2016年の3歳GIで覇を競う2013年生まれ世代の馬たちは、稀に見るハイレベルの様相を呈していますね。タイトルは「2016年のクラシック候補生を確認する」のままですが、距離の長短、芝ダートを問わず、3歳GIを狙う馬たちをじわじわとご案内して行こうと思います。
ブランボヌール 牝 芦毛 2013.4.9生 新冠・株式会社ノースヒルズ生産 馬主・前田葉子氏 栗東・中竹和也厩舎
ディープインパクト 鹿毛 2002.3.25 種付け時活性値:0.50 |
サンデーサイレンス 青鹿毛 1986.3.25 |
★Halo 黒鹿毛 1969.2.7 |
Hail to Reason 1958.4.18 |
Cosmah 1953.4.4 | |||
Wishing Well 鹿毛 1975.4.12 |
Understanding 1963.2.17 | ||
Mountain Flower 1964.3.23 | |||
ウインドインハーヘア 鹿毛 1991.2.20 |
Alzao 鹿毛 1980.2.28 |
▲Lyphard 1969.5.10 | |
Lady Rebecca 1971.2.28 | |||
Burghclere 鹿毛 1977.4.26 |
Busted 1963 | ||
Highclere 1971 | |||
ルシュクル 芦毛 2006.2.25 仔受胎時活性値:1.50 |
★ サクラバクシンオー 鹿毛 1989.4.14 種付け時活性値:0.00 |
サクラユタカオー 栗毛 1982.4.29 |
テスコボーイ 1963 |
アンジェリカ 1970.3.29 | |||
サクラハゴロモ 鹿毛 1984.4.13 |
ノーザンテースト 1971.3.15 | ||
クリアアンバー 1967.5.8 | |||
アジアンミーティア 芦毛 2000.5.2 仔受胎時活性値:1.25 |
Unbridled 鹿毛 1987.3.5 種付け時活性値:1.00 |
Fappiano 1977.5.19 | |
Gana Facil 1981.2.9 | |||
Trolley Song 芦毛 1983.4.13 仔受胎時活性値:2.00(0.00) |
Caro 芦毛 1967.4.11 種付け時活性値:1.75 |
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Lucky Spell 鹿毛 1971.1.28 仔受胎時活性値:0.75 |
<5代血統表内のクロス:Northern Dancer5×5>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
ディープインパクト (Halo系) |
★サクラバクシンオー (Princely Gift系) |
Unbridled (Mr.Prospector系) |
Caro (フォルティノ系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
Caro (フォルティノ) |
5.50 or 3.50 |
叔父ダコール (No.4-m) |
初仔 |
近年稀に見るハイレベル世代における最初のJRA重賞勝ち馬は、2015年の函館2歳S(GIII)を制したブランボヌール。その馬名の意味は、フランス語で「白い幸福」。
ブランボヌールの最優性先祖である曾祖母父Caroは、現役時代に仏英6勝を挙げ、その主な勝ち鞍に仏2000ギニー(現GI)、イスパーン賞(現仏GI)、ガネー賞(現仏GI)、アルクール賞(現仏GII)、ドラール賞(現仏GII)と重賞5勝。仏2000ギニーは1着入線のFaraway Son(1967.3.30)が3着に降着したため、繰り上がりの優勝でした。Caroの真価は種牡馬として発揮され、クリテリウム・ド・プーリッシュ(現マルセルブサック賞クリテリウム・ド・プーリッシュ、仏GI)の勝ち馬Theia(1973)、仏ダービー(GI)馬クリスタルパレス(1974.3.25)、仏1000ギニー(GI)と仏オークス(GI)の牝馬2冠を果たしたMadelia(1974.4.20)、イスパーン賞を父仔制覇したカーホワイト(1974.4.17)、ベルリン大賞(独GI)2回、バーデン大賞(独GI)、オイロパ賞(独GI)と独GI4勝のNebos(1976.3.30)、マルセルブサック賞の勝ち馬Tropicaro(1978.4.6)、BCマイル(米GI)の勝ち馬でやはり名種牡馬となったCozzene(1980.5.8)、サンタラリ賞(仏GI)の勝ち馬Smuggly(1980.1.24)-ダンツシアトル(1990.5.13)の半姉-、ローレルフュチュリティ(米GI)の勝ち馬Cast Party(1980.5.1)、仏2000ギニーを父仔制覇したSiberian Express(1981.1.25)、ガルフストリームパークH(米GI)の勝ち馬Dr. Carter(1981.4.9)、スワップスS(米GI)の勝ち馬Padua(1982.5.10)、ケンタッキーダービー(米GI)で牝馬制覇の偉業を果たしたWinning