直線、馬場外側から内に切れ込むようにして、先に抜け出したジョニー・ムルタ騎手騎乗の1番人気馬Duke of Marmalade。このまま楽勝かと思ったところ、大外から日本でもおなじみオリビエ・ペリエ騎手騎乗の昨年のジャパンカップ(GI)7着馬ペイパルブル(2003.3.29)が脚勢良く襲い掛かりました。
馬体が合った時、ペリエ騎手の左ムチに応えるペイパルブルの脚色が勝り、いったん「クビ」程前に出たと見えた瞬間。そこはダテにガネー賞(仏GI)、タタソールズGC(愛GI)、プリンスオブウェールズS(英GI)と今年の中距離GIを3連勝して来ていないDuke of Marmalade。ムルタ騎手の右ムチによる激励に応え、ひるむことなく差し返しの根性を見せました。この精神力が洋の東西を問わず一流馬の凄みなのでしょう。
後続を大きく離した両頭の火の出るような叩き合いは、Duke of Marmaladeが半馬身だけ抜け出したところがゴール。GI4連勝で夏の古馬王者となりました。アスコット芝12ハロンの勝ち時計は2分27秒91。この勝ち時計はグランディ(1972.4.3)の2分26秒98、Petoski(1982.2.24)の2分27秒61、Galileo(1998.3.30)の2分27秒71に次ぐ、歴代4位の好タイムでした。相手云々ということはあるかも知れませんけれど、立派な勝ち時計です。
Duke of Marmalade 牡 鹿毛 2004.3.12生 愛国・サザン・ブラッドストック生産 馬主・J.マグナー夫人 愛国・A.P.オブライエン厩舎
デインヒル[A] 鹿毛 1986.3.26 種付け時活性値:0.25 |
★ Danzig 鹿毛 1977.2.12 |
Northern Dancer 鹿毛 1961.5.27 |
Nearctic 1954.2.11 |
Natalma 1957.3.26 ♀ | |||
Pas de Nom 黒鹿毛 1968.1.27 |
★Admiral’s Voyage 1959.3.23 | ||
Petitioner 1952 | |||
Razyana 鹿毛 1981.4.18 |
His Majesty 鹿毛 1968.4.15 |
Ribot 1952.2.27 | |
Flower Bowl 1952 ♀ | |||
Spring Adieu 鹿毛 1974.5.10 |
▲Buckpasser 1963.4.28 | ||
Natalma 1957.3.26 ♀ | |||
Love Me True 栗毛 1998.2.7 仔受胎時活性値:1.25 |
Kingmambo[x] 鹿毛 1990.2.19 種付け時活性値:1.75 |
Mr.Prospector 鹿毛 1970.1.28 |
★Raise a Native 1961.4.28 |
Gold Digger 1962.5.28 | |||
Miesque 鹿毛 1984.3.14 |
Nureyev 1977.5.2 | ||
Pasadoble 1979.4.1 | |||
Lassie’s Lady 鹿毛 1981.3.18 仔受胎時活性値:2.00 |
Alydar[x] 栗毛 1975.3.23 種付け時活性値:1.25 |
Raise a Native 1961.4.28 | |
Sweet Tooth 1965.4.17 | |||
Lassie Dear 鹿毛 1974.5.2 仔受胎時活性値:1.50 |
◆Buckpasser[y] 鹿毛 1963.4.28 種付け時活性値:0.50 |
||
Gay Missile 鹿毛 1967.3.27 仔受胎時活性値:1.50 |
<5代血統表内のクロス:Northern Dancer3×5、Native Dancer5・5×5・5、Buckpasser4×4、Natalma(♀)4×4(父方)、Raise a Native4×4(母方)>
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 何番仔? |
---|---|---|---|
Kingmambo (Nearctic) |
6.25 |
近親活躍馬多数 (No.3-L) |
初仔? |
中島理論的にDuke of Marmaladeの配合で面白いところは、父方の4代目の先祖が上手く消却されているところでしょうか。Ribotのブルー0とFlower Bowlのピンク0は、His MajestyとGraustark(1963.4.7)の全きょうだいクロスが3×6で発生していることによります。そしてBuckpasserは活性値の乗算が「0.125」となる為にイエロー0、Natalmaは牝馬クロスによりピンク0として処理されています。上手い。
では、以下にDuke of Marmaladeのごく簡単な近親牝系図を示しておきます。
Lassie Dear 1974.5.2 米5勝 ヴィリジャーS(GIII) |Weekend Surprise 1980.4.8 米7勝 ゴールデンロッドS(GIII) スカイラーヴィルS(GIII) ||Summer Squall 1987.3.12 米13勝 プリークネスS(GI) ホープフル(GI)含む重賞7勝 ||A.P.Indy 1989.3.31 米8勝 BCクラシック(GI) ベルモントS(GI)含むGI4勝(重賞全6勝) ||Welcome Surprise 1997.2.10 米2勝 ドッグウッドS(GIII) |Lassie's Lady 1981.3.18 米2勝 ||Bite the Bullet 1987.2.4 米5勝 サンフォードS(GII) ||Run for Lassie 1990.2.19 不出走 |||Madison's Charm 1996.3.10 米3勝 カムリーS(GIII) |||Pebble Island 1998.4.18 愛1勝 デズモンドS(GIII)2着 ガリニュールS(GIII)3着 ||Love Me True 1998.2.7 愛1勝 キラヴァレンS(GIII)3着 |||Duke of Marmalade 2004.3.12 (本馬) "キング・ジョージ"(英GI)含むGI4勝 |Charming Lassie 1987.3.6 米1勝 ||Lemon Drop Kid 1996.5.26 米10勝 ベルモントS含むGI5勝(重賞全7勝) |Wolfhound 1989.4.22 英仏米6勝 スプリントC(英GI) フォレ賞(仏GI) ダイアデムS(英GIII) |Foxhound 1991.2.13 英仏UAE3勝 カブール賞(仏GIII)2着
4歳になって詰めの甘い姿を消し去ったDuke of Marmalade。12ハロンの距離をこなしたことにより、これからどのような路線に向かうか楽しみな強豪ですね。
ではでは、今日はこのへんで。
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デュークオブママレードの強さの秘密
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