日曜日の2歳戦の結果(2005/12/18分)-其の弐-。

遅ればせながら2005年12月18日に行われた2歳未勝利戦9レース分の回顧です。

中山の未勝利戦(ダート1200m)を勝ち上がったのはフレンチシェフ(2003.4.16、牡、栗毛)。美浦・松山康久厩舎の所属。その4代血統構成は『フレンチデピュティ×Caerleon×Bold Forbes×Court Martial』で『Deputy Minister系×Nijinsky系×Bold Ruler系×Fairway系』の配合です。5代血統表内ではNorthern Dancer(1961.5.27)4×4、Bold Ruler(1954.4.6)4×5のクロスがあります。フレンチシェフの牝系は欧米で受け継がれている17号族。曾祖母Goofedの仔にLyphard(1969.5.10)。同馬は仏英愛6勝でジャック・ル・マロワ賞(仏GI)、フォレ賞(仏GI)の勝ち馬。種牡馬として供用され大成功を収め、2005年6月10日に36歳で大往生を遂げました。なお、2005年6月10日にはGoofedの曾孫シーキングザパール(1994.4.16)も逝去しています。フレンチシェフは母アイリッシュカーリ(1994.4.5)が3連産目の3番仔。

中山の未勝利戦(ダート1800m)を勝ち上がったのは(外)ビコージェネラル(2003.3.28、牡、栗毛)。美浦・萩原清厩舎の所属。その4代血統構成は『Fusaichi Pegasus×◆Northern Dancer×Pretense×★Swaps』で『Mr.Prospector系×Nearctic系×Manna系×Hyperion系』の配合です。5代血統表内ではNorthern Dancer4×2、Native Dancer(1950.3.27)4×4、Hyperion(1930.4.18)5×5(母方)のクロスがあります。ビコージェネラルの牝系は米国で受け継がれている4号族。母Northern Aspen(1982)は米仏英5勝でゲイムリーH(GI)、アスタルテ賞(仏GII)の勝ち馬です。さて、祖母Fall Aspen(1976)は米8勝でメイトロンS(GI)、アスタリタS(GIII)の勝ち馬で1994年の米最優秀繁殖牝馬に選出されています。前述したNorthern Aspen以外の仔どもたち、Elle Seule(1983)は仏3勝でアスタルテ賞の勝ち馬【愛1000ギニー(GI)馬Mehthaaf(1991)、ジュライC(英GI)の勝ち馬Elnadim(1994)の母】、Mazzacano(1985)は英3勝でグッドウッドC(GIII)の勝ち馬、Colorado Dancer(1986)は仏3勝でポモーヌ賞(GII)、ミネルヴ賞(GIII)の勝ち馬【Dubai Millennium(1996.3.20)の母】、Hamas(1989)は英5勝でジュライC、デュークオブヨークS(GIII)の勝ち馬、Fort Wood(1990)は仏3勝でパリ大賞(GI)、ノアイユ賞(GII)の勝ち馬、ティンバーカントリー(1992.4.14)は米5勝でプリークネスS(GI)、BCジュベナイル(GI)、シャンペンS(GI)の勝ち馬、Bianconi(1995)は英3勝でダイアデムS(GII)の勝ち馬。言わずもがなですが、いま名前を挙げたFall Aspenの仔は、ビコージェネラルにとっては叔父、叔母となります。恐るべしは、Fall Aspen。20世紀後期の米国最高の名繁殖牝馬と言っても過言ではないでしょう。いかに高齢繁殖牝馬となったとはいえ、よくぞNorthern Aspenの仔を輸入できたものです。果たして、ビコージェネラルを種牡馬として供用できるか。ビコージェネラルは少なくとも母の9番仔以降の仔。

中山の未勝利戦(芝1600m)を勝ち上がったのは(父)ビューティーパール(2003.3.30、牝、黒鹿毛)。美浦・増沢末夫厩舎の所属。その4代血統構成は『スペシャルウィーク×トウショウボーイ×ミルジョージ×ラッサール』で『Halo系×Princely Gift系×Mill Reef系×Wild Risk系』の配合です。5代血統表内にはクロスはありません。ビューティーパールの牝系は5代母である愛国産の牝馬ゴールデンフィズ(1957)を日本の基礎繁殖とする21号族。従兄ヨシサイバーダイン(2000.1.29)は現役で新潟2歳S(GIII)2着があります。ビューティーパールは母ミスティーグリーン(1989.5.11)が9連産目の9番仔。

