スペシャルウィーク 牡 黒鹿毛 1995.5.2生 門別・日高大洋牧場生産 馬主・臼田弘義氏 栗東・白井寿昭厩舎
★ サンデーサイレンス 青鹿毛 1986.3.25 種付け時活性値:0.00 |
★ Halo 黒鹿毛 1969.2.7 |
Hail to Reason 黒鹿毛 1958.4.18 |
Turn-to 1951 |
Nothirdchance 1948 | |||
Cosmah 鹿毛 1953.4.4 |
★Cosmic Bomb 1944 | ||
Almahmoud 1947 ♀ | |||
Wishing Well 鹿毛 1975.4.12 |
Understanding 栗毛 1963.2.17 |
★Promised Land 1954.3.31 | |
Pretty Ways 1953.3.21 | |||
Mountain Flower 鹿毛 1964.3.23 |
Montparnasse 1956 | ||
Edelweiss 1959.2.15 | |||
キャンペンガール 鹿毛 1987.4.19 仔受胎時活性値:1.75 |
マルゼンスキー 鹿毛 1974.5.19 種付け時活性値:1.00 |
Nijinsky 鹿毛 1967.2.21 |
Northern Dancer 1961.5.27 |
Flaming Page 1959.4.24 | |||
シル 鹿毛 1970.4.22 |
Buckpasser 1963.4.28 | ||
Quill 1956 | |||
レディーシラオキ 鹿毛 1978.4.3 仔受胎時活性値:2.00(0.00) |
セントクレスピン 栗毛 1956 種付け時活性値:1.25 |
Aureole 1950 | |
Neocracy 1944 | |||
ミスアシヤガワ 鹿毛 1964.5.24 仔受胎時活性値:1.25 |
ヒンドスタン 鹿毛 1946 種付け時活性値:0.25 |
||
シラオキ 栗毛 1946.4.7 仔受胎時活性値:0.25 |
<5代血統表内のクロス:Harina(♀)=プリメロ5×5(母方)>
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 何番仔? |
---|---|---|---|
セントクレスピン (Angelola) |
5.25 or 3.25 |
日本の誇るシラオキ系 (No.3-L フロリースカップ系) |
5番仔 (5連産目) |
最強世代の一角を担った内国産馬、スペシャルウィーク。武豊騎手に日本ダービーとジャパンカップ、2つのGIにおいて初制覇をプレゼントしたことでも印象に残ります。
この記事を書くにあたり、「あぁ、僕は、スペシャルウィーク、好きやったんやなぁ」と思いました。
本当に強い馬だったのですが、折々に現れるライバルたちもまた強力で、勝ったり負けたりしながら、そんな中で満4歳で現役を引くまでにGI4勝は立派でした。
サンデーサイレンス産駒の最強馬というと、これはもう「ディープインパクト」の名前が挙がるでしょうけれど、能力の総合力ならばスペシャルウィークもそう負けないように感じます。
まま、たとえ、判官贔屓でも、その父サンデーサイレンスの0交配、そして日本の誇る小岩井の3号族フロリースカップ(1904)系という血統背景から、応援したくなるのも止む無しです(^_^;)
という訳で、今回は彼が勝利を収めた4つのGIについて、戦績を記しておきます。
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 |
斤 量 |
騎手 |
走破 時計 |
着差 |
上り 3F |
馬体重 [前走比] |
調教師 |
人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 5 | スペシャルウィーク | 牡3 | 57 | 武豊 | 2:25.8 | 35.3 |
468 [-8] |
白井寿昭 | 1 | |
2 | 16 | ボールドエンペラー | 牡3 | 57 | 河内洋 | 2:26.7 | 5 | 36.1 |
452 [+4] |
中村均 | 14 |
3 | 15 | ダイワスペリアー | 牡3 | 57 | 菊沢隆徳 | 2:26.8 | 1/2 | 36.6 |
460 [+8] |
二ノ宮敬宇 | 15 |
4 | 12 | セイウンスカイ | 牡3 | 57 | 横山典弘 | 2:26.8 | ハナ | 36.8 |
470 [-2] |
保田一隆 | 3 |
5 | 11 | ミツルリュウホウ | 牡3 | 57 | 南井克巳 | 2:27.0 | 1 1/4 | 36.1 |
416 [-4] |
松元茂樹 | 10 |
ユタカさんをしてムチを落としてしまった最後の直線。それでもメンバー中最速の上がりを繰り出して、5馬身差圧勝。ゴール後、ユタカさんの嬉しそうなこと。競馬社会に生きる人にとって、ダービーがやはり「特別なもの」であることが、改めて分かった瞬間でした。
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 |
斤 量 |
騎手 |
走破 時計 |
着差 |
上り 3F |
馬体重 [前走比] |
調教師 |
人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 3 | スペシャルウィーク | 牡4 | 58 | 武豊 | 3:15.3 | 34.2 |
476 [0] |
白井寿昭 | 1 | |
2 | 10 | メジロブライト | 牡5 | 58 | 河内洋 | 3:15.4 | 1/2 | 34.0 |
466 [-4] |
浅見秀一 | 3 |
3 | 8 | セイウンスカイ | 牡4 | 58 | 横山典弘 | 3:15.8 | 2 1/2 | 34.8 |
474 [-2] |
保田一隆 | 2 |
