初めて意識をして見たクラシック世代を辿る(其の九)-ネーハイシーザー(1990.4.27)-。

私も案外長いこと競馬を見ていることに気付いてしまいました。現3歳の2009年生まれ世代で都合20世代のクラシックを見ることになります。そりゃ、ピチピチの10代やったのに、30代半ばに差し掛かりますわ(笑)

そんな訳で、初めて意識をして見たクラシック世代である、1990年生まれ世代のGI勝ち馬たちを辿ってみたいと思います。

今回は、日本競馬史上初めて、芝1800mで1分44秒台の勝ち時計を記録した天皇賞馬、その満22歳の誕生日を祝して。

ネーハイシーザー 牡 黒鹿毛 1990.4.27生 浦河・大道牧場生産 馬主・(株)大丸企業 栗東・布施正厩舎

ネーハイシーザー(1990.4.27)の4代血統表

サクラトウコウ
鹿毛 1981.3.11
種付け時活性値:0.00
マルゼンスキー
鹿毛 1974.5.19
Nijinsky
鹿毛 1967.2.21
Northern Dancer 1961.5.27
Flaming Page 1959.4.24
シル
鹿毛 1970.4.22
Buckpasser 1963.4.28
Quill 1956
サクラセダン
鹿毛 1972.4.13
★セダン
鹿毛 1955.3.9
Prince Bio 1941
Staffa 1948
スワンズウッドグローヴ
黒鹿毛 1960
Grey Sovereign 1948
Fakhry 1940
ネーハイテスコ
黒鹿毛 1980.4.20
仔受胎時活性値:0.25

テスコボーイ
黒鹿毛 1963
種付け時活性値:0.00
Princely Gift
鹿毛 1951
Nasrullah 1940.3.2
Blue Gem 1943
Suncourt
黒鹿毛 1952
Hyperion 1930.4.18
Inquisition 1936
マリリン
鹿毛 1968.5.3
仔受胎時活性値:0.75
パーソロン
鹿毛 1960
種付け時活性値:1.75
Milesian 1953
Paleo 1953
ライフレントゲン
鹿毛 1959.3.15
仔受胎時活性値:2.00(0.00)
ハタカゼ
栗毛 1947.5.12
種付け時活性値:0.75
エスパレード
黒鹿毛 1950.6.4
仔受胎時活性値:2.00

<5代血統表内のクロス:Nasrullah5×4>

ネーハイシーザー(1990.4.27)の中島理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
★サクラトウコウ
(Nijinsky系)
★テスコボーイ
(Princely Gift系)
パーソロン
(Milesian系)
ハタカゼ
(Gainsborough系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
パーソロン
(Loika)
5.00 or 3.00
(No.6-a エスサーディー系)
6番仔
(5連産目)

*

第7回中日スポーツ賞4歳S(GIII)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
3F
馬体重
[前走比]
調教師
1 4 ネーハイシーザー 牡3 55 塩村克己 1:45.2 日本
レコード
35.8 476
[-6]
布施正 8
2 11 トーヨーリファール 牡3 57 松永昌博 1:45.5 2 35.1 468
[-4]
松永善晴 1
3 8 エヌティウイナー 牡3 55 河内洋 1:45.7 1.1/4 36.3 482
[-6]
藤岡範士 2
4 10 シルクムーンライト 牡3 55 土肥幸広 1:46.8 7 36.6 466
[+4]
吉永猛 5
5 7 タマモハイウェイ 牡3 54 熊沢重文 1:47.1 1.3/4 36.9 460
[-2]
吉永忍 6

NZT4歳S(現NZT、GII)を制してやって来た1番人気馬トーヨーリファール(1990.5.10)を向こうに回して、先行逃げ切り。終わってみれば芝1800mの日本レコード1分45秒2。後の中距離王が表舞台に立った瞬間でした。

*

第38回大阪杯(GII)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
3F
馬体重
[前走比]
調教師
1 3 ネーハイシーザー 牡4 56 塩村克己 2:01.2    35.2 500
[0]
布施正 4
2 11 ナイスネイチャ 牡6 58 松永昌博 2:01.8 3.1/2 35.0 502
[-4]
松永善晴 3
3 5 ステイジヒーロー 牡8 57 熊沢重文 2:01.9 1/2 35.3 466
[-10]
田中章博 12
4 2 ダイナミックバード 牡4 56 田原成貴 2:01.9 ハナ 35.2 464
[-12]
本郷一彦 5
5 6 エルカーサリバー 牝5 56 山田泰誠 2:02.0 1/2 35.5 462
[-4]
田中良平 7

中日スポーツ賞4歳S以降、好戦するものの勝ち切れないレースが続いたネーハイシーザー。久しぶりの勝利は2着のナイスネイチャ(1988.4.16)に3馬身2分の1を着けての楽勝でした。

