第61回安田記念(GI)の勝ち馬。

リアルインパクト 牡 鹿毛 2008.5.14生 安平・ノーザンファーム生産 馬主・(有)キャロットファーム 美浦・堀宣行厩舎

リアルインパクト(2008.5.14)の4代血統表
ディープインパクト
鹿毛 2002.3.25
種付け時活性値:1.25
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
★Halo
黒鹿毛 1969.2.7
Hail to Reason 1958.4.18
Cosmah 1953.4.4
Wishing Well
鹿毛 1975.4.12
Understanding 1963.2.17
Mountain Flower 1964.3.23
ウインドインハーヘア
鹿毛 1991.2.20
Alzao
鹿毛 1980.2.28
Lyphard 1969.5.10
Lady Rebecca 1971.2.28
Burghclere
鹿毛 1977.4.26
Busted 1963
Highclere 1971
トキオリアリティー
栗毛 1994.5.25
仔受胎時活性値:1.25
Meadowlake
栗毛 1983.3.12
種付け時活性値:0.50
Hold Your Peace
鹿毛 1969.1.24
Speak John 1958.2.7
Blue Moon 1948
Suspicious Native
栗毛 1972.4.1
Raise a Native 1961.4.18
Be Suspicious 1963.3.30
What a Reality
栗毛 1978.3.27
仔受胎時活性値:1.75
In Reality
鹿毛 1964.3.1
種付け時活性値:1.25
Intentionally 1956.4.2
My Dear Girl 1957.2.17
What Will Be
鹿毛 1970.4.17
仔受胎時活性値:1.75
Crozier
鹿毛 1958.5.6
種付け時活性値:0.75
Solabar
栗毛 1960
仔受胎時活性値:0.25

<5代血統表内のクロス:Nothirdchance(♀)5×5>

リアルインパクト(2008.5.14)の中島理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
ディープインパクト
(Halo系)
Meadowlake
(Prince John系)
In Reality
(Intent系)
Crozier
(My Babu系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
ディープインパクト 5.00 半兄アイルラヴァゲイン
(No.3-L)
9番仔
(9連産目)

*

以下にリアルインパクトのごく簡単な近親牝系図を示しておきます。

What Will Be 1970.4.17 米8勝 イリノイダービー(GIII)2着
|What a Reality 1978.3.27 米3勝
||トキオリアリティー 1994.5.25 中央3勝 フローラS(旧OP)2着
|||アイルラヴァゲイン 2002.4.5 現役 オーシャンS(GIII) スプリンターズS(GI)3着 NHKマイルC(GI)3着ほか
|||リアルインパクト 2008.5.14 (本馬) 安田記念(GI) 朝日杯FS(GI)2着 京王杯2歳S(GII)2着 NHKマイルC3着

*

第61回安田記念(GI)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
3F
馬体重
[前走比]
調教師
1 14 リアルインパクト 牡3 54 戸崎圭太 1:32.0    34.5 494
[-2]
堀宣行 9
2 1 ストロングリターン 牡5 58 石橋脩 1:32.0 クビ 33.8 518
[-2]
堀宣行 5
3 3 スマイルジャック 牡6 58 三浦皇成 1:32.1 1/2 33.7 490
[-6]
小桧山悟 3
4 4 クレバートウショウ 牡5 58 武豊 1:32.1 クビ 34.6 504
[+4]
崎山博樹 8
5 16 ジョーカプチーノ 牡5 58 福永祐一 1:32.1 ハナ 34.9 532
[+6]
中竹和也 6

唯一の3歳馬リアルインパクト。戸崎圭太騎手に導かれて、先行3番手からの押し切り勝ち。古馬との斤量差はあれど、受けて立つ競馬をしての勝利は価値があります。最後、同厩舎の先輩ストロングリターン(2006.5.26)が怒濤の末脚で追い込んできましたが、クビ差凌ぎきりました。ディープインパクトの初年度産駒、JRAのグレード制施行後初となる「3歳馬による安田記念制覇」を遂げました。なお、3歳馬による安田記念制覇は、かの名牝スウヰイスー(1949.5.3)の第2回以来、59年ぶりのことでした。

