第65回"キング・ジョージ"(英GI)の勝ち馬-母父Dubai Destination(1999.2.10)の本命馬がスクラッチしても-。

Postponed 牡 鹿毛 2011.4.4生 愛国・セントアルバンススタッド生産 馬主・シェイク・モハメド・オバイド・アル・マクトゥーム 英国・L.クマーニ厩舎

Postponed(2011.4.4)の4代血統表

Dubawi
鹿毛 2002.2.7
種付け時活性値:0.00
Dubai Millennium
鹿毛 1996.3.20
Seeking the Gold
鹿毛 1985.4.7
Mr. Prospector 1970.1.28
Con Game 1974.3.20
Colorado Dancer
黒鹿毛 1986.2.13
Shareef Dancer 1980.3.3
Fall Aspen 1976.3.9
Zomaradah
鹿毛 1995.2.21
Deploy
鹿毛 1987.5.15
Shirley Heights 1975
Slightly Dangerous 1979.4.8
Jawaher
鹿毛 1989.5.13
ダンシングブレーヴ 1983.5.11
High Tern 1982.5.1
Ever Rigg
鹿毛 2005.3.12
仔受胎時活性値:1.25
Dubai Destination
鹿毛 1999.2.10
種付け時活性値:1.25
★Kingmambo
鹿毛 1990.2.19
Mr. Prospector 1970.1.28
Miesque 1984.3.14
Mysterial
鹿毛 1994.1.27
Alleged 1974.5.4
Mysteries 1986.2.26
Bianca Nera
鹿毛 1994.4.11
仔受胎時活性値:0.50
★Salse
鹿毛 1985.2.24
種付け時活性値:0.00
Topsider 1974.3.15
Carnival Princess 1974.5.31
Birch Creek
芦毛 1982.3.11
仔受胎時活性値:0.75
カーホワイト
芦毛 1974.4.17
種付け時活性値:1.75
Deed
鹿毛 1970
仔受胎時活性値:0.75

<5代血統表内のクロス:Mr.Prospector4×4、Northern Dancer5×5>

Postponed(2011.4.4)の中島理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
★Dubawi
(Mr.Prospector系)
Dubai Destination
(Mr.Prospector系)
★Salse
(Northern Dancer系)
カーホワイト
(フォルティノ系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
カーホワイト
(Fairway)
3.25 祖母が愛GI勝ち馬
(No.14-c)
2番仔?

*

降り続いた雨による馬場悪化を嫌ってか、直前にGolden Horn(2012.3.27)、Flintshire(2010.4.4)、The Corsican(2011.1.23)と3頭が回避し、7頭立てとなった第65回キング・ジョージ6世&クイーンエリザベスS。

大本命と目されたGolden Hornのスクラッチにより混戦となった、2015年上半期の欧州王者を決める一戦。天の不思議な配剤か、Golden Hornと同じく母の父にDubai Destinationを持つ馬に、勝利の女神が微笑みました。Postponed。黄色を基調とした勝負服は、ハイライズ(1995.5.3)のシェイク・オバイドのもので、ハイライズが英ダービー(GI)を制した折には、Postponedと同様にルカ・クマーニ調教師が管理されていました。クマーニ師とアンドレア・アツェーニ騎手、イタリアを母国とする伯楽とジョッキーのコンビは、共に”キング・ジョージ”初制覇でした。また、最後の最後までPostponedと激しい競り合いを見せた2着のEagle Top(2011.2.13)の鞍上は、クマーニ師の愛弟子でもあるランフランコ・デットーリ騎手。2015年の”キング・ジョージ”は、雨が上がった後の陽気に合わせてか、イタリアンたちの戦いの様相でした。

*

Postponed、ハイライズとクマーニ師の管理馬の名前を出してみて、その配合を確認してみれば、共に父が満8歳時の0交配馬であることに気付きます。イタリアが産んだ天才馬産家フェデリコ・テシオの、まさにドルメロの秘宝である0遺伝を駆使された活躍馬。

イタリアつながりという訳ではありませんが、クマーニ師の他の活躍馬としては、

  1. Infamy(1984.5.1)
    →その父Shirley Heights(1975)が満8歳時の0交配。主な勝ち鞍にロスマンズインターナショナルS(現カナディアンインターナショナルS、GI)
  2. Sudden Love(1985.6.10)
    →その父Kris(1976.3.23)が満8歳時の0交配。主な勝ち鞍にE.P.テイラーS(加GI)
  3. Ensconse(1986.3.20)
    →その父Lyphard(1969)が満16歳時の0交配。主な勝ち鞍に愛1000ギニー(GI)
  4. マークオブディスティンクション(1986.4.14)
    →その父Known Fact(1977.3.15)が満8歳時の0交配。主な勝ち鞍にクイーンエリザベス2世S(英GI)
  5. Only Royale(1989.4.17)
    →その父Caerleon(1980.3.27)が満8歳時の0交配。主な勝ち鞍にヨークシャーオークス(英GI)2回
  6. Barathea(1990.3.2)
    →その父Sadler’s Wells(1981.4.11)が満8歳時の0交配。主な勝ち鞍に愛2000ギニー(GI)、ブリーダーズカップ・マイル(米GI)

というところが、父から0交配を受けた馬たちです。この中では、マークオブディスティンクションの名前が懐かしいですね。マークオブディスティンクションによるクイーンエリザベス2世Sが、デットーリ騎手の初GI制覇だったそうで。そんなマークオブディスティンクション、日本軽種馬協会の威信をかけての導入だったのでしょうけれど……。

ともあれ、クマーニ師の管理馬にはKahyasi(1985.4.2)、ファルブラヴ(1998.2.28)-ただし、5歳以降-、アルカセット(2000.2.19)等もいますが、0交配の活躍馬が割合に多いような感じもしますね^_^;

Postponed、上述のクマーニ厩舎の諸先輩たちに続いて、見事にGI勝ち馬となりました。”キング・ジョージ”を勝ったのですから、なおのこと、古馬王者の誇りを背に、これからも活躍を続けてほしいものです。

  

では、以上オオハシでした。これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

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