*

第39回京阪杯(GIII)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
3F
馬体重
[前走比]
調教師
1 14 ネーハイシーザー 牡4 57 塩村克己 1:58.9 レコード 35.6 500
[0]
布施正 1
2 5 スターバレリーナ 牝4 54 河内洋 1:59.0 クビ 35.5 488
[+10]
長浜博之 3
3 8 インターマイウェイ 牡4 56 熊沢重文 1:59.4 2.1/2 35.4 458
[+2]
中村均 8
4 10 アラシ せん5 57 南井克巳 1:59.7 2 35.9 470
[-2]
加藤敬二 7
5 2 マチカネタンホイザ 牡5 58 武豊 1:59.8 1/2 35.7 490
[-2]
伊藤雄二 2

大阪杯の勝利から1ヶ月。同じ阪神芝2000mで行われた京阪杯は単勝2.0倍の1番人気。得意の先行策から抜け出して、スターバレリーナ(1990.5.8)の追撃をクビ差退けての勝利。勝ち時計1分58秒9はコースレコードタイムでした。

*

第45回毎日王冠(GII)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
3F
馬体重
[前走比]
調教師
1 7 ネーハイシーザー 牡4 58 塩村克己 1:44.6 日本
レコード
35.0 504
[+8]
布施正 1
2 1 フジヤマケンザン 牡6 57 蛯名正義 1:44.8 1.1/2 34.7 532
[-6]
森秀行 9
3 3 スターバレリーナ 牝4 56 中舘英二 1:44.8 クビ 34.9 498
[+8]
長浜博之 3
4 2 サクラバクシンオー 牡5 59 小島太 1:45.0 1.1/4 35.7 496
[-2]
境勝太郎 4
5 5 マチカネタンホイザ 牡5 58 柴田善臣 1:45.0 ハナ 34.6 494
[+6]
伊藤雄二 6

ネーハイシーザーは芝1800mが一番強かったと思うのですが、実は出走機会は2回だけ。満3歳春の中日スポーツ賞4歳Sと、満4歳秋の毎日王冠。ええ、出走した2回ともに日本レコードで勝利を収めたのでした^^;

しかし、圧巻の1分44秒6。サクラバクシンオー(1989.4.14)のスプリント戦並みの逃げを先行3番手から抜け出し、2着のフジヤマケンザン(1988.4.17)に1と2分の1馬身差の完勝。結局、東京コースの改修前に1分44秒6を塗り替える馬は現れませんでした。

*

第110回天皇賞・秋(GI)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
3F
馬体重
[前走比]
調教師
1 10 ネーハイシーザー 牡4 58 塩村克己 1:58.6    34.8 506
[+2]
布施正 3
2 1 セキテイリュウオー 牡5 58 田中勝春 1:58.8 1.1/2 34.4 462
[+2]
藤原敏文 8
3 4 ロイスアンドロイス 牡4 58 横山典弘 1:58.9 クビ 34.5 500
[+12]
松山康久 11
4 7 マチカネタンホイザ 牡5 58 柴田善臣 1:59.0 クビ 34.5 496
[+2]
伊藤雄二 7
5 2 ビワハヤヒデ 牡4 58 岡部幸雄 1:59.1 クビ 35.1 470
[0]
浜田光正 1

「府中芝2000mには魔物が住む」。1番人気馬を飲み込み続けた天皇賞・秋。デビュー以来15戦連続連対を果たしていたビワハヤヒデ(1990.3.10)ならば、そのジンクスを破ってくれるものと思われましたが、待っていたのはレース中の故障。代わって主役に躍り出たのは先行2番手から早めに抜け出して我慢し切った、ネーハイシーザー。前年の1993年に続いて2着となったセキテイリュウオー(1989.4.30)の差しを1馬身2分の1抑えての見事な勝利。第110回天皇賞・秋は馬連1-10で決着を見たのでした。

*

ネーハイシーザー。絶頂期の中距離での速さと強さは特筆モノでした。クビ差しのたくましい大柄の黒鹿毛が先行策から押し切る姿。塩村克己騎手(現調教助手)に唯一のGI勝ちをプレゼントし、大正生まれの昔気質の伯楽、布施正調教師(故人)にやはり唯一の天皇盾を贈りました。

「サクラトウコウ×テスコボーイ牝馬」、そして牝系が6号族エスサーディー(1902)系という、和風味漂う配合から生み出されたネーハイシーザー。初年度産駒にヒマラヤンブルー(1998.3.9)が出た時は「サスガはネーハイシーザー、この血を次世代に」と願いましたけれど、残念ながら、叶わず。

それでも、忘れ難き快速馬ネーハイシーザー。今はただ、穏やかな余生を過ごして欲しいと願います。

  

では、以上オオハシでした。これから走る馬、人すべてが無事でありますように。

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