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2011年12月14日 (水)

初めて意識をして見たクラシック世代を辿る(其の弐)-エルウェーウィン(1990.2.24)-。

私も案外長いこと競馬を見ていることに気付いてしまいました。現2歳の2009年生まれ世代で都合20世代のクラシックを見ることになります。そりゃ、ピチピチの10代やったのに、30代半ばに差し掛かりますわ(笑)

そんな訳で、初めて意識をして見たクラシック世代である、1990年生まれ世代のGI勝ち馬たちを辿ってみたいと思います。

折しも朝日杯フューチュリティステークス(GI)の開催週ということで、其の弐は彼の紹介を。

エルウェーウィン 牡 黒鹿毛 1990.2.24生 愛国・Ermine Holdings生産 馬主・雑古隆夫氏 栗東・坪憲章厩舎

エルウェーウィン(1990.2.24)の4代血統表
Caerleon
鹿毛 1980.3.27
種付け時活性値:0.25
Nijinsky
鹿毛 1967.2.21
Northern Dancer
鹿毛 1961.5.27
Nearctic 1954.2.11
Natalma 1957.3.26
Flaming Page
鹿毛 1959.4.24
Bull Page 1947
Flaring Top 1947
Foreseer
黒鹿毛 1969.4.12
Round Table
鹿毛 1954.4.6
Princequillo 1940
Knight's Daughter 1941
Regal Gleam
鹿毛 1964.3.17
Hail to Reason 1958.4.18
Miz Carol 1953.6.1
Rustic Lace
芦毛 1981.1.20
仔受胎時活性値:2.00(0.00)
Rusticaro
芦毛 1975.5.14
種付け時活性値:1.25
Caro
芦毛 1967.4.11
フォルティノ 1959.4.19
Chambord 1955
Rustica
芦毛 1966
Ribot 1952.2.27
Ruthin 1955
Lacey Brief
鹿毛 1973.5.5
仔受胎時活性値:1.75
★Roi Dagobert
黒鹿毛 1964
種付け時活性値:0.00
Sicambre 1948
Dame d'Atour 1955
Mizzen
黒鹿毛 1965.2.22
仔受胎時活性値:1.75
★New Providence
鹿毛 1956.5.10
種付け時活性値:0.00(2.00)
Reply
鹿毛 1951
仔受胎時活性値:1.25

<5代血統表内のクロス:Bull Page4×5>

エルウェーウィン(1990.2.24)の中島理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
Caerleon
(Nijinsky系)
Rusticaro
(フォルティノ系)
Roi Dagobert
(Sicambre系)
New Providence
(Teddy系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Rusticaro
(フォルティノ)
6.75 or 4.75 ジェニュインと同牝系
(No.4-g)
4番仔

*

第44回朝日杯3歳S(現朝日杯FS、GI)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
3F
馬体重
[前走比]
調教師
1 4 エルウェーウィン 牡2 54 南井克巳 1:35.5    35.2 430
[+4]
坪憲章 3
2 7 ビワハヤヒデ 牡2 54 岸滋彦 1:35.5 ハナ 35.5 478
[+2]
浜田光正 1
3 9 ホクトフィル 牡2 54 柴田政人 1:35.7 1.1/2 35.2 478
[+2]
中野隆良 8
4 1 インターマイウェイ 牡2 54 的場均 1:35.7 クビ 35.3 450
[0]
中村均 6
5 8 ニホンピロスコアー 牡2 54 岡部幸雄 1:35.8 1/2 35.8 500
[+2]
伊藤雄二 2

単勝1.3倍の圧倒的1番人気に推されたビワハヤヒデ(1990.3.10)。新馬戦1.7秒差の大差圧勝の後、もみじS(OP)1分34秒3、デイリー杯3歳S(現デイリー杯2歳S、GII)1分21秒7と連続レコード勝ちならば、致し方なし。彼の真価は、実は満3歳秋以降に見せ付けられるのですが、それはまた、別のお話。

