クラキンコ(2007.4.11)。

クラキンコが重賞6勝目/門別・星雲賞 | netkeiba.comニュース

やはり「道営のヒロイン」を1回は記事にしておかないと、辺境血統ブログの名折れというところでしょう。倉見牧場さんの執念の結晶、クラキンコ。

クラキンコ 牝 栗毛 2007.4.11生 日高・倉見牧場生産 馬主・倉見利弘氏 北海道・堂山芳則厩舎

クラキンコ(2007.4.11)の4代血統表
クラキングオー
鹿毛 1997.4.15
種付け時活性値:0.25

スズカコバン
黒鹿毛 1980.3.16
マルゼンスキー
鹿毛 1974.5.19
Nijinsky 1967.2.21
シル 1970.4.22
サリュウコバン
鹿毛 1974.3.4
ネヴァービート 1960
モンテホープ 1960.3.27
クラファストレディ
鹿毛 1992.4.23
▲シングルロマン
黒鹿毛 1982.5.14
ナイスダンサー 1969.3.6
ヒジリジョオー 1974.5.26
カネイゼーア
栗毛 1973.4.5
▲オンワードゼア 1954.5.29
クヰーンカヌート 1957.3.13
クラシャトル
栗毛 1991.4.9
仔受胎時活性値:1.75
ワカオライデン
栗毛 1981.4.25
種付け時活性値:0.25
ロイヤルスキー
栗毛 1974.5.24
Raja Baba 1968.4.5
Coz o’Nijinsky 1969.4.27
オキワカ
栗毛 1972.3.27
リマンド 1965.2.16
ワカクモ 1963.3.12
クラネバダンサー
鹿毛 1980.5.27
仔受胎時活性値:0.50
ネヴァーダンス
芦毛 1972.3.8
種付け時活性値:1.75
Never Bend 1960.3.15
Exclusive Dancer 1967.5.30
ブラックキリー
黒鹿毛 1968.4.1
仔受胎時活性値:0.75
テツソ
黒鹿毛 1956
種付け時活性値:0.75
マツリユウ
鹿毛 1957.3.25
仔受胎時活性値:0.50

<5代血統表内のクロス:Northern Dancer5×5(父方)>

クラキンコ(2007.4.11)の中島理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
クラキングオー
(Nijinsky系)
ワカオライデン
(Bold Ruler系)
ネヴァーダンス
(Never Bend系)
テツソ
(Blandford系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
ネヴァーダンス
(Good Example)
3.50 母が北海優駿勝ち馬
(No.9-B ウエツトセール系)
9番仔
(9連産目)

*

では、以下にクラキンコの簡単な近親牝系図を示しておきます。

ブラックキリー 1968.4.1 不出走
|クラネバダンサー 1980.5.27 地方12勝
||クラマンダラ 1990.4.21 地方14勝 北海道3歳優駿(現北海道2歳優駿)2着 父ワカオライデン
||クラシャトル 1991.4.9 地方15勝 北海優駿 北海道3歳優駿 クイーンC ひまわり賞 栄冠賞ほか
|||クラオリオン 1999.4.25 地方2勝 父サッカーボーイ
|||クラトップオー 2000.4.6 地方3勝 父シンボリルドルフ
|||クラメガミ 2001.4.28 地方1勝 浦和桜花賞3着 ローレル賞3着 サンライズC3着 父ホリスキー
|||クラビッグレディ 2002.4.29 地方2勝 華月賞2着 王冠賞3着 フローラルC3着 フロイラインC3着 父ブラックタイアフェアー
|||クラダンソナー 2003.4.11 地方6勝 父タマモクロス
|||クリールボルケーノ 2004.3.27 現役 父フレンチデピュティ
|||クラブリザード 2005.3.10 現役 父タイキブリザード
|||クラガリレイ 2006.3.21 地方5勝 父ブラックタキシード
|||クラキンコ 2007.4.11 (本馬) 北海道3冠 コスモバルク記念 星雲賞 フロイラインC エーデルワイス賞(JpnIII)2着
|||クラヤマトオー 2008.4.16 現役 父タヤスツヨシ
|||クラシャトルの2010 2010.5.5 父クラキングオー
||クラマサシャトル 1993.3.15 地方4勝 金杯3着 父サクラテルノオー
|||クラマサライデン 2001.4.19 地方5勝 ニューイヤーC2着 戸塚記念3着 父ワカオライデン
||クラオー 1996.4.8 地方7勝 北斗盃2着 北海優駿3着 父サクラテルノオー

*

クラキンコの父クラキングオーは北海優駿、王冠賞、道営記念、ステイヤーズC2回と道営重賞5勝の活躍馬で、満3歳時には中央でも1勝を挙げています。

クラキンコの母クラシャトルは↑の近親牝系図でも示したように北海優駿、北海道3歳優駿、クイーンC、ひまわり賞、栄冠賞と、やはり道営重賞5勝の活躍馬。

そして、愛娘のクラキンコ。父クラキングオーが2006年ただ1頭だけに種付けした相手である母クラシャトル。そんな倉見牧場さん威信の「北海優駿馬どうしの配合」で生まれたのが、クラキンコ。

詳しくは「クラキングオーを訪ねて~倉見牧場 | 名馬を訪ねて | 馬産地コラム | 競走馬のふるさと案内所 」に譲りますが、

「幸い、うちは小さいながらも細々とオーナーブリーダーをやっていますからね。『どうせ夢を追うなら(うちで)一番の馬を用意してやろう!』とクラシャトルを選びました。」

果たせるかなクラキンコ、父と母の後を追うように北海優駿の勝ち馬となり、さらに「史上初の牝馬による北海道3冠」を遂げたのでした。

*

中島理論的な見解を少しだけ。↑の4代血統表のパッと見だけで「近い代で先祖が0化されているなぁ」と思われるでしょう。父クラキングオーはその父スズカコバンが満16歳時の0交配馬です。またクラキンコに対しては、クラキングオー自身の0.25交配、その母父シングルロマンの0.25交配、祖母父オンワードゼアの0.50交配と乗算活性値が0.125以下で準0化しています。さらに確認してみると、懐かしの8代残牡先祖数は「3/128」。クロスが折り重なり、多くの先祖が0化消却されました。

また、父クラキングオーは、まさにワンホースサイアー。クラキンコは初年度である2007年産ただ1頭の産駒で、他の産駒も2009年産のクラオージクン(2009.4.17)、2010年産のクラシャトルの2010の2頭だけ。クラキングオーは、残念ながら昨年2010年10月24日に他界しており、生涯3頭の父になったのみでした。クラシャトルの2010は、言わずもがなでクラキンコの全弟ですね。なお、クラシャトルの2010は母クラシャトルが流産後の仔です。流産した仔の父がタップダンスシチー(1997.3.16)だったのも渋い。。。

合わせて、クラキンコの牝系は小岩井の9号族ウエツトセール(1898)系です。ウエツトセール系は現存する小岩井牝系では比較的地味に継承されていますが、それでも、時折クラキンコのような優駿を送り込んで、存在感を示します。なお、ウエツトセール系の活躍馬として、JRAではバンブービギン(1986.4.19)が1989年の菊花賞(GI)を制しています。

*

不意に見つけたある獣医さんのブログ記事へのリンクを張り、クラキンコの向かう道に幸多からんことを祈り念じて、今回の記事は終わりにしたいと思います。

世の中には愛が満ちています。

  

では、以上オオハシでした。これから走る馬、人すべてが無事でありますように。

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