フロリースカップ(1904)系の底力-古馬編-。

永のご無沙汰となってしまい、恐れ入ります。気が付けば8月は1度も更新をせず。エライスミマセン。

馬インフルエンザの為に競馬自体が頓挫している感がある最中ではありますが、秋競馬も開幕しましたので、ちょこっとずつ記事をしたためていこうと思います。

ではでは、今日は表題について。

このような辺境ブログをご覧の方であれば、大レースに出走する馬の牝系について気にされている方も多いと思います。その中でも、日本の土着牝系をひとつ挙げるとするならば、やはり、何と言っても、小岩井の3号族フロリースカップ系。今秋にも楽しみな馬がいますね。

今日は古馬編ということで、言わずと知れたメイショウサムソン(2003.3.7)について。4代母に天皇賞・秋(現GI)と有馬記念(現GI)を制した名牝ガーネット(1955.3.15)を持つ同馬は、昨年のクラシック2冠馬にして、今年の天皇賞・春(GI)の勝ち馬。雨中の決戦となった今年の宝塚記念(GI)では勝ちに行く競馬で2着。昨秋の不振を振り払うかのように、完全に復調した内容のレースを見せています。やはり昨年の後半は、言うならば「デリラに髪を削がれた」状態だったのでしょう。今年に入って髪が伸びたのか、神に祈ったのか、いずれにせよ、クラシック2冠馬としての威厳を取り戻しました。

馬インフルエンザの陽性反応など、諸処の状況が出走を許さなかった今秋の凱旋門賞(仏GI)。陣営は無念ではあると思いますけれど、国内の古馬王道路線の主役であり続けて欲しいと願います。また、すでに発表されているとおり、マモルさんとのコンビが解消されてしまうことは残念です。しかし、近年はSS系の活躍馬ばかりとコンビを組んでいた印象のある武豊騎手が、果たしてどのような手綱さばきを見せてくれるのか、楽しみではあります。元々、スーパークリーク(1985.5.27)イナリワン(1984.5.7)メジロマックイーン(1987.4.3)などのステイヤーとして資質の高い、先行するタイプの名馬とのコンビでも名をはせていらっしゃいましたから、サムソンのようなタイプの馬も、きっと「お手のもの」でしょう。まま、ユタカさんであれば、どんなタイプの馬でも「お手のもの」ではありますが(苦笑)

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メイショウサムソンが武豊騎手とコンビを組むということで、ふと、思い付きました。20世紀末、フロリースカップ系の日本ダービー(現JpnI)馬にして古馬王者となったスペシャルウィーク(1995.5.2)に騎乗されていたのも、武豊騎手でしたね。

そんな武豊騎手が騎乗された(あるいは騎乗される)、近年の「フロリースカップ系のダービー馬にして天皇賞・春の勝ち馬」の名前が2頭出ましたので、日本中央競馬史上、「ダービー馬でなおかつ天皇賞・春を制した馬」を確認してみました。年代の古い順に列挙すると、

  1. スゲヌマ(1935.4.7)
  2. タケホープ(1970.3.24)
  3. カツラノハイセイコ(1976.5.13)
  4. シンボリルドルフ(1981.3.13)
  5. スペシャルウィーク(1995.5.2)
  6. ディープインパクト(2002.3.25)
  7. メイショウサムソン(2003.3.7)

と7頭のみ。第7代日本ダービー馬スゲヌマが勝った当時は「帝室御賞典・春」でした。7頭の名前を見ると、太字にした3頭がフロリースカップ系の分枝系馬です。フロリースカップ系の分枝系馬で最初に「ダービー馬にして天皇賞・春勝ち馬」となったカツラノハイセイコは、中島御大の配合馬として知られていますね。

ついで、これからメイショウサムソンが挑む天皇賞・秋(GI)についても確認しておきましょう。日本中央競馬史上、「ダービー馬でなおかつ天皇賞・秋を制した馬」を年代の古い順に列挙すると、

  1. ヒサトモ(1934.4.23)
  2. シンザン(1961.4.2)
  3. ミスターシービー(1980.4.7)
  4. スペシャルウィーク(1995.5.2)

と4頭のみ。春・秋合わせて、延べ11頭のダービー馬にして天皇賞馬。天皇賞は1980年までは勝ち抜け制度があった為、もちろん単純な比較はできません。けれど、ただ1頭だけ春、秋ともに名前が出てきたのが、スペシャルウィークでした。

スペシャルウィーク。ダテに「近年最強世代」の看板を背負って現年齢表記3歳、4歳と兵たちと戦っていた訳ではありません。2着のボールドエンペラー(1995.4.28)を5馬身突き放して武豊騎手にダービージョッキーの称号をプレゼントした日本ダービー、3分15秒3の当時史上2位のタイムでステイヤーとしての資質も示して自身満4歳の誕生日を祝った天皇賞・春、1分58秒0のレコードタイムで駆けてその豊かなスピードも示した天皇賞・秋、そして府中芝2400mの舞台で武豊騎手に再び初勝利をプレゼントしたジャパンカップ(GI)。戦歴を振り返ると、改めて、彼が真の名馬であったことが伺えます。

スペシャルウィークについては、中島理論的にはその父サンデーサイレンス(1986.3.25)が満8歳時の0交配ということも能力のバックボーンとしてあったと思います。けれど、3歳から4歳と齢を重ねて成長し続けたところは、牝系による「後押し」があったのでしょう。土着牝系の底力を侮ること、絶対に出来ません。明治の時代から脈々と続く、日本の気候風土にマッチした、小岩井農場の名牝系であるフロリースカップ系。日本の生産者さんたちは、未来につなげられるこの牝系を、もっともっと誇りに思われて良いはずです。

果たして、メイショウサムソンはフロリースカップ系の先輩であるスペシャルウィークに続けるのでしょうか。4歳春の時点でGIレース3勝は相当な名馬であることの証明と思います。ぜひとも、続いてほしいものです。楽しみにしています。

ではでは、今日はこの辺で。長文乱文にお付き合い頂きまして、ありがとうございました。

コメント

  1. Y.Tateno より:

    久々の更新、お疲れ様です。
    私も忙しくて何もやっていません(笑)。
    コンビが解消といえばベッラレイアもですね。秋山騎手のままいって欲しかったのですが。
    秋のG(JPN)Ⅰシーズンも、更新楽しみにしています。

  2. オオハシ より:

    ◎Y.Tateno様
    いつもお世話になっております。
    わざわざのコメント、ありがとうございました。

    書くまでは何も思いついていないのですが、
    いざ書き始めると何とかなるものだと思いました(笑)

    なんだか自動書記的に文章が連ねられて、
    自分でも気持ち悪かったです(笑)

    ではでは、これからもよろしくお願い致します。

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