春を迎えると、日々、馬の誕生日を思ってしまうオオハシでございます。という訳で、その日に生まれた馬を辿る企画を、今年2013年も毎週水曜日にお届けしたいと思いました。その第15回、掉尾を飾るのは「コガネ3兄弟の次兄」を。
コガネタイフウ 牡 鹿毛 1987.6.12生 伊達・黄金牧場生産 馬主・瀬古孝雄氏 栗東・中村好夫厩舎
マグニテュード 鹿毛 1975.3.16 種付け時活性値:0.75 |
Mill Reef 鹿毛 1968.2.23 |
Never Bend 鹿毛 1960.3.15 |
Nasrullah 1940.3.2 |
Lalun 1952 | |||
Milan Mill 鹿毛 1962.2.10 |
Princequillo 1940 | ||
Virginia Water 1953.4.18 | |||
Altesse Royale 栗毛 1968 |
セントクレスピン 栗毛 1956 |
Aureole 1950 | |
Neocracy 1944 | |||
Bleu Azur 栗毛 1959 |
Crepello 1954 | ||
Blue Prelude 1951 | |||
コガネポプラ 黒鹿毛 1980.5.21 仔受胎時活性値:1.50 |
カブラヤオー 黒鹿毛 1972.6.13 種付け時活性値:1.75 |
ファラモンド 黒鹿毛 1957.2.8 |
★Sicambre 1948 |
Rain 1946 | |||
カブラヤ 黒鹿毛 1965.4.4 |
ダラノーア 1960.1.23 | ||
ミスナンバイチバン 1959.5.9 | |||
セントシグマ 栗毛 1974.5.22 仔受胎時活性値:1.25 |
Supreme Sovereign 芦毛 1964 種付け時活性値:0.25 |
Sovereign Path 1956 | |
Valtellina 1953 | |||
デイオブレコニング 鹿毛 1970 仔受胎時活性値:0.75 |
Busted 鹿毛 1963 種付け時活性値:1.50 |
||
Atonement 芦毛 1962 仔受胎時活性値:1.75 |
<5代血統表内のクロス:Crepello4×5、Nearco5×5(父方)>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
マグニテュード (Mill Reef系) |
カブラヤオー (Sicamble系) |
Supreme Sovereign (Grey Sovereign系) |
Busted (Crepello系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
カブラヤオー (Rain) |
5.25 |
全兄コガネターボ&全弟コガネパワー (No.7) |
4番仔 (4連産目) |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 |
斤 量 |
騎手 |
走破 時計 |
着差 |
上り 4F |
馬体重 [前走比] |
調教師 |
人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 10 | コガネタイフウ | 牡2 | 54 | 田原成貴 | 1:35.7 | 48.8 |
432 [+2] |
中村好夫 | 7 | |
2 | 5 | ダイタクヘリオス | 牡2 | 54 | 武豊 | 1:35.7 | アタマ | 49.6 |
466 [0] |
梅田康雄 | 4 |
3 | 2 | ツルマルミマタオー | 牡2 | 54 | 河内洋 | 1:36.0 | 2 | 48.8 |
476 [+6] |
橋口弘次郎 | 1 |
4 | 6 | ニチドウサンダー | 牡2 | 54 | 増井裕 | 1:36.3 | 1.3/4 | 50.1 |
450 [+6] |
白井寿昭 | 3 |
5 | 3 | ダンディスピリット | 牡2 | 54 | 加用正 | 1:36.5 | 1.1/2 | 49.4 |
430 [-6] |
北橋修二 | 10 |
