エリンコート 牝 黒鹿毛 2008.3.10生 千歳・社台ファーム生産 馬主・吉田照哉氏 栗東・笹田和秀厩舎
★ デュランダル 栗毛 1999.5.25 種付け時活性値:0.00 |
サンデーサイレンス 青鹿毛 1986.3.25 |
★Halo 黒鹿毛 1969.2.7 |
Hail to Reason 1958.4.18 |
Cosmah 1953.4.4 | |||
Wishing Well 鹿毛 1975.4.12 |
Understanding 1963.2.17 | ||
Mountain Flower 1964.3.23 | |||
サワヤカプリンセス 栗毛 1986.6.5 |
ノーザンテースト 栗毛 1971.3.15 |
Northern Dancer 1961.5.27 | |
Lady Victoria 1962.2.20 | |||
スコッチプリンセス 栗毛 1970.3.19 |
Creme Dela Creme 1963.4.12 | ||
Meadow Saffron 1964 | |||
エリンバード 鹿毛 1991.1.25 仔受胎時活性値:2.00(0.00) |
Bluebird 鹿毛 1984.4.2 種付け時活性値:1.50 |
Storm Bird 鹿毛 1978.4.19 |
★Northern Dancer 1961.5.27 |
South Ocean 1967.4.8 | |||
Ivory Dawn 鹿毛 1978.4.19 |
Sir Ivor 1965.5.5 | ||
Dusky Evening 1967.3.31 | |||
Maid of Erin 鹿毛 1982.1.19 仔受胎時活性値:2.00(0.00) |
Irish River 栗毛 1976.4.2 種付け時活性値:1.25 |
Riverman 1969 | |
Irish Star 1960.2.9 | |||
Dancing Shadow 鹿毛 1977.4.12 仔受胎時活性値:1.00 |
ダンサーズイメージ 芦毛 1965.4.10 種付け時活性値:0.75 |
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Sunny Valley 鹿毛 1972.3.16 仔受胎時活性値:1.00 |
<5代血統表内のクロス:Northern Dancer4×4>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
★デュランダル (Halo系) |
Bluebird (Danzig系) |
Irish River (Riverman系) |
ダンサーズイメージ (Native Dancer系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 何番仔? |
Bluebird (Chop Chop) |
6.00 or 4.00 or 2.00 |
母が伊1000ギニー勝ち馬 (No.1-L) |
7番仔 (2連産目) |
*
以下にエリンコートの近親牝系図を示しておきます。重賞の格付けはいずれも競走当時のものです。
Dancing Shadow 1977.4.12 英仏2勝 ナッソーS(GII)3着 |Maid of Erin 1982.1.19 仏0勝 ||エリンバード 1991.1.25 伊仏米日英4勝 伊1000ギニー(GII) オペラ賞(仏GII)1着降着ほか |||オメガフォーチュン 1997.5.13 中央0勝 ||||オメガエクスプレス 2004.4.16 中央3勝 橘S(OP) |||エリンコート 2008.3.10 (本馬) オークス(GI) 忘れな草賞(OP) |River Dancer 1983.1.13 仏2勝 モルニ賞(GI)2着 仏1000ギニー(GI)3着 ||Well Head 1989.2.23 不出走 |||コンデュイット 2005.3.23 英米仏日7勝 BCターフ(米GI)2回 "キング・ジョージ"(英GI) 英セントレジャー(GI)ほか ||Spectrum 1992.5.8 愛英仏4勝 愛2000ギニー(GI) 英チャンピオンS(GI) ||Stream of Gold 2001.3.4 米英加UAE マクディアミダH(米GII) |Dancing Bloom 1990.3.4 英仏3勝 プリンセスロイヤルS(英GIII) ヨークシャーオークス(英GI)2着2回 |Ballerina 1991.3.14 英1勝 ||Millenary 1997.4.21 愛英仏独伊12勝 英セントレジャー含む重賞11勝 ||Head in the Cloud 1998.5.9 英2勝 プリンセスロイヤルS |||Roses for the Lady 2006.2.19 愛オークス(GI)2着 カラC(愛GIII)3着 ||Angel of the Gwaun 1999.5.15 不出走 |||Beauty O' Gwaun 2006.5.2 愛米2勝 ブルーウインドS(愛GIII) |||コスモメドウ 2007.5.14 中央5勝 ダイヤモンドS(GIII) 万葉S(OP) 阪神大賞典(GII)2着 ||Let the Lion Roar 2001.2.27 英愛米2勝 グレイトヴォルティジュールS(英GII)2着 英ダービー(GI)3着ほか ||King in Waiting 2003.5.17 愛英平地1勝+障害1勝 ガリニュールS(愛GIII)3着