Colors(1985.3.14)、フォレ賞(仏GI)の勝ち馬Gabina(1985.4.6)、ハリウッドフューチュリティ(米GI)、カウディンS(米GI)、アーリントンワシントンフューチュリティ(米GI)と2歳GI3勝のTejano(1985.3.10)、ジャパンC(GI)でカミソリの切れ味を見せたゴールデンフェザント(1986.4.23)、愛セントレジャー(GI)とロワイヤルオーク賞(仏GI)の勝ち馬Turgeon(1986.3.13)-ティッカネン(1991.1.23)の半兄-、リュパン賞(仏GI)の勝ち馬Galetto(1986.5.9)、ハリウッドターフH(米GI)の勝ち馬グランドフロティラ(1987.2.25)-マーベラスクラウン(1990.3.19)の半兄-などのGI勝ち馬を始めとして、重賞勝ち馬を多数送り込んだ、Grey Sovereign(1948)系中興の祖とも言える存在です。ブランボヌールの芦毛の由来でもあるCaro、その馬名の意味は、イタリア語やスペイン語、ポルトガル語で「親愛の」を表す形容詞です。
*
キャンディバローズ 牝 鹿毛 2013.3.22生 浦河・富田牧場生産 馬主・猪熊広次氏 栗東・矢作芳人厩舎
ディープインパクト 鹿毛 2002.3.25 種付け時活性値:0.50 |
サンデーサイレンス 青鹿毛 1986.3.25 |
★Halo 黒鹿毛 1969.2.7 |
Hail to Reason 1958.4.18 |
Cosmah 1953.4.4 | |||
Wishing Well 鹿毛 1975.4.12 |
Understanding 1963.2.17 | ||
Mountain Flower 1964.3.23 | |||
ウインドインハーヘア 鹿毛 1991.2.20 |
Alzao 鹿毛 1980.2.28 |
Lyphard 1969.5.10 | |
Lady Rebecca 1971.2.28 | |||
Burghclere 鹿毛 1977 |
Busted 1963 | ||
Highclere 1971 | |||
アフレタータ 栗毛 2000.3.19 仔受胎時活性値:1.00 |
タイキシャトル 栗毛 1994.3.23 種付け時活性値:1.25 |
Devil’s Bag 鹿毛 1981.2.19 |
Halo 1969.2.7 |
Ballade 1972.3.10 | |||
ウェルシュマフィン 鹿毛 1987.3.15 |
Caerleon 1980.3.27 | ||
Muffitys 1982.3.7 | |||
チャイナブリーズ 鹿毛 1991.4.9 仔受胎時活性値:2.00 |
Capote 黒鹿毛 1984.3.25 種付け時活性値:1.50 |
Seattle Slew 1974.2.15 | |
Too Bald 1964.4.29 | |||
Nowanna 鹿毛 1974.4.20 仔受胎時活性値:2.00 |
Envoy 鹿毛 1962.3.26 種付け時活性値:0.75 |
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Distaff Decider 栗毛 1967.4.15 仔受胎時活性値:1.50 |
<5代血統表内のクロス:Halo3×4>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
ディープインパクト (Halo系) |
タイキシャトル (Halo系) |
Capote (Seattle Slew系) |
Envoy (Bold Ruler系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
Capote (Too Bald) |
6.50 |
半姉ファインチョイス (No.1-o) |
6番仔 (6連産目) |
2015年のファンタジーS(GIII)を5番人気で制したキャンディバローズ。半姉ファインチョイス(2009.1.24)の函館2歳S勝ちに続く「姉妹による2歳重賞制覇」と共に、姉が2011年のファンタジーSで1番人気3着に敗れた借りを、妹が返しました。
キャンディバローズの最優性先祖である祖母父Capoteは、現役時代に米3勝でBCジュヴェナイル(GI)、ノーフォークS(GI)とGI2勝。代表産駒にはBCジュヴェナイルで父仔制覇を果たしたボストンハーバー(1994.4.4)、フューチュリティS(米GI)の勝ち馬Agincourt(1989.4.21)、ハリウッドフューチュリティの勝ち馬Matty G(1993.2.4)、テストS(米GI)の勝ち馬Capote Belle(1993.4.16)ほか重賞勝ち馬を多数送り込みました。日本でも函館3歳S(現函館2歳S)を制したダンツダンサー(1992.6.4)、根岸S(GIII)を制したセレクトグリーン(1995.2.10)とJRA重賞勝ち馬2頭がいます。
*
タイニーダンサー 牝 鹿毛 2013.4.24生 新ひだか・グランド牧場生産 馬主・(有)グランド牧場 北海道・角川秀樹厩舎→美浦・伊藤圭三厩舎
