積み重ねてダートジーワン7勝目-ブルーコンコルド(2000.4.11)-。

南部杯、ブルーコンコルドが3連覇でGI・7勝目(netkeiba.com)

ブルーコンコルド 牡 鹿毛 2000.4.11生 新冠・川上悦夫氏生産 馬主・(株)ブルーマネジメント 栗東・服部利之厩舎

ブルーコンコルド(2000.4.11)の4代血統表
フサイチコンコルド
鹿毛 1993.2.11
種付け時活性値:1.50
Caerleon
鹿毛 1980.3.27
Nijinsky
鹿毛 1967.2.21
Northern Dancer 1961.5.27
Flaming Page 1959.4.24
Foreseer
黒鹿毛 1969
Round Table 1954.4.6
Regal Gleam 1964
バレークイーン
鹿毛 1988.4.16
Sadler’s Wells
鹿毛 1981.4.11
Northern Dancer 1961.5.27
Fairy Bridge 1975
Sun Princess
鹿毛 1980.5.18
★イングリッシュプリンス 1971.5.8
Sunny Valley 1972
エビスファミリー
青鹿毛 1992.4.11
仔受胎時活性値:1.75
ブライアンズタイム
黒鹿毛 1985.5.28
種付け時活性値:1.50
Roberto
鹿毛 1969.3.16
Hail to Reason 1958.4.18
Bramalea 1959.4.12
Kelley’s Day
鹿毛 1977.5.11
Graustark 1963.4.7
Golden Trail 1958
エビスベローチエ
黒鹿毛 1976.3.4
仔受胎時活性値:1.75
ヴェンチア
黒鹿毛 1957
種付け時活性値:0.50
Relic 1945
Rose O’Lynn 1944
ヤマユリ
青毛 1965.4.16
仔受胎時活性値:0.50
ネヴァービート
栃栗毛 1960
種付け時活性値:1.00
エベレスト
鹿毛 1945.3.23
仔受胎時活性値:0.75

<5代血統表内のクロス:Northern Dancer4×4、Hail to Reason5×4>

ブルーコンコルド(2000.4.11)の中島理論的総括
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 何番仔?
フサイチコンコルド 4.75
(No.7-C アストニシメント系)
2番仔
(2連産目)
第21回マイルチャンピオンシップ南部杯(JpnI)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
3F
馬体重
[前走比]
調教師
1 14 ブルーコンコルド 牡8 57 幸英明 1:37.3       504
[+6]
服部利之 2
2 6 メイショウバトラー 牝8 55 武豊 1:37.6 2    522
[+7]
高橋成忠 4
3 3 ワイルドワンダー 牡6 57 岩田康誠 1:37.9 1 3/4    464
[+10]
久保田貴士 1
4 13 キングスゾーン 牡6 57 安部幸夫 1:39.0 7    509
[-2]
今津博之 6
5 12 スウィフトカレント 牡7 57 勝浦正樹 1:39.9 6    474
[+2]
森秀行 5

第21回マイルチャンピオンシップ南部杯(JpnI)。「同一ジーワン3連覇」と「ダートジーワン7勝目」という偉業を同時に達成したのは古豪ブルーコンコルドでした。2馬身差の2着は同い年の牝馬メイショウバトラー(2000.4.19)。8歳の両頭、「老いてますます盛ん」とはこのことですね。

さて、ブルーコンコルドの快進撃は幸英明騎手とのコンビによって始まったように思います。幸騎手とのコンビでの成績を以下の表に示すと、

ブルーコンコルドの幸英明騎手とのコンビでの成績
条件距離 出走回数 1着 2着 3着 着外
ダート1200m 3 1 1 0 1
ダート1400m 5 5 0 0 0
ダート1600m 10 5 4 0 1
ダート1900m 1 0 0 1 0
ダート2000m 4 1 1 0 2
ダート2100m 2 0 0 0 2
合計 25 12 6 1 6

25戦12勝、2着6回、3着1回。都合18回の連対、19回の複勝圏内という素晴らしい成績です。もうひとつ突っ込んで見るならば、ダート1400mでは5戦5勝の負けなし、ダート1600mでは10戦9連対。この2つの条件距離に限ると15戦14連対という恐ろしい安定感です。あー、今更になって気付く、この遅さ(^_^.)

