第76回日本ダービー(JpnI)の勝ち馬。

ロジユニヴァース 牡 鹿毛 2006.3.11生 安平・ノーザンファーム生産 馬主・久米田正明氏 美浦・萩原清厩舎

ロジユニヴァース(2006.3.11)の4代血統表
ネオユニヴァース[A]
鹿毛 2000.5.21
種付け時活性値:1.25
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
Halo
黒鹿毛 1969.2.7
Hail to Reason 1958.4.18
Cosmah 1953.4.4
Wishing Well
鹿毛 1975.4.12
Understanding 1963.2.17
Mountain Flower 1964.3.23
ポインテッドパス
栗毛 1984.4.27
Kris
栗毛 1976.3.23
Sharpen Up 1969.3.17
Doubly Sure 1971.5.3
Silken Way
栗毛 1973
★Shantung 1956.1.25
Boulevard 1968
アコースティクス
鹿毛 2001.3.6
仔受胎時活性値:1.00
Cape Cross[A]
黒鹿毛 1994.3.13
種付け時活性値:1.50
Green Desert
鹿毛 1983.4.16
Danzig 1977.2.12
Foreign Courier 1979.4.11
Park Appeal
黒鹿毛 1982.4.9
Ahonoora 1975.4.12
Balidaress 1973.4.22
ソニンク
黒鹿毛 1996.2.8
仔受胎時活性値:1.00
★Machiavellian[x]
黒鹿毛 1987.1.31
種付け時活性値:0.00
★Mr. Prospector 1970.1.28
Coup de Folie 1982.4.2
Sonic Lady
鹿毛 1983.2.15
仔受胎時活性値:1.00
Nureyev[A]
鹿毛 1977.5.2
種付け時活性値:1.25
Stumped
鹿毛 1977.3.17
仔受胎時活性値:1.25

<5代血統表内のクロス:Halo3×5、Northern Dancer5×5>

ロジユニヴァース(2006.3.11)の中島理論的総括
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 何番仔?
Cape Cross
(アコースティクス)
4.25 曾祖母が全欧3歳牝馬王者
(No.B3)
2番仔
(2連産目)
第76回日本ダービー(JpnI)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
3F
馬体重
[前走比]
調教師
1 1 ロジユニヴァース 牡3 57 横山典弘 2:33.7    39.2 506
[+16]
萩原清 2
2 12 リーチザクラウン 牡3 57 武豊 2:34.4 4 40.2 516
[+10]
橋口弘次郎 5
3 10 アントニオバローズ 牡3 57 角田晃一 2:34.4 アタマ 39.8 512
[+2]
武田博 8
4 7 ナカヤマフェスタ 牡3 57 蛯名正義 2:34.5 1/2 39.0 458
[+8]
二ノ宮敬宇 9
5 2 アプレザンレーヴ 牡3 57 内田博幸 2:34.7 3/4 39.6 530
[+4]
池江泰郎 4
第76回日本ダービー(JpnI)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.8-11.0-11.8-12.1-12.2-12.4-13.2-13.8-14.7-13.2-12.9-13.6
上り 4F 54.4-3F 39.7

単勝1.7倍の圧倒的1番人気に押された第69回皐月賞(JpnI)を不可解な14着惨敗。初めて味わった挫折、苦難の中での立て直し。そうして迎えた日本ダービー当日は不良馬場。色々な事どもを乗り越えた先にあったもの。それは「やっぱり強かった」ロジユニヴァースの姿。日本ダービー父仔制覇、なしたのは皐月賞馬アンライバルド(2006.4.13)ではなく、ロジユニヴァースでした。

ネオユニヴァースは別々の仔で皐月賞、日本ダービーと父仔制覇を遂げました。初年度産駒からその芸当を見せたのはネオユニヴァースの父サンデーサイレンス以来。「産駒の出来が良い」ということは喧伝されてはいましたけれど、それにしても、素晴らしい。目を閉じれば、皐月賞のゴール後にミルコ・デムーロ騎手が田中勝春騎手の頭をポカリした姿、薄曇りの中の重馬場だった日本ダービーを堂々と抜け出してきた姿、社台レースホースの勝負服と黄色いメンコと共に思い出します。