絶妙な逃げを打ったのは後のGI2勝馬ダイタクヘリオス(1987.4.10)と「平成の天才」武豊騎手のコンビ。武騎手をして「本気で走ったら、あの馬が一番強い」と言わしめた黒鹿毛馬は、平坦時代の阪神芝1600mを逃げ粘ろうとしていました。が、ゴール前で追い詰めて来たのは、出走12頭中最も軽量かつ最も遅生まれだった、コガネタイフウ。黄金牧場が送り込んだ台風は、メンバー中最速となる上がり4ハロン48秒8の末脚を以て、決勝点では「アタマ」だけ差し切っていました。
*
オーラスで「これはまたシブいところを持って来た」とお思いの方もいらっしゃるでしょう。ええ、私もそう思います。今年のその日に生まれた馬を辿る企画の構想を練っていた時、カレンダーで4月から6月までの水曜日の並びを眺めていると、「1987年生まれ世代の2~3歳GIを勝った牡馬、すべて紹介出来ますやん」と気付いたのでした。メジロマックイーン(1987.4.3)、アイネスフウジン(1987.4.10)、ハクタイセイ(1987.4.17)、そしてコガネタイフウ。
#余談。アイネスフウジンの誕生日の折に 、上述の同期生ダイタクヘリオス、そして同じシーホーク(1963.3.16)産駒で1歳年上の日本ダービー(GI)馬ウィナーズサークル(1986.4.10)も紹介しようかと思ったのですが、手が回りませんでした(^_^;)
さて、コガネタイフウと言いますと、やはり「父マグニテュード×母コガネポプラ(母父カブラヤオー)」という全兄弟の組み合わせで、3頭のJRAオープン馬を出したニックを思うところ。「Phalaris系とSt.Simon系のニックス」が端的に表れていますね。
コガネポプラ 1980.5.21 不出走 |コガネターボ 1984.5.1 中央4勝+地方7勝 京王杯SC(GII)2着 阪急杯(GIII)2着 中山記念(GII)3着 |コガネタイフウ 1987.6.12 (本馬) 中央4勝+地方0勝 阪神3歳S(現阪神JF、GI) きさらぎ賞(GIII)2着 |コガネパワー 1988.4.30 中央3勝 京都4歳特別(旧GIII) 中日スポーツ賞4歳S(現ファルコンS、GIII)
コガネタイフウは皐月賞(GI)4着、コガネパワーは日本ダービー(GI)4着と、クラシックでも善戦していました。
また、コガネタイフウがジャンプに回って勝利を収めたことは、何故だかよく覚えていたのです。関西テレビの中継で杉本清アナが「GI馬、コガネタイフウが障害に降りて来ました」と、伝えられたように記憶しています。「なんで覚えているのかな」と思い日付を調べてみれば、1993年5月9日。マイシンザン(1990.3.7)がNHK杯(旧GII)を勝ち、ケイウーマン(1990.2.13)が京都4歳特別を勝った日のことでした。コガネタイフウ、古小路重男騎手を背に2着に1秒7差の圧勝は、平地脚の違いを見せ付けるに充分でしたが、結果的に、彼の生涯最後の勝利となったのでした。
*
という訳で、
- ハイセイコー(1970.3.6)
- テイエムオペラオー(1996.3.13)
- キングカメハメハ(2001.3.20)
- ゼンノロブロイ(2000.3.27)
- メジロマックイーン(1987.4.3)
- アイネスフウジン(1987.4.10)
- ハクタイセイ(1987.4.17)
- ディープスカイ(2005.4.24)
- メジロデュレン(1983.5.1)
- サクラローレル(1991.5.8)
- アグネスデジタル(1997.5.15)
- マチカネフクキタル(1994.5.22)
- イシノサンデー(1993.5.29)
- ダンスインザダーク(1993.6.5)
- コガネタイフウ(1987.6.12)
と辿って来た、今年2013年のその日に生まれた馬を辿る企画。
振り返れば、父仔の紹介であったり、兄弟の紹介であったり、戦歴の似た馬の紹介であったり、そして同期生たちの紹介であったり、気が付けば不思議な関連が巡ったのだと、改めて思いました。
また来年2014年もお届け出来るように、今から準備しておきたいと思います。
では、以上オオハシでした。これから走る馬、人すべてが無事でありますように。