940.3.2
Lalun 1952
Milan Mill
鹿毛 1962.2.10
Princequillo 1940
Virginia Water 1953.4.18
Thereby
黒鹿毛 1965
Star Moss
栗毛 1960
Mossborough 1947
Star of France 1947
Besides
鹿毛 1952
Naucide 1945
Bees Knees 1939
タケノダンサー
栗毛 1971.4.26
仔受胎時活性値:0.25
チャイナロック
栃栗毛 1953
種付け時活性値:0.25
Rockefella
黒鹿毛 1941
▲Hyperion 1930.4.18
Rockfel 1935
May Wong
栗毛 1934
Rustom Pasha 1927
Wezzan 1924
ラダンスーズ
鹿毛 1964
仔受胎時活性値:1.50
Le Levanstell
鹿毛 1957
種付け時活性値:1.50
Le Lavandou 1944
Stella’s Sister 1950
Star Dancer
黒鹿毛 1954
仔受胎時活性値:0.25
Arctic Star
黒鹿毛 1942
種付け時活性値:0.75
Dancing Time
鹿毛 1938
仔受胎時活性値:1.75

<5代血統表内のクロス:Nearco5×5×5>

タケノベルベット(1989.3.13)の中島理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
パドスール
(Never Bend系)
チャイナロック
(Hyperion系)
Le Levanstell
(Djebel系)
Arctic Star
(Nearco系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Le Levanstell
(Djebel)
3.75 半姉リーゼングロス
(No.2-f)
7番仔
(2連産目)

*

第17回エリザベス女王杯(GI)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
4F
馬体重
[前走比]
調教師
1 12 タケノベルベット 牝3 55 藤田伸二 2:27.1    46.0 444
[+2]
小林稔 17
2 8 メジロカンムリ 牝3 55 横山典弘 2:27.7 3.1/2 47.1 486
[+4]
松山康久 2
3 2 ニシノフラワー 牝3 55 河内洋 2:27.7 ハナ 46.4 432
[0]
松田正弘 6
4 7 アドラーブル 牝3 55 村本善之 2:27.8 3/4 46.8 430
[+20]
小林稔 5
5 17 サンエイサンキュー 牝3 55 田原成貴 2:28.0 1.1/4 47.1 436
[0]
佐藤勝美 4

「パドスール産駒が1、2着独占」と狂い咲いたGIでした、1992年のエリザベス女王杯。1着は出走馬18頭中17番人気のタケノベルベット、2着に2番人気のメジロカンムリ(1989.4.8)。馬番連勝の配当は70470円という大穴馬券になりました。

しっかし、タケノベルベットの強さよ。3角から4角、坂の下りで馬群の外を進出し始めた時から、1頭だけ、違う競馬。直線半ばでは脚色がまったく違い、おいでおいでの大楽勝。弱冠20歳、デビュー2年目の藤田伸二騎手はこのレースがGI初制覇となりました。

「馬のローテーション」について述べられることも多い1992年のエリザベス女王杯ですが、1着のタケノベルベットは7月初めの中日スポーツ賞4歳S(現ファルコンS、GIII)7着以来4ヶ月半ぶりのレースでした。2着のメジロカンムリは、春はクラシックとは無縁で別路線からステップアップし、古馬混合重賞である府中牝馬S(現GII、当時GIII)2着からの参戦でした。また、4着のアドラーブル(1989.3.28)は5月末の優駿牝馬1着以来5ヶ月半ぶりのレース。力量があり好走できる体調であるならば、人間の思惑(=人気)なんて全く関係無いと痛感させた、タケノベルベットが制した第17回エリザベス女王杯でした。

結局、1992年の3歳牝馬GIの勝ち馬は3月のチューリップ賞(現GIII、当時OP)の1~3着馬で決まりました。チューリップ賞1着のアドラーブルが優駿牝馬、2着のニシノフラワー(1989.4.19)が桜花賞(GI)、3着のタケノベルベットがエリザベス女王杯を制したのでした。

