コガネタイフウ(1987.6.12)。

春を迎えると、日々、馬の誕生日を思ってしまうオオハシでございます。という訳で、その日に生まれた馬を辿る企画を、今年2013年も毎週水曜日にお届けしたいと思いました。その第15回、掉尾を飾るのは「コガネ3兄弟の次兄」を。

コガネタイフウ 牡 鹿毛 1987.6.12生 伊達・黄金牧場生産 馬主・瀬古孝雄氏 栗東・中村好夫厩舎

コガネタイフウ(1987.6.12)の4代血統表
マグニテュード
鹿毛 1975.3.16
種付け時活性値:0.75
Mill Reef
鹿毛 1968.2.23
Never Bend
鹿毛 1960.3.15
Nasrullah 1940.3.2
Lalun 1952
Milan Mill
鹿毛 1962.2.10
Princequillo 1940
Virginia Water 1953.4.18
Altesse Royale
栗毛 1968
セントクレスピン
栗毛 1956
Aureole 1950
Neocracy 1944
Bleu Azur
栗毛 1959
Crepello 1954
Blue Prelude 1951
コガネポプラ
黒鹿毛 1980.5.21
仔受胎時活性値:1.50
カブラヤオー
黒鹿毛 1972.6.13
種付け時活性値:1.75
ファラモンド
黒鹿毛 1957.2.8
★Sicambre 1948
Rain 1946
カブラヤ
黒鹿毛 1965.4.4
ダラノーア 1960.1.23
ミスナンバイチバン 1959.5.9
セントシグマ
栗毛 1974.5.22
仔受胎時活性値:1.25
Supreme Sovereign
芦毛 1964
種付け時活性値:0.25
Sovereign Path 1956
Valtellina 1953
デイオブレコニング
鹿毛 1970
仔受胎時活性値:0.75
Busted
鹿毛 1963
種付け時活性値:1.50
Atonement
芦毛 1962
仔受胎時活性値:1.75

<5代血統表内のクロス:Crepello4×5、Nearco5×5(父方)>

コガネタイフウ(1987.6.12)の中島理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
マグニテュード
(Mill Reef系)
カブラヤオー
(Sicamble系)
Supreme Sovereign
(Grey Sovereign系)
Busted
(Crepello系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
カブラヤオー
(Rain)
5.25 全兄コガネターボ&全弟コガネパワー
(No.7)
4番仔
(4連産目)

*

第41回阪神3歳S(現阪神JF、GI)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
4F
馬体重
[前走比]
調教師
1 10 コガネタイフウ 牡2 54 田原成貴 1:35.7    48.8 432
[+2]
中村好夫 7
2 5 ダイタクヘリオス 牡2 54 武豊 1:35.7 アタマ 49.6 466
[0]
梅田康雄 4
3 2 ツルマルミマタオー 牡2 54 河内洋 1:36.0 2 48.8 476
[+6]
橋口弘次郎 1
4 6 ニチドウサンダー 牡2 54 増井裕 1:36.3 1.3/4 50.1 450
[+6]
白井寿昭 3
5 3 ダンディスピリット 牡2 54 加用正 1:36.5 1.1/2 49.4 430
[-6]
北橋修二 10

絶妙な逃げを打ったのは後のGI2勝馬ダイタクヘリオス(1987.4.10)と「平成の天才」武豊騎手のコンビ。武騎手をして「本気で走ったら、あの馬が一番強い」と言わしめた黒鹿毛馬は、平坦時代の阪神芝1600mを逃げ粘ろうとしていました。が、ゴール前で追い詰めて来たのは、出走12頭中最も軽量かつ最も遅生まれだった、コガネタイフウ。黄金牧場が送り込んだ台風は、メンバー中最速となる上がり4ハロン48秒8の末脚を以て、決勝点では「アタマ」だけ差し切っていました。

*

オーラスで「これはまたシブいところを持って来た」とお思いの方もいらっしゃるでしょう。ええ、私もそう思います。今年のその日に生まれた馬を辿る企画の構想を練っていた時、カレンダーで4月から6月までの水曜日の並びを眺めていると、「1987年生まれ世代の2~3歳GIを勝った牡馬、すべて紹介出来ますやん」と気付いたのでした。メジロマックイーン(1987.4.3)、アイネスフウジン(1987.4.10)、ハクタイセイ(1987.4.17)、そしてコガネタイフウ。

#余談。アイネスフウジンの誕生日の折に 、上述の同期生ダイタクヘリオス、そして同じシーホーク(1963.3.16)産駒で1歳年上の日本ダービー(GI)馬ウィナーズサークル(1986.4.10)も紹介しようかと思ったのですが、手が回りませんでした(^_^;)

さて、コガネタイフウと言いますと、やはり「父マグニテュード×母コガネポプラ(母父カブラヤオー)」という全兄弟の組み合わせで、3頭のJRAオープン馬を出したニックを思うところ。「Phalaris系とSt.Simon系のニックス」が端的に表れていますね。

コガネポプラ 1980.5.21 不出走
|コガネターボ 1984.5.1 中央4勝+地方7勝 京王杯SC(GII)2着 阪急杯(GIII)2着 中山記念(GII)3着
|コガネタイフウ 1987.6.12 (本馬) 中央4勝+地方0勝 阪神3歳S(現阪神JF、GI) きさらぎ賞(GIII)2着
|コガネパワー 1988.4.30 中央3勝 京都4歳特別(旧GIII) 中日スポーツ賞4歳S(現ファルコンS、GIII)

コガネタイフウは皐月賞(GI)4着、コガネパワーは日本ダービー(GI)4着と、クラシックでも善戦していました。

また、コガネタイフウがジャンプに回って勝利を収めたことは、何故だかよく覚えていたのです。関西テレビの中継で杉本清アナが「GI馬、コガネタイフウが障害に降りて来ました」と、伝えられたように記憶しています。「なんで覚えているのかな」と思い日付を調べてみれば、1993年5月9日。マイシンザン(1990.3.7)がNHK杯(旧GII)を勝ち、ケイウーマン(1990.2.13)が京都4歳特別を勝った日のことでした。コガネタイフウ、古小路重男騎手を背に2着に1秒7差の圧勝は、平地脚の違いを見せ付けるに充分でしたが、結果的に、彼の生涯最後の勝利となったのでした。

*

という訳で、

  1. ハイセイコー(1970.3.6)
  2. テイエムオペラオー(1996.3.13)
  3. キングカメハメハ(2001.3.20)
  4. ゼンノロブロイ(2000.3.27)
  5. メジロマックイーン(1987.4.3)
  6. アイネスフウジン(1987.4.10)
  7. ハクタイセイ(1987.4.17)
  8. ディープスカイ(2005.4.24)
  9. メジロデュレン(1983.5.1)
  10. サクラローレル(1991.5.8)
  11. アグネスデジタル(1997.5.15)
  12. マチカネフクキタル(1994.5.22)
  13. イシノサンデー(1993.5.29)
  14. ダンスインザダーク(1993.6.5)
  15. コガネタイフウ(1987.6.12)

と辿って来た、今年2013年のその日に生まれた馬を辿る企画。

振り返れば、父仔の紹介であったり、兄弟の紹介であったり、戦歴の似た馬の紹介であったり、そして同期生たちの紹介であったり、気が付けば不思議な関連が巡ったのだと、改めて思いました。

また来年2014年もお届け出来るように、今から準備しておきたいと思います。

  

では、以上オオハシでした。これから走る馬、人すべてが無事でありますように。

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