永のご無沙汰恐れ入ります。なんとか生きながらえておりました、オオハシでございます。死亡していた訳ではありません(笑)
という訳で、気が付けば2007年の中央競馬も最終週。私のレゾンデートル(1991.5.3)を改めて示すためにも、今年最後の「空胎後に名馬あり」をお届けしておきます。
レース名 | 1着馬 | 母の受胎条件 | 2着馬 | 母の受胎条件 | 3着馬 | 母の受胎条件 |
---|---|---|---|---|---|---|
フェブラリーS(GI) | サンライズバッカス | 空胎後の8番仔 | ブルーコンコルド | 2連産目の2番仔 | ビッググラス | 3連産目の3番仔 |
高松宮記念(GI) | スズカフェニックス | 2連産目の2番仔 | ペールギュント | 3連産目の5番仔 | プリサイスマシーン | 2連産目の2番仔 |
桜花賞(JpnI) | ダイワスカーレット | 4連産目の10番仔 | ウオッカ | 2連産目の4番仔 | カタマチボタン | 2連産目の3番仔 |
皐月賞(JpnI) | ヴィクトリー | 5連産目の5番仔 | サンツェッペリン | 初仔 | フサイチホウオー | 3連産目の4番仔 |
天皇賞・春(GI) | メイショウサムソン | 流産後の初仔 | エリモエクスパイア | 初仔 | トウカイトリック | 5連産目の5番仔 |
NHKマイルカップ(JpnI) | ピンクカメオ | 8連産目の12番仔 | ローレルゲレイロ | 初仔 | ムラマサノヨートー | 不受胎後の2番仔 |
ヴィクトリアマイル(JpnI) | コイウタ | 2連産目の2番仔 | アサヒライジング | 8連産目の8番仔 | デアリングハート | 不受胎後の6番仔 |
オークス(JpnI) | ローブデコルテ | 4連産目の4番仔 | ベッラレイア | 8連産目の8番仔 | ラブカーナ | 不受胎後の12番仔 |
日本ダービー(JpnI) | ウオッカ | 2連産目の4番仔 | アサクサキングス | 2連産目の2番仔 | アドマイヤオーラ | 不受胎後の5番仔 |
安田記念(GI) | ダイワメジャー | 空胎後の7番仔 | コンゴウリキシオー | 3連産目の3番仔 | ジョリーダンス | 2連産目の5番仔 |
宝塚記念(GI) | アドマイヤムーン | 2連産目の3番仔 | メイショウサムソン | 流産後の初仔 | ポップロック | 3連産目の3番仔 |
スプリンターズS(GI) | アストンマーチャン | 6連産目の6番仔 | サンアディユ | 7連産目の7番仔 | アイルラヴァゲイン | 3連産目の3番仔 |
秋華賞(JpnI) | ダイワスカーレット | 4連産目の10番仔 | レインダンス | 5連産目の5番仔以降の仔 | ウオッカ | 2連産目の4番仔 |
菊花賞(JpnI) | アサクサキングス | 2連産目の2番仔 | アルナスライン | 2連産目の8番仔以降の仔 | ロックドゥカンブ | 5連産目の5番仔 |
天皇賞・秋(GI) | メイショウサムソン | 流産後の初仔 | アグネスアーク | 7連産目の7番仔 | カンパニー | 6連産目の6番仔 |
エリザベス女王杯(GI) | ダイワスカーレット | 4連産目の10番仔 | フサイチパンドラ | 3連産目の6番仔以降の仔 | スイープトウショウ | 3連産目の3番仔 |
マイルCS(GI) | ダイワメジャー | 空胎後の7番仔 | スーパーホーネット | 2連産目の2番仔 | スズカフェニックス | 2連産目の2番仔 |
ジャパンカップダート(GI) | ヴァーミリアン | 3連産目の3番仔 | フィールドルージュ | 3連産目の3番仔 | サンライズバッカス | 空胎後の8番仔 |
ジャパンカップ(GI) | アドマイヤムーン | 2連産目の3番仔 | ポップロック | 3連産目の3番仔 | メイショウサムソン | 流産後の初仔 |
阪神JF(JpnI) | トールポピー | 4連産目の5番仔 | レーヴダムール | 不受胎後の2番仔以降の仔 | エイムアットビップ | 8連産目の8番仔 |
朝日杯FS(JpnI) | ゴスホークケン | 初仔 | レッツゴーキリシマ | 8連産目の8番仔 | キャプテントゥーレ | 2連産目の2番仔 |
- 母が前年産駒無し後の仔が連対したレース→レース名の背景を青
- 母が前年産駒無し後の仔が複勝圏に入ったレース→レース名の背景を橙
- 母が前年産駒無し後の仔が複勝圏外のレース→レース名の背景を桃
改めて上の表を確認すると、「1600m以上の牡牝混合GIレースでは、母が前年産駒なし後の仔が、必ず複勝圏には絡んでいる」ということが分かります。「GI」レースというところがポイントですが、苦しいですね(苦笑)。その成績はメイショウサムソン(2003.3.7)、ダイワメジャー(2001.4.8)、サンライズバッカス(2002.4.30)の3頭に寄るところが大きいのも明白です。まま、つまりはその3頭が年間を通じて活躍しているということの証左でもあります。
