第80回東京優駿(GI)の出走予定馬について。

第80回東京優駿(GI)の出走予定馬について

馬名
(生年月日)
[F No.]
母の
何番仔?
4代血統構成
母父 祖母父 曾祖母父
1 キズナ
(2010.3.5)
[13-a]
9番仔
(2年連続
不受胎後)
ディープインパクト Storm Cat Damascus Acropolis
2 コディーノ
(2010.2.15)
[4-d]
3番仔
(3連産目)
★キングカメハメハ サンデーサイレンス ポッセ High Top
3 アポロソニック
(2010.4.2)
[1-c]
2番仔+
(2連産目+)
Big Brown Pure Prize Prized Raise a Man
4 クラウンレガーロ
(2010.5.6)
[19 レディチャッター系]
3番仔
(不受胎後)
グラスワンダー エンドスウィープ ★パドスール ★ノーザンテースト
5 メイケイペガスター
(2010.1.15)
[9-e]
2番仔
(2連産目)
フジキセキ ブライアンズタイム ★Silver Deputy Buckfinder
6 ラブリーデイ
(2010.1.30)
[19 レディチャッター系]
4番仔
(流産後)
★キングカメハメハ ダンスインザダーク トニービン リアルシャダイ
7 ヒラボクディープ
(2010.4.26)
[8-c]
2番仔+
(不受胎後)
ディープインパクト Storm Cat Caro ★Tom Cat
8 ロゴタイプ
(2010.3.10)
[8-k]
初仔 ローエングリン サンデーサイレンス Risen Star Nureyev
9 エピファネイア
(2010.2.11)
[16-a]
3番仔
(不受胎後)
シンボリクリスエス スペシャルウィーク Sadler’s Wells ★Habitat
10 タマモベストプレイ
(2010.2.28)
[1-t]
11番仔
(2連産目)
フジキセキ ノーザンテースト ディクタス Princely Gift
11 テイエムイナズマ
(2010.3.31)
[16-g]
3番仔+
(3連産目+)
ブラックタイド Danzig ★Majestic Light Round Table
12 サムソンズプライド
(2010.3.26)
[8-f パロクサイド系]
3番仔
(3連産目)
メイショウサムソン エルコンドルパサー サンデーサイレンス ★ノーザンテースト
13 マイネルホウオウ
(2010.4.23)
[16-c ヘレンサーフ系]
3番仔
(3連産目)
スズカフェニックス フレンチデピュティ リアルシャダイ シルバーシャーク
14 アクションスター
(2010.4.21)
[9-f]
初仔 アグネスタキオン Loup Solitaire フォーティナイナー Lyphard
15 フラムドグロワール
(2010.3.31)
[13-c]
7番仔
(7連産目)
ダイワメジャー ブライアンズタイム ★Northern Dancer In Reality
16 ペプチドアマゾン
(2010.3.20)
[17-b]
5番仔
(2連産目)
アグネスタキオン ★トニービン ノーザンテースト Lt.Stevens
17 レッドレイヴン
(2010.3.4)
[12-c]
3番仔+ Smart Strike Silver Hawk Danzig His Majesty
18 ミヤジタイガ
(2010.2.27)
[11-g]
2番仔
(2連産目)
ネオユニヴァース El Corredor Relaunch Copelan
  1. キズナ
  2. ロゴタイプ
  3. エピファネイア
  4. コディーノ
  5. ヒラボクディープ
  6. サムソンズプライド

キズナ。ともすれば、忘れられがちな絆。人は、巡る運と縁の中で、互いに糸を半分ずつ持っているものです。それが解けたならば、また結び直せば良いのです。姉ファレノプシス(1995.4.4)は3着に敗れた府中芝2400mですが、従兄の2頭は東京優駿で連に絡んでいます。1993年の第60回でビワハヤヒデ(1990.3.10)が2分の1馬身差の2着、1994年の第61回でナリタブライアン(1991.5.3)が5馬身差の圧勝。キズナ自身、母が2年連続不受胎後の仔という活力の後押しもあります。また、佐々木晶三厩舎の所属馬で、1枠1番からの発進で府中芝2400mに挑んだ馬といえば、タップダンスシチー(1997.3.16)を思い出します。最後は、人と人との絆に戻りますが、ここ数年のノースヒルズマネジメントさんと武豊騎手は、蜜月と言っても良い関係です。そんなオーナーサイド、そして厩舎陣営の「日本ダービー初勝利」の為にも、ユタカさんの第一人者の意地を、この第80回東京優駿で見せて欲しいと願います。

ロゴタイプ。2歳秋のベゴニア賞から数えると4連勝、そして重賞は3連勝中の「2歳王者にして皐月賞勝ち馬」。連勝の始まりだったベゴニア賞で府中芝1600mの2歳レコードを叩き出したように左回りも不安なし。距離も皐月賞(GI)をコースレコードで勝つ馬が2ハロンの延長に負けるとは思えません。そして、母仔3代に渡っての母が前年産駒無し後の仔というバックボーン。こうなると、どうあっても連勝している時は逆らえないのですが、秤にかけて、「ユタカさんのダービー5勝目が見たい」という私の思いの分だけで、2番手(^^ゞ。鞍上であるクリスチャン・デムーロ騎手の20歳10ヶ月18日という、「JRA以降の最年少日本ダービー勝利」が成されても、まったくおかしくありません。王道路線を歩んで「勝利」という結果を出し続けて来たロゴタイプは、真の強者ですからね。頑張れ、ローエングリン(1999.6.8)の仔。