それにしても、ブルーコンコルドの走りには感心させられます。2歳時に京王杯2歳S(現JpnII)を制して以降8歳までの7年間、毎年必ずオープン以上の勝利を収め、ジーワンは5歳から4年連続勝利。これはブルーコンコルド自身の能力に加え、周囲の人間も手放しで誉められるべきですね。伯楽として知られた故・服部正利調教師の子息、服部利之調教師。父君が育てられたキタノカチドキ(1971.3.27)やニホンピロウイナー(1980.4.27)、リードホーユー(1980.4.21)等に、なんら引けを取らないブルーコンコルドという名馬を、大切に管理されています。馬が人に応え、人が馬に応える。ただただ、素晴らしい。

また、ブルーコンコルドの父であるフサイチコンコルド産駒の上級馬に見られる傾向としては、

  1. 高齢になっても能力の減退なく息の長い活躍が見られる
  2. 非根幹距離を得意とする

というところがあると思います。

たとえば、バランスオブゲーム(1999.4.22)。2歳時の新潟2歳S(現JpnIII、当時1400m)に始まり、3歳時の弥生賞(現JpnII)とセントライト記念(現JpnII)、4歳時の毎日王冠(GII)、6歳時の中山記念(GII)、そして7歳時の中山記念とオールカマー(GII)。惜しむらくは5歳時の重賞未勝利ですが、それでもジーツー6勝はJRA最多勝の記録です。なお、重賞勝ちの距離を見ると1400m1勝、1800m3勝、2000m1勝、2200m2勝ですね。

また、オースミハルカ(2000.4.2)。3歳時のチューリップ賞(現JpnIII)とクイーンS(現JpnIII)、4歳時のクイーンSと府中牝馬S(GIII)、併せて4歳時と5歳時にエリザベス女王杯(GI)2年連続2着。重賞勝ちの距離を見ると1600m1勝、1800m3勝。また、GI連対を果たした2回のエリザベス女王杯の距離は2200mです。

そして、ブルーコンコルド。彼はマイルも得意ですしダート2000mの東京大賞典(現JpnI)勝ちもありますので非根幹距離云々は当てはまらないかもしれませんが、それでも↑に示した幸騎手とのコンビで挑んだ時のダート1400mでの強さは恐ろしいものです。

ついで、ブルーコンコルドの直牝系は、小岩井農場の基礎繁殖牝馬アストニシメント(1902)を祖とする7号族です。輸入以来100年を超える年月を重ねた在来牝系から輩出されたブルーコンコルド。昨今は輸入繁殖牝馬が全盛ではありますが、先人が導入した血は色あせることなく、世紀をまたいでなお、活躍馬を送り続けています。日本のホースマンの皆さんは、連綿と100年も連ねて来られたおのが仕事の積み重ねを、もっともっと誇って良いですよ。

参考として、アストニシメント系から輩出された近年の名馬を記しておきます。

満7歳秋にして天皇賞・秋(GI)を制したオフサイドトラップはブルーコンコルドと同じくエベレストを4代母に持っています。

#余談。南部杯2着のメイショウバトラーの直牝系は小岩井農場の基礎繁殖牝馬ビューチフルドリーマー(1903)を祖とする12号族です。やはり在来牝系の底力を思います。

ブルーコンコルドにはジーワン8勝目の期待がかかります。統一ジーワンばかり7勝で地味に見えますけれど、ジーワンには違いありません。

「若い者にはまだまだ負けんぜよ」。

ブルーコンコルドの気概が見えた時。その先には誰もが成し得なかったジーワン8勝目が待っているように思います。服部調教師をはじめとする厩舎スタッフ、幸騎手ともども、ぜひ頑張ってほしいものですね。

ではでは、今日はこのへんで♪

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