空胎後に名馬あり(2008年版)-其の弐-。

恒例の「空胎後に名馬あり」をお届けしておきます。

2008年のJRAGI(JpnI含む)レースの複勝圏馬における母の受胎条件
レース名 1着馬 母の受胎条件 2着馬 母の受胎条件 3着馬 母の受胎条件
フェブラリーS(GI) ヴァーミリアン 3連産目の3番仔 ブルーコンコルド 2連産目の2番仔 ワイルドワンダー 初仔
高松宮記念(GI) ファイングレイン 初仔 キンシャサノキセキ 双子流産後の仔 スズカフェニックス 2連産目の2番仔
桜花賞(JpnI) レジネッタ 4連産目の4番仔 エフティマイア 3連産目の3番仔 ソーマジック 2連産目の3番仔以降の仔

「牝馬限定戦は受胎条件を気にしなくても良い」という結果が今回も如実に現れました(苦笑)

という訳で、4月20日に行われる第68回皐月賞(JpnI)における出走予定18頭のうち、母の受胎条件が良い馬を確認しておきたいと思います。

  1. ブラックシェル(2005.1.31)
    →母が不受胎後の仔
  2. レインボーペガサス(2005.3.30)
    →母の初仔(最初で最後の仔)

以上の2頭が母の受胎条件が良い馬として確認できました。ふふ、かたや武豊騎手が騎乗の弥生賞2着馬、こなた安藤勝己騎手が騎乗のきさらぎ賞勝ち馬。人気の有無に関わらず、この2頭だけは狙っておこうと思います。

ブラックシェル。ここ2年のクラシックを見ると、メイショウサムソン(2003.3.7)ウオッカ(2004.4.4)の2頭により、小岩井の3号族フロリースカップ(1904)系の底力をまざまざと見せつけられていますので、本番で注意を払いたいと思います。

レインボーペガサス。その母ギャンブルローズ(1997.5.7)の最初で最後の仔です。こういう馬は、心情的に応援したくなります。併せて、レインボーペガサスの牝系は社台牧場が1928年に米国から輸入された4号族ソネラ(1919)系。脈々と受け継がれた土着牝系の、混戦になった時の底力を信じたいところです。

SS系種牡馬の仔で狙うのは、彼と、フジキセキ(1992.4.15)産駒の勢いが怖いラジオNIKKEI杯2歳S(JpnIII)の勝ち馬だけにしておこうと思います。まま、それでも、あくまで複勝圏候補としてですが。

また、今回は過去10年の皐月賞馬における、母の受胎条件を併せて記しておきます。よろしければ、ご参照ください。

過去10年の皐月賞馬における母の受胎条件
年次 馬名(生年月日) 母の受胎条件 母の交配時の年齢(活性値)
2007 ヴィクトリー(2004.4.3) 5連産目の5番仔 9歳(0.25)
2006 メイショウサムソン(2003.3.7) 流産後の初仔 5歳(1.25)
2005 ディープインパクト(2002.3.25) 7連産目の7番仔 10歳(0.50)
2004 ダイワメジャー(2001.4.8) 空胎後の7番仔 12歳(1.00)
2003 ネオユニヴァース(2000.5.21) 3連産目の10番仔 15歳(1.75)
2002 ノーリーズン(1999.6.4) 空胎後の5番仔 10歳(0.50)
2001 アグネスタキオン(1998.4.13) 4連産目の5番仔 10歳(0.50)
2000 エアシャカール(1997.2.26) 不受胎後の3番仔 9歳(0.25)
1999 テイエムオペラオー(1996.3.13) 不受胎後の7番仔 11歳(0.75)
1998 セイウンスカイ(1995.4.26) 初仔 4歳(1.00)

過去10年では6頭が母の受胎条件によるフォローがあった馬ですね。内訳は初仔2頭、空胎後2頭、不受胎後2頭。母の受胎条件をご案内する時に強調したいのは、初仔だけではなく、空胎後や不受胎後、流産後などの「母の初めての仔ではない非連産の仔」の活躍ですね。母親がリフレッシュすることの意味を思います。

また、「栴檀は双葉より芳し」ということわざもありますが、多くが、後に複数のジーワンを制覇していますね。

後に複数のジーワン勝ちを収めていないのは、アグネスタキオン、ノーリーズン、そして現役のヴィクトリーの3頭。アグネスタキオンは皐月賞が最後のレースでしたが、もし無事ならば……の馬でしたね。ノーリーズンとヴィクトリー。両馬の共通点といえば、ブライアンズタイム(1985.5.28)産駒ということくらいしか思い付きません。共に先行策から2分を切る好時計で制した強い内容だったのですが……。特にノーリーズンは1分58秒5の皐月賞レコードホルダーですからね-実はノーリーズンは種牡馬として期待しています-

また、連産で生産されている4頭のうち、3頭がサンデーサイレンス(1986.3.25)産駒。アグネスタキオン、ネオユニヴァース、ディープインパクト。天賦の才能を持った2頭と2冠馬。SSの種の偉大さを思います。

果たして、今年の皐月賞馬となるのは、どのような母の受胎条件を持つ馬でしょうか。中島理論使いとして、そのあたりも楽しみに待ちたいと思います。

ではでは、今日はこの辺で♪

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