いや、ゴール後はちょっと身震いしてしまいました。「3歳春時点での古馬のマイル重賞挑戦は厳しいもの」という思いがあり、ハナから不要と決め込んでいましたので。それを打ち破ってくれたリアルインパクト、その名のとおり、まさに現実の衝撃。ましてや、重賞未勝利の1勝馬でしたので、ね。日本もそういう時代になったのですね。

そして、鞍上の戸崎圭太騎手。もしかしたら、無欲の挑戦だったのかも知れません。ゴール後の様子から、「勝っちゃった」という感じを受けました。それでも、やはりNARのリーディングジョッキー。絶好位から競馬を進め、馬の気分を損ねること無く、最後まで馬を我慢させきった辺り、本当にサスガでした。

また、管理馬のワンツーフィニッシュを遂げられた堀宣行調教師。今春は厩舎の短距離のエースであるキンシャサノキセキ(2003.9.24) が高松宮記念(GI)勝利後に電撃引退してしまいましたが、それでも、ちゃんと後継馬を2頭育てられていました。これまたサスガの手腕です。

#余談。考えてみると、このリアルインパクトを以てしても1度も先着できないグランプリボス(2008.3.28)という馬は、本当に大した馬ですね。6月14日の英国の大一番が楽しみになりました。 

*

リアルインパクトの血統面について見てみると……、ええ、中島理論的には基本に立ち返ることになりますが、Eclipse(1964.4.1)系、Herod(1958)系、Matchem(1948)系の3大父系をフルに使った4代血統構成。Eclipse系の2系も分枝が進んでおり、実質4種父系と見なされる配合です。本当に綺麗な血統構成。

また、リアルインパクトの半兄は現役のアイルラヴァゲイン。長く現役を務める同馬は現在JRA7勝。息の長い活躍を見せている兄がいることは、リアルインパクトにとっても牝系の持つ成長力や持続性の証明となるでしょう。

合わせて。非常に細かく、人によってはどうでもいいところですが、今回、過去10年のデータや馬柱を作っている時に、ふと、「5月14日」というリアルインパクトの生まれ日の日付が気になったのです。10年前の2001年の勝ち馬が国枝栄厩舎のブラックホーク(1994.5.14)でしたが、彼が5月14日生まれだったのです。そして、先週の日本ダービー(GI)を制して2冠を達成したオルフェーヴル(2008.5.14)。リアルインパクトと同い年の彼も、リアルインパクトと同じく5月14日生まれ。私の中で、比較的印象の薄い名馬の誕生日であった5月14日が、今年2011年、強烈な2頭により印象付けられたました。なお、5月14日生まれの名馬としては、ほかにバンブーメモリー(1985.5.14)がいます。あ、やっぱり安田記念の勝ち馬でした(^^;)

*

古馬も交えた春のマイル王に輝いたリアルインパクト。これから向かう道、恐らくはマイル路線が気になるところです。グランプリボスや同じディープインパクト産駒であるコティリオン(2008.2.18)等同い年の3歳勢、そして安田記念で破った馬たちを始めとする古馬勢との、改めての対戦。

リアルインパクト、安田記念で見せた受けて立つ競馬、これからも見せ続けてくれるでしょうか。若きマイル王の前途は洋々、その未来を楽しみにしたいと思います。

  

では、以上オオハシでした。これから走る馬、人すべてが無事でありますように。

*

おまけ。「3歳勝つんか、3歳勝つんか、3歳勝つんか」と叫ぶオオハシさん。

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コメント

  1. ゴリ より:

    個人的には、大人になる前の今時期の3歳馬の場合は、個体の能力だけが問題で、父系の影響が少ないのではないか、とも思ったりしました。

  2. のむら より:

    私も今回リアルインパクトが勝ったのは、まだこの時期の3歳馬は血統的なハンディはないためだと、考えています。
    オルフェーブルともども今後の古馬根幹距離での活躍を追いたいと思います。
    しかし、トキオリアリティの配合は素晴らしいと思います。今後の活躍馬輩出を期待しています。

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