過去10年の日本ダービー(JpnI)連対馬の4代血統構成について。

表題の件について簡単に確認してみます。

過去10年の日本ダービー(JpnI)連対馬の4代血統構成について
年次 馬名
(生年月日)[連産状況]
(上が1着、下が2着)
Family
No.
4代血統構成(各父名の右の[アルファベット]は父系分類を示す。父系分類区分の詳細)

(活性値)
母父
(活性値)
祖母父
(活性値)
曾祖母父
(活性値)
1998年 スペシャルウィーク
(1995.5.2)
[5-5]
3 サンデーサイレンス[A]
(0.00)
マルゼンスキー[A]
(1.00)
セントクレスピン[C]
(1.25)
ヒンドスタン[B]
(0.25)
ボールドエンペラー
(1995.4.28)[2-4]
19 ★キンググローリアス[x]
(0.00)
リアルシャダイ[A]
(1.75)
ノーザンテースト[A]
(0.50)
Pampered King[B]
(0.25)
1999年 アドマイヤベガ
(1996.3.12)
[初仔]
9 サンデーサイレンス[A]
(0.25)
トニービン[A]
(1.50)
Northern Dancer[A]
(0.25)
Tom Fool[y]
(0.25)
ナリタトップロード
(1996.4.4)
[6-6]
18 サッカーボーイ[C]
(0.50)
Affirmed[x]
(0.25)
Never Bend[A]
(1.25)
Double Jay[z]
(1.50)
2000年 アグネスフライト
(1997.3.2)
[3-4]
1 サンデーサイレンス[A]
(0.50)
ロイヤルスキー[A]
(1.00)
リマンド[F]
(0.50)
Sallymount[C]
(0.50)
エアシャカール
(1997.2.26)
[-3]
4 サンデーサイレンス[A]
(0.50)
★Well Decorated[A]
(0.00)
Gleaming[C]
(1.50)
Ribot[B]
(0.00)
2001年 ジャングルポケット
(1998.5.7)
[4-4]
11 トニービン[A]
(1.50)
Nureyev[A]
(1.00)
Nodouble[C]
(1.25)
Daryl’s Joy[C]
(1.625)
ダンツフレーム
(1998.4.19)
[3-3]
21 ブライアンズタイム[A]
(1.00)
サンキリコ[A]
(1.00)
ネヴァービート[A●]
(1.00)
ロムルス[B]
(1.50)
2002年 タニノギムレット
(1999.5.4)
[4-4]
9 ブライアンズタイム[A]
(1.25)
クリスタルパレス[A]
(1.25)
Sea-Bird[x]
(0.25)
Graustark[B]
(1.00)
シンボリクリスエス
(1999.1.21)
[-2]
8 Kris S.[A]
(1.25)
★Gold Meridian[A]
(0.00)
Tri Jet[y]
(1.00)
Francis S.[A]
(0.75)
2003年 ネオユニヴァース
(2000.5.21)
[3-10]
1 サンデーサイレンス[A]
(1.25)
Kris[x]
(1.75)
Shantung[B]
(0.00)
Pall Mall[A]
(1.00)
ゼンノロブロイ
(2000.3.27)
[5-5]
2 サンデーサイレンス[A]
(1.25)
マイニング[x]
(1.25)
Clever Trick[A]
(1.75)
Pia Star[C]
(0.25)
2004年 キングカメハメハ
(2001.3.20)
[3-4]
22 Kingmambo[x]
(0.50)
ラストタイクーン[A]
(1.75)
Blakeney[E]
(0.00)
Green Dancer[A]
(1.00)
ハーツクライ
(2001.4.15)
[5-5]
6 サンデーサイレンス[A]
(1.50)
トニービン[A]
(1.50)
Lyphard[A]
(1.25)
Bupers[z]
(1.25)
2005年 ディープインパクト
(2002.3.25)
[7-7]
2 サンデーサイレンス[A]
(1.75)
Alzao[A]
(0.50)
Busted[F]
(1.25)
Queen’s Hussar[A]
(0.50)
インティライミ
(2002.4.6)
[4-10]
19 スペシャルウィーク[A]
(1.50)
ノーザンテースト[A]
(1.50)
ガーサント[G]
(1.50)
Red God[A●]
(0.75)
2006年 メイショウサムソン
(2003.3.7)
[初仔]
3 オペラハウス[A●]
(1.50)
ダンシングブレーヴ[A]
(1.25)
サンプリンス[A●]
(1.25)
フォルティノ[A]
(1.00)
アドマイヤメイン
(2003.3.13)
[3-3]
13 サンデーサイレンス[A]
(0.00)
ヘクタープロテクター[x]
(1.25)
Assert[A]
(1.75)
Mount Hagen[A]
(1.00)
2007年 ウオッカ
(2004.4.4)
[2-4]
3 タニノギムレット[A]
(1.00)
ルション[A]
(0.75)
トウショウボーイ[A●]
(1.25)
ダンディルート[E]
(1.00)
アサクサキングス
(2004.3.23)
[2-2]
4 ホワイトマズル[A]
(1.25)
サンデーサイレンス[A]
(0.25)
What Luck[A]
(1.75)
Tentam[D]
(1.75)

