イシノサンデー(1993.5.29)。

春を迎えると、日々、馬の誕生日を思ってしまうオオハシでございます。という訳で、その日に生まれた馬を辿る企画を、今年2013年も毎週水曜日にお届けしたいと思いました。その第13回は「SS産駒初の栗毛のGI勝ち馬」を。

イシノサンデー 牡 栗毛 1993.5.29生 静内・服部和則氏生産 馬主・(株)イシノ 栗東・山内研二厩舎

イシノサンデー(1993.5.29)の4代血統表
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
種付け時活性値:1.50

Halo
黒鹿毛 1969.2.7
Hail to Reason
黒鹿毛 1958.4.18
Turn-to 1951
Nothirdchance 1948
Cosmah
鹿毛 1953.4.4
★Cosmic Bomb 1944
Almahmoud 1947
Wishing Well
鹿毛 1975.4.12
Understanding
栗毛 1963.2.17
★Promised Land 1954.3.31
Pretty Ways 1953.3.21
Mountain Flower
鹿毛 1964.3.23
Montparnasse 1956
Edelweiss 1959.2.15
ジェフォリー
栗毛 1987.4.30
仔受胎時活性値:1.25
Alydar
栗毛 1975.3.23
種付け時活性値:0.75
Raise a Native
栗毛 1961.4.18
Native Dancer 1950.3.27
Raise You 1946
Sweet Tooth
鹿毛 1965.4.17
★On-and-On 1956.4.24
Plum Cake 1958.4.11
Jeffo
栗毛 1971.4.5
仔受胎時活性値:1.75
Ridan
鹿毛 1959.2.21
種付け時活性値:0.75
Nantallah 1953.3.5
Rough Shod 1944
Silver Service
栗毛 1960.4.15
仔受胎時活性値:0.50
Prince John
栗毛 1953.4.6
種付け時活性値:1.50
En Casserole
栗毛 1952
仔受胎時活性値:1.75

<5代血統表内のクロス:Nasrullah5×5(母方)>

イシノサンデー(1993.5.29)の中島理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
サンデーサイレンス
(Halo系)
Alydar
(Raise a Native系)
Ridan
(Nasrullah系)
Prince John
(Princequillo系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
サンデーサイレンス 5.25 Alyshebaと同牝系
(No.20)
2番仔
(2連産目)

*

第56回皐月賞(GI)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
3F
馬体重
[前走比]
調教師
1 5 イシノサンデー 牡3 57 四位洋文 2:00.7    35.5 464
[-6]
山内研二 4
2 6 ロイヤルタッチ 牡3 57 南井克巳 2:00.8 3/4 35.4 440
[0]
伊藤雄二 1
3 8 メイショウジェニエ 牡3 57 河内洋 2:01.1 2 35.4 442
[+10]
高橋直 9
4 16 ミナモトマリノス 牡3 57 田中勝春 2:01.3 1.1/2 36.3 442
[-2]
浅野洋一郎 3
5 3 ダンディコマンド 牡3 57 村本善之 2:01.6 1.3/4 36.9 466
[-4]
福島信晴 6

弥生賞(GII)を勝った大器ダンスインザダーク(1993.6.5)、スプリングS(GII)を制した2歳王者バブルガムフェロー(1993.4.11)と、2頭の主役候補が居なくなっても、結局は、サンデーサイレンスの仔どうしのワンツーフィニッシュ。「SS四天王」の2頭が居ずとも、残った2頭がキッチリと役目を果たしました。

そしてまた、勝利を収めたイシノサンデーが栗毛でビックリ。この皐月賞までは、サンデーサイレンスの仔は、鹿毛系の、どちらかと言うとSS自身に似た黒っぽい馬がよくよく走っていた印象だったのです。

ところがどっこい、毛色に関わりなく走ることを改めて知らしめた、SSが真に革命的な種牡馬として認知されたレースが、第56回皐月賞だったように思います。

なお、この皐月賞が、当時デビュー6年目の若武者、四位洋文騎手のGI初勝利でした。彼はね、自厩舎、古川平厩舎の所属だったグレートリーフ(1989.5.6)が岸滋彦騎手(現調教助手)の騎乗で勝利を収めた時、ウィナーズサークルにてその馬装を正した上で、「よくやったね」と、クビ筋を撫でて褒め称えるような、優しい馬乗りなんですよ。1993年の月刊優駿7月号か9月号の「ゆうしゅんひろば」に、そんな彼の姿を捉えたファンの記事が載っています。……むぅ、なんという、懐かしい記憶(^^ゞ

あとですね、古川厩舎のマンボツイスト(1995.1.24)で2001年の平安S(GIII)を勝った折のこと。勝ち戻った際、「やったぁ」と本当に嬉しそうだった、四位騎手。師に恩返しが出来た時の弟子の姿は、良いものです。

*

第11回ダービーグランプリの結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 馬体重
[前走比]
調教師
1 4 イシノサンデー 牡3 56 石崎隆之 2:06.9    471
[+9]
山内研二 2
2 8 ユーコーマイケル 牡3 56 水野貴広 2:07.2 1.1/2 444
[+10]
古賀一隆 4
3 1 シンコウウインディ 牡3 56 田中勝春 2:07.9 4 495
[-6]
田中清隆 1
4 7 ウエストサンボーイ 牡3 56 菅原勲 2:07.9 クビ 470
[-4]
千葉博 6
5 9 チアズサイレンス 牡3 56 小林俊彦 2:08.1 1 477
[+7]
山内研二 3

大井のスーパーダートダービー3着から挑んだ盛岡のダービーグランプリ。前走の二の轍は踏まないとばかりに、鮮やかに勝利を収めました。この満3歳秋の砂の2戦で鞍上を務めたのは、南関東の名手、石崎隆之。中央のクラシックホースに地方の雄が跨るという、その組み合わせもさることながら、皐月賞馬が結果として菊花賞(GI)や天皇賞・秋(GI)に向かわなかったところに、新時代の幕開けのひとつを感じたものです。

*

第35回京都金杯(GIII)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
3F
馬体重
[前走比]
調教師
1 1 イシノサンデー 牡4 57.5 四位洋文 2:02.3    35.8 480
[+9]
山内研二 3
2 3 ユウトウセイ 牡7 57 塩村克己 2:02.6 2 36.4 462
[+6]
田中章博 1
3 11 シロキタクロス 牡4 55 角田晃一 2:02.8 1.1/2 36.2 504
[+6]
加藤敬二 7
4 2 セイントリファール 牡4 55 武豊 2:02.8 ハナ 36.1 450
[+6]
大久保正陽 5
5 13 メジロスズマル せん6 54 福永祐一 2:02.8 ハナ 36.7 462
[+2]
大久保正陽 4

この京都金杯はKBS京都の中継で見ていました。雨中の薄曇りの一戦、トップハンデ57.5kgものかは、「実は冠名『ユウ』+闘星」のユウトウセイ(1990.5.31)を2馬身離しての勝利で、皐月賞馬の貫禄を見せたイシノサンデー。サスガの一言でした。

*

栗毛の四白流星、山内家の「丸三葉柏紋」の家紋をあしらったピンクのメンコ、そして「水色、黄一本輪、赤袖」の勝負服。

その馬人のいでたちから、ターフにも、ダートにも映えた、イシノサンデー。

その特異な戦績と、自身の持つアメリカンな血がなせる技でしょうか、フロンティアスピリットを感じさせてくれた馬でした。

  

では、以上オオハシでした。これから走る馬、人すべてが無事でありますように。

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