阪神の未勝利戦(ダート1200m)を勝ち上がったのは(父)(市)ウグイスジョウ(2003.4.9、牝、鹿毛)。栗東・田所秀孝厩舎の所属。その4代血統構成は『フサイチコンコルド×Be My Guest×Machiavellian×Lomond』で『Nijinsky系×Northern Dancer系×Mr.Prospector系×Northern Dancer系』の配合です。5代血統表内ではNorthern Dancer4×4×3×5のクロスがあります。濃い。ウグイスジョウの牝系は欧州で受け継がれている11号族。曾祖母Once in My Life(1988)は仏3勝でサンドリンガム賞(GIII)の勝ち馬です。また、Once in My Lifeの半兄にノーパスノーセール(1982.3.29)。同馬は仏3勝で仏2000ギニー(GI)、フォンテンブロー賞(GIII)、ラロシェット賞(GIII)の勝ち馬で輸入種牡馬です。ウグイスジョウは母ターフトレジャー(1997.4.5)が2連産目の2番仔。

阪神の未勝利戦(ダート1400m)を勝ち上がったのはナムラアトランテス(2003.4.11、牡、栗毛)。栗東・野村彰彦厩舎の所属。その4代血統構成は『★デザートキング×フォーティナイナー×Caerleon×Kaldoun』で『Danzig系×Mr.Prospector系×Nijinsky系×フォルティノ系』の配合です。5代血統表内ではNorthern Dancer4×4×5、Ribot(1952.2.27)5×5のクロス、Natalma(1957)5×5×5(父方)の牝馬クロスがあります。ナムラアトランテスの牝系は欧州で受け継がれている8号族。曾祖母La Koumia(1982)は仏米伊5勝でプシケ賞(仏GIII)の勝ち馬です。ナムラアトランテスは母ナムラウタヒメ(1998.4.3)の初仔

阪神の未勝利戦(芝1200m)を勝ち上がったのは(父)マリンフェスタ(2003.5.20、牝、鹿毛)。栗東・矢作芳人厩舎の所属。その4代血統構成は『サクラバクシンオー×ミホシンザン×テューダーペリオッド×◆ヒンドスタン』で『Princely Gift系×Bois Roussel系×Owen Tudor系×Bois Roussel系』の配合です。組み合わせが涙を誘います。5代血統表内ではHyperion5×5、ヒンドスタン(1946)4×4(母方)のクロスがあります。マリンフェスタの牝系は2号族カナデアンガール(1923)系。半兄ファイトコマンダー(1996.5.13)は中央7勝で札幌日経オープン(OP)を勝ち札幌記念(GII)2着があります。また、祖母スイーブ(1968.2.23)は天羽牧場さんが誇る名繁殖牝馬として知られていました。スイーブの主な産駒を列記すると、ロンググレイス(1980.4.17)は中央6勝でエリザベス女王杯(現GI)、ローズS(現GII)、金杯(現京都金杯、GIII)の勝ち馬、ファイアーダンサー(1981.4.20)は中央3勝で京都牝馬特別(現京都牝馬S、GIII)の勝ち馬、ロングイーグル(1978.4.8)は中央3勝で京都新聞杯(現GII)2着、金杯2着、菊花賞(現GI)3着、ロングニュートリノ(1985.4.25)は中央6勝、地方9勝を挙げ東海大賞典、名古屋大賞典の勝ち馬で2005年12月11日に未勝利戦を勝ち上がったセブンゴールデン(2003.5.20)の父、ロングシンホニー(1986.4.28)は中央4勝、地方5勝で若草S(OP)、東海桜花賞の勝ち馬。また、ロングシンホニーは1989年の日本ダービー(GI)で1番人気に押されました(結果5着)。マリンフェスタは母ロングチアーズ(1989.6.6)が6連産目の8番仔。なお、ロングチアーズはスイーブの最後の仔(16番仔)です。