相変わらず見難い表にお付き合い頂き誠にありがとうございます。しかし、スペシャルウィークとボールドエンペラーのダービーがもう10年前ですか。そりゃ、私もトシを取るはずです(笑)

さて、過去10年の連対馬を見た時にまず印象に残ることは、

ということでしょうか。過去10年中7年で9頭の産駒が連対を果たしています。昨年2007年はSS死没後で直仔がいない初めてのクラシックでしたから、出走機会が得られる9年のうち7年は産駒が連対を果たした、という言い方もできますね。2000年と2003年には産駒のワンツーフィニッシュがなされています。

ついで気付くことは、

  • 連対馬20頭中16頭が4代血統構成に異系もしくはネオ異系を組み込んでいる

ということですね。↑の表では4代血統構成に現れる各父のどこかに、青のゴシックもしくは青文字で表示されている馬ですね。祖母父、曾祖母父の位置にSt.Simon(1881)系、Hampton(1872)系というネオ異系を持ち合わせている、というパターンが多く見られます。

逆に異系もしくはネオ異系を組み込んでいない馬たち、換言すれば字面上Phalaris(1913)系4代累代配合の馬たちを見てみると、

  • 異系を持ち合わせていない連対馬4頭のうち3頭が母が前年産駒なし後の仔

ということが言えます。1999年1着のアドマイヤベガは母ベガ(1990.3.8)の初仔、2002年2着のシンボリクリスエスは母Tee Kay(1991)が不受胎後の2番仔、2006年1着のメイショウサムソンは母マイヴィヴィアン(1997.3.29)が流産後の初仔です。彼らには「母体の活力の充実」というバックボーンがあったのでした。また、アドマイヤベガは母父トニービン(1983.4.7)から府中コースへの適性を受けていたのでしょう。ましてや、母は同コースのオークスを快勝した馬でしたしね。シンボリクリスエスは4代血統構成に用いられている父、母父、祖母父がマイナーな競走成績で、言うならば反骨精神の高まる配合です。メイショウサムソンは父オペラハウス(1988.2.24)が、ね。

連対馬20頭のうち残る1頭となったのはアドマイヤメイン。後に菊花賞(現JpnI)でも3着に入る彼は、単純に「SS直仔」「SSの0交配」「母が満8歳時交配」「名牝系」「5代アウトクロス」「同コース同距離の重賞である青葉賞の勝ち馬」「最優性先祖が仏愛ダービー勝ち馬である祖母父Assertで選手権距離への適性があった」など後押し満載です(笑)