*

フサイチコンコルド 牡 鹿毛 1993.2.11生~2014.9.8没 早来・社台ファーム生産 馬主・関口房朗氏 栗東・小林稔厩舎

フサイチコンコルド(1993.2.11)の4代血統表
Caerleon
鹿毛 1980.3.27
種付け時活性値:1.00
Nijinsky
鹿毛 1967.2.21
Northern Dancer
鹿毛 1961.5.27
Nearctic 1954.2.11
Natalma 1957.3.26
Flaming Page
鹿毛 1959.4.24
Bull Page 1947
Flaring Top 1947
Foreseer
黒鹿毛 1969.4.12
Round Table
鹿毛 1954.4.6
Princequillo 1940
Knight’s Daughter 1941
Regal Gleam
黒鹿毛 1964.3.17
Hail to Reason 1958.4.18
Miz Carol 1953.6.1
バレークイーン
鹿毛 1988.4.16
仔受胎時活性値:1.00
Sadler’s Wells
鹿毛 1981.4.11
種付け時活性値:1.50
Northern Dancer
鹿毛 1961.5.27
Nearctic 1954.2.11
Natalma 1957.3.26
Fairy Bridge
鹿毛 1975.5.4
Bold Reason 1968.4.8
Special 1969.3.28
Sun Princess
鹿毛 1980.5.18
仔受胎時活性値:1.75
★イングリッシュプリンス
鹿毛 1971.5.8
種付け時活性値:0.00
Petingo 1965
English Miss 1955
Sunny Valley
鹿毛 1972.3.16
仔受胎時活性値:1.75
Val de Loir
鹿毛 1959.5.7
種付け時活性値:1.00
Sunland
栗毛 1965
仔受胎時活性値:1.50

<5代血統表内のクロス:Northern Dancer3×3、Hail to Reason4×5>

フサイチコンコルド(1993.2.11)の中島理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
Caerleon
(Nijinsky系)
Sadler’s Wells
(Northern Dancer系)
★イングリッシュプリンス
(Fairway系)
Val de Loir
(Blandford系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Sadler’s Wells 6.00 半弟アンライバルド
(No.1-o)
初仔

*

第63回東京優駿(GI)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
3F
馬体重
[前走比]
調教師
1 13 フサイチコンコルド 牡3 57 藤田伸二 2:26.1    34.9 494
[+4]
小林稔 7
2 3 ダンスインザダーク 牡3 57 武豊 2:26.1 クビ 35.0 502
[+2]
橋口弘次郎 1
3 15 メイショウジェニエ 牡3 57 河内洋 2:26.4 1.3/4 35.0 442
[+2]
高橋直 9
4 12 ロイヤルタッチ 牡3 57 南井克巳 2:26.8 2.1/2 35.2 440
[0]
伊藤雄二 2
5 6 サクラスピードオー 牡3 57 蛯名正義 2:27.0 1 36.1 504
[-20]
境勝太郎 4

「音速の末脚」フサイチコンコルド。熱発でプリンシパルS(OP)を回避したフサイチコンコルド。3月9日のすみれS(OP)以来85日ぶりとなったレースが東京優駿でした。7番人気だったフサイチコンコルドは、わずか2戦のキャリアも初のGI挑戦も何も関係無く、集団前方でピタリと折り合い、直線で先に抜け出した1番人気馬ダンスインザダーク(1993.6.5)を外から強襲しました。その音速の末脚をもって、ダンスインザダークを「クビ」だけ差し切ったところが決勝点。3戦3勝、日本で考えられる最短戦績での東京優駿制覇という偉業達成の瞬間でした。勝ち時計は2分26秒1。フサイチコンコルドの鞍上は藤田伸二騎手、所属は栗東・小林稔厩舎、オーナーは関口房朗氏。3者ともに東京優駿初制覇でした。

そんな「和製ラムタラ」の姿が生で見たくて、私、秋初戦となったカシオペアS(OP)を淀まで見に行きましたよ。下見所を周回する姿は、お坊っちゃん然としていましたけれど、「サスガはダービー馬」という雰囲気で、今でも印象に残っています。レースは、プラス18kgの太め残りが響いたのか、メジロスズマル(1991.5.18)に逃げ切られて2着でしたが、私が生で見た最初のダービー馬がフサイチコンコルドとなってくれたのは、良い思い出です。

カシオペアSの次走、中1週で挑戦した菊花賞ではダンスインザダーク、ロイヤルタッチ(1993.3.24)に続いて3着だったものの、それでもダービー馬の矜持を見せてくれました。

