競馬ネタが自己内停滞中の為、他愛のない事をつづる(其の三)。

最近読了した小説は、新田次郎の『強力伝・孤島』(新潮文庫)のかろむわんでございます。

現在の気象庁(当時は中央気象台)に勤務し、富士山の気象レーダー建設にも携わったという新田次郎。私は、自然と相対する人間を描く、その清廉な筆致が好きです。文章から、自然に対して畏敬を持っている人の、本当の謙虚さを感じるのですね。また、長編を描く際の構成力の確かさは、さすがに叩き上げの科学者という印象を持ちます。なんでも、小説の物語の進行について時系列の表を作成してから、 執筆にかかったという事です。

あと、新田次郎が気象庁に務めていた時、新聞小説の原稿を依頼する為に訪れた、当時新聞記者の司馬遼太郎に対して、その依頼が受けられない理由を建設的に説明して断ったというしびれるエピソードも知られています。いま考えると、大物二人のとんでもない邂逅です-このエピソードは、『以下、無用の事ながら』(文春文庫)という司馬遼太郎のエッセイをまとめた作品で知りました-。

ずいぶん以前に表のページの日記にも書きましたが、新田次郎、藤原ていさん、藤原正彦さんというこの親子3人の小説、作品を一時期に読んでいました。なかなか親子3人の作品を読むことはないですね。一番先に手に取ったのは子息が翻訳された、トンデモ本(笑)として知られている『増補月の魔力』(A.L.リーバー著。東京書籍)でした。その後に子息のエッセイ集に出会い、父君の『アラスカ物語』(新潮文庫)を読み、母堂の『流れる星は生きている』(中公文庫)を読んだ次第です。

読んでいるジャンルは唐突に飛んでしまいますけれど、いま読んでいる本は、某100円ショップで購入した新美南吉の作品集です。青空文庫を再編集しただけとはいえ、100円で名作を読めるのはナイスです。『ごん狐』、『手袋を買いに』、『赤い蝋燭』など、ずいぶん昔に触れた作品群です。いまの子どもたちにも読んでほしいものです。いえ、大人のである私たちが知っていなければならない、作品群なのかもしれませんね。

取り留めのない終わり方ですみません。以上、かろむわんでした。いまを生きる人、すべてが幸せでありますように。

コメント

  1. blandford より:

    こんにちわ^^
    人生を豊かにしてくれるものが4つあって、ひとつが競馬、ひとつが本、もうひとつが映画、最後のひとつが女のこです(笑)
    本を読む人生は素晴らしくて、仕事や競馬で忙しくて暫らく本を読めないと、自分が枯れてくる気がします。

    自分的に最近は小説がえりしてまして、元々翻訳文学が大好きなのですが、最近は日本人が日本語で書いた作品を読み漁ってます。

    超オススメが久生十蘭という作家なんですが、あまり刊行されてないんですよね・・・うむむ。
    新田次郎さんはまだ読んだことがありません。近々チャレンジしてみますね^^

  2. かろむわん より:

    ◎blandford様
    他愛ないlogに対してのコメント、ダイナサンキューです。

    >人生を豊かにしてくれるもの
    4つとも同意。特に4つ目は強く同意(笑)。

    >自分が枯れてくる気がします。
    つまらない私のblogでもアウトプットには違いなく、インプットがなければ、ダメになっていくのがよく分かります。豊かさという栄養を、読むことで摂取しているのでしょう。

    以上でございまーす。

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