牝系近親には、コンデュイット、Millenaryという英セントレジャー馬2頭を筆頭に長距離重賞で活躍している馬が多々見られますね。スタミナのバックボーンは、やはり牝系から、というところでしょうか。
また、母エリンバードは1994年の伊1000ギニー馬ですが、同年のオペラ賞で武豊騎手を鞍上として1着入線したものの5着降着。当時のスポーツ新聞の紙面写真、オペラ賞には奥様の量子さんのお姿もあったように記憶しています。1994年、豊さんと量子さんの新婚の年でした。
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 |
斤 量 |
騎手 |
走破 時計 |
着差 |
上り 3F |
馬体重 [前走比] |
調教師 |
人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 4 | エリンコート | 牝3 | 55 | 後藤浩輝 | 2:25.7 | 34.5 |
456 [-2] |
笹田和秀 | 7 | |
2 | 18 | ピュアブリーゼ | 牝3 | 55 | 柴田善臣 | 2:25.7 | クビ | 35.3 |
436 [+2] |
古賀慎明 | 8 |
3 | 12 | ホエールキャプチャ | 牝3 | 55 | 池添謙一 | 2:25.7 | ハナ | 34.0 |
452 [-2] |
田中清隆 | 2 |
4 | 9 | マルセリーナ | 牝3 | 55 | 安藤勝己 | 2:26.1 | 2 1/2 | 34.3 |
452 [0] |
松田博資 | 1 |
5 | 14 | スピードリッパー | 牝3 | 55 | 蛯名正義 | 2:26.2 | クビ | 35.2 |
456 [0] |
鹿戸雄一 | 14 |
レースの20分程前から激しく降り始めた雨。府中芝2400mという舞台に更なる厳しさが増した感もありました。第72回オークス。
そんな中で勝利を収めたのはエリンコート。黒鹿毛の馬体も鮮やかに、黒い帽子に「黄、黒縦縞、赤袖」のおなじみの勝負服、後藤浩輝騎手が直線で追うと切れ味鋭く伸びました。しかし、口向きが定まらず、後藤騎手も御するのが大変そうでした。審議の対象にもなっていたようですけれど、レース後のテレビの勝利騎手インタビューによると、降雨に伴う照明点灯により、その照明に気が行ってしまったそうな。他馬に迷惑は掛かりましたが、物見をしながらも勝ち切ってしまうのですから、エリンコート、その能力は大したものです。
先日、エリモエクセル(1995.5.18)の記事をアップしました。エリンコートはエリモエクセルと同じく、「忘れな草賞(OP)を制して7番人気で挑んだオークス」で勝利を収めました。そして、忘れな草賞勝ち馬がオークスを制したのも、エリモエクセル以来13年ぶりのこと。桜花賞(GI)同日に走っていた別路線馬が、「Forget me not」と、久しぶりに気を吐いたのでした。
*
中島理論的な見解からすると、エリンコートはその父デュランダルが満8歳時交配の0遺伝馬です。メンバー中SSの0を持つ馬はエリンコートただ1頭でした。そして2着のピュアブリーゼ。メンバー中SSを持たない馬はピュアブリーゼただ1頭でした。結果、「気付いた時に打ち破られる」ことでおなじみのオオハシの気付き、
2005年のシーザリオ以降は、SSが0化された馬、あるいはSSを持たない馬が1着になっていますね。
が、珍しく、継続されたのでした(*^_^*)。改めて、女馬のみの競走が物語る事象としては、重要なことのひとつと思います。
また、桜花賞馬マルセリーナ、オークス馬エリンコートと、今年の牝馬クラシックを制した2頭の共通点を見ると、
- 母馬がイタリアの重賞を制した馬
ということが言えますね。エリンバードがオペラ賞で降着していなければ、「母馬がイタリアとフランスの重賞を制した馬」となっていたところですけれど(^^;)。社台さんは日本の馬場に適正のある種牡馬や牝馬を上手に導入されますが、このあたりは、サスガの慧眼でしょう。名種牡馬であったトニービン(1983.4.7)もイタリアとフランスの重賞を制した馬でしたけれど、GI6勝のうち5勝がイタリアでの勝利でした。残りの1勝がフランスの凱旋門賞(GI)ですね。中島理論使いにとっては、「イタリア、ドイツの競馬場は日本の芝馬場にもっとも似ている」という「血とコンプレックス」等の記述を思い出すところです。
*
父デュランダルからは切れ味を、そして牝系からはスタミナを受け継いだエリンコート。オークスの女王となって向かうのは秋の京都の舞台でしょうか。
そこには、もしかしたら、無敗の2歳女王が戻ってきているかも知れません。そして、もちろん桜花賞馬やその他の馬たちの巻き返しもあるでしょう。
百花繚乱の牝馬絵巻、ひと夏を超えた後の戦いも楽しみにしたいと思います。
今日のところは、雨中の決戦、18騎の人馬、本当にお疲れ様でした。
では、以上オオハシでした。これから走る馬、人すべてが無事でありますように。
*
おまけ。「これはエリンコート、デュランダル、うぉら来たぁ、忘れな草賞!!」と叫ぶオオハシさん。
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コメント
オークス後もしやと思い確認してみると、やはりデュランダルが8歳時に種付けした時の産駒。
もっと早く気付くべきでした。。。