「新潟2歳S(GIII)」と聞くと、ロサード(1996.4.22)を思う。

先週の新潟記念(GIII)は江田照男騎手が騎乗したヤマニンアラバスタ(2001.3.30)が勝利を収めましたが、ロサードの新潟3歳S(現新潟2歳S)も、鞍上は江田騎手でした。ロサードが新潟3歳Sを制した、そのおよそ5分後、同厩舎のコウエイロマン(1996.3.7)が京都開催の小倉3歳S(現小倉2歳S、GIII)を制しました。橋口弘次郎厩舎、同日重賞制覇の偉業達成の瞬間でした。その同日重賞制覇を受けて、月刊『優駿』では長期連載コーナー『杉本清の競馬談義』で橋口調教師を迎えられていました。通常、同コーナーはカラーページになるはずなのですが、どういう訳か橋口調教師の回はモノクロページでした。

#いま改めて確認すると、橋口調教師のゲストの回は1998年11月号でした。ちょうど、ナリタブライアン(1991.5.3)の夭折についての追悼記事が冒頭のカラーページで掲載されていました。なるほど、本当は秋のGI戦線について割くはずのページが後のカラーページに追いやられてしまい、そのあおりを受けたということなのでしょう。

閑話休題。ロサードは2歳から7歳まで6年間現役を務め、2歳時に新潟3歳S、3歳時に京阪杯(GIII)、5歳時に小倉記念(GIII)、6歳時にオールカマー(GII)、7歳時に小倉記念を再度制覇するという息の長い活躍を見せました。430kgそこそこの小さな体で重賞5勝は立派の一言。また、北九州記念(GIII)は4歳時から3年連続2着という、ロサードにとっては悔しいでしょうけれど、相性の良さを見せました。惜しむらくは、4歳時に重賞を勝てなかったことでしょうか。4歳時は前述の北九州記念や京阪杯(GIII)2着、小倉記念3着、京都大賞典(GII)3着など惜しかったレースもありました。けれど、あとから振り返ると、ドウカンヤシマ(1980.3.24)の持つ6年連続重賞制覇の記録に、あと一歩、およびませんでした。

そんな名バイプレイヤーに対して、橋口調教師が2歳時に与えていた評価を持って、今日のlogを終了とします。

橋口 ひとつ言えるのは、追って味があるっていうことですね。体は可愛いけど、走りはダンスインザダークですから。
(中略)
杉本 ダンスインザダークとフォームが似ているっていうことですか。
橋口 馬場に入って、キャンターのフォームは、ダンスインザダークを彷彿とさせますね。

-月刊『優駿』、1998年11月号P110、『杉本清の競馬談義』より抜粋。-

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