2016年のクラシック候補生を確認する(牡馬編・其の参)。

2016年のクラシックで覇を競う2013年生まれ世代の馬たちは、稀に見るハイレベルの様相を呈していますね。そんな訳でじわじわとご案内して行こうと思います。

プロフェット 牡 鹿毛 2013.2.27生 安平・ノーザンファーム生産 馬主・(有)キャロットファーム 栗東・池江泰寿厩舎

プロフェット(2013.2.27)の4代血統表
ハービンジャー
鹿毛 2006.3.12
種付け時活性値:1.50
Dansili
鹿毛 1996.1.27
▲デインヒル
鹿毛 1986.3.26
★Danzig 1977.2.12
Razyana 1981.4.18
Hasili
鹿毛 1991.3.12
Kahyasi 1985.4.2
Kerali 1984.3.4
Penang Pearl
鹿毛 1996.3.11
Bering
栗毛 1983.3.20
Arctic Tern 1973
Beaune 1974.4.10
Guapa
鹿毛 1988.5.4
Shareef Dancer 1980.3.3
Sauceboat 1972
ジュモー
栗毛 2006.2.9
仔受胎時活性値:1.50
タニノギムレット
鹿毛 1999.5.4
種付け時活性値:1.50
ブライアンズタイム
黒鹿毛 1985.5.28
Roberto 1969.3.16
Kelley’s Day 1977.5.11
タニノクリスタル
栗毛 1988.4.4
クリスタルパレス 1974.3.25
タニノシーバード 1972.4.27
ビスクドール
栗毛 1998.3.19
仔受胎時活性値:1.75
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
種付け時活性値:0.75
★Halo 1969.2.7
Wishing Well 1975.4.12
フェアリードール
栗毛 1991.2.13
仔受胎時活性値:1.50
Nureyev
鹿毛 1977.5.2
種付け時活性値:1.25
Dream Deal
栗毛 1986.3.7
仔受胎時活性値:1.00

<5代血統表内のクロス:Northern Dancer5×5×5、Sea-Bird5×5、Hail to Reason5×5>

プロフェット(2013.2.27)の中島理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
ハービンジャー
(Danzig系)
タニノギムレット
(Roberto系)
サンデーサイレンス
(Halo系)
Nureyev
(Northern Dancer系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
ハービンジャー 5.75 トゥザヴィクトリーと同牝系
(No.9-f)
初仔

有限会社キャロットファームの「緑、白二本輪、白袖赤一本輪」の勝負服による、ワンツースリーフィニッシュとなりました、2016年の京成杯(GIII)。その3連星の先頭を駆けたのは、プロフェット。それは2015年のベルーフ(2012.1.21)に続く、池江泰寿厩舎所属のハービンジャー産駒による連覇でもありました。

プロフェットの最優性先祖である父ハービンジャーは、現役時代9戦6勝。その主な勝ち鞍に”キング・ジョージ”(英GI)、ハードウィックS(英GII)、オーモンドS(英GIII)、ジョンポーターS(英GIII)、ゴードンS(英GIII)と重賞5勝。勝った重賞はすべて12F以上という徹底ぶりです。特筆すべきは生涯唯一のGI勝ちとなった”キング・ジョージ”。テン乗りとなったオリビエ・ペリエ騎手を背に、アスコット12Fのコースレコードとなる2分26秒78、そして2着のケープブランコ(2007.4.20)に11馬身差というレース史上最大着差での大圧勝でした。