そのネオユニヴァースが制した日本ダービーで2着だったゼンノロブロイ(2000.3.27)に騎乗していたのが、ロジユニヴァースの手綱を取った横山典弘騎手。1990年のメジロライアン(1987.4.11)、2003年のゼンノロブロイ、2004年のハーツクライ(2001.4.15)とこれまで3度の2着があったものの、どうしても届かなかった「ダービージョッキー」の称号。そんな彼がデビュー24年目、15回目の騎乗でついに悲願を達成。レース後のウイニングランで帽子を取って馬上から礼をした姿、そしてテレビ中継の勝利騎手インタビュー。東海以西のフジテレビ系列の中継では尻切れトンボになってしまったコメント。

ジーワンもそうですけど、未勝利でも、500万でも、馬たちにとっては、大事な1勝ですから

……ああ、横山典弘がダービージョッキーになって良かったなぁとホントに思いました。そんな1勝を大事にする横山騎手のJRA通算1988勝目。ロジユニヴァースよ、横山騎手と共によくぞ頑張ってくれた。本当にエライ。

また、ロジユニヴァースが初めての持ち馬となった久米田正明オーナー。初めての持ち馬であるロジユニヴァースが、そのまま初出走初勝利を飾り、挙げ句、日本ダービーまで制してしまいました。「強運」という言葉でまとめるマスコミもありましたけれど、Sponichi Annexの記事(12)を見れば、相当に長い間競馬を見て来られたご様子。皐月賞で一敗地にまみれたものの、見事に巻き返した日本ダービー。そんな愛馬の姿、久米田オーナー、ゴールの瞬間、果たして、どのようにご覧になったのでしょうか。

では、以下にロジユニヴァースのごく簡単な近親牝系図を示しておきます。

Sonic Lady 1983.2.15 英愛仏8勝 愛1000ギニー(GI)含むGI3勝(重賞計7勝)
|Hazaam 1989.4.4 英UAE伊8勝 シュプリームS(英GIII)ほか英GII2着1回3着1回
|Sharman 1990.3.24 仏米7勝 ジョンシェール賞(仏GIII)ほか仏GIII2着1回
|ソニンク 1996.2.8 不出走
||アコースティクス 2001.3.6 不出走
|||ロジユニヴァース 2006.3.11 (本馬) 日本ダービー(JpnI) 弥生賞(JpnII) ラジオNIKKEI杯2歳S(JpnIII) 札幌2歳S(JpnIII)
||モンローブロンド 2002.3.2 中央4勝 ファンタジーS(現JpnIII)2着
||ノットアローン 2005.2.15 現役 若葉S(OP) ラジオNIKKEI賞(JpnIII)2着 セントライト記念(JpnII)3着

過去の重賞勝ちの折にも紹介していますけれど、ロジユニヴァースの牝系は英国の半血馬に遡るというB3ファミリーですね。このB3ファミリーが特例でサラブレッドとして認められたのが今から40年前の1969年。不良馬場で行われた日本ダービーは、やはり今から40年前の1969年にダイシンボルガード(1966.3.4)が制して以来。そのダイシンボルガードも皐月賞14着からの巻き返し。不思議な数字の巡り合わせ。

余談となりますが、久米田オーナーが上述のリンク先で印象に残る馬として挙げていらっしゃったのがカブトシロー(1962.3.24)。そのカブトシローが制した重賞3勝のうち2勝は、ダイシンボルガードの主戦だった大崎昭一さん。そうして、縁が巡り、

その馬に乗っていた大崎昭一さん(元騎手)の息子が、萩原厩舎で調教助手をしていて、調教師になった大竹正博さん。これも縁ですから大竹厩舎には2歳馬を2頭預けています。

年月を重ねることの意味を、思いました。

復権を果たしたロジユニヴァースの3歳秋は、いずこに向かうことになるのでしょう。父が果たせなかった菊花賞制覇を目指すのか、あるいは古馬との戦いを選ぶのか、はたまた祖母が駆けた欧州の馬場を求めるのか。その未来、夢は広がるばかりです。

願わくは、若き王者のこれからに、幸多からんことを。

では、以上オオハシでした。これから走る馬、人すべてが無事でありますように。そしてまた、競馬を愛する人すべてが幸せでありますように。

おまけ。「角田っ!!」を都合9回叫んだ後、「横山典弘っ!!」を5回繰り返し叫ぶオオハシ。

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#追記。この「レースを見ながら叫ぶ」というアイデアのポッドキャストは私のオリジナルではありません。元々はボロ株観光テレビ様にて配信されていた「ボロ株観光ラジオ」が起源と思われます。改めて記しておきます。

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