*

シルクジャスティス 牡 栗毛 1994.3.18生 新冠・早田牧場新冠支場生産 馬主・有限会社シルク 栗東・大久保正陽厩舎

シルクジャスティス(1994.3.18)の4代血統表

ブライアンズタイム
黒鹿毛 1985.5.28
種付け時活性値:0.00
Roberto
鹿毛 1969.3.16
Hail to Reason
黒鹿毛 1958.4.18
Turn-to 1951
Nothirdchance 1948
Bramalea
黒鹿毛 1959.4.12
Nashua 1952.4.14
Rarelea 1949
Kelley’s Day
鹿毛 1977.5.11
Graustark
栗毛 1963.4.7
Ribot 1952.2.27
Flower Bowl 1952
Golden Trail
黒鹿毛 1958.3.5
Hasty Road 1951
Sunny Vale 1946
ユーワメルド
鹿毛 1983.5.2
仔受胎時活性値:0.50
サティンゴ
黒鹿毛 1970.3.9
種付け時活性値:1.00
Petingo
鹿毛 1965
Petition 1944
Alcazar 1957
Saquebute
鹿毛 1961
Klairon 1952
Synaldo 1955.4.19
ピーチガール
鹿毛 1976.3.14
仔受胎時活性値:1.50
セダン
鹿毛 1955.3.9
種付け時活性値:1.00
Prince Bio 1941
Staffa 1948
メリーブラット
黒鹿毛 1969.2.17
仔受胎時活性値:1.50
テスコボーイ
黒鹿毛 1963
種付け時活性値:1.25
コンチネンタル
黒鹿毛 1962.4.30
仔受胎時活性値:1.50

<5代血統表内のクロス:なし>

シルクジャスティス(1994.3.18)の中島理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
★ブライアンズタイム
(Roberto系)
サティンゴ
(Fairway系)
セダン
(Prince Bio系)
テスコボーイ
(Princely Gift系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
テスコボーイ
(Suncourt)
5.00 近親メリーナイス
(No.4-m チップトップ系)
5番仔
(5連産目)

*

第42回有馬記念(GI)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
3F
馬体重
[前走比]
調教師
1 14 シルクジャスティス 牡3 55 藤田伸二 2:34.8    37.0 464
[-2]
大久保正陽 4
2 3 マーベラスサンデー 牡5 56 武豊 2:34.8 アタマ 36.8 494
[+4]
大沢真 1
3 12 エアグルーヴ 牝4 55 O.ペリエ 2:34.9 クビ 37.4 470
[-2]
伊藤雄二 2
4 4 ローゼンカバリー 牡4 57 横山典弘 2:35.3 2.1/2 37.0 490
[+10]
鈴木康弘 8
5 9 オースミタイクーン 牡6 56 武幸四郎 2:35.5 1.1/2 37.2 508
[-8]
武邦彦 11

シルクジャスティスの満3歳秋。初戦、神戸新聞杯(GII)は大久保正陽厩舎流のひと叩きで3番人気8着。2戦目、古馬相手の京都大賞典(GII)でダンスパートナー(1992.5.25)を抑えて2番人気1着。3戦目、2冠馬サニーブライアン(1994.4.23)が不在の3冠最終戦の菊花賞(GI)は1番人気で臨んだものの伸び切れず5着。現地で観戦し、マチカネフクキタル(1994.5.22)との馬連だけを持っていたオオハシは、最後の直線、周りの観客がビックリするくらいの大声で「ふじたぁ!!ふじたぁ!!」と叫びました(笑)。4戦目、逃げずに満3歳代表として挑んだジャパンカップ(GI)はメンバー最速の上がり3ハロン34秒6で追い込むも5着。古馬を封じた京都大賞典はサスガでしたが、菊花賞、ジャパンカップと悔しい思いを重ねました。

そうして迎えた5戦目が、大一番の有馬記念。捲土重来を期した一戦、最後の最後で爆裂したのは、栗毛の太鼓腹、シルクジャスティスの鬼脚でした。

「この馬が1番強い」。

そう言い続けて来られた藤田伸二騎手。馬を信じた人に、馬が応えてくれた。そんな第42回有馬記念(GI)でした。

  

では、以上オオハシでした。これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

コメント

  1. ゴリ より:

    小生、某クラブの現在ローレルゲレイロ産駒を一口持っておりまして、藤田ジョッキーには、その馬にもまだまだ
    乗ってほしかった。
    武豊ジョッキーのHPには、ユタカさんにしか言えない餞のことばが語られております。

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