★ サウスヴィグラス 栗毛 1996.4.19 種付け時活性値:0.00 |
エンドスウィープ 鹿毛 1991.5.31 |
フォーティナイナー 栗毛 1985.5.11 |
Mr.Prospector 1970.1.28 |
File 1976.4.30 | |||
Broom Dance 鹿毛 1979.4.10 |
Dance Spell 1973.3.29 | ||
Witching Hour 1960.3.31 | |||
ダーケストスター 黒鹿毛 1990.1.31 |
Star de Naskra 黒鹿毛 1975.2.15 |
Naskra 1967.3.15 | |
Candle Star 1967.4.4 | |||
Minnie Riperton 黒鹿毛 1974.4.25 |
Cornish Prince 1962.3.29 | ||
English Harbor 1957.3.15 | |||
キハク 鹿毛 1993.5.13 仔受胎時活性値:0.75 |
アサティス 鹿毛 1985.3.28 種付け時活性値:1.75 |
Topsider 鹿毛 1974.3.15 |
Northern Dancer 1961.5.27 |
Drumtop 1966.5.4 | |||
Secret Asset 鹿毛 1977.4.21 |
Graustark 1963.4.7 | ||
Numbered Account 1969.4.8 | |||
ウイニングベット 鹿毛 1985.5.24 仔受胎時活性値:1.75 |
アローエクスプレス 鹿毛 1967.4.10 種付け時活性値:0.25 |
スパニッシュイクスプレス 1962 | |
ソーダストリーム 1953 | |||
ノースフェイス 鹿毛 1981.3.31 仔受胎時活性値:0.75 |
マルゼンスキー 鹿毛 1974.5.19 種付け時活性値:1.50 |
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グランドターキン 鹿毛 1970.3.3 仔受胎時活性値:0.50 |
<5代血統表内のクロス:Northern Dancer5×4>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
★サウスヴィグラス (Mr.Prospector系) |
アサティス (Northern Dancer系) |
アローエクスプレス (Grey Sovereign系) |
マルゼンスキー (Nijinsky系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
アサティス (Hyperion) |
3.75 |
半兄に重賞3着以内馬3頭 (No.4-d プロポンチス系) |
14番仔 (2連産目) |
2015年のエーデルワイス賞(JpnIII)、北海道2歳優駿(JpnIII)を連勝した後、伊藤圭三厩舎に転厩したタイニーダンサー。その血統構成から、グランド牧場らしさが、そこはかとなく漂います。
タイニーダンサーの最優性先祖である母父アサティスは、現役時代に英伊仏中央で5勝を挙げ、その主な勝ち鞍にジョッキークラブ大賞(伊GI)、ハードウィックS(英GII)2回、セプテンバーS(英GIII)、カンバーランドロッジS(英GIII)と重賞5勝。また、1990年の”キング・ジョージ”(英GI)では、柴田政人騎手(現調教師)を背にして3着もあります。アサティスの代表産駒にはフェブラリーS(GI)とジャパンカップダート(現チャンピオンズカップ、GI)など重賞8勝の砂の王ウイングアロー(1995.3.25)、帝王賞(JpnI)とかしわ記念(JpnI)を制し日本テレビ盃(JpnII)ではダート1800m1分47秒8という日本レコードを叩き出したボンネビルレコード(2002.3.12)、1995年のシンザン記念(GIII)で上籠勝仁騎手(現調教助手)に初重賞を贈り、同年のマイルCS(GI)2着で大穴を開けたメイショウテゾロ(1992.4.25)、タイニーダンサーと同じグランド牧場の生産馬で平安S(GIII)2回&アンタレスS(GIII)2回&マーチS(GIII)とダート1800mのGIIIで無類の強さを見せたスマートボーイ(1995.5.10)、やはりグランド牧場の生産馬でダートオープン競走の常連となりマーキュリーカップ(JpnIII)と白山大賞典(JpnIII)と重賞2勝の砂ーク、もとい、スナークレイアース(1995.4.26)、そしてまたやっぱりグランド牧場の生産馬でエーデルワイス賞と北海道2歳優駿を制し、挙句には米国でダリアH(GIII)を制したフェスティバル(1999.4.8)などがいます。アサティス自身は芝のクラシックディスタンスを得意とする馬でしたが、仔どもが走ってみれば、砂上手が多く揃いました。
では、以上オオハシでした。これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。