また、「1600mの距離で行われた6つのジーワンレースのうち、5つのレースで母が前年産駒なし後の仔が連対を果たしている」ということにも気が付きますね。「マイルを制すものは競馬を制す」ですが、基根幹距離で行われるレースで受胎条件の良い馬たちが活躍しているのは示唆に富みます。なお、唯一、連対を果たさなかったのは牝馬限定ジーワンレースである桜花賞のみでしたが、その桜花賞はダイワスカーレット(2004.5.13)、ウオッカ(2004.4.4)という超強力牝馬の1、2着でした。
では、今年の有馬記念に出走する16頭のうち、母の受胎条件の良い馬を内枠から確認すると、
- メイショウサムソン
→母の初仔 -
ドリームパスポート(2003.3.14)
→母の初仔 - マツリダゴッホ(2003.3.15)
→母が空胎後の仔 - ダイワメジャー
→母が空胎後の仔 - レゴラス(2001.4.21)
→母が空胎後の仔 - サンツェッペリン(2004.4.15)
→母の初仔 - チョウサン(2002.2.18)
→母の初仔
以上の7頭が受胎条件の良い馬として確認できました。内枠から5頭目まではいずれも受胎条件が良い馬たちですね。
年間を通じて、と言うよりも、3歳時の昨年からずっと「超一線級」を張り続けているメイショウサムソン。彼のタフネスぶりは真に褒め称えられて良いものです。皆様ご存知の通り「イン屋」でもある彼。1枠1番からの発走、今回は武豊騎手も攻める騎乗をなされるのではないかと思います。
そのメイショウサムソンとの対戦では「6勝4敗」と勝ち越しを収めているドリームパスポート。ジャパンカップを叩いて臨む一戦。思えば、高田潤騎手を背に10番人気で挑んだ昨年の皐月賞。今回と同じ1枠2番からのスタートでした。その力量の確かさを思うと、やはり不気味な存在です。
実は中山では[4-1-1-1]という成績のマツリダゴッホ。着外に終わったのは転倒で競走中止となった昨年秋のセントライト記念(現JpnII)のみ。そう思うと、このコースでは怖い1頭。ただ、叔父のナリタトップロード(1996.4.4)が中山芝2500mの舞台でことごとく敗れていたのを思うと、果たして。
3歳春の皐月賞、中山で表舞台に立ったダイワメジャー。彼の中山成績を見ると[3-2-2-2]。着外に終わったのは3歳初頭のダート1800mの500万平場戦4着、そしてノド鳴りに悩まされていた3歳秋のオールカマー(GII)9着。この2戦を除くと複勝圏には必ず絡んでいることになりますね。今回は妹との直接対決。共に先行するどうしであることを思うと、彼の持ち味である闘争心が働くか否か。見る側は、楽しみですね。
兄は中山記念(GII)2勝のローエングリン(1999.6.8)、格上挑戦で果敢に挑みますレゴラス。とは言うものの、この相手では、厳しい戦いになりそうです……。
3歳世代の牡馬代表として挑みます、皐月賞2着のサンツェッペリン。初騎乗の北村宏司騎手が新味を見せてくれるでしょうか。歯替わり後と思われる秋の2戦は食い足らない部分があります。それが直父系Northern Dancer(1961.5.27)有数値によるものなのか、どうか。
逃げてジャパンカップ6着と驚かせたチョウサン。府中芝1800mを1分44秒2で駆けた能力はダテや酔狂ではありません。ただ、8枠15番がどうでしょうか。鞍上の横山典弘騎手の手綱さばきが見ものです。
ではでは、今日はこれくらいで♪
コメント
しばらく更新されていなかったので、心配していました。
何とか有馬記念には間に合いましたね。
私は、今年一年お世話になったサムソンから行こうと思っています。
血統表を見ていて思ったのですが、オオハシ様はTeddy系についてはどうお考えですか?
たしか中島御大の著書の中にTom Fool系と同じようなダミー血統と書かれていた気がしていたのですが。
Damascusの系統だけ、ネオ異系として分類されてらっしゃいますか?
◎Y.Tateno様
いつもお世話になっております。改めて、ご心配をお掛けしてしまい恐れ入ります。
>有馬記念
サムソンはまったく行き脚が付いていませんでしたね。
「寒いシーズンはダメ」ということをおっしゃる方もいますが、2歳時は中京2歳Sをレコードで勝っていますしね……。
まま、来年、また期待しましょう。
>Teddy系
「SSがTeddy系のダミー」というのは中山競馬倶楽部さんのブログで示されていましたが、著作の中では特にダミー系という記述はなかったと思います。
ただ、Teddy系はBend Or直仔のOrmonde分枝として世代を重ねており、Damascusの孫の代から12代孫となるため、その代からはネオ異系と判断しています。また、特にDamascusを通していなくても、世代を重ねていれば他のTeddy系もネオ異系と判断します。
日本供用馬でDamascusの孫として名前が挙がるのはエイシンワシントン、バトルライン、曾孫ではキャプテンスティーヴというところでしょうか。
ではでは、わざわざのコメント、ありがとうございました。