2016年のクラシック候補生を確認する(牡馬編・其の九)。

2016年の3歳GIで覇を競う2013年生まれ世代の馬たちは、稀に見るハイレベルの様相を呈していますね。タイトルは「2016年のクラシック候補生を確認する」のままですが、距離の長短、芝ダートを問わず、3歳GIを狙う馬たちをじわじわとご案内して行こうと思います。

マウントロブソン 牡 芦毛 2013.1.30生 安平・ノーザンファーム生産 馬主・金子真人ホールディングス(株) 美浦・堀宣行厩舎

マウントロブソン(2013.1.30)の4代血統表
ディープインパクト
鹿毛 2002.3.25
種付け時活性値:0.50
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
★Halo
黒鹿毛 1969.2.7
Hail to Reason 1958.4.18
Cosmah 1953.4.4
Wishing Well
鹿毛 1975.4.12
Understanding 1963.2.17
Mountain Flower 1964.3.23
ウインドインハーヘア
鹿毛 1991.2.20
Alzao
鹿毛 1980.2.28
Lyphard 1969.5.10
Lady Rebecca 1971.2.28
Burghclere
鹿毛 1977.4.26
Busted 1963
Highclere 1971
ミスパスカリ
芦毛 2001.3.5
仔受胎時活性値:0.75

Mr.Greeley
栗毛 1992.5.2
種付け時活性値:0.00
Gone West
鹿毛 1984.3.10
Mr.Prospector 1970.1.28
Secrettame 1978.3.15
Long Legend
栗毛 1978.4.26
Reviewer 1966.4.30
Lianga 1971
ブルーアヴェニュー
芦毛 1990.2.15
仔受胎時活性値:0.50
Classic Go Go
鹿毛 1978.2.11
種付け時活性値:0.75
▲Pago Pago 1960
Classic Perfection 1972.4.22
Eliza Blue
芦毛 1983.4.11
仔受胎時活性値:1.50
Icecapade
芦毛 1969.4.4
種付け時活性値:1.25
コレラ
黒鹿毛 1978.2.18
仔受胎時活性値:1.00

<5代血統表内のクロス:なし>

マウントロブソン(2013.1.30)の中島理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
ディープインパクト
(Halo系)
★Mr.Greeley
(Mr.Prospector系)
Classic Go Go
(Fairway系)
Icecapade
(Nearctic系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Icecapade
(Eliza Blue)
3.75 伯父クロフネ
(No.2-r)
4番仔
(2連産目)

父ディープインパクト、母ミスパスカリという金子真人オーナー所縁の血統馬が、未勝利、あすなろ賞、スプリングS(GII)と3連勝で皐月賞(GI)切符を蹄中に収めました。マウントロブソン、これで5戦3勝2着2回。100%連対の安定感を以て、強敵たちに挑みます。

マウントロブソンの最優性先祖であるIcecapadeは、米13勝でその主な勝ち鞍にウイリアムデュポンJr.H(米GII)、ナッソーカウンティH(米GIII)があります。Icecapadeの半妹にニューヨーク牝馬3冠を制した名牝Ruffian(1972.4.14)-ラフィアンターフマンクラブの名前の由来-、半弟に同じくウイリアムデュポンJr.Hを制したBuckfinder(1974.4.9)がいます。Icecapadeは父Nearctic(1954.2.11)、母父Native Dancer(1950.3.27)という配合であり、世紀の種牡馬Northern Dancer(1961.5.27)と同じ組み合わせですね。Icecapadeの代表産駒には、BCクラシック(米GI)の初代王者Wild Again(1980.5.22)、加国3冠を達成したIzvestia(1987.5.5)、スワップスS(当時米GI、現ロスアラミトスダービー、米GII)の勝ち馬Hyperborean(1980.4.29)、5月25日大賞(亜GI)の勝ち馬Ski Champ(1986.5.29)-スキーパラダイス(1990.5.12)の半兄-、後継種牡馬として父系をつないだClever Trick(1976.3.10)等がいます。

