土曜日の2歳戦の回顧をば。500万下戦1クラ、新馬戦3クラ、未勝利戦4クラ。
札幌の500万下戦(芝1200m)を制したのは(父)(市)[地]モエレフェンリル(2003.2.23、牡、鹿毛)。北海道・堂山芳則厩舎の所属。その4代血統構成は『ダンスインザダーク×サクラユタカオー×マルゼンスキー×エンペリー』で『Halo系×Princely Gift系×Nijinsky系×Vaguely Noble系』の配合です。5代血統表内ではNijinsky(1967.2.21)3×4のクロスがあります。モエレフェンリルの牝系は米国産の牝馬エンペリーズゴールド(1978.3.20)を日本の基礎繁殖とする8号族。近親の活躍馬にはそのエンペリーズゴールドの仔に阪急杯(GIII)と札幌SS(現函館SS、GIII)を制したゴールドマウンテン(1989.4.7)、阪神障害S・秋(現阪神JS、J・GIII)の勝ち馬ゴールドストリート(1988.3.26)がおり、モエレフェンリルの叔父にNZT4歳S(現NZT、GII)2着のジュエリーソード(1996.5.17)がいます。モエレフェンリルは母ブルーデキシー(1994.4.7)が4連産目の4番仔。
札幌の新馬戦(芝1200m)を勝ち上がったのはペリー(2003.5.2、牡、芦毛)。うわ、一昨日取り上げたペリーがホンマに勝ち上がってしまいました。Ped Netに登録されていなかったから、昨日登録したんですよ(笑)。自身の名前と父親からちょっとした話題になりそうです。さて、ペリーは栗東・武邦彦厩舎の所属。その4代血統構成は『クロフネ×メジロライアン×Smarten×★Hail to Reason』で『Deputy Minister系×ノーザンテースト系×Turn-to系×Turn-to系』の配合です。5代血統表内ではNorthern Dancer(1961.5.27)5×5、Turn-to(1951)5×5(母方)のクロスがあります。ペリーの牝系は米国で受け継がれている21号族。母アマートベン(1995.4.7)はJRA3勝で武幸四郎騎手のクラシック初騎乗馬(1998年桜花賞)です。ペリーは母が不受胎後の2番仔。
新潟の新馬戦(芝1200m)を勝ち上がったのはダンディーズケア(2003.3.13、牡、鹿毛)。美浦・二ノ宮敬宇厩舎の所属。その4代血統構成は『エルコンドルパサー×Link×Good Manners×Cardanil』で『Mr.Prospector系×Lyphard系×Nasrullah系×Djebel系』の配合です。5代血統表内ではNorthern Dancer5×4×4、Nashua(1952.4.14)5×4のクロス、Special(1969)とLisadel(1971)5×5×4(父方)の全姉妹クロスがあります。ダンディーズケアの牝系は南米で受け継がれている12号族。母パルフェアムール(1990.10.20)はウルグアイ産、祖母以降の母系はたどれる範囲ではアルゼンチン産です。ダンディーズケアは母が3連産目の5番仔と推定。なお、ダンディーズケアは3世代しか残せなかった父エルコンドルパサー(1995.3.17)の最後の世代となり、現2歳世代最初の勝ち上がりとなりました。
小倉の新馬戦(芝1200m)を勝ち上がったのは(父)(市)エムエスワールド(2003.4.22、牡、黒鹿毛)。栗東・湯窪幸雄厩舎の所属。その4代血統構成は『★ステイゴールド×マルゼンスキー×マダング×ノーレアセ』で『Halo系×Nijinsky系×Habitat系×Tracery系』の配合です。5代血統表内ではNorthern Dancer5×4のクロスがあります。エムエスワールドの牝系は1号族フラストレート(1900)系。エムエスワールドは母トップワールド(1989.3.29)が8連産目の8番仔。なお、この勝利によりステイゴールド(1994.3.24)産駒はJRA初勝利となりました。おめでとうございます。
札幌の未勝利戦(芝1800m)を勝ち上がったのはマナーハウス(2003.2.15、牡、黒鹿毛)。美浦・武藤善則厩舎の所属。その4代血統構成は『ホワイトマズル×キャロルハウス×Sanhedrin×Shantung』で『Lyphard系×Sir Gaylord系×Hail to Reason系×Sicambre系』の配合です。5代血統表ではSir Gaylord(1959.5.5)5×4、Court Martial(1942)5×5、Bold Ruler(1954.4.6)5×5のクロスがあります。マナーハウスの牝系は欧州で受け継がれている31号族。いとこにクロッカスS(OP)とクリスマスローズS(OP)を勝ちアイビスサマーダッシュ(GIII)3着のトーセンオリオン(2000.3.20)がいます。マナーハウスは母ハウスマヌカン(1992.2.24)が5連産目の5番仔。