エピファネイア。父シンボリクリスエス(1999.1.21)は府中芝2400mの青葉賞(GII)勝ち馬で、2002年の第69回東京優駿はタニノギムレット(1999.5.4)の2着。母シーザリオ(2002.3.31)は府中芝2400mの第66回優駿牝馬(GI)を後方からの追い込み勝ち。左回りが初めてでも、父母からはまるで問題なしの印象。エピファネイアのギアの掛かり方を思うと、むしろ、大回りの府中が1番合いそうなタイプに見えます。そんなエピファネイアも、やはりというべきか、母が不受胎後の仔。合わせて、母仔2代の背中には福永祐一騎手。かつての、第54回優駿牝馬勝ち馬ベガ(1990.3.8)と、第66回東京優駿勝ち馬アドマイヤベガ(1996.3.12)の母仔以来となる、「オークス馬の母から日本ダービー馬の仔」の偉業が成されれば痛快です。

コディーノ。ここ3戦の敗北により一歩後退の感もありますけれど、彼が最も強いレースをしたのは府中芝1800mの東京スポーツ杯2歳S(GIII)。1分46秒0の2歳レコード駆けを見た時は、「来年はこの馬」という思いを強くしたものです。振り返れば、東京スポーツ杯2歳Sの折も、1枠の白い帽子でした。この大一番、クレイグ・ウィリアムズ騎手への乗り替わりで新味を見せることが出来るか。2004年の第71回東京優駿勝ち馬であるキングカメハメハ(2001.3.20)の仔で、東京優駿での乗り替わりというと、3年前、2010年の第77回におけるローズキングダム(2007.5.10)の2着を思い出します。そして、国内所属馬としては異例とも言える、東京競馬場での最終追い切り。大一番を3頭出しで挑む藤沢和雄調教師、トップトレーナーの「日本ダービー初制覇」への思いと気迫が怖い。

ヒラボクディープ。蛯名正義騎手の青葉賞勝ちから挑む東京優駿の騎乗と言えば、昨年2012年の第79回におけるフェノーメノ(2009.4.20)のハナ差2着が記憶に新しいところ。今年2013年の重賞戦線で見せる蛯名騎手の気概が、この大舞台で満開となるのもまた良し。皐月賞4着の後に戦列を離れた僚馬カミノタサハラ(2010.2.14)の分も、ヒラボクディープ。彼もまた、母が不受胎後の仔です。今回の第80回東京優駿に挑む、2005年の第72回東京優駿勝ち馬であるディープインパクト(2002.3.25)産駒2騎は、奇しくも、「ディープインパクト×Storm Cat牝馬」の組み合わせにして、「母が不受胎後の仔」という共通点があります。そしてまた、鞍上も競馬学校の同期生。併せて、生産場である下河辺牧場さんは、アユサン(2010.2.21)が今年の桜花賞(GI)を勝ちましたが、彼女も「ディープインパクト×Storm Cat牝馬」の組み合わせでした。

サムソンズプライド。2006年の第73回東京優駿勝ち馬メイショウサムソン(2003.3.7)、その愛息が3連勝で挑む第80回東京優駿。これを応援せずにいられますか。メイショウサムソン、2歳戦で産駒がなかなか動かずにヒヤヒヤしましたが、3歳戦で上昇気流に乗りました。そうして、第80回東京優駿に送り込む仔の名前がサムソンズプライド。「サムソンの矜持」という馬名が良い感じですし、サムソンズプライドの鼻面の白さが、お父さんの面影を思います。サムソンズプライド自身、母系が8号族パロクサイド(1959)系で、曾祖母が第44回優駿牝馬の勝ち馬ダイナカール(1980.5.10)という筋の通った血統馬。パロクサイド系は、3歳秋以降あるいは古馬になってからという印象もありますが、若武者・田辺裕信騎手と挑む夢舞台、先に行って、どこまで頑張れるか。期待しています。

*

「普段より記事に気合が入っている」とお思いでしょう。第80回の記念であると共に、不肖オオハシ、2013年5月26日日曜日に36歳を迎えます。「5月の最終週の日曜日に、誕生日が巡る人は幸せである」と、競馬者として、つくづく思います。

5月26日に東京優駿を勝った馬を辿ると、1957年のヒカルメイジ(1954.3.14)、1963年のメイズイ(1960.3.13)、1974年のコーネルランサー(1971.4.16)、1985年のシリウスシンボリ(1982.3.26)、1991年のトウカイテイオー(1988.4.20)、2002年のタニノギムレットの6頭。彼らに続いて、7頭目の5月26日に東京優駿を勝った馬となるのは、優駿18頭のうち、どの馬か。

2013年5月26日日曜日15時40分、第80回東京優駿の発走を、心から楽しみに待ちたいと思います。

  

では、以上オオハシでした。これから走る馬、人すべてが無事でありますように。

タイトルとURLをコピーしました