第58回キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(英GI)。

直線、馬場外側から内に切れ込むようにして、先に抜け出したジョニー・ムルタ騎手騎乗の1番人気馬Duke of Marmalade。このまま楽勝かと思ったところ、大外から日本でもおなじみオリビエ・ペリエ騎手騎乗の昨年のジャパンカップ(GI)7着馬ペイパルブル(2003.3.29)が脚勢良く襲い掛かりました。

馬体が合った時、ペリエ騎手の左ムチに応えるペイパルブルの脚色が勝り、いったん「クビ」程前に出たと見えた瞬間。そこはダテにガネー賞(仏GI)、タタソールズGC(愛GI)、プリンスオブウェールズS(英GI)と今年の中距離GIを3連勝して来ていないDuke of Marmalade。ムルタ騎手の右ムチによる激励に応え、ひるむことなく差し返しの根性を見せました。この精神力が洋の東西を問わず一流馬の凄みなのでしょう。

後続を大きく離した両頭の火の出るような叩き合いは、Duke of Marmaladeが半馬身だけ抜け出したところがゴール。GI4連勝で夏の古馬王者となりました。アスコット芝12ハロンの勝ち時計は2分27秒91。この勝ち時計はグランディ(1972.4.3)の2分26秒98、Petoski(1982.2.24)の2分27秒61、Galileo(1998.3.30)の2分27秒71に次ぐ、歴代4位の好タイムでした。相手云々ということはあるかも知れませんけれど、立派な勝ち時計です。

Duke of Marmalade 牡 鹿毛 2004.3.12生 愛国・サザン・ブラッドストック生産 馬主・J.マグナー夫人 愛国・A.P.オブライエン厩舎

Duke of Marmalade(2004.3.12)の4代血統表
デインヒル[A]
鹿毛 1986.3.26
種付け時活性値:0.25

Danzig
鹿毛 1977.2.12
Northern Dancer
鹿毛 1961.5.27
Nearctic 1954.2.11
Natalma 1957.3.26 ♀
Pas de Nom
黒鹿毛 1968.1.27
★Admiral’s Voyage 1959.3.23
Petitioner 1952
Razyana
鹿毛 1981.4.18
His Majesty
鹿毛 1968.4.15
Ribot 1952.2.27
Flower Bowl 1952 ♀
Spring Adieu
鹿毛 1974.5.10
Buckpasser 1963.4.28
Natalma 1957.3.26 ♀
Love Me True
栗毛 1998.2.7
仔受胎時活性値:1.25
Kingmambo[x]
鹿毛 1990.2.19
種付け時活性値:1.75
Mr.Prospector
鹿毛 1970.1.28
Raise a Native 1961.4.28
Gold Digger 1962.5.28
Miesque
鹿毛 1984.3.14
Nureyev 1977.5.2
Pasadoble 1979.4.1
Lassie’s Lady
鹿毛 1981.3.18
仔受胎時活性値:2.00
Alydar[x]
栗毛 1975.3.23
種付け時活性値:1.25
Raise a Native 1961.4.28
Sweet Tooth 1965.4.17
Lassie Dear
鹿毛 1974.5.2
仔受胎時活性値:1.50
Buckpasser[y]
鹿毛 1963.4.28
種付け時活性値:0.50
Gay Missile
鹿毛 1967.3.27
仔受胎時活性値:1.50

<5代血統表内のクロス:Northern Dancer3×5、Native Dancer5・5×5・5、Buckpasser4×4、Natalma(♀)4×4(父方)、Raise a Native4×4(母方)>

Duke of Marmalade(2004.3.12)の中島理論的総括
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 何番仔?
Kingmambo
(Nearctic)
6.25 近親活躍馬多数
(No.3-L)
初仔?

中島理論的にDuke of Marmaladeの配合で面白いところは、父方の4代目の先祖が上手く消却されているところでしょうか。Ribotのブルー0とFlower Bowlのピンク0は、His MajestyとGraustark(1963.4.7)の全きょうだいクロスが3×6で発生していることによります。そしてBuckpasserは活性値の乗算が「0.125」となる為にイエロー0、Natalmaは牝馬クロスによりピンク0として処理されています。上手い。

では、以下にDuke of Marmaladeのごく簡単な近親牝系図を示しておきます。 

Lassie Dear 1974.5.2 米5勝 ヴィリジャーS(GIII)
|Weekend Surprise 1980.4.8 米7勝 ゴールデンロッドS(GIII) スカイラーヴィルS(GIII)
||Summer Squall 1987.3.12 米13勝 プリークネスS(GI) ホープフル(GI)含む重賞7勝
||A.P.Indy 1989.3.31 米8勝 BCクラシック(GI) ベルモントS(GI)含むGI4勝(重賞全6勝)
||Welcome Surprise 1997.2.10 米2勝 ドッグウッドS(GIII)
|Lassie's Lady 1981.3.18 米2勝
||Bite the Bullet 1987.2.4 米5勝 サンフォードS(GII)
||Run for Lassie 1990.2.19 不出走
|||Madison's Charm 1996.3.10 米3勝 カムリーS(GIII)
|||Pebble Island 1998.4.18 愛1勝 デズモンドS(GIII)2着 ガリニュールS(GIII)3着
||Love Me True 1998.2.7 愛1勝 キラヴァレンS(GIII)3着
|||Duke of Marmalade 2004.3.12 (本馬) "キング・ジョージ"(英GI)含むGI4勝
|Charming Lassie 1987.3.6 米1勝
||Lemon Drop Kid 1996.5.26 米10勝 ベルモントS含むGI5勝(重賞全7勝)
|Wolfhound 1989.4.22 英仏米6勝 スプリントC(英GI) フォレ賞(仏GI) ダイアデムS(英GIII)
|Foxhound 1991.2.13 英仏UAE3勝 カブール賞(仏GIII)2着

4歳になって詰めの甘い姿を消し去ったDuke of Marmalade。12ハロンの距離をこなしたことにより、これからどのような路線に向かうか楽しみな強豪ですね。

ではでは、今日はこのへんで。 

コメント

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