また、彼が連対を果たした2006年の日本ダービーは、特異な日本ダービーとして私の記憶に残ります。それは、

  • 日本ダービー史上初めて字面上Phalaris系4代累代配合馬のワンツーフィニッシュがなされたのが2006年

ということです。ちゃんと調べていませんが、遡れば遡るほどにPhalarisの同系配合馬は減っていくと思いますので、間違いないでしょう。

……と、ここまでを読まれて「先週のオークスと同じフォーマットで書いてやがるな」と思われたあなた、正解です(笑)

上で述べた3点、

  1. サンデーサイレンス(1986.3.25)産駒が圧倒的に連対を果たしている
  2. 連対馬20頭中16頭が4代血統構成に異系もしくはネオ異系を組み込んでいる
  3. 異系を持ち合わせていない連対馬4頭のうち3頭が母が前年産駒なし後の仔

これらはオークスの前に確認した記事とまったく同じ文です。

ついで述べると、日本ダービーとオークス、両レースの連対馬20頭のうち異端の1頭であるアドマイヤメインとチューニー。彼らは、

  • 「SS直仔」「母が満8歳時交配」「名牝系」「5代アウトクロス」「重賞勝ち馬」

という共通点があります。

さらに彼らの4代血統構成で用いられている父系が、

  • アドマイヤメイン
    =「SS×ヘクタープロテクター×Assert×Mount Hagen」
    =「Halo系×Raise a Native(Native Dancer)系×Northern Dancer系×Bold Ruler系」
  • チューニー
    =「SS×Kris×Seattle Slew×Northern Dancer」
    =「Halo系×エタン(Native Dancer)系×Bold Ruler系×Northern Dancer自身」

と、祖母父と曾祖母父の位置が逆転しているものの、大まかに見れば、4系がまったく同じ系統ということが見て取れます。

日本ダービーとオークスの、ある意味、驚くべき相似性(笑)。まま、ここ10年を大まかに見ると、府中芝2400mで行われる3歳春のジーワンレース、日本ダービーもオークスもよく似た傾向を持ち合わせているということですね。

最後に、日本ダービーの連対馬について、もう1点だけ確認しておきましょう。この10年で同一種牡馬のワンツーフィニッシュがなされたのは2000年と2003年の2回。この2つの年における連対馬の血統を見直すと、ある種の共通点が見えますね。

2000年の連対馬であるアグネスフライトとエアシャカール。

  1. アグネスフライト
    =「SS×ロイヤルスキー×リマンド×Sallymount」
    =「Halo系×Bold Ruler系×Blandford系×Hyperion系」
  2. エアシャカール
    =「SS×Well Decorated×Gleaming×Ribot」
    =「Halo系×Bold Ruler系×Son-in-law系×Havresac系」

2003年の連対馬であるネオユニヴァースとゼンノロブロイ。

  1. ネオユニヴァース
    =「SS×Kris×Shantung×Pall Mall」
    =「Halo系×エタン(Native Dancer)系×Sicambre系×Fairway系」
  2. ゼンノロブロイ
    =「SS×マイニング×Clever Trick×Pia Star」
    =「Halo系×Mr.Prospector(Native Dancer)系×Nearctic系×Hyperion系」

ワンツーフィニッシュがなされた時は、各々の年で「連対馬の父系、母父系の組み合わせが同じである」ことに気付きます。まま、単純に4頭共にサンデーサイレンスの直仔ということが言えますけれど、母父系まで同じということは、その組み合わせどうしで呼び合う「何か」があるのかも知れませんね。

また、いま述べた4頭すべてに共通する点は「血統表内にNorthern Dancer(1961.5.27)を持たない」ということですね。アグネスフライトとエアシャカールはNative Dancer(1950.3.27)も持っていません。ゼンノロブロイは祖母父が危なかったのですがNearctic(1954.2.11)で止まっています。ついで述べておくと、どちらの年も「1番人気と3番人気の組み合わせである(順番不問)」ということも言えますね。

なんだかまとまらない記事で申し訳ないですね。まま、 空いた時間を見つけて書いておりますので、どうかご容赦ください。

ではでは、今日はこのへんで♪

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