*

ドレッドノータス 牡 栗毛 2013.3.9生 安平・ノーザンファーム生産 馬主・(有)キャロットファーム 栗東・矢作芳人厩舎

ドレッドノータス(2013.3.9)の4代血統表
ハービンジャー
鹿毛 2006.3.12
種付け時活性値:1.50
Dansili
鹿毛 1996.1.27
▲デインヒル
鹿毛 1986.3.26
★Danzig 1977.2.12
Razyana 1981.4.18
Hasili
鹿毛 1991.3.12
Kahyasi 1985.4.2
Kerali 1984.3.4
Penang Pearl
鹿毛 1996.3.11
Bering
栗毛 1983.3.20
Arctic Tern 1973
Beaune 1974.4.10
Guapa
鹿毛 1988.5.4
Shareef Dancer 1980.3.3
Sauceboat 1972
ディアデラノビア
栗毛 2002.1.28
仔受胎時活性値:0.50
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
種付け時活性値:1.75
★Halo
黒鹿毛 1969.2.7
Hail to Reason 1958.4.18
Cosmah 1953.4.4
Wishing Well
鹿毛 1975.4.12
Understanding 1963.2.17
Mountain Flower 1964.3.23
ポトリザリス(ARG)
栗毛 1995.8.22
仔受胎時活性値:1.375
Potrillazo(ARG)
鹿毛 1982
種付け時活性値:1.00
Ahmad 1975
Azalee 1976
Chaldee(ARG)
栗毛 1978
仔受胎時活性値:2.00(0.00)
Banner Sport(USA)
栗毛 1970.3.12
種付け時活性値:1.875
Gevar(ARG)
栗毛 1971
仔受胎時活性値:1.50

<5代血統表内のクロス:Northern Dancer5×5>

ドレッドノータス(2013.3.9)の中島理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
ハービンジャー
(Danzig系)
サンデーサイレンス
(Halo系)
Potrillazo
(Nasrullah系)
Banner Sport
(Raise a Native系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Banner Sport
(ポトリザリス)
5.375 or 3.375 母が重賞3勝の活躍馬
(No.2-u)
5番仔
(5連産目)

2015年の京都2歳S(GIII)を制してハービンジャー産駒初の2歳重賞勝ち馬となったのは、ドレッドノータス。新馬からGIII連勝はサスガに母ディアデラノビアの良血馬。そうして、武豊騎手はデイリー杯2歳S(GII)のエアスピネル(2013.2.10)、東京スポーツ杯2歳S(GIII)のスマートオーディン(2013.2.20)に続いての3週連続2歳重賞制覇となりました。3頭共にいずれ違わぬ素質馬ですが、ユタカさんの身はひとつ。そしてまた、立ちはだかるその他の同期生も強力馬ばかり。恐ろしい世代です。

ドレッドノータスの最優性先祖である曾祖母父Banner Sportは、米国で2勝、稼いだ賞金も8255ドルというマイナー種牡馬です。Banner Sportは、配合面では父Raise a Nativeが満8歳時の0交配、母父Princequillo(1940)も満16歳時の0交配と仕掛けられており、母系も伯母に米年度代表馬の名牝Busher(1942)を持つ名牝系La Troienne(1926)ということが評価されたのか、種牡馬として供用されました。とは言え、Thoroughbred Horse Pedigree Queryで確認する限りでは、主な産駒は米9勝を挙げ14万8708ドルを稼いだWon’t She Tell(1984.3.26)が目立つくらいです。ただ、Won’t She Tellはその母Won’t Tell You(1962)ということで、20世紀最後の米3冠馬Affirmed(1975.2.21)の半妹です。また、Won’t She Tellの仔リーピングキャット(2000.2.29)は、社台のお母様である吉田和子さんの勝負服でマル外として日本で走り、中央4勝を挙げました。

あと、マカヒキ(2013.1.28)とサトノダイヤモンド(2013.1.30)同様、ドレッドノータスも直牝系がアルゼンチン牝系ですね。ボトムラインにも流行がある、というところでしょうか。最後に、シーザリオ(2002.3.31)&リオンディーズ(2013.1.29)、エアメサイア(2002.2.4)&エアスピネル、そしてディアデラノビア&ドレッドノータスと、2005年の優駿牝馬(GI)の1、2、3着馬が、仔どうしも同い年で重賞勝ち馬になるという巡り合わせ。

時は駆け、血は通い、そして命が交差します。

  

では、以上オオハシでした。これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

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