本稿の主役エルウェーウィンは、新馬戦をタイム差なしのハナ差勝ち、京都3歳S(現京都2歳S、OP)をマルカツオウジャ(1990.5.4)と同着で1着。3戦3勝の芦毛馬と2戦2勝の黒鹿毛馬の背には、共に岸滋彦騎手(現調教助手)の姿がありました。平成初頭の4年を見ると、1989年にサンドピアリス(1986.5.17)のエリザベス女王杯(GI)、1990年にエイシンサニー(1987.3.29)のオークス(GI)、1991年と1992年にダイタクヘリオス(1987.4.10)によるマイルCS(GI)連覇と、GIレースにおいて、キシキシュの活躍がまま見られたのです。故に良馬が彼に集まってくるのも止むなし。そして、この満2歳王者決定戦での騎乗馬において天秤に掛けた時、ビワハヤヒデを選んだのは、その勝ちっぷりからも当然でした。

背が空いたエルウェーウィンの新しい鞍上に据えられたのは南井克巳騎手(現調教師)。彼に白羽の矢が立ったのは、後の奇縁を思う時に必然だったのでしょうか。

迎えた第44回朝日杯3歳S。レースは、シュアリーウィン(1990.5.9)が果敢な逃げを見せて始まり、ビワハヤヒデは王者の競馬をすべく3番手、エルウェーウィンはそれを見るように6番手の集団に位置しました。そうして、直線。

かたや、ここまで楽な勝ちっぷりだったビワハヤヒデ。初めて自身に喰らい付いて来た馬に面食らったのでしょうか。こなた、ここまでハナ差、同着と意地でも勝利を収めて来たエルウェーウィン。最後は南井騎手の豪腕と気迫の力も借りて、やはりタイム差なしのハナ差で、強敵を打ち破りました。エルウェーウィン、この勝利を以てして、当年1992年のJRA最優秀3歳(現2歳)牡馬に選出されたのでした。

*

このエルウェーウィンの朝日杯が、エルウェーウィン、シンコウラブリイ(1989.2.2)、ビワハイジ(1993.3.7)、フサイチコンコルド(1993.2.11)、ゼンノエルシド(1997.3.26)と5頭のJRAGIホースを送り込むことになった名種牡馬Caerleonにとって、初めてのJRAGI勝ちでもありました。いずれも思い出深い馬たちですが、やはり私にとっては、「愛国からのベストマイラー」シンコウラブリイが、この5頭中では筆頭にあがります。

シンコウラブリイ 牝 鹿毛 1989.2.2生 愛国・ファイアーストーン夫妻生産 馬主・安田修氏 美浦・藤沢和雄厩舎

シンコウラブリイ(1989.2.2)の4代血統表

Caerleon
鹿毛 1980.3.27
種付け時活性値:0.00(2.00)
Nijinsky
鹿毛 1967.2.21
Northern Dancer
鹿毛 1961.5.27
Nearctic 1954.2.11
Natalma 1957.3.26
Flaming Page
鹿毛 1959.4.24
Bull Page 1947
Flaring Top 1947
Foreseer
黒鹿毛 1969.4.12
Round Table
鹿毛 1954.4.6
Princequillo 1940
Knight's Daughter 1941
Regal Gleam
鹿毛 1964.3.17
Hail to Reason 1958.4.18
Miz Carol 1953.6.1
ハッピートレイルズ
鹿毛 1984.5.29
仔受胎時活性値:1.00
ポッセ
栗毛 1977.5.15
種付け時活性値:1.50
Forli
栗毛 1963.8.10
Aristophanes 1948
Trevisa 1951
In Hot Pursuit
鹿毛 1971.5.12
★Bold Ruler 1954.4.6
Lady Be Good 1956.3.9
ロイコン
鹿毛 1975.3.4
仔受胎時活性値:2.00(0.00)
High Top
黒鹿毛 1969
種付け時活性値:1.25
Derring-Do 1961
Camenae 1961
Madelon
黒鹿毛 1970
仔受胎時活性値:1.00
セントクレスピン
栗毛 1956
種付け時活性値:1.25
Azurine
鹿毛 1957
仔受胎時活性値:1.00

<5代血統表内のクロス:なし>

シンコウラブリイ(1989.2.2)の中島理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
★Caerleon
(Nijinsky系)
ポッセ
(Forli系)
High Top
(Dante系)
セントクレスピン
(Aureole系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
ポッセ
(Riot)
5.00 or 3.00 半弟タイキマーシャル
(No.4-d)
初仔

