「日本人の生産者は馬体の大きな種牡馬にこだわる」というお話をたまに聞きます。馬体の小さな種牡馬は嫌われる、と。
けれど、先日逝去したLyphard(1969.5.10)とか、あるいはその父Northern Dancer(1961.5.27)とか、Hyperion(1930.4.18)とか、小さな馬でも名種牡馬となった馬はいますね。体高については言えば、LyphardとNorthern Dancerは共に15.2hands、Hyperionは15.1 1/2handsだったとか。センチに直すと、大体157cmくらい。サラブレッドは162cmから170cmで普通という事ですから、平均からすると、小さな馬だったんですね。
Lyphardは、その馬体の小ささ等がNorthern Dancerによく似ていることから、「これは成功するだろう」と思われていたそうです。中島理論的には、確かにNorthern Dancerの形相が出ています(笑)。
なお、Northern Dancerの直仔で有名どころの体高は、Nijinsky(1967.2.21)が16.1 1/2hands、Sadler’s Wells(1981.4.11)が16handsとのこと。前者が166cm、後者が163cmくらいです。小さなお父さんでも大きな仔どもは出ます。
#もっとも、中島御大いわく「Sadler’s Wellsの父はVal de l’Orne(1972)だ」ということですが(苦笑)。
見栄えの冴えない体高の小さな馬だからと言って、必ずしもその遺伝力が弱い訳ではありません。小さな馬でも、繁殖力が強ければ後世に名を残す事ができる。
「サラブレッドは血で走る」ということですね。