4 | 11 | シルクジャスティス | 牡5 | 58 | 藤田伸二 | 3:15.8 | ハナ | 34.3 |
456 [-4] |
大久保正陽 | 5 |
5 | 2 | ステイゴールド | 牡5 | 58 | 熊沢重文 | 3:16.2 | 2 1/2 | 34.8 |
430 [+8] |
池江泰郎 | 6 |
1999年5月2日。自身満4歳の誕生日を自ら祝った天皇賞・春。勝ち時計3分15秒3は、マヤノトップガン(1992.3.24)の3分14秒4に続く歴代2位(当時)の好タイムでした。私、淀の現地で観ていたんですよね。ゴール後、「サスガに誕生日!!」って、叫んでいました。
しかし、いまレースを見直してみると、ユタカさん、厳しい攻めの騎乗をされています。道中のセイウンスカイ(1995.4.26)のマークは、サンデーセイラ(1995.4.24)を利用して突いているのが見て取れます。そして最後の直線、後ろから来たメジロブライト(1994.4.19)の脚色が勝るかと思いきや、詰められればその分だけ伸びる。永遠の2分の1馬身差は、先行3番手からの完勝。鞍上の意図にたやすく応える、鞍下の能力。簡単なように見えて、簡単では無い。改めて、スペシャルウィークの能力の凄みを最も感じたレースでした。
そしてまた、この天皇賞・春は弔い合戦でもありました。スペシャルウィークの生まれ故郷である日高大洋牧場が、前年末に火災に遭い死傷馬が出ていたのです。スペシャルウィーク、その身に御霊を携えて走りました。
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 |
斤 量 |
騎手 |
走破 時計 |
着差 |
上り 3F |
馬体重 [前走比] |
調教師 |
人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 9 | スペシャルウィーク | 牡4 | 58 | 武豊 | 1:58.0 | レコード | 34.5 |
470 [-16] |
白井寿昭 | 4 |
2 | 6 | ステイゴールド | 牡5 | 58 | 熊沢重文 | 1:58.1 | クビ | 35.2 |
420 [-2] |
池江泰郎 | 12 |
3 | 1 | エアジハード | 牡4 | 58 | 蛯名正義 | 1:58.2 | 3/4 | 35.6 |
498 [+4] |
伊藤正徳 | 5 |
4 | 11 | スティンガー | 牝3 | 54 | 岡部幸雄 | 1:58.3 | 1/2 | 35.2 |
450 [0] |
藤沢和雄 | 8 |
5 | 7 | セイウンスカイ | 牡4 | 58 | 横山典弘 | 1:58.3 | クビ | 35.0 |
480 [-2] |
保田一隆 | 1 |
京都大賞典(GII)7着と、初めて複勝圏を外した前哨戦から臨んだ天皇賞・秋。更に前走比マイナス16kgという馬体減も懸念されたのか4番人気。けれど、この馬体減は「ダービーの頃の馬体重に戻せば、闘志が戻るのではないか」という陣営の意図があったそうな。果たせるかな、後方から一気の大外強襲を決めたスペシャルウィーク、見事な天皇賞春秋連覇。その勝ち時計1分58秒0は天皇賞・秋のレコードタイム。巷間、不安説が流れたのは、いったい何だったのでしょうか(^^;)
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 |
斤 量 |
騎手 |
走破 時計 |
着差 |
上り 3F |
馬体重 [前走比] |
調教師 |
人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 13 | スペシャルウィーク | 牡4 | 57 | 武豊 | 2:25.5 | 35.9 |
468 [-2] |
白井寿昭 | 2 | |
2 | 7 | インディジェナス | セ6 | 57 | D.ホワイト | 2:25.7 | 1 1/2 | 36.2 |
456 [] |
I.アラン | 12 |
3 | 12 | ハイライズ | 牡4 | 57 | L.デットーリ | 2:25.7 | ハナ | 36.2 |
446 [] |
S.ビン・スルール | 7 |
4 | 14 | モンジュー | 牡3 | 55 | M.キネーン | 2:25.8 | 3/4 | 36.0 |
484 [] |
J.ハモンド | 1 |
5 | 6 | ラスカルスズカ | 牡3 | 55 | 柴田善臣 | 2:26.5 | 4 | 36.7 |
474 [-4] |
橋田満 | 4 |
凱旋門賞(GI)でエルコンドルパサー(1995.3.17)を負かしたモンジュー(1996.4.4)が1番人気。しかし、府中の舞台ならば、スペシャルウィーク。直線、馬場中央を堂々と抜け出して、快勝。夕映えのターフに、橙の帽子と「紫、白鋸歯形」の勝負服、そして黒鹿毛の流星が弾みました。
*
改めて振り返ると、スペシャルウィークという馬は、国内で最強馬の称号を得る為に進むべき路線を、満3歳冬の有馬記念(GI)を除いて、ただひたすらに走っていたのだということが見て取れました。
牡馬クラシック3冠を皆勤して3着、1着、2着。3歳秋にジャパンカップに挑み3着。古馬となってからは中長距離路線のGIにはすべて出走して天皇賞・春1着、宝塚記念(GI)2着、天皇賞・秋1着、ジャパンカップ1着、有馬記念2着。
レースにも、ライバルにも、逃げることなく立ち向かい、ある時は勝利を収め、ある時は敗北の辛酸をなめ……。
けれどそれでも、自身に課せられた業を、ただ愚直なまでに果たそうとした、スペシャルウィーク。
いつでも、どんな戦いの折も、鞍上の意に添うように懸命であった、スペシャルウィーク。
どなたかの言葉を借りれば、王者でありながら挑戦者だった、スペシャルウィーク。
生涯、忘れ得ない名馬です。
では、以上オオハシでした。これから走る馬、人すべてが無事でありますように。