第32回エリザベス女王杯(GI)。
1着ダイワスカーレット(2004.5.13)。好発からの逃げ切り勝ち。桜花賞(JpnI)、秋華賞(JpnI)、エリザベス女王杯と出走機会ジーワンは3連勝、合わせて重賞は4連勝となりました。道中息を入れながら、例によって、上がり1000mを58秒7、800mを45秒9、600mを34秒1の脚でまとめました。逃げている馬が、最速の上がり33秒9で迫る馬たちからわずか0秒2差の34秒1で上がるのですから、後続勢は為す術無し。見事に、統一女王の栄冠を手に入れました。
先日のJBCクラシック(JpnI)では近親のヴァーミリアン(2002.4.10)が圧勝を収めました。いま、この緋色の一族は、なんだ言いながら勢い付いているのですね。同一牝系馬の連動する活躍。果たして、GI4勝の半兄の次走やいかに。
それにしても。昨日は昨日でアルコセニョーラ(2004.3.17)が古馬を相手に福島記念(JpnIII)を勝ち切ったり、ユートピアS(準OP)ではニシノマナムスメ(2004.5.30)、ザレマ(2004.3.21)、ハロースピード(2004.4.19)と3着まで独占して見せたり。まぁ、3歳牝馬たちの強いこと。恐れ入りました。
2着フサイチパンドラ(2003.2.27)。クリストフ・ルメール騎手が3角から4角に掛けて攻めの騎乗で2着まで持って来るも、4分の3馬身届かず。抜群の動きを見せた調教どおりの走りでした。しかし、結果的に、昨年同様、前に1頭いました。ただ、今年は前にいた馬がそのまま勝ち馬となりました……。
ついで述べておくと、今回は前走エルムS(JpnIII)11着からの臨戦という、ダートから芝替わりで精神的なリフレッシュ作用があったのかなとも思います。いわゆる、カマシ。あとは、我らがblandford様の、ケイバライフ!における記事のとおり、芝2000mから2400mのレース適性に間違いがなかったということでしょう。
3着スイープトウショウ(2001.5.9)。好位6番手からレースを進め、直線で外にふくらむ京都の芝外回りを内に潜り込むも3着まで。「世代交代」という意味では、自身が制した2年前のレースで3着だったアドマイヤグルーヴ(2000.4.30)とあい通じるところがあったのかもしれません。
そんなスイープトウショウも、Webによる伝聞によると、今回が引退レースだったとか。2歳から6歳までの5年間、本当にお疲れ様でした。私にとっては、まず、渡辺栄&角田晃一の師弟コンビによる、最後の重賞勝ち馬であることが印象に残っています。角田騎手も自身初の重賞勝ちのお相手であったサマンサトウショウ(1985.4.8)の孫で重賞を勝てたこと、きっと嬉しかったであろうと思います。
鶴留明雄厩舎に転厩後も、3歳春はオークス(現JpnI)2着で「エンドスウィープの仔は距離がこなせるのか!」と驚きを与えてくれました。3歳秋の秋華賞。出走18頭中SS保持馬が14頭という中、SSを持っていない馬2頭で決着したこと、今でも思い出します。4歳春の宝塚記念(GI)。歴戦の牡馬たちを一掃したその姿は、まさにスイープトウショウという名前どおりでした。4歳秋のエリザベス女王杯。逃げ粘るオースミハルカ(2000.4.2)を交わしたその末脚は33秒2の鬼脚。
スイープトウショウ。気難しさを見せながらも、いつでも、ヒロインであった馬と思います。本当にお疲れ様でした。その高い身体能力が、子々孫々と伝わることを祈ります。
ではでは、結局、京都の芝コースでジーワン勝ちのある3頭で決着した、第32回エリザベス女王杯の結果でした。