新潟の未勝利戦(芝1200m)を勝ち上がったのは(父)(市)シアワセナンダッケ(2003.3.17、牝、青鹿毛)。美浦・久保田貴士厩舎の所属。その4代血統構成は『フジキセキ×トニービン×Lyphard×Riva Ridge』で『Halo系×ゼダーン系×Northern Dancer系×Turn-to系』の配合です。5代血統表内ではクロスはありません。シアワセナンダッケの牝系は欧米で受け継がれている20号族。叔父にマイラーズC(GII)、京王杯SC(GII)共に2着のキスミーテンダー(1996.4.28)がいます。シアワセナンダッケは母ミルズウィスパー(1995.3.14)が3連産目の3番仔。
小倉の未勝利戦(芝1000m)を勝ち上がったのは(父)ツアーデフォース(2003.2.17、牡、鹿毛)。栗東・太宰義人厩舎の所属。その4代血統構成は『★タイキシャトル×Lear Fan×★Lyphard×Prominer』で『Halo系×Roberto系×Northern Dancer系×Hyperion系』の配合です。5代血統表内ではHail to Reason(1958)4×4、Northern Dancer5×4のクロスがあり、Thong(1964)とLt.Stevens(1961)5×4の全兄妹クロスがあります。ツアーデフォースの牝系は欧米で受け継がれている1号族。祖母サング(1978.3.30)は仏米13勝を挙げ重賞10勝、うちGI3勝の名牝です。伯母シャトルサング(1985.4.5)は仏米加10勝でナッソーS(米GII)の勝ち馬、いとこトキオパーフェクト(1995.5.20)はJRA7勝を挙げクリスタルC(GIII)、中日スポーツ賞4歳S(現ファルコンS、GIII)、斤量60kgを背負った銀嶺S(OP)等を制しています。なお、トキオパーフェクトは10歳ですがまだ岩手競馬にて現役で頑張っています。ツアーデフォースは母サンタママ(1997.1.19)の初仔。
小倉の未勝利戦(芝1800m)を1分47秒9の小倉2歳レコードタイムで勝ち上がったのは(外)エイシンチャンドラ(2003.3.6、牡、青鹿毛)。栗東・北橋修二厩舎の所属。その4代血統構成は『Dixie Union×St.Jovite×Lyphard×Never Bend』で『Northern Dancer系×Ribot系×Northern Dancer系×Nasrullah系』の配合です。5代血統表内ではNorthern Dancer3×5×4のクロスがあります。エイシンチャンドラの牝系は米国で受け継がれている5号族。伯父タイトスポット(1987.2.24)は米12勝。アーリントン・ミリオン(米GI)など重賞7勝を挙げ、芝9ハロン1分44秒8の世界タイレコードで駆けた事もある快速馬です。ちなみに、幸英明騎手の初重賞制覇は、タイトスポットの仔であるブラボーグリーン(1994.5.21)による1998年の京阪杯(GIII)でした。なお、このエイシンチャンドラの勝利により、管理される北橋調教師はJRA通算500勝を達成されたということ。おめでとうございます。また、netkeiba.comの記事によりますと、史上3人目の騎手・調教師双方でのJRA500勝達成とのことです。先達のうち1名は故・佐藤勇元調教師と思いますが、もう1名はどなたでしょうか?
ブルーデキシー(Blue Dixie)の仔で始まり、Dixie Union(1997)の仔で終わった土曜日の2歳戦の回顧でした。
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次いで、新潟ジャンプS(J・GIII)もちょこっとだけ。1着メジロベイシンガー(2001.5.30)。メジロライアン(1987.4.11)の仔でJ・GIとなった最初の中山グランドジャンプを制したメジロファラオ(1993.4.17)の妹。牝馬のジャンプ重賞制覇って、ローズムーン(1989.4.16)の中山大障害・秋(現中山大障害、J・GI)以来でしょうか?それにしても、やっぱりジャンプ重賞はモガミ(1976.5.18)とメジロの血なんだなぁと改めて思わせるメジロベイシンガーの血統です。2着マイネルユニバース(1998.3.10)。メジロマックイーン(1987.4.3)とこの間ちょこっと取り上げたユウミロク(1983.3.26)の仔。こちらもゴーカイ(1993.5.6)、ユウフヨウホウ(1997.3.19)というJ・GI勝ち馬の弟です。直線で外から伸びてきた時に「おい、兄弟4頭目の重賞勝ち馬となるか!?」と思わず叫んでしまいましたよ(笑)。これからも、チャンスはあるでしょう。頑張って。