#余談。非常に個人的な思い出ですが、Icecapadeの孫、すなわちWild Againの仔ワイルドブラスター(1992.4.13)には、2回会いに行きました。現役時代は赤メンコで隠されていましたが、「流星鼻梁小白」の男前でした。

*

ダンツプリウス 牡 鹿毛 2013.3.1生 新ひだか・千代田牧場生産 馬主・山元哲二氏 栗東・山内研二厩舎

ダンツプリウス(2013.3.1)の4代血統表
ブライアンズタイム
黒鹿毛 1985.5.28
種付け時活性値:0.75
Roberto
鹿毛 1969.3.16
Hail to Reason
黒鹿毛 1958.4.18
Turn-to 1951
Nothirdchance 1948
Bramalea
黒鹿毛 1959.4.12
Nashua 1952.4.14
Rarelea 1949
Kelley’s Day
鹿毛 1977.5.11
Graustark
栗毛 1963.4.7
Ribot 1952.2.27
Flower Bowl 1952
Golden Trail
黒鹿毛 1958.3.5
Hasty Road 1951
Sunny Vale 1946
ストロングレダ
鹿毛 2006.4.19
仔受胎時活性値:1.50
マンハッタンカフェ
青鹿毛 1998.3.5
種付け時活性値:1.75
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
★Halo 1969.2.7
Wishing Well 1975.4.12
サトルチェンジ
黒鹿毛 1988.4.2
Law Society 1982.2.16
Santa Luciana 1973
ハートオンウェーブ
鹿毛 2000.1.20
仔受胎時活性値:1.25
★Storm Cat
黒鹿毛 1983.2.27
種付け時活性値:0.00
Storm Bird 1978.4.19
Terlingua 1976.2.7
Fairy Heights
鹿毛 1991.2.20
仔受胎時活性値:2.00
★Fairy King
鹿毛 1982.3.4
種付け時活性値:0.00
Commanche Belle
鹿毛 1983.3.7
仔受胎時活性値:1.75

<5代血統表内のクロス:Hail to Reason3×5、Northern Dancer5×5>

ダンツプリウス(2013.3.1)の中島理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
ブライアンズタイム
(Roberto系)
マンハッタンカフェ
(Halo系)
★Storm Cat
(Storm Bird系)
Fairy King
(Northern Dancer系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
マンハッタンカフェ
(Santa Luciana)
6.50 曾祖母が英GI勝ち馬
(No.14-f)
2番仔
(3連産目)

3着まで同タイム「ハナ」「クビ」の混戦を制したのは、前走アーリントンC(GIII)のハナ差2着から巻き返したダンツプリウス。山内厩舎のピンクのメンコ、三つ葉の家紋を着けた鹿毛馬が、際どく先頭を駆け抜けました。死してなお大種牡馬の威厳を見せ付けたブライアンズタイム。ダンツプリウスは、ブライアンズタイム満27歳時である2012年の種付頭数36頭、翌2013年の生産頭数17頭の内の1頭です。

ダンツプリウスの最優性先祖であるマンハッタンカフェは、現役時代に日仏6勝で、その主な勝ち鞍に菊花賞(GI)、有馬記念(GI)、天皇賞・春(GI)があります。種牡馬としての代表産駒には、天皇賞・春で父仔制覇を果たしたヒルノダムール(2007.5.20)、秋華賞(GI)とマクトゥームチャレンジラウンドIII(当時UAEGII、現UAEGI)を制したレッドディザイア(2006.4.19)、NHKマイルC(GI)を1分32秒4のレースレコード(当時)で勝利したジョーカプチーノ(2006.4.11)、フェブラリーS(GI)とジャパンダートダービー(JpnI)を制して今も現役で頑張るグレープブランデー(2008.4.11)など多様な産駒を輩出しています。産駒の活躍により、2009年には日本リーディングサイアーにも輝きました。また父サンデーサイレンスによく似た青鹿毛の流星、黒光りする馬体よろしく、2004年に関西テレビが制作した「運命の出会い サラブレッドにかけた夢」というドラマでは、父役として出演しました。

  

では、以上オオハシでした。これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

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