シンコウラブリイ、去る12月5日に蹄葉炎で逝ってしまった、とのこと。オメメぱっちりの美人さんが、夕映えの府中芝1800mで叩き出した1分45秒5の日本レコード、土砂降りにも負けなかった引退レースのマイルCS。シンコウラブリイ、名伯楽・藤沢和雄調教師が手掛けた初めての重賞勝ち馬にして、初めてのGI勝ち馬でした。

*

閑話休題。3戦3勝の無敗で朝日杯を制したエルウェーウィンでしたが、満3歳以降は思うような結果が出せず、もがいていました。そんな彼が、驚くべき一撃を放ったのが、満6歳秋のアルゼンチン共和国杯(GII)でした。

第34回アルゼンチン共和国杯(GII)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
3F
馬体重
[前走比]
調教師
1 7 エルウェーウィン 牡6 53 南井克巳 2:31.8    35.7 432
[-6]
坪憲章 14
2 8 トウカイパレス 牡4 56 佐藤哲三 2:32.0 1.1/2 35.4 476
[-6]
中村均 3
3 16 カミノマジック 牡5 57 菊沢隆仁 2:32.3 1.3/4 36.5 448
[+4]
工藤嘉見 2
4 15 シグナスヒーロー 牡4 52 蛯名正義 2:32.3 クビ 36.0 494
[+4]
田中清隆 9
5 6 オースミベスト 牡4 55 藤田伸二 2:32.4 3/4 36.7 454
[-12]
小林稔 1

53kgのハンデは、満2歳時の朝日杯以来、3年11ヶ月も勝利から見放されていた馬に対して妥当なハンデだったのでしょう。その朝日杯でもパートナーを務めた南井騎手が、軽いハンデも味方にして、エルウェーウィンの眠っていた末脚を復活させました。エルウェーウィンのキャリアを辿れば、2000m超級のレースの出走は、満3歳時の有馬記念(GI)以来のことでした。まったく新しい顔ぶれの中に入ったエルウェーウィン。気持ちがリフレッシュしたのか、チャレンジャーの闘志を持って、見事に勝利を収めたのでした。

なお、このアルゼンチン共和国杯のレース当日である1996年11月16日には、東京競馬場でナリタブライアン(1991.5.3)の引退式もありました。エルウェーウィン、朝日杯では兄ビワハヤヒデから主役の座を奪い、アルゼンチン共和国杯の開催日には弟ナリタブライアンから(一応)主役の座を奪いましたね。南井騎手も、朝日杯ではエルウェーウィンで兄を負かし、負かした相手の弟で朝日杯連覇を果たし、その弟の引退式当日に再びエルウェーウィンで勝利を収める、という連環でした。馬と人、いのちは巡ります。

そしてまた、エルウェーウィンの勝利はこのアルゼンチン共和国杯だけで終わらず、翌1997年3月には中山芝2200mで行われたブラッドストーンS(OP)でも、2着馬に2と2分の1馬身差の快勝を収めました。

1997年のブラッドストーンS(OP)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
3F
馬体重
[前走比]
調教師
1 7 エルウェーウィン 牡7 57 的場均 2:16.2    35.9 442
[0]
坪憲章 3
2 6 インターフラッグ 牡4 55 南井克巳 2:16.6 2.1/2 36.2 424
[0]
工藤嘉見 1
3 2 ステージプリマ 牝5 54 坂本勝美 2:16.8 1 36.8 512
[-4]
野平祐二 4
4 8 アドマイヤラピス 牝5 54 岡部幸雄 2:16.8 アタマ 36.6 432
[-10]
橋田満 2
5 4 フライトスズカ 牡5 56 横山典弘 2:17.0 1.1/4 37.1 486
[0]
橋田満 5

こうして見ると、「自分を袖にした騎手が上位人気馬に騎乗した時にエルウェーウィンの闘志に火が付いた」、という感じも無きにしも非ず。なお、このレースは出走8頭中最も重い57kgを背負っての勝利でした。エルウェーウィン、自力の確かさを改めて見せたのです。

いずれにせよ、満6歳秋から満7歳春にかけて、2度の勝利を収めて復活を見せた2歳王者エルウェーウィン。転んでも、転びっぱなしで終わらなかったのは、ただただお見事でした。

現在はホースガーデンしらおいで余生を送っているエルウェーウィン。小柄な黒鹿毛は、老いても美しさを損なわず、元気に過ごしているようです。どうぞ息災に。

  

では、以上オオハシでした。これから走る馬、人すべてが無事でありますように。

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