阪神の未勝利戦(芝2000m)を勝ち上がったのは(外)ロードエキスパート(2003.3.5、牡、黒鹿毛)。栗東・藤岡健一厩舎の所属。その4代血統構成は『シングスピール×Rainbow Quest×★Prince Ippi×Waldcanter』で『Sadler’s Wells系×Blushing Groom系×Bay Ronald系×Hurry On系』の配合です。Prince Ippi(1969)とかWaldcanter(1956)って誰?(笑)。サスガは独国血統。5代血統表内ではHerbager(1956)4×4のクロスがあります。ロードエキスパートの牝系は欧州、特に独国で受け継がれている7号族。牝系をたどると、9代母Andromeda(1900)から続いてきた、馬名の頭文字が「A」で始まる牝系です。さて、祖母Anna Paola(1978)は独6勝で独オークス(現GI、当時GII)、ルードヴィッヒ・ゲーベルス記念(GIII)、ヴィンターファヴォリテン賞(GIII)と重賞3勝で独3歳&4歳牝馬王者です。Anna Paolaの仔Anno Luce(1993)は独3勝でドイツ牝馬賞(GIII)の勝ち馬、孫Annaba(1993.2.9)は仏英3勝でロワイヤリュー賞(仏GII)、コンセイユドパリ賞(仏GII)の勝ち馬、孫Anna of Sexony(1989.4.6)は英4勝でパークヒルS(現GII、当時GIII)の勝ち馬、孫アヌスミラビリス(1992.3.15)は英仏愛日、UAE、香港9勝。その主な勝ち鞍にドバイデューティーフリー(現UAEGI)、毎日王冠(GII)、ウインターヒルS(英GIII)2回があります。活力充分。

中京の未勝利戦(ダート1000m)を勝ち上がったのは(市)ポートジェネラル(2003.3.27、牡、栃栗毛)。栗東・西園正都厩舎の所属。その4代血統構成は『スキャン×アスワン×★テスコボーイ×ロムルス』で『Mr.Prospector系×ノーザンテースト系×Princely Gift系×Ribot系』の配合です。5代血統表内ではNorthern Dancer4×4、Nasrullah(1940.3.2)5×5×5のクロスがあります。ポートジェネラルの牝系は5代母である愛国産の牝馬フレーミングファイア(1946)を日本の基礎繁殖とする10号族。石塚栄五郎氏が輸入した牝馬の1頭ですね。半兄ノムラリューオー(1999.5.23)は地方現役でとちぎマロニエC(統一GIII)2着があります。ポートジェネラルは母ノムラテスコレデー(1990.6.13)が不受胎後の4番仔(死産含む)。

中京の未勝利戦(ダート1700m)を勝ち上がったのは(市)ゼットコマンダー(2003.3.7、牡、黒鹿毛)。栗東・池添兼雄厩舎の所属。その4代血統構成は『コマンダーインチーフ×★サンデーサイレンス×リイフォー×イエローゴッド』で『Lyphard系×Halo系×Lyphard系×Red God系』の配合です。5代血統表内ではLyphard3×4、Hail to Reason(1958)4×4のクロスがあります。ゼットコマンダーの牝系は5代母である英国産の牝馬アナメーデイス(1962)を日本の基礎繁殖とする16号族。曾祖母ラッキータニヤン(1977.5.5)の仔ダンツエリート(1984.3.14)は中央5勝、地方4勝で小倉大賞典(GIII)2着があります。ゼットコマンダーは母ダンツサンデー(1995.4.2)が4連産目の4番仔。

今日はあと1回更新致します。ではでは。

コメント

  1. N より:

    実は、ロードエキスパートの一口馬主だったりします。(正確にいうと、5人で一口を持っているので五分の一口馬主ですが・・・)
    現在はソエの為、休養中(トレセン近くの外厩で)ですが春には復帰できそうで、少しだけ期待しております。

  2. かろむわん より:

    ◎N様
    いつもお世話になっております。

    >ロードエキスパート
    中島理論使いとしては、母方の血統が魅惑ですね~。成長力のある母系ですし、かなり出世してくれるのではないのでしょうか。春の復帰が楽しみです。応援します。

    以上でございます。ではでは。

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