自分と同じ年に生まれた馬を辿る(其の四)-アンバーシャダイ(1977.3.10)-。

今年2013年は、私が年男ということもあり、自分と同じ年に生まれた馬を誕生日順に辿ろうという企画でございます。その第4回はアンバーシャダイ。

アンバーシャダイ 牡 鹿毛 1977.3.10生~2007.1.29没 早来・社台ファーム生産 馬主・吉田善哉氏 美浦・二本柳俊夫厩舎

アンバーシャダイ(1977.3.10)の4代血統表
ノーザンテースト
栗毛 1971.3.15
種付け時活性値:1.25
(アンバーシャダイは初年度産駒)
Northern Dancer
鹿毛 1961.5.27
Nearctic
黒鹿毛 1954.2.11
Nearco 1935.1.24
Lady Angela 1944 ♀
Natalma
鹿毛 1957.3.26
Native Dancer 1950.3.27
Almahmoud 1947
Lady Victoria
黒鹿毛 1962.2.20
Victoria Park
鹿毛 1957.5.10
★Chop Chop 1940
Victoriana 1952
Lady Angela
栗毛 1944 ♀
Hyperion 1930.4.18
Sister Sarah 1930
クリアアンバー
黒鹿毛 1967.5.8
仔受胎時活性値:0.25

Ambiopoise
鹿毛 1958.5.6
種付け時活性値:0.00
Ambiorix
鹿毛 1946
Tourbillon 1928
Lavendula 1930
Bull Poise
鹿毛 1948
Bull Lea 1935
Alpoise 1937
One Clear Call
鹿毛 1960.5.21
仔受胎時活性値:1.50
Gallant Man
鹿毛 1954
種付け時活性値:1.25
Migoli 1944
Majideh 1939
Europa
鹿毛 1949
仔受胎時活性値:0.50
Bull Lea
黒鹿毛 1935
種付け時活性値:1.25
Sicily
黒鹿毛 1942
仔受胎時活性値:1.50

<5代血統表内のクロス:Mahmoud5×5、Pharos5×5、Lady Angela(♀)3×4(父方)、Bull Lea4×4(母方)>

アンバーシャダイ(1977.3.10)の中島理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
ノーザンテースト
(Northern Dancer系)
Ambiopoise
(Tourbillon系)
Gallant Man
(Bois Roussel系)
◆Bull Lea
(Teddy系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
ノーザンテースト 3.75 甥サクラバクシンオー
(No.4-m)
3番仔
(不受胎後)
第26回有馬記念(現GI)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 馬体重 調教師
1 2 アンバーシャダイ 牡4 57 東信二 2:35.5    474 二本柳俊夫 3
2 13 ホウヨウボーイ 牡6 56 加藤和宏 2:35.9 2.1/2 484 二本柳俊夫 1
3 1 モンテプリンス 牡4 57 吉永正人 2:35.9 アタマ 508 松山吉三郎 2
4 4 オペックホース 牡4 57 郷原洋行 2:36.0 クビ 450 佐藤勇 10
5 14 ゴールドスペンサー 牡5 56 大西直宏 2:36.1 クビ 450 中尾銑治 4
第87回天皇賞・春(現GI)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 馬体重 調教師
1 13 アンバーシャダイ 牡6 58 加藤和宏 3:22.3    二本柳俊夫 1
2 5 ホリスキー 牡4 58 菅原泰夫 3:22.4 1/2 本郷重彦 2
3 4 カツアール 牡7 58 樋口弘 3:23.3 5 柳田次男 10
4 12 メジロファントム 牡8 58 的場均 3:23.4 1/2 大久保洋吉 9
5 7 ミナガワマンナ 牡5 58 郷原洋行 3:23.5 1/2 仲住芳雄 4

*

「琥珀色の機関車」。それは、今は亡き横尾一彦さんが、月刊優駿の1994年5月号のサラブレッドヒーロー列伝でアンバーシャダイの記事の折に使われた、彼に対するキャッチフレーズでした。

「アンバーシャダイという馬は、親父という機関車の一部なんですよ」。そのサラブレッドヒーロー列伝の冒頭の一節。吉田照哉氏が述べられていました。

言い得て妙。

*

アンバーシャダイ。名種牡馬ノーザンテーストの初年度産駒にして、牡馬の最高傑作と言っても良いでしょう。7頭いるノーザンテースト産駒の平地GI勝ち馬のうち最初にGIを勝った馬で、重ねてお伝えすれば、日本で走ったNorthern Dancer系馬として、初めて八大競走を勝った馬でもあります。そしてまた、3200m時代の天皇賞を春秋で1着から5着、有馬記念を1着から3着まですべて経験しているという馬でも有馬す。もとい、あります。

その有馬記念。満4歳時に出走した折は、所属厩舎の大将だったホウヨウボーイ(1975.4.15)の露払い的な立場だったはずなのに、直線で鋭脚を発揮して、ホウヨウボーイ、モンテプリンス(1977.4.1)の競り合いを尻目に2と2分の1馬身差の完勝。僅差ならばともかく、GIで2馬身差以上付けたならば、それは馬を褒めるほか有馬せん。もとい、ありません。

そして、満6歳時に制した天皇賞・春。スタートの出遅れで却って腹が決まった感もあるレース。早めに抜け出して迎えた直線、外から2歳年下のホリスキー(1979.4.13)の脚色が勝ったかと思いきや、内から「まだまだ若いモンには負けんぜよ」とばかりにググっと差し返して、最後には半馬身差を付けたアンバーシャダイ。1番人気に見事に応えた、その勝負根性の素晴らしさ。

併せて、アンバーシャダイは仔メジロライアン(1987.4.11)、孫メジロブライト(1994.4.19)&メジロドーベル(1994.5.6)と、親仔3代のJRAGI級レースを勝つという偉業を達成しました。遺伝力の確かさも見せ付けたアンバーシャダイ。

アンバーシャダイ。競走成績から繁殖成績まで、1977年生まれ世代の代表馬と言える、真の名馬でした。

  

では、以上オオハシでした。これから走る馬、人すべてが無事でありますように。

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